情報編集=掛け算

藤原和博氏:これで(情報編集力とは何かということが)5割の理解から6割ぐらいになったかな、という人は拍手してみて。

(会場拍手)

じゃあこれを今から75パーセントぐらいまであげますからね。(情報)処理力と(情報)編集力、まだちょっと迷ってるかもしれません。これから、処理、編集(の違い)がビシッと分かる簡単なワークをやります。

まず先ほどの3、4、5人のチームで、世の中で「白が当たり前、白が常識、白が最初だよね」という商品をいっぱい挙げてください。時間は1分間しかあげないので、20個挙げたら立派です。まず例えばホワイトボードがそうだとか、牛乳がそうだとか、そういうノリ。今の2つも入れちゃっていいので、ガンガン挙げてください。これは早く正確にバンバンあげてほしいんです。行きますよ、3、2、1、はいどうぞー! 

(会場ブレスト)

はい、ではそこまでにしてください。そこまでにしていただいて、この短い時間で、20個は大袈裟だけど、10個以上あがったところは手を挙げてください。ほとんどですね。もう勘が良い人はわかったと思います。今みなさんが発揮されたのは情報処理脳です。(スライドを見せ)こっち側ですね。

知っていることを早く正確に挙げたと思うんですよ。知らないことは言わなかったと思うし、混じり合ってもいない。例えば組み合わせでなにかを言ったわけじゃないですよね。これから、これ(情報処理脳)をガチャっと情報編集脳に切り替えるわけです。処理脳から編集脳に切り替えるときには、掛け算が必要なんですよ。

情報編集力は掛け算の力だと思ってもらってもいいです。何をかけるかというと、本来は白い商品に黒をかけます。黒をかけるとどんなふうに付加価値が上がるか。

たぶん、今10個以上挙がった商品の中で、黒にすると意外や意外、売れるかもしれないねというものがあると思うんですよ。高級感が出るとか、かっこよくなるとか。自分だったら黒い方を買うわ、っていうものがあると思うんですよね。

今度は数撃ちゃ当たるじゃなく、これを3つから4つ選び出してもらって、その中で他のチームが考えそうなものを捨ててもらって、一つを磨き上げてもらいたい。それをどう売れば売れるかというところまで行けたらおもしろいと思います。1分半ぐらいで(やってみてください)。

常識や前例にとらわれない掛け算が付加価値を生む

みなさんは気づかないかもしれないけど、今、脳がすごく繋がりやすくなってるの。つまり、この授業を受けただけで、情報編集力が磨かれてるんですよ。なので意外と早く良いアイデアに到達するんじゃないかと思います。

本当はこれは言わないほうがいいんだけど、まあ言っちゃえば、例えば綿棒ってあるじゃないですか。黒くした綿棒が売ってますよ。ちょっと気持ち悪いんだけど、耳かきをするとすごく(耳垢が)見えるという。

そういうことです。だから綿棒はもうすでにダメよ。綿棒以外でこれいいんじゃないのっていうのをちょっとやってください。これはまあ半分洒落なんだけど、本当に佐藤鈴木田中脳(いろいろな人と脳が繋がる状態)というのがぐわっと出てくると、化学変化が非常に早くなって、すごい案が出る可能性があります。今日この場で。

本当にすごい案が出た場合は、ぐっとこらえて言わないほうが良いです。それを来週特許庁に登録した後に言いふらすっていう。要するにみなさんそこまで(脳が)鍛えられてるから、今までなかったようなすごい商品が出る可能性があるんだよ。

というわけで、ぜひ綿棒を超えてもらいたいと思うので、いきますよ。これが掛け算ですから、情報編集脳になります。要は要素を掛け算をして常識、前例が解き放たれ、違う要素を掛け算することで付加価値を生むということですよね。違う価値を生み出すっていう。

たった今この瞬間おそらく、日本中、世界中の数万社数十万社の会社で同じことをやってると思います。常識や前例を疑って、掛け算して新しい商品を生み出すということです。というわけで、その擬似的なワークです。いきますよ。白を黒にしたらすごい価値が出るんじゃないの? っていうワーク、行きましょう、3、2、1、はいどうぞー! 

