寒くて疲れがたまっているときの対処法

奥山晶二郎氏(以下、奥山):ここからは(会場にいらっしゃる)みなさんの人生相談に答えてもらいます。

山田ルイ53世氏(以下、山田):すでにけっこうやりましたけどね。挙手制ですか?

奥山:挙手制です。

山田:こんなのたいがい挙がらないですよ。みんなの前で悩みがあるって言うのは、やっぱり恥ずかしいし。

奥山:いやいや、意外とやってみないとわからないです。

山田:悩みのある人? ほら挙がらないでしょ? 挙がるまで待ちましょう。お父さん、水ゴクリじゃないですよ(笑)。

(質問者挙手)

質問者1:最近寒くてすごく疲れてるんですけど、どうすればいいんでしょう?

山田:温泉でも行けば?

(会場笑)

質問者1:行きます。

山田:でも、寒いと疲れるよね。やっぱ温度を奪われるからかな、疲労がたまる。ちょっと重ね着するとか、なんか羽織ればいいと思う。

質問者1:買います。

山田:買って。今は安くてもいいものがたくさんあるからね、羽織って着ましょう。解決!(笑)

次はスーツ姿の方ですね、これは期待できます。

質問者2:最近寒くて。

山田:聞いたことある導入。

(会場笑)

質問者2:朝なかなか起きられないんですけど、どうしたらいいですか?

山田:「えーい!」って起きる(笑)。タイマーで暖房入れときゃいいんじゃない? 起きて、それは。いいでしょ、起きて。

じゃあ、手前の方。

好きな芸人さんにプライベートで声をかけていい?

質問者3:プライベートで……。

山田:最近寒いんですけど、って1回言って?

(会場笑)

質問者3:最近寒いですが。

山田:聞いたことある(笑)。

質問者3:寒い道で、自分がファンの芸人さんがプライベートでいるのを見つけたとき、一番スムーズでナチュラルな、声をかけられた人がうれしい声のかけ方を。

山田:なるほど。ご自分が街を歩いていて、ふと見ると、おそらくプライベートであろう芸人さんが歩いてらっしゃった、というシチュエーションで、どう声をかけたらいいのかということですか?

個人的には、声をかけられたくないって気持ちは正直ありますけどね。どうしても声をかけたい?

質問者3:ちょっとは、なにかしたい。

山田:芸能人のみなさんはけっこういい対応をされる方が多いですよね。だけど、あんまり声かけられたくないと思うんだけどな。

だって嫌でしょ、普通に歩いてるときに大きい声で「髭男爵さんですよね?」とか言われたら、すっごい目立っちゃうし、嫌じゃない?

質問者3:今、質問してよかったなと思ったんですけど。その(声を掛けられた)中で、一番うれしかったのはどんな感じですか。

「できるな」と思われる声のかけ方

山田:一番うれしかった……僕が一番「この人、できるな」と思ったのは、僕が(歩いていたときに)ファンの人かどうかわからんけど、こうやって来て(すれちがいざまに)「ラジオ聞いてます」って。

(会場笑)

山田:「ラジオ聞いてます」的なものは、あんまり好きじゃないんだけど、すぐに離れたっていうところがスゴクいいなと思った。

でも、まじめな話をしますと、芸能人だなんだっていっても普通の人間ですから、完全にプライベートだなってわかるんであれば、あんまりいかないほうがいいなと個人的には思います。

とはいえ、声をかけられたら僕は満面の笑みですよ。これは常々言ってるんですが、サインが嫌いだとかいっぱい言いますけど、実際に声をかけていただければ、ぜんぜん「ありがとうございます」って書きます。

ファーッと(サイン)書いて、握手して、「イエーイ」って(写真を)撮って、「お疲れでーす!」って帰ります。

心はなにも思ってないんですけど、ちゃんと神対応で動くようにはなってるんで、もし僕の場合だったら、安心して声をかけてください。ありがとうございます(笑)。

質問者3:今日、本(『一発屋芸人の不本意な日常』)買って、サインしてもらうのはダメですか?

