自分のニオイを可視化する「Kunkun body(クンクンボディ)」

北原成憲氏(以下、北原):みなさん、こんばんは。マクアケの北原と申します。

第2部では「INIT HEROES」とあるように、マクアケを通じてプロジェクトを実際に生み出されたヒーローにご登壇いただいて、喜びや苦労話などリアルな話についてうかがっていきたいと思います。

最後には、事業を生んでいくための教訓のようなものをお聞きできればと思います。それではさっそく、ステージに向かって左側からご紹介をさせていただければと思います。

まず、コミカミノルタ株式会社 Business Innovation Center Japan インキュベーションリードの甲田大介さまです。

(会場拍手)

北原:甲田さまは「Kunkun body(クンクンボディ)」というプロダクトをMakuakeで生み出されまして、なんと5,000万円弱の支援を集められました。いまはもうクラウドファンディングのフェーズは終えて、社内の事業化を進め、一般発売にこぎつけられています。まさに事業のグロースにチャレンジされているところでございます。

甲田さん、もしよろしければ、コンテンツへの意気込みなどを、一言お願いします。

甲田大介氏(以下、甲田):Kunkun bodyという、普段はなかなか気付きづらい自分のニオイを可視化することで、自分に対する安心感や自信を(持てるようにして)、新しい身だしなみのツールとして世の中に提供できないかなということで、だいたい3年ぐらいかけて、いまプロジェクトを進めています。

プロジェクトを始めて2年ぐらいの時に、Makuakeでクラウドファンディングをやらせていただいたんですけれども、結果的にすごく良い結果を得られました。いま事業化に進んでいるというところでございます。

北原:今日は事業化のところで、ちょっと苦戦されているポイントなどのお話もいただきつつ、教訓のようなものを教えていただければと思います。

甲田:そうですね。そういった赤裸々な話もできればなと思っています。

(会場笑)

採寸業務を効率化する「hakaruno(ハカルノ)」

北原:よろしくお願いいたします。続きまして、富士通デザイン株式会社 クリエイティブディレクターの藤原和博さまです。

(会場拍手)

北原:藤原さまにもこの後、プロジェクト「hakaruno(ハカルノ)」をご紹介いただければと思いますが、まず私から簡単に製品の説明をさせていただきます。「hakaruno」は、いわゆる洋服などを測るようなメジャーをIoT化した製品です。

いまのアパレルショップでは、寸法を測って、手作業で伝票を書いています。これは業務効率が悪いというところで、IoT化することで非常に業務効率を上げる製品を生み出されました。

これが1,000万円を集めるようなヒットになっていったわけなんですけれども、クラウドファンディングを通じて話題化したことで、B2Bのお問い合わせも多数あり、事業化に弾みがついたということもお聞きしておりました。どうぞよろしくお願いいたします。

藤原和博氏(以下、藤原):富士通デザインの藤原と申します。Makuakeでは、先ほどご紹介いただきましたhakarunoという名前のメジャーをクラウドファンディングしました。もともとすごくB2B色の強い商品だったのですが、実際Makuakeを開始してから問い合わせが非常に増えました。

つい最近デリバリーが終わったばかりで、これから本格的に事業化に乗り出すというようなかたちになっています。今日はよろしくお願いします。

北原:どうぞよろしくお願いします。

(会場拍手)

内側からの刺激で美しい表情を作る「VISOURIRE(ヴィスリール)」

北原:3人目ですね。先ほどセッションで所長の宇野さまがご登壇されましたけれども、同じくライオン株式会社のイノベーションラボにいらっしゃいます、川崎亜沙子さまです。

(会場拍手)

北原:ライオンは日用品をメインで取り扱われているというお話がありましたけれども、川崎さまは、同社では非常にめずらしい美容機器のジャンルで、新たな家電を作られました。口の中から表情筋にアプローチすることで美しい笑顔になっていく「VISOURIRE」という、新しい美容機器にチャレンジされております。

まさに今、クラウドファンディング期間中でして、600万を超える支援(イベント開催時。終了時には約1,200万)が集まっています。2018年12月末までクラウドファンディングをされています。

川崎亜沙子氏(以下、川崎):ライオンの川崎です。よろしくお願いいたします。ご紹介にあったように、まさに今クラウドファンディングを実施しているところです。

我々は日用品の開発・販売を事業の中心としておりますが、2018年1月に新規事業創出に挑戦するイノベーションラボという新組織ができ、今回美容ジャンルへの製品開発を進めています。そして今まさにMakuakeを使って、クラウドファンディングを実施しているところになります。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

北原:最後に、私は株式会社マクアケの北原と申します。先ほど登壇した、弊社役員の木内の管轄部門であります、Makuake Incubation Studioというところで、大企業の方々の製品について、クラウドファンディングのサポートだけではなく、クラウドファンディング前の製品企画のサポートだったりですとか、あとはプロダクトデザインやCMのクリエイティブディレクション、クラウドファンディングが終わった後の事業化に向けたサポートをさせていただいております。