(会場ブレスト)

ヒット商品は常識を疑うことから生まれた

はい、じゃあそこまでにしてください。今まさに、仮説がいっぱい出たと思うんです。仮説が出るうちに納得いく仮説も出たんじゃないかと思います。それが納得解ですね。いいですか。これがどれくらい頭を柔らかくつなげるかという勝負だってことです。

実際にこういうブレストで生み出された商品いっぱいあるわけですが、先ほど綿棒について言いましたけど、例えばトイレットペーパーも黒いものが発売されて、実はホテルではかなり高級感が出るということで売れました。

今「トイレットペーパー 黒」というふうに検索をかけてもらえれば、通販で売っています。本来は家庭用というわけではないね。家のトイレは壁も含めて、たいがい全体的に白っぽいじゃないですか。そう言われるとあんまり似合わないけど、要するにホテルのちょっと暗い感じのダウンライトがあるようなウッディなこげ茶色とか黒っぽい色のところには高級感があります。

それから、まな板も白が常識なんですが、これも常識を疑って黒いまな板を発売しました。僕は、帝国ホテルのシェフに友達がいるんですが、使ってると言ってました。白い野菜を切るとき非常にはっきり見えて、怪我をしない。速く切れる。そういう商品はすごく多いと思います。

他にもいろいろ(あります)。みなさんが言った商品は、ほとんど商品化されていると思いますが、もしかしたらされてないものあるかもしれないので、来週ちょっと狙ってみてください。今日言わなかったような、いい案が浮かんだ人はですよ。

このように、情報の処理脳編集脳、わかりましたよね? もう一度繰り返しますが、基礎的人間力の部分を磨き、かつ編集力の部分で勝負する。言ってしまえば、処理的な仕事はどうせ奪われるわけですから、こっちは今任されたらなるべく要領よく、左から右へさっさとやっちゃうのが良いんですよね。

こっち(情報処理)で身につくものってそんなにないですから。処理がうまいっていうことを極めても、それはAIにはかなわないと思うので。というわけで、こちらは今のこの10年くらいはもうさっさとやっちゃってできれば頭使わないでさっさと左から右へ処理しちゃって、出来る限り自分の脳をこちら側に持ってくるというね。

AIは情報編集力を獲得できるか

出来る限りこっち(情報編集)側に持ってきて、発想していけるようにすると良いんじゃないかと思います。企業のあり方も一緒なんですよ、こっち(情報処理)側の仕事を正社員にバンバンさせてるようではもうブラックにならざるを得ないですよ。こっちの仕事を早々と機械化しちゃって。

あるいは機械化の次はIT化とか言ってましたよね? 次がロボット化、AI化なんですが、こっちの仕事を徹底的にそういうふうに公有化して、社員の全てをなるべくこちら側に頭を向けさせる。社員の全てがこっち(情報編集)を考えているようにすると、ものすごく付加価値が生まれる会社になりますよね。わかります? 

Googleがその極致だと思います。というわけで、この処理力編集力ですね。そうは言っても、どのように発想しどのように創造的な案を出すか、その仮説を出す編集力でさえも、おそらくAIがやるようになると言う人もいるわけです。

ホリエモンや落合陽一君くらい、先のことがわかっている人たちは、これはもう時間の問題だと。つまり世の中で仕事と言われるものは全て(AIに)置き換わると(言っています)。そうかもしれません。

そうかもしれませんが、10年、20年かかる可能性があるので、人間はこの(情報編集)力を磨きながらこちら側に頭を寄せる。それが得策かなということは分かってもらえたんじゃないかなと思います。

頭の良さとは、頭の柔らかさと回転の速さ

一応ここまで納得してもらえた前提で、ちょっとその最後仕上げにですね……。情報処理力と編集力について、どうすればもっと高まるのか、自分の情報処理力・情報編集力を高めるためにはなにをやったら良いの? っていうのをブレストしてもらって、それで私の考えをちょっと述べて、最後の仕上げにいきたいと思うんです。

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