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住まい領域(全1記事)

2019.02.18

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2019年、人口の14%が「デュアラー」になる!? シェア文化の浸透で実現する、都心+郊外のデュアルライフ

提供:株式会社リクルートホールディングス

2018年12月17日、リクルートによる「2019年のトレンド予測」が発表され、それに合わせて記者発表会が実施されました。「住まい領域」では、『SUUMO』編集長の池本洋一氏が登壇し、2019年のトレンドワードとして、都心と田舎の2つの生活を楽しむ「デュアラー」を挙げました。東京一極集中の加速により郊外生活への憧れが再燃したことと、シェア文化の広がりや空き家の増加などにより、従来の購入以外の選択肢が増えたことが影響していると池本氏は語りました。

都心と田舎を行き来する「デュアラー」

池本洋一氏:みなさま、こんにちは。住まい領域からは、池本洋一が発表させていただきます。

リクルート住まいカンパニーは、『SUUMO』というブランドで、人々の住まい探しの応援をさせていただくサービスを、さまざまなチャネルを通じて提供させていただいております。

住まい領域が今年着目したテーマは、2拠点生活です。ただ従来は、「2拠点生活を実践されている方は、いわゆる豪華な別荘に代表されるように、けっこうシニアの方が多いんじゃないのか」というイメージをお持ちかもしれません。

現代では、少し状況が変わってきております。豪華な別荘から安価なシェアハウス、あるいは空き家といったものに主眼が移っており、中心となって楽しんでいる方は、20代から30代のビジネスパーソンやファミリーの方に移っております。

こういった、都心と田舎を行き来するという方々のことを、今回私たちは「デュアラー」と名付けました。このデュアラーがどんどん増えて、当たり前化していくんじゃないかというトレンドを発表させていただきます。

1拠点の住まいに縛られるというストレス

こちらのスライドは「南房総2拠点サロン」の模様です。新宿で、平日の夜に行われているにも関わらず、50名以上の方が参加されて、非常に活況を呈しております。実はこの2拠点が流行る1つの背景として、「1拠点目の課題」があると思っています。

今から10年以上前のお住まいの多くは、郊外の戸建てで、そこには庭があり、近くには自然があったかと思います。ところが、共働きが標準化し、人々の居住の中心は都心部のマンションとなり、大事なのは駅近といったところに変容してまいりました。

そうすると、その生活の中で少し課題が出てきます。例えば、緑がない。子どもの五感を刺激するような教育をしたいと思っても、その環境がない。あるいは、職場でも軋轢があるストレスの中で、心に余裕を持つことができない。

こういった、1拠点に縛られた生活におけるストレスみたいなものがあるわけです。それを解放するという目的で、どうやら(デュアラーが)増えている様子です。

保有コストをゼロに近づける手段が増えた

我々の調査によりますと、このデュアルライフを開始する方々は、こちらのグラフにありますように、これあくまでも推計ではありますが、年々増加の傾向にあります。

じゃあ、なぜ増えているのか。そして、このあとも増え続けていくと予測するのか。それは、世の中の変化という事情があります。

1つは、シェアをするのが当たり前になりつつあるということ。2つ目として、2018年6月に民泊が合法化されて、法律の中で人に貸すことができるようになりました。

それから、地方物件は都心部の高騰に比べてかなり下落して、空き家も増加しているということ。このような事情は、今後も続いていくだろうということです。

その結果、1泊3,500円で泊まるという手段であったり、月2万円で借りるという手段であったり、親からタダで譲り受けるということであったり。あるいは300万円程度で買えたり、それを5人でシェアすれば1人50万円で買えたりもします。

あるいは、使わない時にAirbnbなどで貸して収益化することによって、実質の保有コストをゼロに近づけていくことができたりもします。

このような時代の背景から、一般の方でも2拠点目を持つことができるようになっていくと考えております。

6種類のデュアラータイプ

現時点の最新の調査におきましても、実際にこのデュアラーの実態は、20代と30代で5割を超えています。世帯年収を見ていただきますと、800万円未満で約半数を占めるかたちです。そして、実際の利用実態は、月平均2~5日ぐらいが半数弱で、わりと近場で楽しんでいらっしゃるといったご様子が浮かび上がってきました。

取材を進めていくうちに、このデュアラーと呼ばれるものは、6種類に分けられると考えられるようになりました。

従来からの「趣味満喫デュアラー」、それから「プレ移住デュアラー」。

それに加えまして、虫とか野菜とか、そういった自然と触れあいたい「のびのび子育てデュアラー」。自分の培った知識やスキルで、地域のお役に立ちたいという「地域貢献デュアラー」。

それから、なかなか故郷のない方も増えている中で、故郷感を求める「ふるさとデュアラー」。都心部の喧騒から離れたい「自然癒されデュアラー」。

こういったタイプが見えてきました。

デュアル生活を楽しむ人たちの事例紹介

ちょっとご紹介をします。1人目の方は、南房総で月約2.5万円で古民家をお借りになっている方です。しかもこの古民家には、1,500坪の庭というか山がついています。こういったものを使って、週末にDIYや子育てをこの場で楽しむという方がいらっしゃいます。

(スライドを指して)こちらの小布施の方は、もともとブランドコンサル、デザイナーという職業をやっていらっしゃいまして、自分のスキルを地域でなにかお役に立てればということで、毎週のように通われているという方です。こういった方もいらっしゃいます。

おじいちゃんのお家を譲り受けて、高校時代のお友達とかを呼んで集まる、拠点づくりに勤しんでいらっしゃるふるさとデュアラーの方がいます。あるいは、南房総の海の突端にある別荘を購入して、リノベーションをしてAirbnbで貸し出すことで、約250万円の年間収入を得て、実質の保有コストをほぼゼロにしていらっしゃると。こういった方々がいらっしゃいます。

また、(スライドを指して)これは千葉のとあるマンションなんですが、群馬県の川場村と提携を結んでいて、マンションの住人ごと川場村に遊びに行くといった動きもありませ。

あるいは教育の現場では、首都圏のお子さんが徳島県の小中学校に一定期間行っていただけるという、「デュアルスクール」というものが始まっています。こういう2拠点生活が広がっています。

14パーセントの人たちがデュアラーになる

現状では約1.3パーセントのデュアルライフの実施者は、私たちの調査の結果、来年には14パーセント、約1,100万人にのぼると予測をしております。

このデュアルライフには、7割以上の方が「満足度が上がった」と感じていらっしゃいます。例えば、「新しいことに挑戦する機会ができた」「自分にとってもすごく良い」「人生の中の厚みを増す経験にもなった」とお答えになる方もいらっしゃいます。

つまり、比較的高い水準でお給料が得られるという都心の利便性を享受しつつも、このデュアルライフを満喫することによって、地方や田舎において人とのつながり(を持つこと)や、なかなか都心では満たされない自己承認欲求を(満たすことで)人生自体が豊かになっていくんじゃないかと思っています。

例えばロシアや北欧のように、一般の方々が2拠点生活をされている国は、すでにあります。日本においては、これから空き家が問題になっています。ですが、この空き家をピンチと捉えるのではなくて、2拠点生活を誰もが始められる起点にできると。私たちはそんな捉え方をしており、このデュアラーが増えていくという世界を目指して、SUUMOもなにかしらサービス提供をしていけたらと思っております。

以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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