「withnews」の看板コンテンツから、珠玉の名作を書籍化
奥山晶二郎氏(以下、奥山):お待たせしました。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。司会進行を務めさせていただきます、朝日新聞「withnews」編集長の奥山と申します。よろしくお願いします。
(会場拍手)
奥山:私が編集長を務める「withnews」という媒体について、少し紹介をさせていただきます。朝日新聞が運営するWebメディアで、(スライドを指して)これが今日の投稿です。
なぜ私どもが、このイベントを開催させていただくことになったかをお話しします。(山田氏には)2015年12月からエッセーを連載してもらっておりまして、現在も継続中です。新著である『一発屋芸人の不本意な日常』も当サイトで連載していただきました。
「withnews」自体のコンセプトは、新聞などの紙面とは違う形で、世の中のニュースを深堀り取材した記事を配信するというものです。男爵さんの独特なユーモアとピリッとした切り口が(コンセプトに)すごくぴったりだなと思って、ずっと(連載を)お願いしています。
男爵さんは引きこもりを経験し、芸人デビュー。そして「ルネッサンス」のギャグで大人気となった後、一発屋芸人という形での活動。そういった経験をなさっている中で、連載をずっとしていただいてるんですが、私どもの看板コンテンツにもなっています。
毎回コメント欄に特徴があります。ネットってけっこう殺伐とした側面もあるんですが、男爵さんのコラムに関しては、本当にもう共感の嵐が起こっています。文章が上手というのはもちろんのこと、みなさんの琴線に触れるポイントがたくさんあるような文章を、毎回出していただいています。
そんな連載の中から珠玉の名作を集めたのが、今回の本(『一発屋芸人の不本意な日常』)になります。例えば、ちょうどこの本が出るタイミングの1月に配信した『一発屋・髭男爵「死んだ」「消えた」後に見つけた「もの書き」の道』という記事がありまして、数字でいうと120万ビューぐらい読まれました。
Yahoo! のトップにも掲載されて、すごくコメントがついた記事になりました。これからも新作は出していただきたいと思っているんですが、今日は本に入っているエピソードも元にしながら、イベント名の通り、ちょっとひねくれたというか(笑)、男爵さんらしいテイストでお話を聞けたらと思います。
髭男爵・山田ルイ53世が登壇
奥山:タイトルとしては、『世界一受けたくない人生相談』ということで設定させていただきました。来ていただいてる方はたぶんご存知だと思いますが、これはいろんな意味で男爵さんらしさが出る切り口かなと思っていて、こちらの新著にいろいろ書いてあるようなことを、あの手この手で引き出していきます。
会の流れとしては、編集部に寄せられた男爵さんへの切実な人生相談について、(山田氏の)鋭く、人情味溢れる切り返しを、みなさんに堪能していただきたいなと思っております。
それでは、そろそろ本日の主役であります、髭男爵・山田ルイ53世さんをお呼びしたいと思います。拍手でお迎えください。
(会場拍手)
山田ルイ53世氏(以下、山田):どうも! よろしくお願いします!
「男爵さんは、男爵さんは」という紹介が長いんですよ(笑)。裏でみんな「長い、長い」って文句言ってましたよ。
奥山:まあ座って、座って。
(会場笑)
山田:あ、すみません。なだめるんじゃないよ(笑)。俺この椅子座れます?
(会場笑)
なんか椅子が華奢な感じですね。どういう形の椅子なんですか。
奥山:たぶん(その座り方で)あってます。
山田:あ、座れた。よろしくお願いします。今日はわざわざお集まりいただきまして、ありがとうございます。
(会場拍手)
人の相談に乗らない人生を送ってきた髭男爵の新境地
奥山:ということで、ここからは(スライドを指して)この画面にどんどん人生相談が。
山田:人生相談か(笑)。
奥山:はい、次々と出てきます。
山田:次々と? 100人組手みたいな感じでやるんですか?(笑)。ちょっとそれは厳しいですよ。やっぱり1個1個じっくりと考えたいですね。基本的に今まで人の相談に乗らない人生を送ってきたので、こういうのは苦手なんです。
奥山:新境地を拓いてもらいます。
山田:がんばります。その前に言っておきたいことがあって、すごいことが起こったんです。
さっき記者会見じゃないですけど、囲み取材みたいなのがあったんですよ。そしたら、僕に対してすごく軽薄な態度のレポーターの人がいたんです。「すごく俺に質問してくるな」と思ってたら、「この感じ知ってるぞ」となって、顔を見たら何回か会ったことがあったんです。
よくよく考えたら、この『一発屋芸人の不本意な日常』に書いてある、「囲み取材で『新キャラないですか?』って聞いてくるやつなんなんだ」の本人だったんです(笑)。
(会場笑)
奥山:(笑)。
山田:あれはすごく盛り上がりましたね。こういう日に、そういう方と再会するっていうのもありがたいですよね。なにかこう「運命があるんだな」と思いました。(奥山氏を見て)興味ないなら次いきますよ。
(会場笑)
奥山:ただ、その方は本を読んでませんでしたよね(笑)。
山田:そうなんです。読んでなかったから(自身のことが書かれていることに)気づいてなかったんです。「最初の方しか読んでません」と仰ってましたけど、ああいう人はたぶん1ページも読んでないです。
奥山:進めていいですか?
山田:進めていいですよ!