家族と友だち以上に広がらない、地元というコミュニティ
テクノロジーが解決する課題と“コミュニティテック”の可能性

キーワードセッション #1/2

2018年12月12日、co-ba jinnan にて「コミュニティテックカンファレンス ー2019年”コミュニティテック元年”宣言ー」が開催されました。働き方・暮らし方・生き方が多様化するこの時代に、コミュニティをどうアップデートしていくか。テクノロジーの力が加わることで、新たに生まれる事業領域・コミュニティテック。2019年という年を、これからのコミュニティの役割と可能性について模索し、テクノロジーのちからで推進する「コミュニティテック元年」とし、今回はその宣言を行なうイベントとして、コミュニティまわりの仕事に携わるゲストが集結しました。本記事では、イベント最後に行われたキーワードセッション前半の模様をお送りします。

高齢者にクラウドファンディングを使ってもらえるか

中村真広氏(以下、中村):ここからは会場のみなさんも含めて、いろんなボールをいただきながら、ディスカッションできればなと思っているんですけど。

(スライドを指して)こんな感じで、今日はサポートの質問集みたいなものを用意しました。

これ事前に我々で「どんな質問をお互いにしたいかね」みたいな話をして出したやつも、この周りに8つあるんですけど。真ん中にフリーの質問も用意してるんですね。ですので、初めは誘い水的に、我々のほうで1つぐらいは回したいなと思ってます。

そのあと、みなさんからも手を挙げていただいて、ちょっとこのテーマで話を聞きたいと。それで「なんでそれを選んだんですか?」みたいなのを、パスしながらできればなと思っています。ちなみに、いきなり手を挙げたいっていう人います? いたらもう、そのまま行こうかなと思ってるんですけど。いかがですか?

(会場挙手)

お! じゃあ、もう我々はいいですね(笑)。おまかせします。どうぞ、どうぞ。

質問者A:ありがとうございます。僕自身はエンジニアをしているんですけど。やっぱり地元に貢献したいな、という気持ちが最近強くてですね。

FAAVOの斎藤さんにお聞きしたいんですけど。クラウドファンディングを地域でやる場合に、アナログじゃなくてWebという媒体から入るときに、世代間でやっぱりお歳を召した方は入りにくいようなことって、ユーザーのデータからうかがえたりしますか?

斎藤隆太氏(以下、斎藤):それは支援するほうですか? それともお金を集めるほうですか?

質問者A:どちらもなんですけど、どちらかというと支援するほうですかね。

斎藤:明確に何十代の人が何人みたいなものは出していないのですが、そんなにハードルがすごく高くて、ぜんぜん入ってこれないという高齢の方はいなくて。逆に地方にいけばいくほど、どちらかというと30、40代の方々が支援しているというケースが多いと思いますね。

質問者A:そうですね。30、40代の方はわりと大丈夫だと思うんですけど。

斎藤:もっと上ですか?

質問者A:そうですね。そういうところって50、60代を取り込もうという政策ってありますか? そこにリーチしようっていう。

使ってもらえるかどうかは、結局プロジェクト次第

斎藤:まだ具体的にはないです。ただ、(高齢の方が)入って来ないということはぜんぜんなくて。銀行振込やコンビニ振込みたいなものも実装されているので。そういったところはクレジットカードの決済に、まだまだ抵抗がある方がけっこういらっしゃいますから。世代的にも地方は特に。そういう方々のために使いやすくはしてますね。ただ、むちゃくちゃ多いかっていうと、そうではもちろんないですけどね。

質問者A:基本的にサービスとしては口コミだったり、広告だったりというのは、普通にやってらっしゃると思うんですけど。そこで特に高齢者向けに打ってる政策みたいなものはないということですね。

斎藤:クラウドファンディングのユーザーの増え方って、基本的にはプロジェクトが増えていくということが、支援者も増やす1つの要因なんですよ。新しい人がプロジェクトをやると、基本的にはその人の周りがまずは支援してくれるので、元々いるコミュニティが支援してくれる割合よりずっと多いですね。知り合いが新しく支援してくれるわけです。

だから、もともとFAAVOなどのクラウドファンディングを使ったことがない人が、自分の知り合いが使い始めたから初めて登録しました、みたいなケースが多くて。

ですので特段したことはないんですけど、FAAVOが地方でやってることって、土着でやってることが多いので、けっこう高齢の方のプロジェクトオーナーが多いんですよ。おのずと、その人の周りの同世代の方の支援も入ってくるので、それが施策としては打ってないですけど、増えてく1つの要素だったりします。

