2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
提供:LINE株式会社
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藤原彰二氏(以下、藤原彰):パネルディスカッションに入ります。お二人をちょっとご紹介させていただきます。山崎さまと藤原さまです。今日は藤原が2人いまして、僕は彰二と言われるんで、彰二と呼んでいただければ幸いです。
お二人に、軽く自己紹介をお願いしたいと思います。
山崎茂樹氏(以下、山崎):ストライプインターナショナルの山崎です。よろしくお願いします。ストライプインターナショナルという会社でして、earth music&ecologyで、今回「SHOPPING GO」さんと一緒に取り組みをさせていただきました。
簡単にご紹介させていただきます。アパレルを展開しておりますが、渋谷で「hotel koe tokyo」という飲食や音楽、宿泊といったライフスタイルを体験できるような体験型施設を展開しています。3月21日に、京都で隈研吾さんの店舗デザインで新しくドーナツ事業を始めます。
ほか、サブスクリプションのサービスで「mechakari(メチャカリ)」だったりとか、自社のEC、ソフトバンクさんとジョイントベンチャーをやらさせていただいたECモールとかを展開しております。本日はよろしくお願いいたします。
藤原俊平氏(以下、藤原俊):グランドデザインの藤原と申します。よろしくお願いします。
弊社の事業について簡単にご紹介させていただきます。スマートフォン上で展開する、生活者と商品、そして売り場をつなぐプラットフォーム「Gotcha!mall(ガッチャ!モール)」を開発して、運営をしております。
ユーザー一人ひとりに対する、インセンティブのマッチング独自のアルゴリズムを使って実現をしております。潜在的なお客さまに、商品を買ってもらって、そののち、習慣購買へと引き上がっていただきながら、オフライン上で起きるお買い物の膨大な情報をデータ化、そして可視化して、価値に変えながら市場創造に取り組んでおります。
現在、ご参画いただいております店舗さまは、スーパー・ドラッグストア・コンビニエンスストア・飲食・専門店と、生活に密着した店舗を中心に拡大中です。現在、この店舗ネットワークのなかでメーカーさんに対して、マーケティングやプロモーション、顧客育成といった観点でご活用をいただいております。
ユーザー数に関しては、「生活者ID数」と私たちは呼んでおりますが、LINEさんと連携もさせていただいておりまして、1,200万を突破しております。
今回、LINEさんで新しいO2O事業をサービスとして開始されるということでしたので、弊社がこれまで培ってきましたノウハウを活かしながら、裏側で「SHOPPING GO」の立ち上げをご一緒させていただいております。よろしくお願いします。
藤原彰:ありがとうございます。俊平さん、熱いですね。
藤原俊:すいません(笑)。
藤原彰:今日はけっこう具体的な数字が出てくるので、ちょっとおもしろいと思います。ちょっと簡単にストライプの山崎さまにご質問で、現状のO2Oの施策全体について、課題はなにかお持ちだったりしますでしょうか?
山崎:すいません。座りながら失礼いたします。ちょっと会場にご質問させていただきたくて、今回事業会社側からいらっしゃってる方って、どれぐらいいらっしゃいます? できれば挙手をお願いいたします。
(会場挙手)
あんまりいらっしゃらないんですね。ソリューションとかパートナーサイドの方は、どれぐらいいらっしゃいますかね?
(会場挙手)
ちょっと多いですかね。我々は事業会社なので、O2Oをやっていくうえで一番の課題というのが、新規顧客獲得ですね。
自社のECサイト、ZOZOTOWNさん、楽天さん、Yahoo!ショッピングさんだったり、さまざまなECにも展開しています。ですが、自社の店舗に来ているお客さまとECで購入されているお客さま、当然クロスチャネルで購入されている方のほうが1.4倍から1.5倍ぐらい、ロイヤルのお客さまでございます。
ただ、新規のお客さまをデジタル上で取りにいく場合は、サードパーティーベンダーを掛け合わせて、弊社のお客さまに似た人というのを、効率良く誘引することは可能です。
けれども、オフラインで実際の店舗に新規のお客さまを連れて来るというのは、なかなかエモーショナルな活動を行わないと、「あ、この店あるな」というのはわかってたけど、店舗にいざ入ってもらうのはハードルが高いと感じてます。
なので、O2Oの課題としては、オンラインであろうがオフラインであろうが、新規のお客さまを継続的・持続的に獲得できる施策というのを、常に考えなきゃいけないのかなと思っています。
藤原彰:すいません。質問事項にないことも思いついちゃったんで聞きます。新規顧客って、どうやってデータで出されてたりしますか?
