実際に作る前に試す「ロープレカルチャー」

寺田親弘氏(以下、寺田):ちょっと思いついたことを言っていいですか、俺?

須藤憲司氏(以下、須藤):いいですよ。

寺田:「テクノベートが変える新たな経営」ですけど、これいいんじゃないかと思いますけど、ロープレカルチャー。

須藤:ロープレカルチャー?

寺田:ロープレカルチャーがけっこう大事かなという。

須藤:新たなパワーワード出てきましたね。

寺田:そうでもなかったですか?

須藤:ロープレカルチャーってどういうことですか?

寺田:いや、けっこうロープレしまくってるなと思って。普通に幹部でもなんでも、「じゃあちょっと俺なんとかね」みたいな、いきなり寸劇みたいのを。

須藤:いきなりコンペみたいな感じなんですか!?

寺田:よく考えると、俺しょっちゅうやってますよ。「じゃあちょっと、どういう会社の〇〇さん、よろしく」「どうもはじめまして。今日はですね……」みたいな。まじめにそういうのをしょっちゅうやってるんですよね。だから、みんな慣れてます。だから「こういうものだったら……あ、でも、それはないな」とか。

須藤:(笑)。

寺田:ちなみにロープレってしたことある人どのぐらいいらっしゃいます?

(会場挙手)

おお、けっこういる! なんでこんないるんですか? すげえ。世の中もうそうなっているんですかね。なんかもう「新サービスとかこのテクノロジーが行き着いたイメージでちょっとロープレしよう」とか、実際に作る前に試す。ペーパープロトもそうですけど、ロープレとか、そういうのを多用するのが「テクノベートが変える新たな経営」じゃないでしょうか。

須藤:なるほど。すごいおもしろい。うちはいきなりロープレはやらないですけど、最初にプレスリリース書かせたりしますね。

寺田:それはよくありますよね。

須藤:ありますね。プレスリリース。要は「この機能が出たらとか、この提携やったらとかというののプレスリリースを1回書いてみて」と。それで「どう?」って言って、「いや、これはないですね」って、みんな我に返るみたいな(笑)。

デザイナーの活躍の場とは

寺田:みなさん、ロープレをGLOBISでやってるんですか? それとも、ロープレってそんなやるものなんですか。いまどきの(流行り)?

須藤:わからないですね(笑)。いや、もちろん営業の人はけっこうやっていると思うんですけど。

寺田:もちろん営業はやりますよね。

須藤:ちなみに営業出身の方ってどれぐらいいらっしゃるんですか?

(会場挙手)

あっ、なるほど。けっこうおもしろいですね。さっきのエンジニア出身の方と同数までいかないですけど、同じぐらい。

寺田:ちなみにデザイナーとかそういう方っていらっしゃいます?

(会場挙手)

須藤:ああ。

寺田:やっぱりちょっと少ないですね。そこはでも、ちょっと比率として世の中的にももうちょっと増えたほうがいいんでしょうけどね。

須藤:そうですよね。さっきデザイナーの話が出たんですけど、結局、技術と人をくっつけるときにデザインってめちゃくちゃ効くじゃないですか。それをすごく聞いてみたいなと思ってたんです。

デザイナーに活躍してもらうとか、どういうシチュエーションでデザイナーに入ってもらうといいかって、けっこうそれぞれの会社で特色があるなと思って、いろんな会社を見ているんです。伊藤さんはどういうふうにデザイナーの人たちに活躍してもらっていますか?

伊藤:そうですね、やっぱりデザイナーって採用が大変ですよね。

須藤:採用が大変ですか?

伊藤嘉盛氏(以下、伊藤):大変ですね。なので、デザイナーはやっぱり最後。うちはリソースが少ないので出てくるのは最後で、できるだけモックが簡単に作れるような仕組みを使って、非エンジニアでもモックを作れるみたいな、社内でそういうものを共有していますね。

須藤:武永さんのとこってどうされています? デザイナーの活躍のしてもらい方とか。

武永修一氏(以下、武永):うちも最初はメディアから始まってECとか企業向けのソリューションとかいろいろやってるんですけど、1つは、全員一緒に集めたのはよかったみたいですね。

やっぱりそれぞれ強みがあって、コーディングが速いよとかJavaが得意とかいろいろあると思うんです。それぞれサービスにかかりっきりになっちゃってると、同じ会社なのに1人でやってる感もあったみたいな人がいた。でも全部横串にして1つの組織にしたところ、リソースも割り振れるし、あとやっぱりお互いに勉強し合える。