質問者A:なるほど。プロジェクトありきと。ありがとうございます。ちょっと参考に聞きたかったです。

斎藤:はい。ありがとうございます。

ファンから広がっていくのがコミュニティ系サービスの特徴

中村:そこにちょっと被せて、僕も話しちゃうと。コミュニティ系のサービスって、周りにどんどん広がっていくことが多いのかなと思っているんですね。

KOUも、コミュニティを立ち上げる人が周りに「これでちょっと管理しようと思うんだよね」ってことでまた広がるみたいな。そのへん、みなさんいかがですか? 他の2社の方々は? どういうふうに広がっていくのかなみたいな。

平良真人氏(以下、平良):faniconの場合は、起点はアイコンと言われる人たちなので、その人たちがやってみて、すごく楽しそうにファンと交流していくと、それを自然とファンの人たちがTwitterとかで拡散をしてくれるので。

その様子を見た他のアイコンだったり、タレントの人たちが「私もやってみようかな」みたいなに、問い合わせがバンバン来るようになってたりはします。そういう意味では、周りの人たちが始めてくれるというのは、その通りかなとは思いますけどね。

中村:アイコンの方からの別のアイコン候補の方へ、またそのファンへみたいに、2段階で広がっていくんですね。なるほど、なるほど。田中さんはいかがですか?

田中駆氏(以下、田中):僕のところは、たぶんFAAVOさん、CAMPFIREさんと非常に似てるかなと思っています。

やはりプロジェクトを立てた人が自分で「仲間になってください」ってシェアをして、その人がすでに持ってるコミュニティがガッと入ってきたり、というケースが多いですかね。

中村:みなさんそういう広がり方をするんですね。はい、ありがとうございます。

ファンの満足度にアクティブ率……KPIはどこに置いている?

中村:もう1人、手を挙げていた方いらっしゃると思うんですけど。

質問者B:経済合理性とのバランスもけっこう大事というお話があったと思うんですけど。事業として成り立たせるために、KPIを追われてたり、事業上ここは大事だとして見ている数字はあったりしますでしょうか?

中村:どなたからでも。

平良:じゃあ、順番に私から。もう我々はすごくシンプルで、ファンが満足するかどうかの一言に尽きるかなと思っています。ファンが満足しているかどうか、というのは数字上でいくと、具体的には言えないんですけども。ある程度のアクティブ率を持って、きちっと参加してくれる。結果として、アイコンがある程度のアクティブ率を持って参加してくれれば、自然といろんな数字がついてくるというのがわかっているので、そこを大事にしてサービス運営はしていますね。

斎藤:いきなりビジネスチックな質問で(笑)。うーん、KPI。クラウドファンディングってシンプルで、流通の総量が大きくなると、そこからの手数料が運営費でちょうだいする部分になるので、そこは当然見てますよと。あとFAAVOでいくと、特徴的なのが、地域にクラウドファンディングを根付かせていくために、自分の地元は自分でやりたいみたいなのがすごく多いんですよ。「地元のことは地元でやりたい」みたいなことがすごくあって。

僕も、宮崎のことに興味があって、隣の鹿児島には別にまた興味がある人がいて、大分に興味がある人がいて、というのを知ってたので。総合型でなくて、あえて地域でやるんであれば、現地にクラウドファンディングの運営者のライセンス貸しをしてやっていこう、みたいなことをずっとやってるんですね。2013年から。つまり、フランチャイズみたいな感じです。

「FAAVO宮崎」は我々が直営でやるけど、FAAVOの鹿児島は例えば○○自治体さんがやってますとか。○○信用金庫さんがやってます、というビジネスモデルなんですね。エリアオーナーって呼んでるんですけど。その方々の数が増えると、当然プロジェクトの総数が増えて、しかも穴のない、日本全国で細かいところまでリーチできて、さらに流通総量が増えていくというところで。エリアオーナー数、協力者の数みたいなものは、けっこう意識して追ってた時期はあります。

