2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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山田ルイ53世氏(以下、山田):もう一つの前半の質問はなんでしたっけ?
質問者5:前半の質問は、文章を書くにあたって(「こういう本を読んだ」、「こういう人の影響を受けて文章がうまくなった」というものがあれば、教えてください)。
山田:これ、この間withnewsさんで載せていただいた原稿が、まさにそれに対するお答えなんじゃないかなと思うんですが。
あなたの質問とはぜんぜん違う意味でなんですけど、こういう本(『一発屋芸人の不本意な日常』)を出したりすると、取材を受けるとき、たまに「本当に失礼なんですけど、めちゃめちゃ文章うまいですよね。なんでこんなに書けるんですか?」って聞かれる。
要するに、一発屋と呼ばれてる人間が文章を紡ぐことがそんなに異常に見えるのか、まあわからないですが「こんな聞き方失礼なんですけど」の一言で、失礼なニオイを消せてない質問を受けたりする。「ずっと失礼ですよ」と思うんですけど。
(会場笑)
正直これはカッコつけになるかもしれないですが、とくに勉強したということはないです。
質問者5:生まれつきという。
山田:「なんか書けた」(笑)。そんなはずないよね、そんな天才芸人じゃないですから。
いや、わかんないです。だって、お笑い芸人さんの場合、すごい賞を取ってる方もいらっしゃるわけですから、たぶん誰でも一生懸命やれば書けますよ。ただ、ネタをコンスタントに書いていた経験とか、そういうものはあるかもしれないですね。
あと僕は、引きこもってた時期から、ご飯が食べられるくらいには売れるようになるまでの期間、妬み嫉みみたいなものを、心を落ち着かせるためにノートに書いたりしていました。
書き始めたのはヤワラちゃん(谷亮子さん)が金メダル取ったときとか、岩崎恭子さんがオリンピックで活躍した年。僕、引きこもり始めの時期で、ほぼ同世代なんですよ。
「同世代の子が金メダル」っていう、そもそもぜんぜん比べるものじゃないんですけど、心がざわざわしたときに書いたりしました。まぁそんなことです。大したアレではございません。
あとはもうないですね? ……彼は当てなくていいんじゃないのかな(笑)。いい、いい。
質問者6:こんにちは。
山田:こんにちは、最近よくお会いしますよね? ありがとうございます。
質問者6:もともと引きこもりで、今やっと仕事を始められてるところなんですけど。
山田:あなたがね。はい、知ってますよ(笑)。
質問者6:引きこもりに戻るんじゃないかって不安が、ちょっとあって。
山田:もうあるの? 楽しくやってるんでしょ?
質問者6:やってます。男爵は、昔でもいいですけど、引きこもりに戻りそうやったり、引きこもりに戻りたいなと思ったことはありますか?
山田:引きこもりに戻りたいってことは、当然わかると思うけど、別にないよね。そういう気持ちはないですけど、気質としてはたぶん引きこもりのところがあるんやと思います。
さっきも、ちゃんと社交ができない、飲みに行ったりできないって話しましたけど、それは芸能界では特にただの欠点ですし。2日くらい休みがあるときに家でNetflixずっと見てたら「もうこのままでいいや」みたいな心地よさが、確かにあるんですよ、なにかね(笑)。
だからといって別に、次の日仕事だったら「よしがんばろう」というだけの話やから、仕事してる以上、大丈夫じゃない? とりあえず。今、そんな感じじゃないでしょ。
質問者6:まだ始めたばっかりなので。
山田:忙しいでしょ。そのままでしばらくいけばいいと思いますよ。すごく個人的な感じになっちゃってすみません、大丈夫?
質問者6:ありがとうございました。
山田:ありがとうございます。はい、次の方。
質問者7:お願いします。だいぶ失敗体験のある人間なんですけど、その失敗とどう向き合っていけばいいですか?
山田:例えば具体的にはどんな? ちょっと言いづらい?
質問者7:大学辞めたり、職歴が真っ黒だったり。
山田:差し支えなければでいいんですが、職歴が真っ黒っていうのはどういう状態なんですか?
質問者7:履歴書で、職歴を書くと欄がいっぱいになっちゃう。
山田:いくつも職を変えてらっしゃるみたいな? でも、僕なんて逆に職歴が真っ白ですからね。真っ白は真っ白で、またこれも困るわけです。
僕、一般社会のそういう風潮、あんまりよく存じ上げないんですが、職歴が真っ黒だと「こいつすぐ辞めちゃうな」みたいに思われちゃうってこと?
