50代にして経験した“孤独と恐れ”の転職活動
Indeed Japan高橋氏、仕事探しに苦悩した過去を語る

IVS DOJO 高橋信太郎 氏

IVS 2018 Winter Kanazawa
に開催

2018年12月19日に行われた「IVS2018 Winter Kanazawa」のセッション「IVS DOJO」で、Indeed Japan株式会社・高橋信太郎氏が登壇しました。自らが経験した転職活動を、会社売却になぞらえたエピソードを披露。周囲から支えられた日々と、そこから得た人生訓を熱弁しました。

転職を決意したIndeed Japan高橋氏

高橋信太郎氏:(歌いながら)仕事探しはIndeed、バイト探しもIndeed、仕事バイト探しはIndeed。Indeed Japanの高橋でございます。よろしくお願いします。

(会場拍手)

今日は、転職の話をしたいと思います。ある日、急に大株主から「1年後に事業をストップする」「事業継続はない」と言われたら、みなさんはどうしますか? 作ってきた事業と、その価値には自信がある。市場評価もある。また、付いてきてくれたメンバーは、誰一人路頭に迷わせるわけにはいかない。さあ、次の瞬間、みなさんはどういう行動に出られるでしょうか?

そう、会社売却。今回のテーマにもなってますけれども、次のステークホルダーを探すという行動に出るのではないでしょうか。そのときの私は、そんな心境でした。人にとっての転職とは、言い換えれば自分売却、つまりM&Aである。事業収益が1年でストップする。会社の売却先を探さないと、メンバーが路頭に迷ってしまう。さあ、どうする?

840名の従業員や、社長業務やグループの常務の任務や、本社会議・経営会議等々、多忙な毎日を過ごしていました。次の会長職の仕事は何だ? 「お前の仕事は、早くこの会社から影響力をなくすことだ」。なるほど、わかりました。さて、どうする?

今の仕事に全力で投球してきました。なので、やりたいことはまったくないです。起業にもほど遠いし、しかも、私には蓄えがない。しかし、必ず守るべきは、娘のバレエ留学の継続。12歳から嫁さんと一緒に海外に行っています。

会社の状態で言いますと、今すぐには新しい事業のビジョンはないに等しい。従業員の販管費はそれなりに高いが、雇い止めはしないと決めた。1年後の収益のストップが見えているのに、今いまの打ち手が何も見えていない。あるのは、孤独と恐れだけです。

なので、冷静になるのにとても時間がかかります。しかし、打ち手を打たないと時間だけが過ぎます。残された期間は1年のみです。しかし、何が何でも乗り切る。このまま沈没は絶対しない。娘のバレリーナになる夢は、絶対に断ち切らせない。なので、これから起こることを棚卸ししようと決めました。整理して冷静になろう。

4月以降は必要事項まとめ。仕事選びの優先順位は何だろうか?  雑務系(に取りかかろう)。ずっと会社をやっていましたから、会社依存から個人活動へ変える。スケジュール、情報・視野・スキル・モチベーション、セットアップをどうする? 生活周りやインフラ、生活リズムとか、決めないとちょっとやばいかもしれない。

優先順位の1番は、報酬であると言いました。最低限の給与バーは昨年同等。もし1社で実現できなければ、2社加えても、兼業をしてでも実現する。なので、何がしたいかではない。誰とやりたいかでもない。それは二の次だ。社長でなくてもいい。(スライドを指して)これが実際の、僕の当時のメモ書きです。

私設応援団を自分で立ち上げた

自分のオーバービューは、やっとこさできた。だけど、実際にそんなに簡単にうまくはいかない。1つ目、いわゆる紹介会社の企業紹介は、たぶん間に合わない。自力のリストアップ。それだけでも、たぶん間に合わない。なぜなら、自分の価値を今から自分で説明していくには、時間がない。なおかつ、50歳オーバーで必要給与も高めである。

自分の価値を自分の言葉で伝えるのは、非常に困難です。M&Aだと、デューデリジェンス(注:投資の価値とリスクを詳細に調査すること)とか会社の価値を測ることが可能ですけれども、転職におけるデューデリジェンスは、紹介会社の判断に等しい。

「そうだ、自分の価値を信じてくれて、自分の事のように私を助けてくれるはずの友人がいるはずだ」。見つけました。リクルートの同期、リクルートエグゼクティブエージェントの社長の波戸内(啓介)くんです。

波戸内は冷静に、プロとしてアドバイスをくれました。「とても難しいけど、まったく無理というわけではないよ。ファンド系案件か外資系ボードメンバー、もしくは社長交代案件。あと、キャリアアドバイザーは気心の知れた山口にするよ。信太郎、紹介会社を使うの初めてでしょ? 他の紹介会社も会ってみるといいよ」。