とくに最近だと、けっこうほかのメンバーからすると、ゲーム会社のデザイナーが加わってきたのは熱いみたいで。ゲームは完全にUI・UXがモノを言う業界じゃないですか。

なので「すごいクオリティの高い人が入ってきましたよ」みたいなことをうれしそうに言っていたので。そういう意味だと、当社の場合はけっこうM&Aを主体にはしてるんですけれども、まずは集める。一堂に会すのが、けっこう効果的かなと思っています。

須藤:集約するということですね。

武永:そうですね。はい。集約する。

プロダクトごとにデザイナーをつける

須藤:寺田さんのところはどんなふうに活用してもらってますか?

寺田:この1〜2年ぐらい、やっぱりデザイン先行になったかもしれないです。

須藤:さっきのペーパープロトとかそういう?

寺田:ペーパープロトもそうですしモックもそうです。前よりもデザイナーが増えたし、ジュニアのデザイナーを採って、ある程度トレーニングすることもできあがってきたので、今考えたら、かなりそっち先行になりましたね。

昔は違って、イタンジさんがおっしゃってたみたいな感じでしたけど。今はやっぱりまずアイデアのデザインを作って「どうしよう?」というのが回るようになってきた。だから、そういう意味でトライアル&エラーのスピードは上がった感じはありますね。

須藤:あれ、今、会社の組織の中でデザイナーって何人ぐらいいるんですか?

寺田:全部入れちゃうとたぶん40人はいないぐらいですね。

須藤:あっ、デザイナーが?

寺田:デザイナーで、まてよ、30人ぐらいいると思います。そのプロダクトの……。

須藤:へえ。全体が今何人でしたっけ?

寺田:ええと、440〜450人。

須藤:なるほど。じゃあ10パーセントぐらいいらっしゃると。

寺田:それぞれプロダクトについているデザイナーがいますし、マーケティングについているデザイナーもいますし、ブランディングのチームについてるデザイナーもいるので、全部合わせると30〜40人ぐらいいますかね。それはそれで1つのバーチャル組織になっていて、20パーセントルールじゃないですけど、彼らがデザインドリブンないろんな取り組みをしています。

須藤:なるほど。すごい。潤沢というか、すごいよね。

エンジニアでもデザインできるようにする

寺田:デザイナーはすごく増やしましたね。エンジニアとデザイナーですけど。エンジニアは当然ながら、デザイナーがいることによって物事が早く進む感じもあったので。

須藤:なるほど。武永さんのところは何人ぐらいいらっしゃるんですか?

武永:今聞きながら考えてて、やっぱり一緒ぐらいですね。うちは二百数十人ですけど、20人ちょっと。

須藤:10パーセントぐらい?

武永:ですかね。さっきクオリティの話がありましたけど、今はもうクオリティの中で欠かせない要素になってきているし、どっちかというと、差別化って、なにか裏ですごい技術が動いているというよりも、見た目がけっこう大事じゃないですか。

須藤:見た目で決まります。

武永:なので、どっちかというとちょっとデザイナーが多すぎるんじゃないかなと思うぐらいのほうが、実はちょうどいいのかなと最近はすごく思ったりしています。

須藤:伊藤さんのところはデザイナー(はどうですか)……。

伊藤:うちはめちゃくちゃ少なくて。まぁ人数もまだ40〜50人なのであれですけど、やっぱり2〜3人という感じですかね。

須藤:なるほど。

伊藤:はい。外部も含めて。

須藤:うちは今たぶん社員が60人で、いわゆる業務委託とかそういうパートナーの会社さんも含めると100人ぐらいなんですよ。その中でデザイナーというと実は2〜3人ぐらいしかいなくて。だから、デザインリソースは確かに希少なんですよ。

なので、工夫したのは、デザインのルールを決めてエンジニアでもデザインをできるようにしましたね。要は、UIのルールとかをある程度全部決めちゃって、こういう理屈でやろうという。

共通の……要はレゴみたいなものを作っておいて、それを組み合わせれば一応デザインはできるというかたちに。うちもエンジニアが30〜40人ぐらいいるので、そうするとエンジニアでもデザインできるというかたちで、デザイナーはそのルールをデザインするようにちょっと工夫しましたね。実際、採用はけっこう難しいことかなと思っています。(運営側を見て)「そろそろ質疑応答へ」というカンペが出てきました。

名刺がなくなったらどうする?