山崎:デジタルは、弊社はプライベートDMPを導入しているので、弊社に似たお客さまをというのを、パブリックDMPと連携する、もしくは、Googleさんであったりから拡張して、ターゲティング配信を行う。
ただ、リアルのお客さまというところですと、基本的には従来型のメディアを活用します。earth music&ecologyが今年20周年を迎えるんです。CMを打ち続ける理由というのは、1つそれがあると思うんですね。
CMというのは、なかなか効果を測りにくいところではあります。ブランドを維持するという目的があるんですが、それ以上に新規のお客さまを獲得するために取るものであると思ってますね。
オフラインのところは、CMを認知したお客さんというのを、いわゆる商業施設さんであったりとか、施策、販促活動のなかで一貫してプロモーションを行うことによって、常に誘引していかなきゃいけない。でも、その手法というのは、ほぼ昔から変わってないですね。その昔から変わってないものもデジタルで変えていかなきゃいけないというところが、1つの(課題だと思っています)。
藤原彰:ありがとうございます。次の質問に移らせていただきます。ほとんど導入目的は出たので、そのへんの効果をご説明お願いします。
山崎:はい。導入目的は新規でした。earth music&ecologyは国内に約300店舗ございまして、LINEのオフィシャルアカウント(のフォロワー)が五百数十万おります。ただ、五百数十万のLINEのファンになっているお客さまというのが、必ずしも現在のお客さまではない可能性が高いですと。
なので、そこで「SHOPPING GO」さんと組み合わせることによって、まずはその商業施設・エリアに来ているお客さまに対して、話題のキャッシュレスでポイントバックとかをいろいろされている企業さまも多いので、ポイントフック、販促ですね。販促のフックで、新しく店舗に入っていただくことを目指しました。このあと、効果を実際に表を出します。
これは、けっこう当たり前の話です。スライド一番上が購買単価ですね。実は自社の会員のプログラムを持ってます。自社の会員プログラムに参加されてなくて、会員カードを提示されていないお客さまを100とした場合に、自社の会員カードを提示されたお客さまと、かつ、「SHOPPING GO」を使われたお客さまの、客単価の比較になっています。
山崎:やはり会員カードを提示してくださるお客さまは、提示されないお客さまに比べて、1.2倍の客単価がございます。さらに「SHOPPING GO」をかざしていただけると、実は133パーセント、1.3倍ぐらいリフトアップしてます。
これはアップセルにもつながってるかもしれません。(スライドを指して)次のページで、セット率ですね。何点商品を購入していただいたかというところで、先ほどの133パーセントと比較して136パーセントです。やはりポイントのバックが大きかったので、通常だったら1点しか買わなかったものを「もう1点買おう」という、クロスセルに有効に働いたかなと思ってますね。
こちらのデータで、ちょっと注意していただきたいのが、12月7~21日と、「SHOPPING GO」さんリリースの際に、20パーセントのポイントバックをさせていただいた時期のものになります。
実は弊社のなかでも分析しています。RFM分析であったり、エリア別・店舗別にいま傾向を分析しているところです。まず言えることとして、来店頻度ですね。
これは、「SHOPPING GOを使われたお客さまと、使われてないお客さまの来店頻度がどれぐらい差があるか」というところですね。今回、実数をすべて差し控えさせていただいているので、あくまで比較値ではございます。2回・3回・4回・5回以上と、「SHOPPING GO」を使われているお客さまというのは、やはり日常的にも来店して購入していただける機会・回数が実際に多かった、というものになります。
最低でも175パーセント以上、「SHOPPING GO」を使われないお客さまよりは、優良な顧客になり得るのかなと考えています。
藤原彰:じゃあ、続いての質問に移らせていただきます。「SHOPPING GO」の導入で苦労されたことがおありということで、そのへんのお話を聞かせていただけるとうれしいです。
山崎:たぶん時間もあれなので端的に言いますと、一番苦労したところでいくと、商業施設さまとの調整というところですね。弊社の店舗は約300店舗ございまして、そのうち7割近くが、イオンさんであったり、ルミネさんであったりとか、三井さんであったりとか、さまざまなディベロッパーさまのところの商業施設に入れさせていただいています。
その際に、やはりこういった来店への誘引施策において、やはりその店舗だけではなくて、商業施設さん、ディベロッパーさまとの調整というところが、必ず必須になります。日本のなかで、例えばキャッシュレスが今後流行っていくときに、ディベロッパーさまや店舗スタッフへの調整など関係者が多岐にわたるため、施策の実行ハードルを上げていると感じます。
実際にテクニカルな部分では、弊社側は会員証をもともと持っていたので、会員証からLINEさんのこの「SHOPPING GO」の仕組みを導入するという、技術的な課題というのはほぼなかったです。
打ち合わせ1つでバーコードを発行するだけ、ぐらいの作業で導入ができています。「SHOPPING GO」の画面から、弊社で発行したバーコードとLINEさんのバーコードを読み込んでいただくだけなので、店舗オペレーションとしても負担がなかったです。
ただ、ここまで「SHOPPING GOを導入するのは簡単ですよ」「クロスセルはすぐに効きますよ」と、とても良いことばかり並べてるんですけども、当初の目的の新規のところはまだ課題が残るなと思います。
