加減乗除、4つのステージ

大嶋祥誉氏(以下、大嶋):じゃあ仲山さんの話。すごく気になってる、この4ステップ。これ、極めてすごいなぁって私、感動してるんですけど。

仲山進也氏(以下、仲山):僕もけっこう、イケてるかなぁと(笑)。

(会場笑)

大嶋さんの本を読んでいて、さっきの20代、30代、40代のところに書いてある内容がほぼ同じだなって思ったんです。

大嶋:私もそういうふうに思いました。

仲山:ステージにすることのメリットって、人はそれぞれ、働き方については「こうしたほうがいい」みたいな意見ってあると思うんですけど、真逆な意見とかもありますよね。「好きなことをやったほうがいい」とか、「好きじゃないことをやったほうがいい」とか。「どっちやねん!」みたいなのあるけど。でもステージで考えると、好きなことをやらないほうがいいステージと、好きなことをやっていったほうがいいステージとありますよね。

まぁ最初って「足し算」で、まさにさっき大嶋さんの図で読み上げたところと一緒です。だから、大嶋さんの図を読み上げて解説をしていったら、違和感がたぶんないことに気づくと思うんですけど。

大嶋:さすがコンテンツメーカー。

仲山:20代、足し算ステージの「意図を持って働く」「シンプルな仕事をバカにしない」「ルーティン作業で脳を鍛える」「基礎力を身につける」「論理的思考力を身につける」「まずやってみる」「量稽古」。言ってることは同じです。

伊藤羊一氏(以下、伊藤):同じですよね。

仲山:やってるうちに、だんだん仕事ができるようになってくると、振られる仕事も増えていって、キャパオーバーになってきて、でもなんとか工夫してやり切るみたいなことはやっていくと。

キャパオーバーの仕事量をなんとか収められるっていうのは、パフォーマンスが上がったということなわけで、パフォーマンスが上がったということは、自分がなんらかの強みを発揮できているからこそ収まったということだと思うんです。その頃には本当の意味の強み、仕事に使える強みっていうのが浮き上がってくるよねっていうのが、足し算の後半に起こるだろうなと。

それが見えてきたら、その強みを磨くステージに移っていきます。それが次のステージの「引き算」で。引き算っていうのは、強みを磨くための仕事に寄せていって、それ以外のものは人に引き渡すなり、やらずに済むような方法を考えましょう、という話です。

謳って踊れる野球選手のオンリーワン性

仲山:それで、他の人が「これが常識だ」とか言ってるのも、「自分に関係なければ捨てちゃっていいんじゃない?」って、そういう引き算のイメージなんです。

この大嶋さんの30代のところに書いてある、「自分の範囲を広げる」「ブルーオーシャンを見つける」「バリューを意識した仕事をする」「既存のアイデアを組み合わせて新しいことをする」「複数のスキルを掛け合わせる」「自分から動きを作る」が、特にそうですね。「バリューを意識した仕事をする」というところが引き算とかぶっていて。

この中の「複数のスキルを掛け合わせる」みたいなのが、僕の中では「掛け算」のステージなんですけど。掛け算のステージは2つ意味があって、自分の中の違う強み同士を掛け合わせるっていうのが、まず一つ。

あと、いわゆる「歌って踊れる野球選手」というやつです。野球がうまいだけの人は山ほどいるし、歌って踊れる人も山ほどいるけど、歌って踊れる野球選手、だとだいぶ減るよねってことです。なので、オンリーワン性、独創性を高めるために掛け合わせます。

あとは自分の強みが確立して、強みの旗が立つことによって、「今やろうとしているプロジェクトにその強みが必要だから、一緒に入らない?」みたいなオファーが来やすくなるという意味で。自分の強みと他の人の強みを掛け合わせて仕事をしていく働き方ができるようになるのが掛け算っぽいなと。それが2つ目の意味合いです。

仕事の報酬は、仲間が増えること

伊藤:なるほど、だから「仕事の報酬は仲間」という。

仲山:そうですね。それで一緒にプロジェクトをやりきった人が集合して、やりきって解散するみたいなことを繰り返している間に、いい仲間がいっぱい周りにいる状態になっていくっていうのが掛け算のステージな感じで。

だから、40代のこの「人脈を広げる」とかも、そこにつながってる感じですね。「チーム編成力を身につける」って、まさに掛け算の話で。「余計なこだわりを捨てる」は引き算に近いかもしれないですけど。「大きな仕事に関わる」も自分1人じゃできないことをみんなでやるみたいな感じだし、「自分のブランドを確立する」も、まぁそうですね、チームの中でこういう仕事をやれる人、みたいな感じで確立していると思うので。