質問者7:そうですね。よくそう言われます。
山田:そういうことなのね。今、また新しい仕事をされてるということですよね。僕は向き合わなくていいと思ってる派なんで。これも去年さんざんいろんな取材で話したんで、自分の中で漫談化してて、飽きちゃってるんであれなんですけど。
引きこもってた期間について「それがあったから今の山田さんがあるんですよね」みたいな、美談的着地を望むインタビュアーの方がたくさんいらっしゃるわけですよ。
それはそれで喉越しがいいでしょうし、実際そういう人もいるんです。引きこもってた期間になにか特技とか趣味を見つけて没頭したことが今の自分につながってる、だから有効でした、有益でしたという方は、もちろんいらっしゃると思いますけど。
僕の場合は家でボーッとしてただけなんで、外に出て友達と遊んだりしたほうがよかったなという後悔があるから、完全に無駄やったんですね。
だから、それはご自分で決めてあげればいいんじゃないですか。なんていうか、色気を出すからダメなんですよ。
真っ黒な職歴とか、大学辞めたって経験が、もしかしたらいい感じのことにつながってるんじゃないか、美談化できるんじゃないかみたいな欲は……なさそうですけど、単純に、無駄だったなら無駄でいいと思うんです。
それすらも、なにか「今の俺の」みたいな、いいこととして残そうとするのかって。僕は逆に、そういうの疑問ですけどね。
しょうがないですよ、ボロボロなんだから(笑)。そんなこと言ったら、僕なんてボロボロ中のボロボロですからね。芸人って本当に、お笑いを辞めたらなんにもやることがない。今はたまたまできちゃうからいいんですけど、そんなにいい話にしなくてもいいよ、って言いたいかもです。
質問者7:わかりました。ありがとうございます。
山田:いや、もっと喋りましょう(笑)。そっちから打ち切る感じを出してきたから。すいません、お答えになってないかもしれませんが。
質問者7:ありがとうございます。
奥山晶二郎氏(以下、奥山):あと1人くらいです。
山田:プレッシャー、最後の1人。最後の最後で「最近寒くて」はやめてくださいよ(笑)。
質問者8:よろしくお願いします。僕、5歳の娘がいるんですが、性格も顔もすごく僕に似ていまして。自分もいろいろダメなところの多い人間なんで、娘も同じようにいろいろダメダメなんです。
山田:5歳でしょ? 5歳でそんな明確に「こいつダメやな」みたいなところってありますか? うちの娘は6歳ですけど、5歳と6歳ってだいぶ違いますもんね。たぶん。
うちも5歳と6歳の1年間で、だいぶ6歳って感じになって、口数も手数も増えましたし。5歳でそんな明確に……例えばどういうこと?
質問者8:例えば、ご飯の時間に遊びだすと、そっちに集中してご飯をぜんぜん食べない。
山田:5歳やからでしょ?
(会場笑)
質問者8:僕もやっぱり、そういうところがいまだにあるんです。
山田:(笑)。あなたは直さないとダメと思いますよ。お父さんがご飯食べてるときに途中で遊びだしたら、それはお行儀悪いし「コラー!」ですけど。
要するに、自分のそういう資質とか性格を受け継いでしまってるんじゃないかという心配ですか?
質問者8:それを自分は叱ってしつけていいのか、自分もダメなのに、それを棚に上げて叱るべきなのかという。
山田:それは、棚に上げて叱ったほうがいいと思います。だって、娘さんがそのまま大人になったら嫌でしょ?
質問者8:嫌ですね。
山田:まぁでも、叱るというか、言い含めるみたいな。僕は子どもに甘いのかもしれませんけど、あんまり「コラー!」みたいなことはないんです。たぶん娘は僕のことを、仏やと思ってるんですけど。奥さんのほうが叱る役割みたいになっちゃってて。
そりゃ、うちの娘もダメだなと思うところはあります。僕とこうやってソファに座って一緒にテレビを見ていたら、僕が視界の端も見えてるってことを知らないんやと思うんですけど、こうやって鼻クソほじって、ゆっくり僕の服に擦り付ける。「えっ?」って。
4歳半ばくらいからやり始めて、いまだにやっています。一応「コラー!」って言いますよ。「こんなとこに鼻クソつけたらあかんでしょ、カッコ悪い」って言いますけど、言うても聞かないですからね。
質問者8:聞かないですね。
山田:どうせ聞かないから、とりあえず言うことだけは言うとけばいいんじゃないですか。「あかんよ」って。
今日初対面であれなんですけど、そんなめちゃめちゃすごい人ではないんですよね? なにかしらのことをすごく成し遂げた方とか、偉大な人ではないんですよね。
質問者8:たいして成し遂げてないです。
山田:ごくごく普通の方ですよね。じゃあ子育てで、一本狙いはダメやと思うんです。一括で全部言うことを聞かせようとしても、そんな能力はこっちにないですから。コツコツ言うていったほうがいいんじゃないですか?
質問者8:わかりました。
山田:たいして親歴変わらないのに、偉そうに言って申し訳ないですけど、僕はそうしてます。大丈夫ですか?
質問者8:きっと大丈夫です。
山田:ありがとうございます。ただ、ご飯食べてるときに遊びだすのは、それは明確に5歳だからでしょと思います(笑)。
質問者8:そんな気がしてきました。ありがとうございます、楽になりました。
山田:よかった。
奥山:お時間になっちゃいましたので、イベント自体はここでいったん終わりになりますが。
冒頭申し上げましたように、会場の外で『不本意な日常』を特別価格で販売しております。サイン会も設定していますので、今日お買い求めいただいた方やお持ちいただいた方は、サインもできるというかたちになっております。ぜひ買ってください。
山田:こちら(の参加者の方は)買ってくれますから。
参加者:(笑)。
山田:さっき約束しましたからね。
奥山:それでは、本日はみなさんありがとうございました。
山田:はい、ありがとうございました。
(会場拍手)
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