転職を決意したIndeed Japan高橋氏
高橋信太郎氏:(歌いながら)仕事探しはIndeed、バイト探しもIndeed、仕事バイト探しはIndeed。Indeed Japanの高橋でございます。よろしくお願いします。
(会場拍手)
今日は、転職の話をしたいと思います。ある日、急に大株主から「1年後に事業をストップする」「事業継続はない」と言われたら、みなさんはどうしますか? 作ってきた事業と、その価値には自信がある。市場評価もある。また、付いてきてくれたメンバーは、誰一人路頭に迷わせるわけにはいかない。さあ、次の瞬間、みなさんはどういう行動に出られるでしょうか?
そう、会社売却。今回のテーマにもなってますけれども、次のステークホルダーを探すという行動に出るのではないでしょうか。そのときの私は、そんな心境でした。人にとっての転職とは、言い換えれば自分売却、つまりM&Aである。事業収益が1年でストップする。会社の売却先を探さないと、メンバーが路頭に迷ってしまう。さあ、どうする?
840名の従業員や、社長業務やグループの常務の任務や、本社会議・経営会議等々、多忙な毎日を過ごしていました。次の会長職の仕事は何だ? 「お前の仕事は、早くこの会社から影響力をなくすことだ」。なるほど、わかりました。さて、どうする?
今の仕事に全力で投球してきました。なので、やりたいことはまったくないです。起業にもほど遠いし、しかも、私には蓄えがない。しかし、必ず守るべきは、娘のバレエ留学の継続。12歳から嫁さんと一緒に海外に行っています。
会社の状態で言いますと、今すぐには新しい事業のビジョンはないに等しい。従業員の販管費はそれなりに高いが、雇い止めはしないと決めた。1年後の収益のストップが見えているのに、今いまの打ち手が何も見えていない。あるのは、孤独と恐れだけです。
なので、冷静になるのにとても時間がかかります。しかし、打ち手を打たないと時間だけが過ぎます。残された期間は1年のみです。しかし、何が何でも乗り切る。このまま沈没は絶対しない。娘のバレリーナになる夢は、絶対に断ち切らせない。なので、これから起こることを棚卸ししようと決めました。整理して冷静になろう。
4月以降は必要事項まとめ。仕事選びの優先順位は何だろうか? 雑務系(に取りかかろう)。ずっと会社をやっていましたから、会社依存から個人活動へ変える。スケジュール、情報・視野・スキル・モチベーション、セットアップをどうする? 生活周りやインフラ、生活リズムとか、決めないとちょっとやばいかもしれない。
優先順位の1番は、報酬であると言いました。最低限の給与バーは昨年同等。もし1社で実現できなければ、2社加えても、兼業をしてでも実現する。なので、何がしたいかではない。誰とやりたいかでもない。それは二の次だ。社長でなくてもいい。(スライドを指して)これが実際の、僕の当時のメモ書きです。
私設応援団を自分で立ち上げた
自分のオーバービューは、やっとこさできた。だけど、実際にそんなに簡単にうまくはいかない。1つ目、いわゆる紹介会社の企業紹介は、たぶん間に合わない。自力のリストアップ。それだけでも、たぶん間に合わない。なぜなら、自分の価値を今から自分で説明していくには、時間がない。なおかつ、50歳オーバーで必要給与も高めである。
自分の価値を自分の言葉で伝えるのは、非常に困難です。M&Aだと、デューデリジェンス(注:投資の価値とリスクを詳細に調査すること)とか会社の価値を測ることが可能ですけれども、転職におけるデューデリジェンスは、紹介会社の判断に等しい。
「そうだ、自分の価値を信じてくれて、自分の事のように私を助けてくれるはずの友人がいるはずだ」。見つけました。リクルートの同期、リクルートエグゼクティブエージェントの社長の波戸内(啓介)くんです。
波戸内は冷静に、プロとしてアドバイスをくれました。「とても難しいけど、まったく無理というわけではないよ。ファンド系案件か外資系ボードメンバー、もしくは社長交代案件。あと、キャリアアドバイザーは気心の知れた山口にするよ。信太郎、紹介会社を使うの初めてでしょ? 他の紹介会社も会ってみるといいよ」。
言うとおりにして、一般の紹介会社にも数社登録して、面談をしてみました。思ったとおりです。紹介会社では、必要な給与が取れる案件はなかなかない。私の高めの給与の要望に、あきれた表情すらする方も見てとれました。でも、当たり前だと思いました。
やばい、このままでは立ち行かない。とくにメンタルがやられそうだ。私に合った企業の紹介を増やして、メンタルを安定させていかなければいけない。自滅しちゃう。
そうだ、チームを立ち上げよう。私設応援団を自分で立ち上げちゃえ。助けてもらおう。私の転職を心から応援してくれる、力強いチームを組成しよう。必ず私の転職を実現してくれる、力強いチームが必要なんだ。
私の価値を理解してくれて、それを言語化できる。また、広いネットワークを持っていて、未来を語れるタレントを持っている。しかも、私と強い絆のある人たち。応援団長は、杉山くんにお願いしました。そして、久保田くん、高宮くん、松本真尚くん、松本浩介くん。この方々が、私設応援団として応援をしてくれました。
活動内容は、四半期に1回のご飯を食べながらの報告会。それからメンターの杉山くんは、丁寧な月1回のメンタリング。そして、4月13日に広尾の鉄板焼き店でキックオフしました。