実際の新規の獲得率というところですと、まだ実際のデータは集計中ではございますけれども……現状は、なかなか難しいですね。それはたぶん、我々も、実際の消費者の方々も、「SHOPPING GO」のアカウント数自体も、消費者から意識が変わってくることによって、どんどん増えてくるのかなと思っています。
藤原彰:厳しい声、ありがとうございます。ちょっといまビックリしました。
藤原彰:次の質問に移らせていただきます。グランドデザインさんは一緒にセールスなどをSHOPPING GOの導入時に工夫された点などを、ちょっと教えてください。
藤原俊:「SHOPPING GO」を導入するうえで工夫した点として、まず「SHOPPING GO」でユーザーに対するインセンティブ還元です。実店舗における購買金額に応じて提供してまいりますので、購買金額とそれに紐付く各種情報を、ユーザー単位で把握していく必要がございます。
そのうえで、小売企業各社さまにおけるレジまわりのご都合や課題などがあったりしますので、この「SHOPPING GO」をスムーズに導入していくために、バーコードの連携スキームをいくつかご用意させていただいております。
パターンで書かせていただいております。パターンAとしては、「SHOPPING GO」側で動的に生成したユニークバーコードデータを、POSレジ側で読み込んでいただくパターンです。これに関しては、レイアウトをご用意いただいて、そのデータを格納して、それをフィードバックいただき、ユーザーに紐付けていくといった非常にシンプルなパターンですね。
パターンBとしましては、逆に「SHOPPING GO」側で生成したバーコードをレジ側で取り込めないといった状況もございますので、その場合には、「SHOPPING GO」向けのJANコードを店舗さま側でご用意いただいて、それを購買カウント用のバーコードとして活用します。
登録できるJANコード数に制限がある場合には、登録可能な範囲内でのJANコードをうまく活用して、同時期に複数のユーザーに対して同じJANコードが表示されないように、裏側で表示の出し分けを行って、バッティングを回避するようなコントロールを行っております。
パターンCとしては、購買カウント用のJANコードを店舗さま側でご用意いただけない場合におきましても、「SHOPPING GO」側でその準備がございます。レジ事情や課題問わず柔軟に対応させていただいて、より多くの店舗さまにこの「SHOPPING GO」にご参画いただけますようにサポートをしてまいります。
藤原彰:ありがとうございます。次の質問にいきます。
藤原彰:最後の質問になります。「SHOPPING GO」に今後期待することをお二人にお話を聞きたいと思います。熱い俊平さんからお願いします(笑)。
藤原俊:そうですね。いろいろ期待したいことはありますけども、「SHOPPING GO」が始まってまだ……2ヶ月ですかね。2ヶ月といったところで、新しいサービスではありますけれども、非常にわかりやすいサービスで、ユーザーにとってもお得ですし、誰もが使えるUXになってるなと感じております。
といったところで、まだ国内で始まったばかりですけども、今後の期待することとして、海外展開も期待してみたいなと思っております。そのあたり、もし構想などありましたら、可能な範囲でお話しいただけたらなと思います。
藤原彰:ショッピングとかコマース事業、一応うち「ハイパーローカライゼーション」というのを置いてまして、タイ・台湾でもオフィスが当然存在しています。
ショッピングとかというのは、「LINEショッピングJP」「LINEショッピング台湾」みたいなかたちで実は分かれています。台湾なんかは「LINEショッピング」はほぼ同じサービスをやっていまして、プロジェクトマネージャーや僕もいろんな事例の共有はしているので……話進めましょうか(笑)。いまのところは、まだなにも考えてないですね。はい。
ちなみに、海外は大丈夫なんですか?
藤原俊:そうですね。うちのサービスも、台湾とタイでも2018年夏以降、展開を開始しております。台湾あたりとか、ぜひ連携させていただければと思います。
藤原彰:なるほど。これはありますね、次回(笑)。
藤原俊:(笑)。
藤原彰:山崎さん、期待することはありますか?
山崎:ええと……何話そうかというのを、打ち合わせのときの内容をまったく覚えてなくてですね(笑)。
先ほど藤原さんから説明いただいた、「SHOPPING GO」の未来というところで、LINE IDを軸にしたサードパーティーとしてのプラットフォーマーになるというところは、ぜひ弊社としては期待したいなと。
やはり自社のOwnedで獲得できるお客さま、既存のお客さまに対してのオムニチャネルというのは今後も進みます。ただ、やはり新規で入っていただいたお客さま、自社のお客さまになっていただいたお客さまはトラッキングできるんですが、まだまだ見込み顧客はたくさんいると思ってます。
エリアでのビーコンの設置から、やはり天気によって変えていくといった、そういったコミュニケーションで、どこに態度変容が起きているかわからないです。
我々……プライバシーの問題はございますけども、そういったものを一切排除してマーケティングだけで話すと、クライアントが持っているオールドのデータと、プラットフォーマーが持っているデータをより密に連携して、一番は消費者がハッピーになることですけども、お互いのB2BからWin-Winになれるような世界観を、ぜひ作っていきたいなと思ってます。そのへんを期待しております。
藤原彰:ご指導お願いします。
山崎:(笑)。
藤原彰:ということで、じゃあ2名の方に拍手をお願いします。
(会場拍手)
LINE株式会社
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