山田ルイ53世の文章力の鍛え方

山田ルイ53世氏(以下、山田):もう一つの前半の質問はなんでしたっけ?

質問者5:前半の質問は、文章を書くにあたって(「こういう本を読んだ」、「こういう人の影響を受けて文章がうまくなった」というものがあれば、教えてください)。

山田:これ、この間withnewsさんで載せていただいた原稿が、まさにそれに対するお答えなんじゃないかなと思うんですが。

あなたの質問とはぜんぜん違う意味でなんですけど、こういう本(『一発屋芸人の不本意な日常』)を出したりすると、取材を受けるとき、たまに「本当に失礼なんですけど、めちゃめちゃ文章うまいですよね。なんでこんなに書けるんですか?」って聞かれる。

要するに、一発屋と呼ばれてる人間が文章を紡ぐことがそんなに異常に見えるのか、まあわからないですが「こんな聞き方失礼なんですけど」の一言で、失礼なニオイを消せてない質問を受けたりする。「ずっと失礼ですよ」と思うんですけど。

(会場笑)

正直これはカッコつけになるかもしれないですが、とくに勉強したということはないです。

質問者5:生まれつきという。

山田:「なんか書けた」(笑)。そんなはずないよね、そんな天才芸人じゃないですから。

いや、わかんないです。だって、お笑い芸人さんの場合、すごい賞を取ってる方もいらっしゃるわけですから、たぶん誰でも一生懸命やれば書けますよ。ただ、ネタをコンスタントに書いていた経験とか、そういうものはあるかもしれないですね。

あと僕は、引きこもってた時期から、ご飯が食べられるくらいには売れるようになるまでの期間、妬み嫉みみたいなものを、心を落ち着かせるためにノートに書いたりしていました。

書き始めたのはヤワラちゃん(谷亮子さん)が金メダル取ったときとか、岩崎恭子さんがオリンピックで活躍した年。僕、引きこもり始めの時期で、ほぼ同世代なんですよ。

「同世代の子が金メダル」っていう、そもそもぜんぜん比べるものじゃないんですけど、心がざわざわしたときに書いたりしました。まぁそんなことです。大したアレではございません。

あとはもうないですね? ……彼は当てなくていいんじゃないのかな(笑)。いい、いい。

引きこもりにはある種の心地よさがある

質問者6:こんにちは。

山田:こんにちは、最近よくお会いしますよね? ありがとうございます。

質問者6:もともと引きこもりで、今やっと仕事を始められてるところなんですけど。

山田:あなたがね。はい、知ってますよ(笑)。

質問者6:引きこもりに戻るんじゃないかって不安が、ちょっとあって。

山田:もうあるの? 楽しくやってるんでしょ?

質問者6:やってます。男爵は、昔でもいいですけど、引きこもりに戻りそうやったり、引きこもりに戻りたいなと思ったことはありますか?

山田:引きこもりに戻りたいってことは、当然わかると思うけど、別にないよね。そういう気持ちはないですけど、気質としてはたぶん引きこもりのところがあるんやと思います。

さっきも、ちゃんと社交ができない、飲みに行ったりできないって話しましたけど、それは芸能界では特にただの欠点ですし。2日くらい休みがあるときに家でNetflixずっと見てたら「もうこのままでいいや」みたいな心地よさが、確かにあるんですよ、なにかね(笑)。

だからといって別に、次の日仕事だったら「よしがんばろう」というだけの話やから、仕事してる以上、大丈夫じゃない? とりあえず。今、そんな感じじゃないでしょ。

質問者6:まだ始めたばっかりなので。

山田:忙しいでしょ。そのままでしばらくいけばいいと思いますよ。すごく個人的な感じになっちゃってすみません、大丈夫?

質問者6:ありがとうございました。

山田:ありがとうございます。はい、次の方。

失敗を無理に美談にする必要はない

質問者7:お願いします。だいぶ失敗体験のある人間なんですけど、その失敗とどう向き合っていけばいいですか?

山田:例えば具体的にはどんな? ちょっと言いづらい?

質問者7:大学辞めたり、職歴が真っ黒だったり。

山田:差し支えなければでいいんですが、職歴が真っ黒っていうのはどういう状態なんですか?

質問者7:履歴書で、職歴を書くと欄がいっぱいになっちゃう。

山田:いくつも職を変えてらっしゃるみたいな? でも、僕なんて逆に職歴が真っ白ですからね。真っ白は真っ白で、またこれも困るわけです。

僕、一般社会のそういう風潮、あんまりよく存じ上げないんですが、職歴が真っ黒だと「こいつすぐ辞めちゃうな」みたいに思われちゃうってこと?

質問者7:そうですね。よくそう言われます。

山田:そういうことなのね。今、また新しい仕事をされてるということですよね。僕は向き合わなくていいと思ってる派なんで。これも去年さんざんいろんな取材で話したんで、自分の中で漫談化してて、飽きちゃってるんであれなんですけど。

引きこもってた期間について「それがあったから今の山田さんがあるんですよね」みたいな、美談的着地を望むインタビュアーの方がたくさんいらっしゃるわけですよ。

それはそれで喉越しがいいでしょうし、実際そういう人もいるんです。引きこもってた期間になにか特技とか趣味を見つけて没頭したことが今の自分につながってる、だから有効でした、有益でしたという方は、もちろんいらっしゃると思いますけど。

僕の場合は家でボーッとしてただけなんで、外に出て友達と遊んだりしたほうがよかったなという後悔があるから、完全に無駄やったんですね。

だから、それはご自分で決めてあげればいいんじゃないですか。なんていうか、色気を出すからダメなんですよ。

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