実は実家がものづくり屋で、町工場をやっております。それもあって小さいころから非常にものづくりが好きだったんですけれども。縁があってサイバーエージェントという会社に入社することができまして、インターネットの力を使って、もっと日本のものづくりを加速できないかというところをモチベーションに、がんばっています。どうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

ニオイを数値化し、可視化することで新しい価値を生み出す

北原:まず1つ目のコンテンツといたしまして、いまお三方が取り組まれているプロジェクトならびに、組織立って事業化へのチャレンジをされているということで、1社ずつ対話しながら、取り組みをご紹介できればと思っております。

まず甲田さまなんですけれども、コニカミノルタさまでは Business Innovation Centerという部門を作られて、いま新規事業の取り組みをされていると思います。ここはどんな部門かご説明をお願いします。

甲田:コニカミノルタのもともと持っている技術や資産の活用を前提としない、新規事業開発部門です。お客さまの課題をまず捕まえて、その課題を解決する技術を開発して、製品・サービスを目指していくといった事業開発スタイルを取っている、ちょっとユニークな組織になっています。

北原:これは世界各地で行われているのでしょうか?

甲田:そうですね。世界5ヶ所に同じ Business Innovation Centerがありまして、それぞれの地域に根差した新規事業を作って、それを横展開していくという組織になっています。

北原:非常にワールドワイドに新規事業を取り組んでいらっしゃるところが、コニカミノルタさまの組織の特徴ですね。

甲田:そうですね。

北原:ありがとうございます。Kunkun bodyを生み出すにあたってのビジョンや思いなど、先ほどの話に加えて、なにかあればお願いいたします。

甲田:プロジェクトが始まったきっかけも、メンバー同士の会話で「ちょっと体臭気になるよね」みたいな。そういった普段の会話から「体臭を測る機械ってないのかな?」と調べていったのが、プロジェクトの始まりなんですけれども。

よくよく調べていきますと、人が不快に思うニオイって、人だけでなく、物、空間、いろいろなところで臭って、それが人に不快な思いをさせてると。ただ、それを可視化する手段や、イヤなニオイだけ嗅ぎ分けて可視化するという技術が、実は世の中にないなということがわかってきました。

ニオイって単位がないですよね。音だったらデシベルとかありますけれども、ニオイに単位を付けられると、我々は新しい価値を生み出せるんではないかな、と思いまして。そこで、いろいろなところで可視化することで価値を出していこうと。そんな思いでやってきました。

スメルハラスメントが生まれた時代背景とのマッチ

北原:5,000万(円)近い支援が集められたということで、メディアでもかなり反響があったと思うんですけれども。どういったところがそのような反響につながったと思いますか?

甲田:体臭はとくに、職場でのスメルハラスメントという、新しいハラスメントとして注目されています。暑くなってくるとニオイのネタがどんどん出てきたりするんですけど、そういった時代背景にけっこうマッチして、かなりメディアにも取り上げていただいたんじゃないかなと思っています。

北原:思い出話になりますけど、僕もプロジェクトを担当させていただいて、一番最初のローンチを記者発表された日も、かなり暑かったですよね(笑)。

甲田:そうですね(笑)。

北原:夏場の非常に暑い日で、「Kunkun body日和ですね」みたいなところから始まった記者会見だったんで、すごく覚えています(笑)。

(会場笑)

北原:ありがとうございます。Kunkun bodyは今年のグッドデザイン賞も受賞されました。これまで可視化できなかったことを可視化していくという価値やデザインが非常に評価されたというところですね。

ベンチャー企業とタッグを組んでのビジネス創出にチャレンジ

北原:続きまして、富士通デザインの藤原さんにお聞きできればと思っております。こちらも今年のグッドデザイン賞で高い評価を得られていますね。審査員の評価を見ていて、すごくユニークだなと思ったのが、「日本企業にもっとも足りていない部分をやろうとしていると(クラウドファンディングを通しての社内事業化を)高く評価」されていたということで。まさにMakuakeをきっかけに、事業化の流れが社内で徐々に起こっていっているというところが評価されているのが、非常にユニークだなと感じました。

藤原さんにもご紹介いただきましたけれども、いま富士通デザインさんでも、こういった「どんどん新規事業を生んでいこうじゃないか」というクリエイション発想みたいなところが挙げられていると思います。ここでなにかご紹介等あればお願いします。

藤原:まず最初に、これは富士通デザインというより富士通本体でやっているものなんですけれども、ちょうど富士通アクセラレータプログラムというのをやっておりまして。今回で7期目になるんですけども、いま募集をしている最中です。