質問者1:今日はありがとうございました。最後デザイナーの話が出たんですけれども、いわゆる平面のデザインと、それとは別にUXデザインみたいなもののデザイナーが分かれているのかを知りたいなと思いました。

須藤:誰が答えるのが一番……でも、たぶん寺田さんのところが一番多いので。

寺田:分かれているに近いですかね。UIデザイナーが成熟するとUXデザインをやったりする感じの図式かもしれませんし、UXデザイナーはデザイナー出身じゃない人間もいますけど、まぁ事実上分かれているかもしれないですね。

須藤:はい。じゃあちょっと次の質問に移っていきたいと思います。じゃあすみません。前のほうから聞いていきます。

質問者2:寺田さんのSansanとかEightとか使わせていただいているので、ご質問させていただきたいです。さっきブロックチェーンの話が出ました。ブロックチェーンの技術によって、キャッシュレスな現金がなくなる世の中にどんどんシフトしているなかで、名刺もいつかなくなってしまうじゃないかと、よく思うんですね。

もし将来、名刺がなくなったときのためにこんな戦略を準備していることがあったら、ぜひおうかがいしたいと思っています。

寺田:でも、それもテクノベート感のある質問なんですけど。いや、紙の名刺をぶっ殺したいというのは創業以来ずっと思ってる話でして。別に「紙がいいんですよ。これがなんともいえないね」みたいな、そういうのぜんぜんないんですよ。実際、Eightはアプリ同士で名刺交換がもうできるようになっているんですけど、それだけじゃ使われないですよね。テクノロジーだけじゃ使われない。

そこのユーザーエクスペリエンスとして成立しているところまで持っていけてないなと思ってて。それは単純に「すいません、Eight持ってます? あ、持ってますか! 立ち上げて……」とかなったら、もうぜんぜん名刺交換のほうがいいわけですよね。だから、そのへんはなんとかできないかなってずっとやっています。

単純に外部環境もあって、iPhoneのNFC(近距離無線通信規格)がサードベンダーに仕様公開されればもうちょっとましなクオリティが提供できるんだけど、今そこはないからできないなとか、もうずっとstruggle(苦戦)しています。

自動的に変わるものではないと思う。誰かがディスラプトしないと変わらないと思っているので、それは我々がやろうという、そういう順番で今捉えていますかね。

ロープレの判断基準とユーザー獲得の工夫は?

質問者3:ありがとうございます。ペーパープロトとかロープレの話というと、自分の会社では、プロトタイピング作って、それでユーザーテストなどをしてコンセプト検証しているようなところと同じようなアプローチをされているのかなと思いました。テクノベート、イノベーションを起こすとすると、ある程度、非連続な進化を起こさなきゃいけない。

けれども、テクノロジーがあるからこそその非連続なジャンプがある程度幅が小さくなるというところでテクノロジーの活用があるかなと今聞いていて思ったんですけれども。そのロープレとかを行うときに「こういう価値があるな」「ないな」という判断基準をどのように持って見ていらっしゃるかというところをおうかがいしたいなと思いました。

須藤:なるほど。はい。じゃあ、それはたぶん寺田さんからお答えいただいたほうがいいと思うので。もうお一方ご質問。すみません。

質問者4:最初のサービス展開のときのユーザーを増やすところについてちょっとお聞きしたいと思います。プラットフォームの性質上、ユーザーが増えれば増えるほどクオリティが上がって、クオリティが上がれば上がるほど、ユーザーが増える特性があるかと思うんですけど、一番最初にサービスを展開されるときにユーザーを獲得していくという観点で苦労されたこととか、なにか工夫されたことがあれば、差し支えない範囲でけっこうですのでお教えいただければなと思います。

クオリティが高ければユーザーがつくというわけでもない

須藤:わかりました。じゃあこれは武永さんに聞こうかなと思います。ちょっと忘れちゃうので。最初イノベーション起こすためにロープレやってますと。ロープレの価値基準とか判断基準って?

