テクノベート時代を生き抜く教育論
福武英明氏(以下、福武):みなさんおはようございます。だいぶ飲まれたような顔の方も多いですね(笑)。
(会場笑)
朝一番からがんばっていきたいと思いますが、今日は「テクノベート時代を生き抜く力とその育て方」ということで、どんなお話をみなさんにしてもらおうかなと思っています。ちょっとカタカナが多いし、堅苦しいので、なんとなく教育論でいいんじゃないかとも思いますが、朝一なので、いろいろざっくばらんに聞いていきたいと思います。
教育論の話になると、かなり幅広のテーマになると思います。例えば子どもの教育とか、あとは社員の教育とか、あとは自分自身の教育というのもありますね。みなさん今日どんなお話が聞きたいのか気になるので、(スクリーンを指して)実際に今日のテーマを見て、例えば「子どもに関する教育」について聞いてみたいという方は、どれぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
おおっ! 意外(に多い)ですね。じゃあ「社員向け教育」は?
(会場挙手)
「自分自身の(教育)」は?
(会場挙手)
一番少ないですね。じゃあ、やっぱり高濱先生を中心に、という感じになりますね(笑)。わかりました。
一応いろんなテーマについて、最近打ち合わせでも話をしたのですが、例えば、高濱先生はもう20年以上「花まる」をやられています。この20年間、同じ教育理念でサービスを提供し続けながらも、実際にやられている内容は、もう本当に激変しているという話がありました。ここ最近どんなところで取り組みが変わってきているかとか、新たに気づかれたこととか、そのへんを少しお話いただければと思います。
高濱正伸氏(以下、高濱):はい。なにから話すかについては、とりあえずこの題名に対して、答えみたいなことを言って、そこをスタート地点にできればと思います。
テクノロジーのイノベーション、まず人工知能とかロボットとかですよね。確かに20数年前に「Googleに就職する」と言ったら、もう田舎の親は「は? 意味わからないし、なにその変な名前」みたいなことが、今は一番就職してほしい場所になりましたよね。
携帯なんか、こんなでかいのを持っていたおっさんがいたのに、もうみんな時計でブラジル(に住んでいる人)と顔を見ながらしゃべれるように変わったわけです。
そういうなかで、子育てしてる親世代が一番心配なのは「我が子の時代はどうなるんだろう?」みたいなことです。これはそういうテーマですよね。
ジャック・マーやメルカリ小泉氏が持つ「見える力」
高濱:「テクノベート時代」は、言い換えると「大変化」ということに尽きると思うんですよね。もう誰も予測できない、あの(ヤフー株式会社CSOの)安宅和人ですら予測できないぐらいの変化をする時代に、どういう教育をすればいいかというテーマだと思うんです。
僕がここのところ、自分なりに答えを出しているのは、ほら、子どもがよく四角を描いて、上に三角描いて「お家!」とやるじゃないですか。あのイメージです。
四角が基盤力みたいなものだと思っています。ここは「いつの時代も変わらないもの」みたいなものです。国語の力とか、数理的思考力とか、ある程度必要なことですね。ただ、その三角の屋根の部分、昔の「平均的に成績取れ」という時代はそうでもなかったのですが、(今は)むしろこっちのとんがり具合が勝負なのかなと思います。
いくつかお家があって、基盤力の部分はみんな一緒なんだけれど、片方(屋根の部分)は人間力の勝負なんです。山口文洋なんか典型かもしれないですけれど、「この人ならついていきたい」と思わせるなにかがあるかどうかですね。