入社1ヶ月でプロダクト開発文化の醸成に挑む
橋本将吾:タイマーは5分でお願いいたします。たぶん、今日5分枠で話すのはめずらしいのでしょうけど、5分枠で話させていただこうと思います。ちょっと短いですけど、よろしくお願いいたします。
ご紹介にあずかりました、エス・ワイ・エスの橋本と申します。自己紹介なんですけど、もともとはSIerで、楽天市場、Speee、そのあとエス・ワイ・エスに入社しております。
開発の責任者としていろいろプロダクトを作らせていただいていたのですが、事業責任者とディレクターとエンジニアのよくある三角形の中でやっていくうちに、「これを作って」とディレクターが仕様を起こしてエンジニアが開発するというよりも、ぼくは「なんのためにそれを作るのか」というところへのこだわりがすごく強いことに気づきまして。だったらプロダクトマネージャーを本気でやろうかなということで、ここ1年くらいやらせていただいております。
Speeeからエス・ワイ・エスに転職してまだ1ヶ月くらいしか経たないんですけども、その1ヶ月の間にプロダクト開発文化を醸成したいなという気持ちがすごくありまして、そのお話を今日はできればいいかなと思っております。
「課題解決をする」という価値観を植え付けたい
エス・ワイ・エスのプロダクトマネージャーが何をやっているかですが、みなさんホテルを予約したことってあると思うんですけども。通常は楽天トラベルとかじゃらんさんのような大手を使うと思いますが、一応ホテルの公式ページにも予約ができる機能っていうのはあるんですね。それをパッケージシステムとして提供させていただいているプロダクトをやらせていただいております。そういうプロダクトを10数年以上続けています。
(スライドを指して)入社当時、開発の状況としては、このようなかたちをとらせていただいました。営業だったり経営企画みたいな人たちが、直接作っているエンジニアに「こうしてくれ、ああしてくれ」とお願いしていたんですね。今日の前半でもお話があった、まさに営業とプロダクトマネージャーが「あれしてくれ、これしてくれ」という要望を叶えていたっていうところがあります。
こうなると、さまざまな課題が出てきます。例えば、「プロダクトのコンセプトとかロードマップがないので、どんな開発をしていくかが見えない」という話であったりとか。そもそも開発する内容の共有とかレビューがないので、全体最適にならず、個別の最適化がされていたんですね。「このホテルだけの機能です」みたいに、個別最適になりがちなところ(が課題としてありました)。
ほかのホテルに提供できる・できないというのが考慮されていないんですね。それに、営業戦略ともリンクがされていない。さまざまな課題があって、お客様から「こういうものを作ってくれ」というかたちでSIer的な開発が行われていたので、本質的な課題解決に向かわないケースが多々あったということです。
そういうわけで、今回のタイトルとして「プロダクト開発文化がない」と言わせていただいてる理由がここにあります。
開発体制の変更と、プロダクトマネージャーが提供できる価値
これをなんとか解決したいなと思ってまして、まずこの1ヶ月でやってきたアプローチには2つあります。
1つ目が、開発体制の変更に取り掛かっているというところです。プロダクトマネージャーをしっかりと真ん中に置き、経営企画からロードマップの承認をいただくかたちをとっていくと。営業はプロダクトの開発順番と価値を提供したいので、どれくらいのフィーをいただきながら、戦略としてどこをターゲットにしていくか、しっかりと練り上げていきます。
そしてエンジニアとは、多数の要望を集約して、開発する内容をプロジェクトマネージャーらとレビューしながら進めていきます。こういった三角形を築きながら、プロダクトを前に進めていく開発文化にしていく。そういうことをやっております。
もう1つあります。「プロダクトマネージャーってなんですか?」「これになんの価値があるんですか?」といった勉強会を週に1回やらせていただいています。
そこでは、企画書のレビューをしたり、ビジネスモデルのディスカッション(をやったりしてます)。「これってどうやってお金がとれるんだろうか」「従量課金ができるのか」とかですね。あとは、価値についてのディスカッションをしています。プロダクトマネージャーは仮説検証の深い知識・思考が必要だと思うので、どんな価値が必要なのかをディスカッションしたりし始めています。
まだスタートして1ヶ月ではあるんですけども、徐々に会社として「プロダクト中心」という1つの新しい考え方を醸成できている……とまではいないですが、徐々にできてきているかなと思ってます。
「顧客の要望を叶える」という言葉ではなくて、「課題解決をする」っていう価値観を植え付けたいと思います。ありがとうございました。
(会場拍手)