一発屋芸人の不本意な日常

山田:それはいいです。本買って「サインしてください」って言われて、書かないって言ったら僕サイコパスですよね。

(会場笑)

それくらいは僕もちゃんとできるんですよ(笑)。次、じゃあ、後ろの方。……けっこう矢継ぎ早にあるものですね。

貯金が全額で15万円あるのはむしろ余裕

質問者4:去年の1月から今まで無職なんですけど。

山田:いきなり重いのが来たぞ、どうした?

質問者4:今お金があまりなくて。

山田:(笑)。なんでここに来たの?

質問者4:(参加費が)1,000円だったので。

山田:1,000円でも貴重でしょ。お金、まったくないんでしょ?

質問者4:発泡酒とか飲むよりはいいかな……って。

山田:そういう安いお酒を飲んで気を紛らわすよりは、こういうものに使ったほうがいいかなと。

質問者4:あと、ルネラジ(「髭男爵 山田ルイ53世のルネッサンスラジオ」)聞いてます。

山田:嫌なやつきた(笑)。

質問者4:お金がないんですけど、そんな中でも心豊かに暮らせる考え方みたいなものを知りたいです。

山田:ないよ! そんなの! やっぱりお金って大事だからね。それは嘘つけないわ。よくあるのは「お金がなくても……」みたいなのだろうけど、自分に置き換えた場合……1,000円もないってことでしょ? どのくらいないの?

質問者4:貯金が今、全部合わせて15万くらいです。

山田:あ、それだったら、僕の人生の中ではむしろ余裕があるほうです。

(会場笑)

もっと(お金が)ないときがあったから。

質問者4:最高はどれくらいですか?

山田:"最低"ね? 「えー、ポケットに120円くらいしかない」みたいなときは、ぜんぜんあったから。何回も。

本当にお金がないときは考えてもしょうがない

質問者4:そういうときはどういう考え方で暮らしてたんですか?

山田:もう考えないよね。だって考えたってしょうがないじゃん。だから友達に借りるとか、アルバイトはもちろん、日雇いの肉体労働とかもするし。そういうことはできないの、体弱いの?

質問者4:体弱いです。意思も弱い。

山田:体も意思も弱い、これはまずいねー! 緊急事態! まぁまぁ、でも、貯金そのくらいあれば……一人暮らし?

質問者4:いや、彼女と住んでます。

参加者:えぇ!?

山田:どうした、そこの人。こわい、こわい、こわい! こわいよ急に、どうした?

参加者:ちょっと、一瞬にして思いがあふれちゃって。

山田:喉が仕上がってるね、君は(笑)。びっくりした?

(会場笑)

参加者:びっくりしました。

山田:「金がない大変だ、悲惨なんです、今」って聞いてちょっと同情してたのに「彼女と同棲している」で、「えぇ!?」ってなったという。

参加者:クソみたいだなと。

山田:クソではないよ(笑)。家賃とかは彼女さんが払ってくれてるの?

質問者4:いや、それは切り崩しながら自分も払ってます。

山田:じゃあ、貯金15万だったら、あと何回かでしょ。ひと月でいくら切り崩すの?

質問者4:7、8万くらいです。

山田:いいとこ住んでるねぇ。都内?

質問者4:高円寺です。

山田:高円寺で15万くらいのとこっていったら、けっこういいよね。

質問者4:電気代とか、全部含めてです。……こんなにしゃべって大丈夫ですか?

山田:大丈夫大丈夫。若い2人の電気代とか光熱費なんてたいしたことないでしょ。じゃあ13万くらいのとこだ。そのうちの7万くらいは払ってるってこと? 貯金15万でしょ、あとふた月しか払えないよ、どうするの?

