博士が語る、AIと人が共生する未来

尾花佳代氏(以下、尾花):まだお揃いではないのですが、時間が過ぎましたので始めさせていただきます。本日はT-KIDSのトークイベントにお越しくださいまして、本当にありがとうございました。T-KIDS代表の尾花でございます。

今日は、ご予約いただいた方もいらっしゃると思いますが、松田雄馬先生による「人工知能はなぜ椅子に座れないのか: 情報化社会における「知」と「生命」」という書籍刊行を記念したトークイベントになります。

雄馬先生はこうした研究もなさっているのですが、子どもの教育についての話題も織り交ぜながらお話いただければと思っています。

このチラシをご覧いただいた方も多いと思いますが、今日はT-KIDS人気クラスである「親子で学ぶ冒険型教室ファミラボ」の森本先生にもお越しいただきまして、どういったところが面白いのかということを、トークイベントとして一緒にお話しいただく予定です。

最初は松田雄馬先生より本の内容に関して伝えたいことをお話しいただきまして、後半は森本先生と一緒にこの内容について、また最近気になることについて語り合っていただきたいと思います。

さらに、後半以降の時間で、みなさんからも聞いてみたいことなどをどんどん質問してください。全部で1時間くらいの予定なので、これから16時くらいまでお付き合いいただけますでしょうか。それでは、松田雄馬先生と森本先生をご紹介いたします。では、バトンタッチをどうぞ。お願いします。

ドラえもんと誕生日が同じ数理生物学研究者

松田雄馬氏(以下、松田):こんにちは、みなさん。やかましいヤツもいますが……。みなさーん、こーんにちはー!

(会場応答)

あれ、おかしいな? 今日はたくさんのお友だちが来ていると聞いていたのに、なんだかあまり声が聞こえないぞ? よし、もう1回聞いてみよう。みなさん! こーんにちはー!

(会場応答)

松田:はい、どうもありがとうございます! どうもどうも。今日はみなさんお集まりいただき、ありがとうございました。このたびは「人工知能はなぜ椅子に座れないのか」トークイベントということで、人工知能の研究をやらせていただいている松田雄馬と申します。よろしくお願いします。

今日のお話は難しいですよ、みなさん。めちゃくちゃ難しいので、もう目ん玉をこんな感じで見開きながら、耳をこんな感じにして聞いていただければ! まず僕が何者なのかということで、自己紹介のスライドを用意しましたので、それを見ていただきたいと思います。

(スライドを指して)はい、いきなり難しい単語が出てきました。数理生物学という分野の研究者です。それは何の研究かですけど、人工知能というと人間の知能ですね。知能をコンピュータで実現するということなので、では人間とはなんだろうという研究者なんですね。

人間といえば生き物なので、生き物を研究しているということです。生き物をどうやれば理解できるのかというと、数学を使って理解するんですね。ですから、数学を使って生き物を理解する、数理生物学という分野があるのです。

そんな数理生物学の研究者であり、具体的には人工知能を研究しています。という感じです。難しい単語が出てきましたね。どんどん難しくなりますよ。はい、いってみましょう!

こんな感じで難しそうに喋っているわけですよ。どこにでもいる普通の研究者でございます。

松田雄馬。覚え方は、飛ばない飛馬はただの雄馬だ、ということで。星飛馬です。飛ばない星飛馬でございます。はい、この空気感良いですね。どんどんいきます。

1982年9月3日生まれ。ほら、すげぇだろ、みんな大好きドラえもんと同じ誕生日だ、ハッハッハ! ドラえもんと同じ誕生日だということで、だからドラえもんを研究しているわけではありませんが、知能の研究をしています。どんどんいくよ? 

徳島生まれの大阪育ち、高校が奈良で、大学が京都という1人三都物語です。そんな感じです、どんどんいくよ? 