これは、ベンチャー企業と富士通でタッグを組んで、新しいビジネス創出をしていこうというプログラムになっています。富士通はだいたい15万社ぐらい顧客を持っている会社なんですけれども、そういったところとの組み合わせで、なにか新しいことを生み出していくようなことを考えていると。

かなり親身になって、富士通側のほうでもメンバーを付けたり、予算を付けたりしております。ご興味のある方は、第7期プログラムの募集が始まっておりますので、ぜひサイトを見ていただければと思います。

北原:ありがとうございます。このカンファレンスに臨む打ち合わせのときもありましたけれども、藤原さん自身がクラウドファンディングで実際に(新しい商品を)生み出されたというところで、けっこう社内からも「どうやったら生み出せるんですか?」という質問があったり、それを藤原さんご自身がサポートされているところもあるそうですね。

藤原さんのように、実際に(新商品を)生み出した経験をされることで、もっともっと富士通デザインさんのなかでこういった活動が盛り上がっていくんじゃないかなということで、私もぜひウォッチしたいなと思った次第です。

藤原:私も楽しみにしています。

洋服のカスタムオーダーに人気の気配を感じたのがきっかけに

北原:先ほどご説明がありました、IoTメジャーが1,000万円を超える支援を獲得をされていますけれども。このメジャーを開発されるきっかけですとか、どういう経緯でこういったものを開発されようと思ったのか、お聞きしてもよろしいでしょうか?

藤原:もともとこのプロジェクトを始める前にB2Bの案件がありまして、そちらでいろいろ仕事をしているなかで、「これから洋服のカスタムオーダーが人気が出てきそうだ」という話がありました。我々はITの会社として、そういったカスタムオーダーに使えるようなものが作れないのかな、というところから入ったのが最初です。

あと私も最近気付いたんですけれども、私の父親がニット製品を作る職人だったこともあり、小さい頃から身近にニット製品がある中で生活をしていて。そういう意味では、昔から洋服づくりの環境にいたなとちょっと思いまして。小さいときからの経験と、富士通のなかでどんなことができるかの組み合わせで生まれたのかなと(思いました)。

アパレルメーカーの方々にガッチリお話を聞いて、現場理解をしていきました。いまどきの言葉で言うとデザインシンキングなんですけども、最初にお話を聞いて、共感を得て、そこからプロジェクトを進めていく。そういうことをやっていったって感じですね。

北原:なにか生み出さねばならぬとか、生み出してみたいなという、強いモチベーションにつながっていく感じですね。後ほどまた、このプロダクトの背景をお聞きできればと思います。

藤原さんはさっき、B2Bにけっこうニーズがあるんじゃないかということが企画の最初のほうにあったとお話しされていましたが、反響はいかがでしたか?

藤原:これはマクアケの意図的なメディア戦略的なところもあると思うんですけれども、アパレル系のメディアさんをたくさん呼んでいただけたこともあって、けっこう業界では話題になりました。問い合わせが続出したんですよね。しばらくひたすら営業回りをして、という状況でしたね。クラウドファンディングなのに足で稼ぐっておかしいいんじゃないか、って思いましたけど(笑)。

デニムが正装、ラボは緑の絨毯、なかには卓球台も

北原:ありがとうございます。それでは最後にライオンさんですね。今までの研究所の白衣とは違ったかなり活発な雰囲気のユニフォームを導入されるなど、イノベーションラボでは本当にさまざまな取り組みをされていると思います。

川崎さんから見て、一般的なライオンの部所とイノベーションラボの違いや雰囲気があれば、ぜひ教えてください。

川崎:やっぱり一番の違いは、自由にアイデア発散が可能な環境にあるということだと思います。この服もそうですけど、通常我々は研究職なので白い白衣を着ているんです。それとは違う真逆のデニム柄が正装というかたちにしているのがまず違いますね。あと、場所は研究所のなかにはあるんですけれども、ラボは緑の絨毯で、卓球台もあり、今までの研究所とは全く違う空間です。

そのなかで、我々が自由にアイデアを発散できて、何十本ものアイデアを出し続けられているのは、今までの研究所とはものの考え方が大きく違うかなと思います。

北原:ちょっと踏み込んだ質問をさせていただくんですけども、宇野さんのような経営層の方がまさにそういう雰囲気づくりを率先してやられてると思うんです。それってけっこう現場にも伝わってるものですか?