言うとおりにして、一般の紹介会社にも数社登録して、面談をしてみました。思ったとおりです。紹介会社では、必要な給与が取れる案件はなかなかない。私の高めの給与の要望に、あきれた表情すらする方も見てとれました。でも、当たり前だと思いました。

やばい、このままでは立ち行かない。とくにメンタルがやられそうだ。私に合った企業の紹介を増やして、メンタルを安定させていかなければいけない。自滅しちゃう。

そうだ、チームを立ち上げよう。私設応援団を自分で立ち上げちゃえ。助けてもらおう。私の転職を心から応援してくれる、力強いチームを組成しよう。必ず私の転職を実現してくれる、力強いチームが必要なんだ。

私の価値を理解してくれて、それを言語化できる。また、広いネットワークを持っていて、未来を語れるタレントを持っている。しかも、私と強い絆のある人たち。応援団長は、杉山くんにお願いしました。そして、久保田くん、高宮くん、松本真尚くん、松本浩介くん。この方々が、私設応援団として応援をしてくれました。

活動内容は、四半期に1回のご飯を食べながらの報告会。それからメンターの杉山くんは、丁寧な月1回のメンタリング。そして、4月13日に広尾の鉄板焼き店でキックオフしました。

精神のケアに心を配る

転職活動を営業活動に置き換えました。達成期限を設置して、1年を四半期割りしました。目標達成を第1四半期末、つまり6月末に早期達成したい。アポイントの数が達成を早める。だから行動総量がすべてだ。チャンスはすべて当たり尽くす。すべて確認する。

ハードな転職スケジュールをこなすには、やっぱりメンタルがやばそう。50歳を超えるとやっぱりやばいです。

(会場笑)

朝起きると、寝汗でやばいです。家族に心配をかけないと決めたこともプレッシャーです。なので、メンタリングを強化しなければいけない。やはり自滅しちゃうかもしれない。自力では無理かもしれない。もっと誰かに相談しなきゃいけない。さらけ出しがさらに必要である。

大学のときの先輩と、大学のときからの友達。一番心の許せる先輩と友達にお願いをして、助けてもらうことにしました。その他にも、この会場にもたくさんいらっしゃいますが、たくさんの方々にさらけ出しを認めていただいて、たくさん助けてもらいました。伴走をしてもらいました。たくさんの勇気をもらいました。たくさんのご迷惑をかけてしまいました。

嫁さんからは、会長職になったときに「この本を読みなよ」と言われた以外に、「これからどうなるの?」と聞かれることは一度もありませんでした。この場を借りて感謝をしたいと思います。ありがとうございました。

(会場笑)

「ラストステージをどう生きるか?」が原動力に

結果的に、エンタメ系のオーナー企業2社、すばらしい会社ですけれども、それと現在の会社から要望どおりの待遇を提示いただきました。11月に決定したので、3四半期達成です。7ヶ月で、紹介会社経由と個別で30社を超える企業の方々と、直接的・具体的な相談をさせていただきました。なので、行動総量は「○」でした。でも、よもや、やりきれるとは思っていませんでした。

杉山さんに作ってもらったFacebookのグループがあるんですけれども、そこで報告会を設置してもらって、みんなでご飯を食べました。

私は冒頭で、人にとっての転職とは、言い換えれば自分売却、つまりM&Aであると言いました。この転職、(すなわち)このM&Aが新しいステークホルダーにとって投資価値があるものでなければなりません。ちょうど昨日(のIVSのセッションで)、グリーの田中(良和)さんがおっしゃっていたことが、僕の心に非常にしみました。

私が次を決めたのは、「ラストステージをどう生きるか?」でした。「誰とことを成すか?」「何を成すか?」。どちらかだけではなく、両方が重要である。大きなビジョンを実現するために、誰と徹底的にやってみたいか。なので、私はここで、人生最大の影響と効果を叩き出さなければいけません。投資対効果を最大化しなければならないのです。

私は転職を会社売却になぞらえましたが、みなさん、私のエピソードが対岸の火事ではない、とてもヒリヒリしたものだったということが伝わったでしょうか? このDOJOコンテンツを作るにあたっての振り返りは、自分にとって本当によい機会でした。というか、まさかこんな話をするとは思いませんでした。

(会場笑)

改めて、心から感謝を言いたいと思います。杉山くん、久保田くん、高宮くん、松もっちゃん、コースケ、そして波戸内、高須さん、そして関わっていただいたみなさん、本当にありがとうございました。

今、働けるということがこんなにすばらしいことであると、心の底から思えています。なので、今のチャレンジで負けるわけにはいきません。ラストステージかもしれないので、やりきるしかない。Indeed Japanのチャレンジを、ぜひ確認ください。日本の就職の当たり前を、必ず変えてみせます。「We help people get jobs(人々の仕事探しのお手伝いをする)」。みなさん、ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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