やっぱり大事なのはアクティブユーザー数

田中:僕らは非常にシンプルで、どれだけのプロジェクトが立ち上がって、どれだけのプロジェクトが仲間集めを終了させたか、というところですね。

要はそれが、何人の人がプロジェクトに入ったか、何人の人が新しい働き方を選べたかというところなので。これがゆくゆくtomoshibiとして、まだ第2フェーズ、第3フェーズを用意しているんですが。のちのちになってマネタイズにより大きく効いてくる、という算段でやってますね。

中村:KOUに関しては、今月頭にandroidが出たばっかりなのね。コミュニティウェアとか言ってるのに、iPhoneだけだと完全に片手落ちじゃないですか。なので、ようやく今スタートラインなんですよ。どんな数値を追おうと思ってるかというと、どんだけ日々使ってもらってるのか。要はアクティブユーザーかなとは思ってるんですね。

でも、それってサービスとしての1つの指標であって、そのコミュニティが本当に盛り上がってるのかどうかってところでいくと、そこはむしろなにを指標にすればいいか、というのを今模索している最中です。

例えばKOUで言ったら、感謝の気持ちを数字化して、ある意味コインで送り合う。じゃあ数字のトランザクションが多ければ、そのコミュニティが盛り上がってると言えるのか。そうとも言えないと思うんですよね。

なんか大きな額がポンポンポンと回ってたら、盛り上がってるというわけではなかったりするので。少額でも回数が多いほうが実はいいかもしれないとか。少額なんだけど、コメントをよく見てみると、すごく感謝の気持ちのこもった文がかわされてるとか。

なんか、そういう定量と定性のハイブリッドで、コミュニティの盛り上がりというのはたぶん可視化できるんじゃないかと思っているんですよ。そこはむしろ、やりながらユーザーさんと研究していくところかなと思っています。ありがとうございます。

テクノロジーの力が必要なコミュニティの課題とは

中村:じゃあ、他に先ほど手を挙げたお2方以外では?

(会場挙手)

いらっしゃいますか? どうぞ、どうぞ。

質問者C:テクノロジーを使って解決していかないといけないコミュニティの課題って、どういったものが現れるのかなと思って、お聞きできればと思います。

中村:それぞれテーマとしている領域が違うので、それぞれの課題感になると思いますけど、いかがですか?

平良:faniconは、立ち上げてからちょうど1年くらい経ってるんですね。先ほどの中村さんの話じゃないですけど、当初はなにを追っていったらいいんだろうってわからなくて仮説でやってました。今はそれがわかってる状態ですと。

そのときにわかってきたのは、仲良くなり過ぎていいんだろうか? ってことなんですね。仲良くなってほしいんですよ。でも「仲いいって何?」というと、仲いいの定義ってわかんないじゃないですか。それぞれに違うわけで。なので、アイコンと言われてる人たちとファンの関係性って、実はそれぞれ違うんですね。

概念で申しわけないですけど、その関係性をどこまで近づけてあげるべきなのか。ある一定で保ってあげるべきなのかというのを、一つのサービスのプラットフォームとして、どこをしきい値にしたらいいんだ、というのはすごく考えながらつくっていてですね。

近づこうとすれば近づけるほど、けっこうお互いが負担になることもあったりするじゃないですか。夫婦でも始めの頃はめっちゃくちゃ盛り上がりますけど、何年かすると盛り上がりが生活に変わっていくと思うんで。

(会場笑)

その生活が普通になった瞬間に、またどこかで盛り上がらないまま落ちてしまうと、熟年離婚したりするじゃないですか。正しい例えかどうかわからないですけど。それがテクノロジーで、ある程度見えてきてしまっているので。そこをどういうふうにキープしながら、ある程度、熱量を保っていくかみたいなのは運営上の課題だなと。

テクノロジーで解決できることと、できないこともあるかなと思っていて。すみません、答えになっているかわからないですけど。僕らは、そういうことを見ながら、ここのコミュニティを運営してるところですね。もちろん盛り上がってないのは、盛り上げないといけないので、本当にどうやって盛り上げるかみたいなのは、やってたりします。

地元のコミュニティは家族と既存の友だち以上に広がりにくい

斎藤:サービス開発のきっかけにもけっこうつながってて。FAAVOを始めるときに、それはやっぱり一番考えたんですよね。特に僕は、進化させないといけないコミュニティが1つあると思っていて。みなさん、地方出身者ってどれくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

