教育の問題は、中高で8割を占めている

亀山:小中学生は、今から学校がいろいろやってくれるから違ってくるかもしれないけれど、今の彼ら(会場のみなさん)は、ちゃんといい子が90点。そっちのほうができているんですよね。だからこれからは、どちらかというと藤原さんの言っていたような能力を中心にやってもいい。もう90点は取っているからね。

藤原:そうなんです。だからそこは高校に期待なんですよ。僕は世界を見ているから、日本の小学校はいろいろ批判もされていますけれど、とくに低学年については相当うまくやっているんですよ。幼児教育もそんなに問題はないんです。とにかく問題は中学校からで、3割ぐらいは中学校の問題。半分ぐらいは高校の問題です。

普通高校は本当に必要なのか? という疑問があるんですよ。普通高校から普通大学に入って普通の会社に入っても、ホワイトカラーの事務業務は10年から20年でなくなってしまいます。

そんな時代に、普通高校でいいのかな? という問題があるんです。とにかく一番の問題は高校だと思っています。それを、亀山さんがちょっと殴り込みをかけるというから……。

亀山:いやいや(笑)。それはもうちょっと先になるかもしれません(笑)。先にプログラミング教育のほうをやろうかなと思っているんですよ。そっちのほうは、よかったら来てください。

思考を脱線させながら、発想を広げていくトレーニング

伊藤:その(クリエイティブな部分が)3パーセントしかない、僕らは既にそういう教育を受けてしまっているわけじゃないですか。そういう人間が30パーセントをImaginativeな脳にしていくためには、先ほどのようなトレーニングをひたすらやり続けることでしょうか。

藤原:トレーニングというか、本当に日々の人生の生き方だと思います。結局電車の中にいてもひたすらスマホを睨んで、処理している人は処理脳がどんどん強まってしまうわけですが、それを解放しないといけないんです。

電車の中で揺られて、中吊りを見て、世の中や週刊誌のタイトルから「これが起こったら、次はこれが起こるんじゃないか」というシミュレーションやロールプレイを頭の中で繋げていく。

先ほど亀山さんが「空を見上げながら(思考が)脱線していく」という言い方をされたけれど、それは発想をどんどん繋げていっているんだと思うんですよ。

亀山:俺は中吊りも見ていないし、なにも見ていない。ボーっとして、もう空も目に入ってないですからね。

伊藤:それは考えているんですか?

亀山:いや、頭の中の世界がね。

伊藤:妄想ですね?

亀山:TVとか世の中とかスマホとかを見て、情報は頭に山ほど入っているから、あとはボーっと回していくだけなんだよ。情報が繋がるだけだから、むしろなにも見ていないんだよ。だから、電車をよく乗り過ごすね(笑)。

編集脳のベースは「遊び」にある

藤原:あと1つは、僕はずーっと中学校・高校を見てきて、あるいは今G1サミットで活躍しているような40代前後の起業家の人たちを見てきました。結論としては、10歳ぐらいまでにどれだけ豊かに遊んだかが情報編集力のベースになるんです。

伊藤さんもそうだと思うけれど、10歳ぐらいまでにどこまで本当に遊んでいたか。遊びの中には、そういう想定外の問題や二律背反の問題がいっぱい出てくるんですよ。

バッと外に出たら雨が降ってきてどうしようとか、小学校5年の時にみんなが迎えに来て、うわーっと遊びに出ようとしたら、小学2年の弟がついて来ちゃって(全員で遊ぶためには)どうやってルールを変更したらいいかとか。

子どもはそういうことに全身で立ち向かっているんですよね。この遊びが足りないと、結局予定調和に、1+2=3的な問題だけをこなしていくことになる。それは処理脳を強めますが、編集脳のベースは遊びだと思うんです。これまで遊んでこなかった人は、今からでも遊べばいいんですよ。

伊藤:今からでも大丈夫でしょうか?

藤原:だって亀山さんの遊びのすごさ。アフガニスタンに死にに行くんですよ!? 

(会場笑)

亀山:いや、生きて帰って来ましたよ(笑)。

藤原:あ、生きて帰って来ましたね(笑)。世界放浪も含めてです。

伊藤:世界を放浪されていますよね。

亀山:世界放浪中も、結局空しか見てないからね。

(会場笑)

あんまり観光地も行かないね。

伊藤:じゃあ、どこでもいいじゃないですか!

亀山:でも、言葉が繋がらないからね。英語はわからないし、モンゴルに行ってもモンゴル語はわからないし、ロシア語もわからない。コミュニケーションがないから一人なわけ。一人で自分と会話するとなると、空を見るしかないんだよ。

だから、日本ではないほうがいい。俺は意思が弱いから、日本だとお遍路さんとかに行っても、ついつい旅館に泊まってTVをつけてしまうんだよね。

伊藤:なるほど!

せめてトイレと電車ではボーッとしてみよう

亀山:スマホでこうやって繋がると、どうしても見ちゃう。スマホとTVから離れて、いかにボーっとするかが大事だね。マジにトイレと電車では、とにかくボーっとすること。

藤原:ぼーっとねえ……。

伊藤:それ、いいかもね。

藤原:意外と具体的なサジェスチョンとしていいかもしれませんね。

伊藤:本当ですよね。

亀山:仕事だけじゃなくて、「なんで彼女はあの時怒ったんだろう」とか「なんで上司はあんなことをやっていたんだろう」とかを思い返すだけで、けっこう自分の中でまとまってくるんのよ。すると、なんとなく「ああ、そういうことかな」と気付ける。それだけでも、けっこう人生はね……。

『アバウト・タイム』という映画があるから、よかったら見に行くといいと思うけど。その映画はそういうことをお題にしているんで。同じ日常でも、それをもう一回繰り返して、自分の頭で整理したりすると、意外と仕事以外でも幸せになれるのよ。ちょっといいこと言いました(笑)。

伊藤:本当ですね……。

藤原:人生論ですね。

具体的な職場の選び方

前田:もう1つ、いいことを言っていただきたいのですが、先ほど亀山さんが職場の選び方みたいな話をされていらっしゃいましたね。とくに20代の方々が多いので、具体的なところをお聞きしたいんです。

働き方については次でやりますけれど、時間の取り方で占有されているのが(今の)働き方の話になってくると思います。ご自身を再教育をするという意味の新しい教育というと、先ほど「技術が非常に発展的で、そこに触れるためには別に職種は問わないようなやり方がいいんじゃないか」というようなご提案をされていましたよね。

一方で、先ほどみなさんが小学生のように遊んだこと、あれを職場でやれといった時に、それがやれれば苦労はしないという話になると思うんです。そうなった時に、どういう職場ならそれができるのでしょうか。

例えば、新しい技術があるような会社は、やはりその空気感が強いと思うんですよ。そのあたりのご意図というか、技術を率先して会社の雰囲気や世の中を変えていこうとする会社に対して、やはりそういったご示唆を持っていらっしゃる感じなのでしょうか。