寺田:かなり定性的に決めちゃいます。「ないよね? ないよね?」とかという感じで、それをちゃんとやろうとするとすごいコストがかかるので、パパってやって、「ある?」「あっ、ないね」というだいたいパッと合意できちゃうレベルだと思うんですよね。

それがもしダメだった場合は、お客さんのところに1〜2社行って、それでもう判断しちゃいます。それ以上やろうとするとものすごいコストがかかるので、もうできるだけ手前で。2〜3人知ってる人たちが集まってリアリティを持って話せばだいたい想像つくかなという感じですかね。

須藤:ありがとうございます。じゃあ武永さん、最初のユーザーを増やすところで工夫されたことはありますか。

武永:これすごく難しいですよね。今ちょっとメモりながらなかなか難しいなと思うんですけど。これはテクノベートをある意味否定してしまうかもしれないですけど、クオリティがいいからといってユーザー増えるわけじゃないというのもあると思うんですよ。

例えば、メルカリがこれだけ今広まりました。でも、じゃあメルカリが最初一番だったかというと、実はメルカリよりも良いサイトってあったんですよね。例えばフリルとか。ですけど、メルカリが追い抜いていっちゃったんですね。

それはやっぱりお金をたくさんかけたからであって。まぁ別にお金だけじゃないですよ。すばらしい点もたくさんあったと思いますけど、やっぱり投資をしていかに露出するかというのがけっこう重要なので。

そうすると、お客さんがついてきます。またそのお客さんの要望を得ながらどんどん改善・改良を繰り返していくと、気づけばもうクオリティも浸透率もぶっちぎり1位という意味だと、ある程度お金をかけて開発しないといけないのかなとは思うわけです。

もしくはお金をかけないのであれば、もうじっくりですね。ジワーッと浸透していく。だから、口コミ。口コミというかなんというんでしょうね、特定の層を狙うのであればお金は必要ないかもしれないですね。

スタートアップ段階の技術者の評価方法と、期待値バブルについて

武永:例えば「大学生が使う時間割アプリ」みたいなものが昔けっこう流行りましたけど、そういうのは別に運営会社がお金をかけるわけじゃなくて、大学生同士で「これいいよね」「みんな使っているんだけど」というのがどんどん広まっていけばいい。だから、どっちかにかけたほうがいいなと思うわけです。

あと、うちの場合は、もうけっこうお客さんのいるサイトをM&Aしてきて、それを伸ばすことが結局一番割安なんだなと思いました。

例えば、最近ネットプライスという通販会社がうちに加わったんですけれども、250万人の会員がいるんですね。これを自分たちでゼロから作ったら250万人取るために何年間・何十億円かかるんだろうって考えると、たぶんそのサイトがグループに加わってそれをリノベしたほうが、250万人もいればそこからまたアクティベートしていけば復活しますし、そこから上を目指せる。

だから、作るときはじっくりソーシャル効果で会員が伸びていくのか、もしくは一気にもう先行投資を図るのか。そうじゃないのであれば、ちょっと戦術的な話になりますけれども、そのサービス自体をお金で買ってくるというところは1つ選択肢としてありえるんじゃないかなと思いますね。

須藤:ありがとうございます。そうなってくると、けっこうファイナンスも重要になりますよね。

武永:そうですね。

須藤:うん。はい。じゃあ続いて、今度左側から。

質問者5:本日はありがとうございました。みなさんが技術畑出身じゃないということで、今は組織立っているので技術者の評価の指標ができていると思うのですが、スタートアップの頃の技術者の評価をどのようにされていたのかについてお聞きできればと思います。

須藤:じゃあその近くの方。すいません。

質問者6:本日はありがとうございました。実際に本日のお話の中でエンジニアであるとかデータサイエンティストという話があったんですけれども、そこでちょっとやっぱり思うのは、どうしても最近の期待値バブルみたいなところがあって。やっぱり実際どこまでなにができるのかということをしっかり見ていく必要があるのかなと思うんですけど、そのへんの向き合い方についてお教えいただければと思います。

須藤:わかりました。ちょっとじゃあ最初の質問は伊藤さんにしましょうかね。期待値バブルの話はじゃあ僕が答えます。

エンジニアはエンジニアが評価する

伊藤:これは単純で、エンジニアの評価はエンジニアが行っていますね。結局、我々みたいな非エンジニアからすると、1日何やっているのかあまりよくわかっていないなかで評価することになる。なので、単純にエンジニアがエンジニアを評価する。さらに公平性を上げるために360度だったり、そういうのもやっているかたちですね。

一方で、会社の方針と一緒に、方針にも沿うようにもしないといけないので、そこはどちらかというと、その人が「ビジョンに沿っているか」を定性的に非エンジニア側も評価するという感じですかね。