川崎:私はあまり感じないですけど(笑)。

(会場笑)

川崎:ただ、やっぱり私たちが出したアイデアに対して、宇野は絶対「ダメ」って言わないので。私たちがやり続けられる環境を作ってもらってるからこそ、新しいものも生み出しやすいですし。それを、「なんとかしたい」という思いを、強く支えてくれる良い組織だなと思っております。

北原:すばらしいですね。ありがとうございます。

アイデアの具現化に協力してくれる人の力を借りることができた

北原:先ほどの「VISOURIRE(ヴィスリール)」は、今まさにクラウドファンディング中というところで、僕も担当させていただいています。話を聞いた時、すごくびっくりしまして。「家電作るんですか? ライオンさんが!」みたいな。

逆に言うと、たぶん家電を作られたこともなかったと思うので、わからないことだらけですごく大変だったんじゃないかなと思いまして。このクラウドファンディングを生むにあたっての苦労話や、このプロダクトに込めた思いがあれば、お聞きできればと思います。

川崎:もともとの発想自体は、やはりずっと口腔と皮膚の研究をやってきたことが背景にあります。着眼点として「こういうアプローチってあるよね」って思ってはいたものの、おっしゃっていただいたように、美容家電や電化製品は作れないというところにハードルはすごくありました。

ただ、そういうアイデアを具現化したいなという想いを発信していると、協力してくださる方が出てきてくださるもので。やっぱり自前主義にしばられずに他の人の力を借りるというところの発想の新しさが、このプロジェクトを達成できたきっかけかなと思っています。

北原:ちょっと後半のお話に通じるかもしれないんですけれども、自分たちではできない、ただ、外部の人たちが協力をしてくれた、というところが1つ突破口としてあったなかで、周りをどう巻き込んでいくのか。そのチームビルドみたいなところも、もしかしたら重要なポイントとしてあるのかなと思いながら聞かせていただきました。

今日の講演を聞いて「VISOURIREを応援したい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひクラウドファンディングの支援をお願いできればと思います。

クラウドファンディング途中、成功、事業化の3フェーズにいる担当者たち

北原:たくさんのメディアに取り上げられての反響だったり、その後の効果はいかがですか?

川崎:ライオンは日用品というイメージが強いと思いますが「あ、こういうこともやるんだ」「新しいことに挑戦してるね」というお声がけや応援をいただける機会が増えたかなと思っています。

そしてイノベーションラボ自体の取り組みも、注目していただける機会も増えたので、このプロジェクトをMakuakeという場に出せて、良かったかなと思っています。

北原:ありがとうございます。事業と一言で言っても、いろいろなフェーズがあるかなと思っていまして。今回のお三方のフェーズが時系列に並んでいて、それぞれのフェーズで悩みに直面をしたり、困難があったというところがすごくユニークだなと思っています。

当然これまでの苦労話もおありだと思いますが、今ご自身が置かれている環境のお話をされると、ちょうど時系列で苦労がまとまっていて、どう突破してきたかという教訓が得られるお話になるかと思います。

クラウドファンディングで「まずは生み出すんだ」というところでの川崎さん。「クラウドファンディングに成功しました。次は社内でどうやって事業の承認をもらうか」というところで藤原さん。事業化の承認がされた後「いよいよ事業に向けて拡大をしていかなきゃ」というところの甲田さん。

それぞれのフェーズの苦労話、突破口みたいなところを、教訓として、法則として、学ばせていただく時間にできればなと思っております。

準備はしてもしても終わらない。決断には覚悟が必要

北原:では、今ご自身が置かれている場面で、もっとも困難だと思うことをまずお聞きできればと思います。川崎さんは、クラウドファンディングフェーズですが、お話をうかがえますでしょうか?

川崎:いつクラウドファンディングをやるかを決めるっていうのが一番難しかったかなと思います。というのも、日用品では必ず完成した商品を世に出すのに対し、やっぱりまだ市場にない新しいものを世の中に出そうとしたときに、どこまでなにを用意したらいいかわからないし、用意しても用意してもなにか足りない気がする、みたいな気持ちに駆られてしまって、なかなか新しいことが始められない状況でしたが、ある時点で腹をくくって「やる!」って決めたのが良かったかなと。

そしてその後は、周りも協力してくれる環境が作れて、それはすごく良かったかなと思ってます。

北原:やっぱり正解がないところでも「やるんだ!」と意志を決めて、恐れず突き進んでいくと、応援してくれる人も増えていくと。なにか意志の力みたいなのがすごくあったという感じですかね?

川崎:そうですね。自分のなかで「これがいける」とか「できる」って思えるまでは、用意するのも大事かなとは思うんですけど、ある程度そろったら、もう決めて「やる!」って言い切るのが大事なことなのかなと体験して思いました。

事業化の検証フェーズとしてクラウドファンディングを使う

北原:2つほど質問があります。1つはライオンさんが美容に関する新しいコンセプトの製品を作るということで、売れるかどうかは神様しかわからないみたいなところがあると思うんです。そのような商品の価値をどう翻訳・表現していくのかみたいなところでの、難しさとか葛藤ってありましたか?