多いですよね、やっぱり。ありがとうございます。みなさんはたぶん、だいたい18歳から19歳くらいで東京来たりとかして、都市部に出て、進学したり就職したりとかして、こちらで今も生活されていらっしゃる方もいると思うんですけど。僕が一番課題に感じたのは、18歳とか19歳で地元を出た瞬間に、それ以上地元のコミュニティが大きくならないっていうところに課題をすごく感じていたんですよ。

お盆とお正月とかに帰って、誰と飯食いますか? みたいなところで。絶対に家族か高校の友だちまでなんですよね。それで、新しい人に会いに行こうみたいな発想ってあんまりないのではないかなと思います。だって5日くらいしか帰れないし、お盆と正月5日ずつくらい帰って、結局5日だったら、あいつに会って、ばあちゃんに会ってみたいな。父ちゃんと飲んで、みたいな感じになるじゃないですか。それだともう広がらないんですよね。

そうすると、じゃあ18歳で出ていって。だいたいみんな5歳ぐらいから記憶があって、18歳で13年間だとすると、18歳からの13年後には、そのコミュニティの大切さみたいなのが逆転するんじゃないかなと思ってるわけですよね。

つまり18歳からの13年間だと31歳ぐらい。しかも、こっちで家族とかでき始めたりすると、どんどんどんどん地元が大切でいつか戻りたいと思っていたはずだったのに、どんどん東京のコミュニティが大事になっちゃう。そこの一方通行だから、東京に人が集まり過ぎてると思ってるんですよ。そこがバランスするようにしていきたい。

都市部にいながら地元コミュニティをアップデートする

斎藤:だから都市部にいても、今の地元のコミュニティがアップデートできることが大切だと思っていて。

つまりFAAVOとかを通して、新しく地元のおもしろい人たちに支援をしてみて、興味を持って。そこでつながるじゃないですか。そうすると次に帰ったときに「あ、そういえば支援した人がイベントやるから行ってみようかな」みたいな気持ちが起きると思うんですよ。

そうすると、どんどんどんどん18歳までのコミュニティがアップデートされて、大きくなっていって、いつか帰ろうかなみたいなところに、ちゃんと期限が決まって。そうして「何歳までに帰ろう」みたいになると、個人的にはいいと思っていて。

これからの日本社会にとってね。(地方では)人が減るので、東京から有能な人を分散させたいとすごく思っているんですね。

そこをFAAVOはやりたいと思っていて、一番最初のツールとしてなにがいいかなと探していたときに、クラウドファンディングが流行りかけていたので「これいいぞ」みたいな感じで使っていると。

そういう感じなので、遠くにいても地元コミュニティをより大きくしていく。それがクラウドファンディングというツールでできるようになったと。それをもっと広げていきたいと思っています。

ネット以外のコミュニティでは生まれないつながり

田中:僕らは、大きく分けると3つあるかなと思っています。1つ目と2つ目は近いんですけど、テクノロジーを使います。もうちょっと言っちゃうと、インターネットを使う一番のメリットが時間を超えることと、場所を超えることなのかなと思ってます。

コミュニティって、最初は地域や生活共同体の中でつくられてきたものが、インターネットが入ったことで、場所と場所が物理的に離れていても、コミュニティをつくれるようになって。生まれた時代や年齢、年代が違っても、コミュニティがつくれるようになった。そういったところに一番テクノロジーを使うからこそ、注目していかなきゃいけないところなのかなと思っています。

例えばtomoshibiで言うと、斎藤さんの話も非常に近いんですけど、地方出身で東京で働いてる人がいたとして、自分の出身地域の高校生が商店街のためになにかやりたいけれど、そのためにスキルが足りないとします。例えば、Webデザイナーさんがほしい、エンジニアさんがほしい、マーケティングの知識を持ってる人がほしい、となったときに、その地域出身で東京で働いている大人がたぶん力を貸すと思うんですよね。

でも、それって既存のインターネットに関係ないコミュニティだと、なかなか存在しえないつながりなのかなと思っています。tomoshibiの上でそういうものが生まれればいいな、というのも一番最初から考えていたことではありますね。

もう1つが、働く場所という意味でのコミュニティです。社会人になって会社に入って、就職をして働くと。それって今までいろいろ20歳になるまで積み上げて、広げていったコミュニティが、ふっと1個になっちゃう瞬間なんですよね。週に5日同じ会社で働いて、1つのコミュニティの中でしか生活しなくなるわけで。