須藤:ありがとうございます。期待値バブルというか、要はすごいすばらしいものができるんじゃないかというお話だと思うんですけど、結局のところ、僕それはさっきのコストとかリターンに換算する癖づけをみんなでやっていくことじゃないかなと思ってまして。「要はいくらコストが下がるんだっけ?」とか。

例えば会社を経営しているなかで、300万円しかコストがかかっていないことにすごい投資してもあんまり意味がなくて、むしろ3,000万かかっていることに投資したほうがいいわけですよね。

300万が半分になるよりも、3,000万のコストが10パーセント改善したほうがすごくいいので、要は期待値バブルというのは経済効果に換算してみるのが一番わかりやすいんじゃないかなと思ってます。

実際それによって「間違っているね」と、「この過剰な投資の仕方ってちょっと違うよね」みたいなことも見えてくるので、わりとうちはエンジニアが経済的な効果に対してちゃんと評価するようにしてたりします。じゃあ続いてほかにご質問は……あっ、すいません。じゃあちょっと青い方。

質問者7:伊藤さんのお話で、先ほどアーリーアダプターからターゲットを見つけて、お客さんと一緒に失敗して第一弾を生み出すような話があったと思うんですけれども、そのお客さんにとってデメリットが多いかなと思うんですけれども、どうやってその第一弾のお客さんに対して価値を提供するのかをお聞かせ願えたらと思います。

須藤:じゃあもうひと方、ちょっとごめんなさい。お近くの方ですね。

質問者8:エンジニアを採用するときの話なんですけれども、スタートアップのときは創業者の方がものすごいパッションを持って進められると思うんですけれども、実際走り始めてエンジニアを採用するときのそのコンピテンシーの設定というか、誰がどういうふうに役割・要件定義を作っているかというのを教えていただければ。すごい人の採用はやっぱり要になってくる気がしているので、そこをお教えていただければと思います。

須藤:わかりました。じゃあこれは寺田さんにお答えいただければ。じゃあ、最初のご質問、伊藤さんからいいですか。お客さんと最初に失敗するときに、どうやってやるんですか。

最初は「なんでもやりたい人」を集める

伊藤:それを受ける企業側のメリットでいうと、不動産業界って株価もあんまりつかないというか、PBRの1倍になってしまったり、デベロッパーだとけっこうそうなってしまうんですけれども、そういう意味でいうとなかなか差別化の要素が難しい業界でもあるんですね。とくに仲介とかも含めてなんですけど。

そうすると、いかに企業価値を上げるかで、IT化して企業価値を上げたいというニーズがすごく強いんですね。そういう意味でいうと、我々とパートナーシップを組んで一番最初にAIの仕組みを導入できるとか、そういったところにメリットを感じてやっているというかたちですね。あと、やり方としては、失敗しないようにする。

もちろん、本当にクライアントのお客様にシステムが出てしまうので、すぐに対応できるように、例えばエンジニアをその会社に常駐させてしまうというところまでやっていますね。最初の立ち上げは事業責任者がクライアントに2週間出社して、常駐してプログラミングする、みたいなこともやっていますね。

須藤:ありがとうございます。じゃあ、寺田さんすみません、エンジニアの採用に関して。

寺田:採用とコンピテンシーの定義みたいな話でしたよね。

須藤:そうです。はい。

寺田:今だとある程度定義づけられていますし、さっきの彼の話、組織立ってますけど、逆にスタート当初の20〜30人ぐらいまでの時って、四の五の言わないでやるみたいな感じでしたし、そういうところでやりたいと思う人しか集めてなかったですね。「なんでもやるんです」みたいな感じでやってました。

それは会社の立ち上げ方にもよるし、時代とか流れの背景もあると思いますけど、我々の時はそうだったし、自分がもう1回スタートアップやるにしても、たぶん「エンジニアでもなんでもやります!」みたいな、そこに醍醐味を感じるような人を集めようとすると思います。

須藤:フェーズが変わってきて採用されるエンジニアの質も変わってきましたか?

寺田:ぜんぜん変わってきましたね。普通にエンジニアとしてのスキルとか、そういうものが相対的にはだんだん重視されるようになってきますよね。

須藤:なるほど。はい。じゃあ時間がもう来てしまったということで、ご質問がある方は会場でメンバーを見かけたら捕まえてご質問いただければと思います。

では、あらためまして、「テクノベートが変える新たな経営」ということで、たくさんのパワーワードが出ました。あんまりテクノベート感がなかったかもしれないですが、すごく楽しい会になりました。登壇者のみなさんに大きな拍手をお願いいたします。

(会場拍手)