凍った道路を安全に走るための風変わりな対処法

3 Weird, Real Ways We Could Fix Icy Roads

先日は北海道の歌登で今シーズン全国で初めてとなる氷点下30度以下を観測、さらに関東地方でも初雪が見られました。日本は世界有数の雪国ですが、雪かきや凍結した道路に悩まされるのはどこの国も同じようです。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、海外の路面凍結の3つの対処法について紹介しています。

スピーカー

雪道に塩を散布するメリットとデメリット

マイケル・アランダ氏:モンタナにまた冬の季節がやってまいりました。つまり、凍結道路の季節です。アメリカで最もよく使われている凍結道路の対処法は道路用塩です。

道路用塩により、安全になるかもしれませんが、長い目で見ると、車や道、そして環境に悪影響を与えることになります。そこで、世界のいくつかの街では、雪に覆われた道路を安全にするための新しいクリエイティブな方法が考えられています。今日はそのうちの3つを上げます。

道路用塩にもいくつかの種類があります。最も一般的なのは「塩化ナトリウム」で、「食卓塩」と呼ばれる塩ですが、実際は食卓よりも道路に撒かれる方がずっと大量です。「塩化ナトリウム」が道に散布される時、塩が雪や氷の中の水分と混ざって、塩水を作ります。

塩水は真水より5度から10度冷たくならないと凍りません。なぜなら塩が、水分子がゆっくり連結している状態から、凍結してクリスタル状になるのを邪魔するからです。それにより温度が下がっても、道路が凍結するのを防いでくれますし、気温が上がれば氷が早く溶けるようになるのです。

氷が少なくなれば車の牽引力が上がりますので、除雪され、塩が散布された道路は、そうでない道路と比べて50パーセントから90パーセントも事故率が減少します。

しかし、冬が厳しくなれば、国内にある塩が尽きてしまうこともあり得ますし、そうでなくとも、塩には「腐食性」という問題点があります。もし車の下についた塩が洗い流されないと、塩分は金属部を腐食し、そのままにしていると高い修理費がかかる上に危険な問題につながってしまいます。

道路や歩道に散布された塩は、人間やペットの肌荒れの原因ともなります。洋服につけば破れることもありますし、動物が間違って食べてしまえば、毒となります。洗い流されたら、それにより環境にダメージを与えることになり、金属パイプの腐食の原因にもなります。

塩は地下に埋まった電気ケーブルの腐食の原因にもなりますし、究極的には可燃性ガスを放出し火花を起こすこともあるのです。ニューヨークや他の街でも、これが原因で冬にマンホールのカバーが爆発することがあります。ちょっと驚くというレベルの話ではありません。

路面凍結の対策に用いられる意外なもの

塩の代わりに代用されるもう一つの物に、「砂」があります。通常、道路用塩と混ぜて使用されるのですが、砂は車により良い摩擦力を与えてくれます。しかし、砂は排水溝を詰まらせたり、掃除するのに高額な費用がかかるといった問題点があります。それに実際、砂は氷を溶かしてくれるわけではありません。

そこで登場したのが、研究所で作られた人工の尿です。本当です。「尿素」として知られる白い尿の成分です。「尿素」は、塩のように水が凍る温度をさらに低くしてくれます。それに、腐食性でもありませんし、動物がそれを摂取してしまってもすぐに害を及ぼすわけではありません。肥料としてもよく用いられますので、道路から流れ出した時、耐寒性植物の成長を助ける養分にもなります。

「ペットに優しい着氷防止剤」として尿素が使われるようになっていますが、塩の代わりに大規模に用いる最善策ではないかもしれません。尿素の幾分かは庭の芝生の養分となるかもしれませんが、それが河川に流れ込み、バクテリアに処理されることにより、他の生物が必要とする酸素を水中から奪ってしまうことになるかもしれないからです。

それで、過去数年間の間に、企業は他の方法を考え出しました。例えば、ビーツのジュースと塩水を混ぜた着氷防止剤を売り出しました。このジュースは、ビーツに含まれる砂糖でできています。砂糖もまた水が凍る温度を下げてくれますので、塩水とビーツジュースを混ぜたものは、ただの塩より効果的に氷の問題に対処できます。

つまり、同じ効果を得るために使う塩の量を少なくすることができるのです。砂糖はくっつく性質がありますので、塩が道路からはじかれるのを抑え、雨に流されるまで数日間は路上にとどまることができるのです。ビーツの色が道についてしまうこともありません。なぜなら砂糖を含んだジュースの色はビーツで想像する色より糖蜜に近い色をしていて、ビーツの赤い色ではなく、明るめの茶色をしています。

雪の色としては綺麗な色ではないかもしれませんが、生産者によればシミになる心配もないようです。ビーツジュースは過去数年間で、何百もの街で着氷防止剤として使われてきました。そして、なかなか効果的なようです。

現状の最善策は、いかに塩の量を減らせるか

しかしこれも尿素と同様に、完全な対処法とは言えません。ビーツジュースと塩水を混ぜるということは、やはり塩を使うということなので、これもまた腐食性がある刺激物となってしまいます。それに、一度河川などに流れ込んでしまうと、尿素と同様に水中の酸素を奪うことになってしまいます。

そこで出てきた新しいオプションは「チーズの塩水」です。これは水、塩、そして一定のタイプのチーズ製品の副産物でできています。そして、ビーツジュースと同様、これも水の凍る温度を塩単体より効果的に下げてくれます。

しかし、「チーズの塩水」の場合は、砂糖ではなく塩水の塩が非常に強いからです。そして、ビーツジュースと同様に、塩そのものよりも路上に長くとどまることができます。企業は通常、この「チーズの塩水」を無料で配布してくれます。そうすれば自分で廃棄する必要がなくなるからです。

それにより、州は塩に使うはずの年間何千万ドルものお金を節約することができるのです。しかし、「チーズの塩水」はまだ十分に試されていないため、他の方法よりずっと環境に良いのかどうかはわかりません。

しかし、これにも大量の塩が含まれていますから、ビーツジュースや尿素と同様に河川から酸素を奪ってしまうでしょう。それに、これを試したいくつかの場所では、大量のチーズを冷蔵庫に入れずに放置していた時のような匂いがするという報告もされています。

それで現段階では、冬の道路では主に塩が使われていて、街は今までよりいかに少ない量で対処する方法がないかを模索しています。もう少しでその方法が開発されることを願います。きっとまだ気がついていないだけです。

Occurred on , Published at

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

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