これってすごくもったいないなと思っていて。ですので、その中の課題がどうこうというよりは、社会人になってもいろんなプロジェクトに関わることで、いろんなコミュニティをより自分の中で広げていけるみたいな。そういうコミュニティの広がりというのをつくっていきたいなと思っています。

市場の力が強すぎる東京

中村:そうですね。コミュニティの課題という意味だと、そもそもコミュニティには課題だらけだなと思っていて。とある社会モデルの図で、「国家」「市場」「コミュニティ」みたいな3つに切り分けながら社会を考えていきましょう、といった図があるんです。その中で今、コミュニティが一番弱まっちゃってるなと思ってですね。

市場の部分が一番大きい。さっきのあのスライドにも書きましたけど、すべてがサービスで、経済活動の中でしか我々の生活が成り立っていない。お金を使わなくて1日生活できますかというと、今はできないじゃないですか。そこらへんが「本当にそうなのかな?」 と。

そこは、むしろ地方のほうが進んでるなって思うんですけど。地元だったら、お金を使わなくても生活できそうじゃないですか。どうですか? できますよね? あ、車があれば。ガソリンは買わなきゃいけないけど。ガソリンはさすがに、宮崎に油田はないですけど。それ以外のものは、だいたいなんかつくれたりするわけじゃないですか。

東京のほうが、たぶん進んでないんですよ。むしろ遅れてるなと思っていて。東京だとお金がないと生活できないのが、非常に心苦しいと思っていますね。なので、コミュニティの復権みたいなやつが、そもそも一番初めの課題かなとは思っているんですね。

なぜそこにテクノロジーを掛け算するかっていうと、そのときに僕が一つ可能性を見出したのが、地域通貨だったんですね。

お金を標準寸法から身体寸法に取り戻す

中村:地域通貨のおもしろいところって、やっぱり手触り感がある。お金って今、国際的なトレードもあるくらい標準化されていると思うんですけど、そうではなくて、もうちょっと身体寸法というか。昔の畳とか。畳とかも身体寸法からできてるじゃないですか。

そういうふうに、もう1回お金を標準寸法じゃなくて、身体寸法に取り戻すみたいなことがしたいなと思ったんですね。地域通貨と出会って。ただ、その地域通貨の実践をいろいろ見てると、自分たちで券を発行して、その流通量はいったんカウントはしてますけど、どこからどこまでどう流通してるのか、というのは追えなかったりとか。

地域通貨もいろんな種類があって、自分たちで券を発行するものではなく、手帳型モデルというのもあったりするんですけど。非常に手触り感があって素敵で、みんなそのコミュニティの中で助け合いの地域経済を回している分には、すごく成立してるんですけど、全体の動きをトレースできないんですよね。トレースしたら、もっとより人の関係性みたいなものを可視化できたりする。

どうやって盛り上がってると言えるのか、みたいな、アナログだとなかなかやりにくいことがテクノロジーの力でできるような気がしています。

その一方で、その弊害というか、逆サイドもあるなと思っていて。国分寺で実践されている「ぶんじ」っていう地域通貨があって、すごくいいんですよ。券の裏側に自分で感謝のコメントを書いて渡すんですけど。昔の図書カードみたいな感じですね。なんか懐かしいじゃないですか。その手触り感とかも含めて。なんかそういうものっていうのは、それはそれで良さがあると。

それをKOUに置き換えてしまうと、ぜんぜん手触り感という意味では削ぎ落されてますね。それの代わりにトレーサビリティだったり、分析可能なものが生まれたりとか。その両方が僕はいいなと思っているんですけど。テクノロジー側にやれることも、一方ではあるので。そこに可能性を見出しているっていう。そういう感じですかね。

質問者C:ありがとうございます。

デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」

中村:まだまだ時間は大丈夫なんですけれども。他にも質問がある人いらっしゃいますか? なければ我々でも混ぜながらいきますか? 一番抽象的なのは、この「それぞれが考えるコミュニティとは?」というやつなんですけど。これやろうとすると、ドツボにはまりそうだし、お酒が必要になってくるんで、ここじゃないかなと。なんかあります? 

そうだ、それいきますか。「活性化する/衰退するコミュニティの特徴は?」っていう話ですね。これはどういう意図で書いたんですか? これを書いたのは田中さんですか? 