知能の謎に迫りつつ巨大プリンにも挑む

松田:もともとNECの中央研究所というところの研究者で、いろんな大学や企業の共同研究をずっとやっていました。例えば、MITメディアラボで競争デザインプラットホームといって、ぜんぜん分野の違う研究者の人たちが、どうすれば一緒に議論をしたり、研究をしたりすることができるのだろうかというものを開発したり。

あとは、今の研究ですね。人工知能と近いところでいうと、東北大学と一緒に脳型コンピュータ、人間の脳のようなコンピュータをずっと研究していました。その流れの中で博士課程に進んで博士号を取りまして。そんなもんですから、博士といわれる人です。博士です。そんな感じです。

具体的にいうと、「脳はどうやって物を見るのだろう?」という研究をしています。そうした研究をすることによって、人工知能というものを作るということをずっとやってきました。脳とは何か、知能とは何かというような研究を、これまでずっと続けています。

今は旅をしたり、ボーリングをしたりといろいろなことをやっているのですが、実はNECから2年前に独立しまして、合同会社アイキュベータという会社をつくり、そこの代表をしています。こう見えても起業家です! という感じです。

そんな松田雄馬でございますが、もうちょっと僕のパーソナリティを知ってもらいたいなということで、いろんな写真を用意してみました。こんな活動をやっています。

(スライドを指して)巨大プリンを作るぞー、巨大マンゴープリンを作るぞー、巨大シャボン玉を作って中に入るぞー、といった研究もしたり、チベットに行って子どもたちと遊んだり、そんなこともやってきています。

そんな感じの、一言でいえば、どこにでもいる普通の研究者です。たぶん、ちゃんと研究もしています。

人工知能はゴミをうまく捨てられるか

松田:そういうわけで、みなさん。人工知能というと、いろんなところで聞きますよね。これから仕事がなくなっちゃうんじゃないのか、人工知能に負けないためには勉強をすごくしなきゃいけないんじゃないのかなど、いろんな話を聞く機会があるかと思いますが、そこをみなさんと考える時間にしたいと思います。

普通の研究者が、今日は言いたいことがある。ということで、さっそく聞いていただきましょう。

AIブーム、人工知能ブームの昨今ではございますが。仕事が奪われる、人類が滅ぼされるなどとみなさん言うわけですよ。本当か? 

はい、これを見ると人工知能とは何かが一瞬でわかってしまうという、すごい映像を今日は用意しました。映像の内容を今から映画のナレーション風に語るので、静かに耳をこっち側に向けて聞いてもらいたいと思います。

いきますよ。映像の内容はこちらです! 

2XXX年、ついにゴミ収集の仕事まで奪ってしまうロボットが出現しました。やべぇ、人類はゴミ収集の仕事まで奪われてしまうのでありましょうか!? 

このように、ゴミ箱を認識して自動で捨ててくれる。めちゃくちゃ便利ですよね、これ。ヨッコイショ〜という感じで勢いよく捨ててくれましたね……。

(ロボットが捨てたゴミがゴミ箱から溢れ出した映像?)これは一言でいうと、逆に仕事を増やしてくれやがってということですね。なにが仕事を奪ってしまうだよ、という話だと思うのですが。

僕が言いたいのは、ロボットが人間の仕事を奪うなどといろんなことがいわれていますが、実はそんなことはないんだよということです。

情報化社会を冷静に読み解くための一冊

松田:情報化社会により、人間のやることがなくなってしまう、コンピュータが全部人間を超えてしまうなどと簡単にいわれていますが、そこのところ本当なの? ということを落ち着いて考えて見ようということが今日のテーマでございます。

人工知能はなぜ椅子に座れないのか: 情報化社会における「知」と「生命」 (新潮選書)

この本は新潮社さんから出させていただいた「人工知能はなぜ椅子に座れないか」なのですが、なんのために書いたかと一言で言いますと、メディアのあおりに騙されることなく情報化社会を冷静に考えることを目的として、出版いたしました。これを読めば騙されることがなくなるよ、というような感じで書いています。

そんなわけで、さあ、どんどん難しくなりますよ。最後までついてこれるかな!? 

人工知能は今、いろんな話があって、すごいブームだと言われています。しかし実は、いろんなニュースなどを見ていくと、人工知能のブームの流れが変わってきているということを詳細に読み解くことができるんですね。まずはそのニュースの読み方のようなところを、みなさんとやってみましょう。

そのあと、先ほどのゴミ収集ロボットのようなところで、一体なにが学べるのかという、人工知能の真実について、みなさんと勉強してみたいと思います。

第3章では、人工知能ブームだと今は言われていますが、このあと一体どんなことが起こるのか。当然、それがわかれば、これから今の子どもたちがどんどん大きくなるというときに、どのように生きてい行けばいいのか。我々もそうですよね。どうやって生きていくのかということがたちどころにわかってしまいますよ。

最後にまとめとして“人工知能ブームの喧騒を超えて”ということについてお話させていただきたいと思います。

どうだ、難しそうだろう? ということで、やっていきますよ。どんどんいきますよ。