川崎:誰が買ってくれるかわからない不安っていうのは、本当にクラウドファンディングで支援の方々が集まってくるまでは、やっぱり不安でしょうがなかったです。しかしターゲットとして想定している人が「絶対にこれは買う!」って言ってくれるまでやろうと。いろいろなコンセプトだったり、デザインだったりっていうのを、最後まで粘り強くやり続けて、ターゲットとして定めた1人の人が「買う」って言ってくれるまで試行錯誤したものが、多くの方に支援頂けたことは、自信につながりました。

北原:ちなみに、そもそも論なんですけど、たぶん今日いらっしゃる企業の方々だと、「クラウドファンディングは知ってる。やってもみたい。けど、クラウドファンディングをやるという承認を社内で取ること自体がけっこう難しい」とか、そういうところで悩まれている方もいらっしゃるのかなと思ったんですけど、そこは逆に、ライオンさんではそんなにハードルはなかった感じですか?

川崎:そこはですね、そのままでの提案では難しいと考えて、クラウドファンディング自体を、事業化の検証フェーズという立ち位置に置きかえたというところがあります。なので、「どんなマーケティングを打ったらどんな反響があるのか?」っていうのも検証の1つですし、「この価格でお客さんが買ってくれるか?」っていう、価格の面でも事業検証の1つです。クラウドファンディングでやるすべてが、今後の事業化に向けての検証と位置付けています。

北原:逆に言うと、既存のフローでこの製品を出そうとしたら、「そんなもん出せるわけないよ」みたいなところが、今回でいうとクラウドファンディングという手法があったことで「クラウドファンディングだったら検証という側面でやってみてもいいよ」みたいなところがあったっていうことですかね。

川崎:そうですね。クラウドファンディングはあくまで検証フィールドですので、検証しながら確認もするし、ブラッシュアップもしていくことができるので、まずは小さく試してみる、そして世の中に聞いてみる、っていう1歩がこれまでに知見のない分野では大事かなと思います。

北原:クラウドファンディングをやるかやらないかっていうよりは、「まずはクラウドファンディングみたいなかたちで世に聞いてみるのはどうですか?」ということを、上の人も理解をしてくださって、生み出すというところにたどりつけられたと。

川崎:はい、そうです。

事業化するにあたって、どの部署にプロダクトを引き継ぐか

北原:ありがとうございます。次に藤原さん、クラウドファンディングに成功されて、今まさに事業化のところで社内の承認を取ったり、「どの事業部門でこの製品を引き取っていくんだ?」みたいなところが進められているとお聞きしたんですけれども。そこにどんな困難なことがあるんでしょうか?

藤原:川崎さんと同じように、実は我々がクラウドファンディングをやるときも、最初はMakuakeに話を聞きにきただけ、というつもりだったんです、最初は。「こんな商品できたんですけど」って持っていったら、対応していただいた担当者から「いいですね。やりましょう」という話の流れになって。会社に戻って、「やることになりそうなんですけど」っていきなり切り出したんですね、私の上司に。ほとんどなにも考えずにスタートしちゃったんです。それが後で苦労する最大のポイントになってくるんですけど。

クラウドファンディングのほうは成立して、デリバリーをつい先週終えたばかりでして、これからっていうところなんですけども。ファンドが成立した時点で、「この事業を富士通のなかのどこの事業部でやってもらおうか?」ということを考え始めるようになるんですね。

富士通は事業部制になってるんで、どこかで引き継いでもらわないと、責任も取れないし、商品をリリースすることもできない。基本的に商品を出すっていう責任を持てる部門っていうのは事業部になっているので、出そうと思うと必ずどこかの事業部にこれを引き継がなければいけないっていうことが発生するんですけども。

あまり見たこともない商品だし、市場性がどれぐらいあるかわからないなかでは、なかなか引き継いでくれるところが少ない。 クラウドファンディングを実施して良かったなと思うのは、市場性や市場規模の見込みに対してきちんとした実績ができあがるということですね。「クラウドファンディングで何人の人に何個買っていただいて、これをベースに考えると、どれぐらいの市場規模か推し測れますよ」みたいな話が、ファクトベースで話ができるようになってるっていうのは、事業部を探すうえでは助けになる感じがしています。

北原:事業化のところは、どういった風向きになってるんでしょうか?

藤原:そうですね。最初に検討をしてくれた事業部がうまくいかなかったんですね。今は、次の事業部に打診をしているところです。

「購入を意思決定してくれた人」のデータというファクト

北原:今回クラウドファンディングをやられて、購入実績のデータが取れたということなんですが、これがもし過去だったとしたらどうだったとかってありますか?

藤原:普通に考えたら、「マーケティング調査をする」とか、「アンケート調査をしましょう」となりますよね、そしてそこに莫大なお金がかかるんですよね。アンケート調査って、商品を企画する側からすると、被験者がどれくらいの本気度でコメントをしてくれているのかが不明確なままでも調査結果になりますし、経験的に100%信用できるものではないと考えています。

その理解のうえで「調査の結果はこんな感じですよ」って意思決定者に見せていくしかなかったと思うんです。商品企画者の側からすると、調査結果を鵜呑みにはできないが、定量データはこれしかない、といういまひとつ納得のいかないものだったりするんですよね。

それに対して、「実際にお金をかけて『これを買う』って意思決定してくれた人がこれぐらいいますよ」っていうのは、調査よりもぜんぜん効果があるというか、説得力があるというような感じがしていますね。

北原:事業部に引き取ってもらうためには、やはりそのプロジェクトの将来性だったり見込みみたいなことを、できるだけロジカルにというか、そういうことを提示をして交渉していくというところがポイントになってくるんでしょうか?