さっき控室で話してるときに、いろんなコミュニティの事例やプロジェクトベースで見てたり、それぞれ対象としている領域は違えど、いろんなものを見ていると思うんですよね。その中でうまくいくコミュニティとうまくいかないコミュニティのノウハウというか。見ていて、これをやるとうまくいく可能性が高まる気がする、みたいな話をできればいいなと思うんですけど。いい事例持ってるぜ、という人います?

斎藤隆太氏(以下、斎藤):クラウドファンディングの有名な動画があって、フェスみたいなところで、男の人が1人で踊っている動画があるんですよ。知ってる人います?

中村:裸踊りのやつですか?

斎藤:はい、裸踊りのやつかな。1人でめちゃくちゃな感じで踊ってるんです。本当に狂ったように踊ってて。でも1人ぼっちなんですね。周りがみんな白けて見てるんだけど、その男の人がやめない。ぜんぜん。恥ずかしがらないし、やめない。

それが動画で何秒か続いた後に、1人がポッて、その男の人のところに駆け寄って、一緒に踊りはじめるんですね。それで2人になった。2人がなにか楽しそうに踊ってるから、それが3人になり、4人になり、5人になり。最終的にはそこにいる人たちがばあ〜っと寄ってきて、みんなで踊り始めるっていう動画があります。

「何々で検索してください」って言おうと思ったんですけど、なにもわからないんで、近しい言葉で、今のヒントを元にたどりついてください。

中村:「裸踊り YouTube」でたぶん出てます。

斎藤:あ、出てます!? さすが中村さん、ナイスフォローです(笑)。

※デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」

手を挙げるのが恥ずかしくないコミュニティの強み

斎藤:そういうのがあって、なにが言いたかったかっていうと、最初のフォロワーがいるコミュニティって強いと思ってます。1人で手を挙げて誰も寄ってこないと、次からまた手が挙がらなくなるんですよ。

クラウドファンディングで僕が特に意識しているのは「まちで一番身近なクラウドファンディングになりたい」ということ。FAAVOでは、ずっとそう言ってて。一番身近ってなにかというと、一番最初のフォロワーになってあげられると思ってるんですね。そのまちのなかで。

誰かが手を挙げることが、恥ずかしくないような状態にしてあげられる。そうすると、そのコミュニティというのは、街のなかで誰かが手を挙げたときに、FAAVOがフォロワーになってると。応援してくれた、成功した。じゃあ私もやってみようかな、応援してくれるかな、というふうになっていって、活性化してきているんですよね。

だからFAAVOは、どこのエリアに行っても一番最初のフォロワーになりたいと思うんです。手を挙げる人たちが多いとかじゃなくて、手を挙げた人に拍手を送って、一緒にがんばってあげる。最初のフォロワーがいる場所は、ものすごくアクティブになっていくと思いますね。

中村:ちょっと思い出しながら聞いていたのが、僕らが最初にco-ba渋谷を作ったときに、CAMPFIREでクラウドファンディングしたんですね。そのときに家入さんがたくさん支援してくれたんですよ。本当に応援してくれて。

空間の建築模型みたいなのがリターンだったんですけど、CAMPFIREオフィスに行って届けましたもん。そこで「応援してるよ」って言われたときが一番うれしかったんですよね。そういうファーストフォロワーになってくれる人って、本当に重要だなというか。

斎藤:家入とは、きのうも合宿で一緒にいたんですけど。Twitterをフォローされている方はわかると思うんですけど、Discordというのを作って、今たくさん若者を集めてるんですよ。10代とか20代ぐらいの。一気に千何百人ぐらい来たみたいな感じで。

中村:すごいですね。

斎藤:もともと「NOW」とかの投資もやってますけど、いいものにすぐ「いいね」と言ったり、ぜんぜん名もなき人にもお金を出すこともあるし。応援してあげるというのを地で行っている人だなと思って。

そういう意味で、思想とかがFAAVOとも似てて。すごく合いますよね。

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このログの連載記事

1 家族と友だち以上に広がらない、地元というコミュニティ テクノロジーが解決する課題と“コミュニティテック”の可能性
2 うまくいくコミュニティは、関わり方にグラデーションがある 同じ目線のフォロワーをもれなく導くサービス設計

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