質問者4:2月からの仕事が決まってはいるんですけど。

山田:仕事決まってるの? じゃあ相談は2月までの生活のこと?

質問者4:今が、精神的に余裕がないです。

山田:いや、余裕でしょ(笑)。人騒がせなお坊ちゃんですねー。

(会場笑)

質問者4:すいません(笑)。

山田:わかるわかる、こんなに聞いてくると思わないもんね、こっちも悪かったわ(笑)。いろんな方がいらっしゃるということですね。あんまり急に叫んじゃだめだよ、びっくりしちゃうから。

参加者:(笑)。

ヤジを飛ばされたらどう対応するか

山田:じゃあ、後ろの方。

質問者5:年末年始に初めて山田さんの本を拝見して、すごい文才だなと思って、今日うかがったんですけど、これまで文章修行というか、「こういう本を読んだ」「こういう人の影響を受けて文章がうまくなった」みたいなものがあれば教えていただきたいです。

あと、パブリックスピーキングっていうんですか、こういう場でのプレゼンやトーク会にあたって、これをやるとすごくためになるとか、スキルが向上するというアドバイスがあれば教えていただきたいです。

山田:先にパブリックスピーキング、こういうところでしゃべることについて。これはもはや僕の漫談と化していて、もう何度も話したことがあるので申し訳ないんですけれど、われわれ一発屋芸人(の活躍の場)は、企業パーティが多いんですね。

今日はみなさん素面で、お酒はまったく飲んでらっしゃらない状態ですよね。たまに奇声を上げる方もいらっしゃいますけども(笑)。基本的には、みなさん普通の状態。

だから正直、ぜんぜん楽ちんなんですよ。企業パーティというのは、スーツを着たおじさんたちがお酒を飲んだ集団ですから、けっこう大変なんですね。

余興で呼ばれて、わーっと出ていっても、話を聞いてくれない、ネタを聞いてくれない。そもそもそういう環境じゃない。みんな食べたり飲んだりしてる。たまにヤジが飛んでくる。

このヤジに対する対処法を、僕はよく講演会とかでもっともらしくしゃべってるんです。

例えば、あんまりみんな集中してくれてないな、なんかボソボソしゃべってるなみたいな、ざわざわした状況もヤジととらえるなら、ヤジをつぶすのにも2つのパターンがあります。心理的なパターンと、物理的なパターン。

匿名性がなくなると、人はヤジを飛ばせなくなる

例えば今あなたが座ってらっしゃるところに、ヤジを飛ばすおじさんがいるとする。ヤジっていうのは「飛ばす」と言うぐらいですから、距離が必要なんですよ。

それで、あなたぐらいのところに座ってらっしゃる方が「おい、おもしろくないぞ」みたいなヤジを飛ばしてきた場合、まずしっかりと見てあげる。これが大事なんですが、こういうときはスタスタと行けばいいです。

自分がしゃべっているときに、あの人ぜんぜんいうこと聞いてくれないな、ざわざわしてる、私語が盛んだなと思ったときは、近づいてあげる。これで物理的な距離をつぶす。

素人の方は距離がないとパンチが打てませんけど、こっちはプロですから、ゼロ距離でもパンチが打てるので、そこの違いです。こうやって「しっかりとあなたを見てますよ、知ってますよ、そこにいますね」と認識させてあげることで、匿名性を無効化するんです。

ヤジというのは、自分が匿名性に包まれてるから飛ばせるんであって「あ、目立っちゃった、みんなに見られてる」となると飛ばせなくなるわけです。

距離的に、物理的なパターンじゃなくても、しっかり目を見てあげることで心理的に「認識されてるな」と思わせることもできます。これは心理的な距離をつぶしたということになります。

どっちにしても、なにか大勢の前でしゃべるときは、しっかりとみんなを見ることが大事。一対一の集まりが、僕対全員……そんな関係性にしてあげるのが、非常に大事かなと思います。

質問者5:ありがとうございます。

山田:とんでもございません。