テレビ東京の動画配信サービスでの事例紹介

段野祐一郎氏:はじめまして。テレビ東京コミュニケーションズの段野と申します。前2人のお話のレベルが高くて、まずレベルを下げにいこうかなと思っています。

自己紹介すると、もともとテレビ東京に入ってITと現場をやって、今はテレビ東京コミュニケーションズで動画配信のサービスをやっています。

テレビ東京コミュニケーションズは(スライドを指して)こんな感じで、テレビ東京の番組を使った事業や動画配信などもいろいろとやっているんですが、プロダクトオーナーとマネジメントも含めて私が携わっているのが動画配信サービス『ネットもテレ東』です。

思考やロジック、役割に、PO・PMの話などいろいろとあるんですが、やったことを話すのが1番わかりやすいかなと思ったので、事例を紹介したいと思っています。

開発チーム内製化の理想と現実

そもそも、みなさんはどれくらい(POとしての仕事に)リソースを割いていますか? 開発チーム予算に自分がどれくらいコミットメントできていますか? 「プロダクトオーナーなら100パーセントコミットしろ」と思うかもしれませんが、会社によってはなかなか難しい立場もあるかと思っています。

すみません、(動画での)配信があるってぜんぜん考えていなかったので、ちょっと危ないような内容もあるんですが(笑)。

(テレビ東京コミュニケーションズは)日経グループなので、いつも日経を参考にさせてもらっているんですが、(日経では)内製で20名超のエンジニアがいるという話を聞いています。1月にお話をうかがったときは9名くらいだったので、かなり多くなっているなと思います。

事業をやっていくうえでは、絶対に内製のほうがいいだろうということはもちろんわかってはいるんですが、そんなにコストをかけられない人も多いのはないかと思っています。

代理店経由での開発に伴う、裏側のブラックボックス化

我々で言うと、開発できるのはエンジニアの私が1名だけ。予算はテレビ東京なので、あまりなくて。コミットメントは、POとしてはあまりよくないですが、僕はいろんなプロジェクトに関わっています。

なので、開発を内製でゼロから作っていくのはさすがに難しいので、基本的に外注をやっていきたい。でも、当たり前ですが、どんどんPDCAを回していきたいからアジャイルでやりたいというところもあります。

アプリのリニューアルプロジェクトをやるときに、なにがやりたいかというのをざっくり書いたら、4社コンペして1社が提案してくれたからやりましたと。

スクラムでやり始めました。私もアジャイル開発で言うと2件しか経験がないので、大前提として会社さんによりけりだと思うんですが。アジャイルで裏側は動いていても基本的にブラックボックスというか。アプリ開発なんですが、日本にいる代理店経由で開発をするので、直接やりとりをすることはあまりないです。

なのでブラックボックス化されていて、かつ結局伝言ゲームみたいになってしまって。開発するベトナムの方のクオリティがなかなか上がらなかった、という考えがありました。

スクラムマスターの会社がなくなるという、青天の霹靂

(スライド「Previous Sprint Scheduke」を指して)こんな感じですね。僕たちがあまりリソースをかけられなかったというところもありました。あと、現場と直接やりとりをするわけではないから、デイリースクラムなどもなくて。

2週間に1回はスプリントを計画して、デモとレトロスペクティブをやって、また次のプランニングをするというような。本当はそこも2つに分けるべきなんですが、なかなか時間が取れなくてこんな感じでやっていました。

なにかおかしいというか、「あまりクオリティが上がらないな。アジャイルってこんなもんじゃないだろう」と思ってはいたんですが。そんななか、青天の霹靂というか、このスクラムマスターの会社がなくなって継続ができなくなりました。

「どうしようかな」ということで、もちろんゼロからやり直すこともできるんですが、体制を変えようと思いました。そこからスピンアウトした人を中心に、ちゃんとオフショアのメンバーと会話しながら作っていきました。

当事者意識を芽生えさせるために、一体感を醸成

ちょっとだけエモい話ですが、チームの要件は、ゴールをちゃんと共有してコミットメントして、みんなで敬意を持ってやりましょうというところで、グループとは違います。みなさんもやられていることだと思うんですが、チームビルディングが肝だと思っています。

これ(チームビルディング)にオフショア開発チームもちゃんと巻き込んでいかないということですね。我々は体制がゼロからになったというところで、2泊3日と短いですが現場に行って、ずっと我々がなにを考えているか……ゴールはなんなのか……価値観としてなにを重要としているかを説明してきました。

あと、ここ(オフショア開発チーム)は本当にシステムの末端というか。アプリはユーザーに触られるところで、UXはそうですが、情報を提供しているのは裏側のシステムですよね。もっといろんなものが複雑に連携しているので、全体を見てもらわないと彼ら自身もいきなり与えられた課題に対して「どうすればいいんだ?」と、提案がなかなかわかりづらかったりします。ちゃんとそこらへんのシステムの全容を見せたりする必要があります。

こういうのを考えているというロードマップの提案とかも、いろいろとやってきました。あとはチームビルディング。本当はいろんなゲームのやり方があるとは思うんですが、課題についてディスカッションをするだけでも、みんなの考えていることがかなりいろいろとわかるようにはなってくるので。

こういうワークショップを通じて彼ら自身にもいろいろと考えてもらうことで、当事者意識を芽生えさせることもできました。当たり前ですが、当事者意識を持ってもらうということが大事です。

オフショアでも、言われたものを作るという気質で働いている人が多いです。そうではなくてユーザーとしてだったら「これは困るよね」とか、彼ら自身で受け入れ条件とかをちゃんと作れるように、当事者意識の芽生えや一体感の醸成とかを狙ってやりました。