藤原:そうですね。やっぱりそこはすごく重要になってきますね。事業として引き受けるからには、成功させなきゃいけないっていう責任感が事業部にはあって。そこの部分を彼らのなかでも推し測っていくうえでは、いろいろなファクトベースの情報っていうのが必要になってくるんですけども。それを我々は提示できると。あと、現物もありますから。現物も見てもらえるっていうのは、すごく大きいと考えています。

北原:そのための1つのエビデンスとして、クラウドファンディングの結果だったり、手に入ったマーケティングデータみたいなところが、今まさに活用できてるってことですね。

藤原:そうですね。

ニオイを測るニーズがあるかを調べるために選んだ大阪の地

北原:ありがとうございます。では、事業化から一般販売に進んでいる甲田さんから、今まさに直面されている課題についてお聞かせください。

甲田:はい。直面する課題に至るまでに、ちょっと若干遡らせていただきます。Kunkun body自体、世の中にないものだったので、「本当にニオイを測ることのニーズがあるのか?」みたいなところをどう説得していこうかなっていうことで。プロトタイプができたタイミングで、大阪駅にあるヨドバシカメラの前で、通りかかる人にタッチアンドトライのイベントをやりました。

そこにすごい人が並んでくれて、アンケートがいっぱい集まりました。実はわざと大阪を選んでいて、大阪人だったらけっこう受け入れてくれるんじゃないかな、みたいな。

(会場笑)

甲田:そういったこすいことを考えていたんですが、まさにそれがドンピシャで当てはまって、500人ぐらいが列をなして測っていってくださいました。その場で取ったアンケートでも、9割ぐらいの人が「体臭を測るのって魅力的です」って答えてくれたりして。社内にはそれを水戸黄門の印籠のようにオリャッて突き付けて、そこでまず「ニーズはあります」みたいなところのクリアをしました。

次に「本当にお金出して買ってもらえるのか?」を証明するために、クラウドファンディングを活用させてもらいました。これもなんとか成功させなきゃいけないってことで、北原さん、木内さんにいろいろご指導いただいて、ページの作り方から、社内の説得の仕方からみたいなことをいろいろ教えていただきました。

それを全部忠実に守って、メディアにもアプローチを積極的に行ったら、それが見事に当たりまして。プロジェクトを出したら、1,000万円が一晩で集まりまして、3ヶ月で5,000万円ぐらい集まってしまったと。うまくいきすぎてしまいまして、社内の期待値が上がりに上がってしまったというのが、今の僕の苦しみの源泉になってしまったということなんですね。

(会場笑)

クラウドファンディング成功は、投資回収フェーズの始まり

甲田:我々もMakuakeでの成功で調子に乗ってしまってですね。いきなり一般販売のフェーズに入ってしまったのが今年の1月なんです。

クラウドファンディングの時とはやっぱりマーケティングの仕方もぜんぜん違いますし、どうやってお客さんの気持ちを盛り上げていくかは、一般販売の場合は違う理屈が働いてくるので。イチから積み上げでやっていかなきゃいけない感じなんですけども、期待値が上がっているので、予算がたくさん付けざるを得なかったと。

北原:それはあれですか、目指さなきゃいけない売上目標ですか?

甲田:そうです、Makuakeの成功が元で売上目標が高いところに設定されているのですが、マーケティングは一般販売を始めたタイミングでイチから始まっているので、「売上目標と結果の差分は何?」といったことをですね、毎月のレビューで厳しく質問されるみたいなことで。

(会場笑)

甲田:今非常に苦しんでいる最中で、過去の困難は困難とは思えないぐらい、今が一番困難だという。常に今が困難ですっていうのが、本当に実感としてありまして。とはいえ、人に乗り越えられない困難はないと思ってますので、どうやって乗り越えてやろうかなと画策しているところですね。

北原:すごいユニークだなと思ったのが、大企業というのは、クラウドファンディングを終了して一般発売を開始すると、すぐ投資回収フェーズという位置付けにされるんですね。「一気にそういう期待をされてしまうんだ」みたいなところで苦労をされてるっていう話があって、ぜひそこのお話をお願いします。

甲田:そうですね。クラウドファンディングまでは価値検証フェーズみたいなところなんですけども、一般販売を始めた瞬間にもう、いきなり既存事業の予算の組み立て方のなかに一気に巻き込まれます。それがやっぱり新規事業をやってる人のしんどさかなと思っていて。

こればかりはどうしても、社内のルールに則って動かなければならないので。自分たちではどうにもできないけど怒られるっていうところが大変で。

(会場笑)

商品設計からマーケティング検証までのフェーズを導入したかった

北原:時間を巻き戻せたとして「こうしていればもっと有意義にできたな」とか、「もっと良い弾み車がついたな」と思うことはありますか?