それで、掛け算のステージで、自分の仕事の範囲が広がっていく中で、いろんな人から誘われるわけですよね。まさに羊一さんが言った、3つのテーマからそれぞれからオファーが来て、「とっ散らかって忙しいな」と朝も起きにくくなっていくみたいな。「疲れが溜まってるよな」みたいな、そういうとっ散らかった状態になっていくのが掛け算のステージの後半に起こるかなと思っていて。

そうすると、まさに今の羊一さんの、3つがつながった話っていうのが、僕の中で割り算っていうことだと思っているんです。

伊藤:これかぁ!

大嶋:なるほど。

仲山:割り算って、要は、共通の因数が発見されるっていうことじゃないですか。

伊藤:因数分解ってことね。

大嶋:あぁ〜、そういうことか。

仲山:なので、「これだと全部つながるんだな」っていうのが見つかるのが、割り算な感じなんですね。

掛け算ではなく、足し算になっているコラボはたいてい失敗する

伊藤:でも、さっきの祥誉さんの例でいうと、1、2、3、みたいな。まぁ大きく言って、そんな感じですよね。

大嶋:まぁざっくりね。

伊藤:なるほど。ちなみに「加減乗除だ、これは」って思いついた瞬間、心の叫びみたいなのは……。

仲山:ありました。でもね、この本には「今回初めて思いつきました」的な位置づけにも若干なってるんですけど……。

伊藤:なってるけど、実は?

仲山:実は2015年に……(笑)。

伊藤:もう言ってるんだ。

仲山:「共創」、Co-creationのテーマで本を書いた時に、共創体質とはなにかを考える時に、加減乗除のことはもう言っていて。この「乗」のステージになってないと、強みを確立してないうちに「加」のステージの時にコラボしてもダメだよねと。

イケてないコラボでよくあるのって、お互い「このブランドとこのブランドがコラボしましょう」って言ってなんか作ったりすることでう。お互いの思惑としては、「向こうのファンがうちに流れてきたらいいな」ってお互いに期待してるだけ、みたいな。

(会場笑)

それが足し算っぽいイメージのコラボです。で、だいたいうまくいかずに終わる。

伊藤:コラボって、確かにちゃんと考えないと意味ないですよね。

仲山:掛け算的なコラボをするためには、お互い強みが立っていて、それをすり合わせて、新しい化学反応が起こるイメージです。

伊藤:ちなみに僕はこういうことに気づいたのって、半年前にそういうことがあったんで気づいたんですけど、みなさんおっしゃってますよね。だから、このお二人もおっしゃってるし、尾原和啓さんも『どこでも誰とでも働ける』で、この掛け合わせっていうのを言ってるし。

藤原和博さんも、「1万分の1の強み × 1万分の1の強み × 1万分の1強み」と掛けていけばすごくなるっていう。やっぱりこれは、みんなおっしゃってますよね。掛け合わせるって。

大嶋:あんまり焦ってコラボしないことですよね。

仲山:そう、焦ってコラボしないことです。

苦手な仕事を、人並み以上にできるようになった経験があるか?

大嶋:意味がない。たぶん、ここで仲山さんの言うところの足し算でやったところで意味がない。私はつい「超越的」って言っちゃうんですけど、本当に自立をして、この3のステージあたりから考えても遅くないんじゃないかなと思います。

伊藤:なるほどね。だから、当たり前なんですけど、「自分のバリューはどこにあるの?」みたいなことは、超明確に、一言で言えるような話じゃないとそこに行かないですもんね。

仲山:バリューが明確っていうの1つの目安で、僕が最近話をしているのが、本の中には載ってない、文字数を減らすために削ったコンテンツで、「ステージ診断」っていうのがあって。

大嶋:おぉ〜。私、さっき聞きたかったんですよね。みんなにね、それぞれがどこのステージにいますかっていうのをちょっと見てみたい。これ、すばらしいです。

伊藤:これ、じゃあみなさんでやってみましょうか、正直ベースでね。「苦手な仕事を徹底的にやるうちに、人並み以上にできるようになった経験がある」。「いいえ」か「はい」。

大嶋:正直ベースでね。

伊藤:いきましょう。次、「本を書けるレベルで得意な分野が2つ以上ある」。これ、いきなりハードル上がってますよね?

仲山:そうなんですよ。

(会場笑)