甲田:あくまで「お金を出してくださる方がいらっしゃることが確認できた」ということが、クラウドファンディングの役割なのかなと思っていて。じゃあ、お金を出していただける方に、どういうお金の出し方をしていただくのか、どういうサービス構成で、どういう利益を出すのか。どういう営業をやって、どういう利益を取っていくのか。そういった商品設計からマーケティングまで行なうフェーズを、投資回収フェーズの前にすごく入れたかったなと思っています。ちょっと期待値の波に巻き込まれてしまって、今そういうことをしている余裕がなくなってるっていう感じですね。

北原:たしかにそこで「どういうマーケティングをすれば売上につながるか」というところの施策を探って、そこで勝ちの構図みたいなのを作って、一般販売だったり、売上っていうところに向かっていけたら、なお良かっただろうと。

甲田:そうですね。そうすれば、期待値どおりの売上だったり、サービスが事業としてちゃんと永続的にお金が入ってくる仕組みをちゃんと作れたりできたんだろうなと思うんですけども。今は目先の、足元の数字をとにかく詰められるので、うまくリソースを割けないというか。そうなっちゃってるかなと思いますね。

「本当にいけそうだ!」の確信があるなら、独立の手もある

北原:ありがとうございます。時間がだんだん差し迫ってきまして、まだちょっと2、3個聞きたい質問があるんですが。今の話が、割と今回のテーマに近いところで。「今時間を巻き戻せたとしたらこんな施策を盛り込んでいた」というところは、ぜひ我々の教訓とさせていただきます。

一方で、過去に戻ることはできないので、「今をどうしていくか?」みたいなことについてお聞かせください。生き残るためにはなにが必要かといったところがあれば。

甲田:そういう意味では、マーケティング検証フェーズは絶対にやらないとと思っているので、それを今の動きのなかにも取り入れていって、改めてサービスとしてリニューアルするっていうのを、次に仕込まなければならないかなと思っています。

ただ、それを会社が我慢してくれるかどうか。そのせめぎ合いなのかなと思っています。前半のセッションにもありましたけど、木内さんがいろいろな提携を持ってきて、別のところでその気にさせて生き残るみたいな方法もあると思いますし。あと、投資してくださる方がそのプロジェクトにいらっしゃるのであれば、独立するという出口の設定の仕方もありますので。

例えば、「マーケティング検証の結果、こういうサービスであれば、こういう事業が成り立つだろう」みたいなものを作って、それをプロトタイプで確かめてみて、「本当にいけそうだ」っていう確証が得られたら、今度はそのお金を集めるっていうところにいったん軸足を置いて、独立してから始めるみたいな。そういった組み立て方もあるのかなと思っています。

北原:全部社内で立ち上げるというわけではなくて、外部から投資を受けて、合弁会社を作って立ち上げるみたいな手法も確保されていると?

甲田:そうです。そういう出口もありますので、そういった方向性も含めて考えています、っていうことです。

北原:なるほど、ありがとうございました。

信念を持って貫き通すのが、まず世に出すうえでは重要に

北原:最後に「大企業から事業を生み出すにあたってのポイントはなにか?」というところについて、それぞれのフェーズで思われていることを川崎さんから順番にお伺いして、このセッションを終了とさせていただければと思います。

川崎:私が思うのは、やっぱり貫き通すみたいなところが、1つポイントになるのかなと思っています。

先ほど木内さんたちのお話のなかでも、やっぱり大企業にはいろいろな部所があるので、1つのことをやろうとすると、部所をまたいでいろいろな人が関わって、1個の製品を出していくやり方が多いと思うんです。でもそうすると、最初の開発者の思いがゴールまで伝わらないことが多々あるのかなと思っています。

今回、このクラウドファンディングを実施することだけを切り取って言えば、私たちイノベーションラボですべてのことをやったということが、早くプロジェクトを加速化できた1つのポイントかなと思います。社内の調整で大変なことも多々あるんですが、一貫してやっていると、思いは必ず伝わると思っていまして。だから、いろいろな人が少しずつ協力してくれる空気ができたのかなと思います。

一言で言うならば、本当に信念を持って貫き通すというところが、やっぱり大事なポイントになるのかなと思います。

北原:その意志があれば、検証できる場だったり、あとはそれを実現できるパートナーはいるので、意志を持ってしっかりそれを伝えていくところが重要になってくると。

川崎:そうですね。まずは世の中に出すことだけを考えてみれば、そこが最初の第1ステップなのかなと思います。

北原:今後VISOURIREを待ち受けているであろうハードルは、これまで藤原さんや甲田さんがご経験をされてきたということで、ぜひそのノウハウを聞かせてもらってください。

(会場笑)

心配しすぎると前に進めなくなる

藤原:ですね(笑)。私もクラウドファンディング期間中は、ファンドが成立するまでやり切るところに一番パワーをかけていまして。知財関係とか、まとめなきゃいけないことはいっぱい出てくると思いますけど、そういうのも期間がないからってかなりゴリゴリ押し切って手続きをしてもらいました。

そういった事業を生み出すにあたっての準備や、社内で通さなきゃいけないものは通さなきゃいけないんで、期間中であろうがリリースまでにきちっとやることはやる。それがすごく大事ですね。周りの人を安心させるためにも、そういう手順を踏むのが一番大事かなって思います。

あとは、たぶん、わりと楽観性が必要なんじゃないかと思ってまして。心配すると先に進めないんですね。その気持ちはわかるんだけど、ちょっと楽観的になってみようということで、あえてブレーキをゆるめる。そういうマインドセットみたいなものが、新しい事業を大きい会社から作っていくときに、必要になってくると思います。

北原:ありがとうございます。「楽観性」というキーワードはすごくおもしろいなと思いました。大きな企業でも、創業者まで遡ると「まずはやってみなさい」という言葉を残された方々がやっぱりいらっしゃいますから。

楽観的な空気感の醸成に、経営サイドの反応は

北原:もしよろしければ、(先ほどのセッションにご登壇された)浅野さんと宇野さんにお聞きしたいことがありまして。楽観的な空気というか、創業当時の文化のようなものを作っていきたいという思いは、経営サイドでもあったりするんでしょうか?

浅野靖司氏:LIXILについては、行動様式というかたちで「実験して学ぶ」ことをかなり強く打ち出しています。

もちろんトップから発してもらうメッセージということで、それが全体に浸透するとは言いながらも、よくありがちなものは、上がそう言っているだけでなかなか具体化しないと。ただ、その発信と同時に、我々の部署ができたんですね。

コミュニケーションのツールも、社内では今Workplaceを使っていて、自分たちの行動は都度全社員に発信できるようになっています。本当に1つずつできあがっていくのも、社員全員が自分たちも一緒にやっているような気持ちで応援してくれる方がたくさんいるので、そういう文化を作ろうという気運はすごく出てきてるかなと思っています。

北原:ありがとうございます。宇野さん、お願いします。

宇野大介氏(以下、宇野):うちのメンバー(川崎氏)が前にいるんで、言いにくいんですけど(笑)。

(会場笑)

宇野:彼女がどう考えてるかはわかんないんですけども(笑)。そもそも私がかなりの楽観主義なんで、「なんとかなるっしょ」といつも思っています。

北原:宇野さんのDNAを持ったイノベーションラボということですね(笑)。

(会場笑)

現場社員はやめる勇気を持ち、上司は承認する勇気を持つ

北原:ありがとうございます(笑)。では、最後に、このセッションの締めになりますけれども、甲田さんお願いします。

甲田:事業を生み出すには、事業になるための建て付けがなければいけないですね。クラウドファンディングで打ち上げ花火が上がりましたと。それだけじゃやっぱりダメで、どうやってそれを本当の事業にするかというのは、まだ大きな谷が存在するなと。そこまでちゃんと考えて、初めて大企業のなかで事業が生まれるのかなと思います。僕らはまだそこまでいけてないので、そこでうまくいったらまたみんなに教えますという感じですね。はい。

(会場笑)

北原:打ち合わせの際に「やめる勇気を現場社員は持って、承認する勇気を上司は持つ」というお話がチラッとあったかと思います。そう思われたのはどうしてなんでしょう?

甲田:そうですね、なかなか事業が生まれないこともあると思うんですけれども、発案する側と承認する側のコミュニケーションミスが往々にしてあるんじゃないかなと思っていて。

新しい事業の発案をしたときに、上が絶対にやらせる勇気が、まず必要かなと。一方で、発案した側がうまくいかなかったらやめる、といったことを、ちゃんと自分の口で言えないと、結果的に必要のないものがダラダラと続いてしまいます。そうなると、最初に承認した人は次から信用できなくなってしまって、承認できなくなってしまう。

やめる勇気、許す勇気をお互いに持ち合わせれば、まず事業のネタが生まれて、そこからチャレンジが生まれてくるのかなと思います。

北原:ありがとうございます。今日登壇された方々は、(新規事業を)生み出すことで、何が起こるかということを実体験されています。そのうえでのお言葉ですので、今後事業にチャレンジをされようという方は、今日のお話を参考にしていただければと。

お三方、どうもありがとうございました。

(会場拍手)