モバイルファクトリーがブロックチェーンビジネスに参入

竹田匡宏氏(以下、竹田):この前に大阪でもモデレーターとして参加させていただいていて、けっこう(モデレーターの)仕事をさせていただいています。

最初にUniqysの深井さんからよろしくお願いします。

深井未来生氏(以下、深井):はい。今日はありがとうございます。モバイルファクトリーの深井と申します。自己紹介代わりに、今当社で取り組んでいることを簡単に説明したいと思います。

モバイルファクトリーは、去年の3月に東証マザーズから東証一部に上場した会社で、世間的には位置情報ゲームの会社として見られがちなのですが、今年から「ブロックチェーン業界に参入しよう」ということになりました。

ブロックチェーンでなにをするかというと、この通りで、DApps(Decentralized Applications:非中央集権の分散型アプリケーション)です。ここにいる方々には、DAppsのことは説明しなくてもよさそうですね。ブロックチェーンを使ったものを、今後世の中に広めていくためのツールやユーザーへのタッチポイントを提供したいということです。だいたいこの3つのフェーズで考えております。

まず1つ目が、対ユーザー向けのサービスでQurageというものです。クラゲと読みます。これは、簡単に言うとDAppsブラウザです。ユーザーさん視点ではDAppsはまだまだハードルが高いのですが、このQurageを使えば、手軽に簡単に遊んでいただくことができます。これはGoogleプレイとiOSでリリースされていますので、ぜひみなさまダウンロードしてください。

次が、「Uniqys Kit」と我々が呼んでいるものです。先ほどのアプリはユーザーさん向けでしたが、Uniqys Kitというブランドは開発者・デベロッパーさん向けです。デベロッパーさんがDAppsを開発するにあたってまだまだ難しい部分がありますが、一般的なウェブアプリを開発するのとほぼ同じように開発することが可能になっています。

あとはみなさまがDAppsを作るときに、Gas(ガス=手数料)の問題がどうしてもあります。我々のUniqys Kitキットを使えば、トランザクションの手数料を無料や定額など自由に設定できます。これはGitHubでプレビュー版で公開しておりまして、のちほどお伝えしますが、CryptOsushiというものを現在準備しておりますので、よろしくお願いします。

これらのUniqys Kit、Qurageというブランドでそれぞれ展開もしておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。自己紹介代わりに会社の説明でした。以上です。

竹田:ありがとうございます。続いて平野さん、自己紹介よろしくお願いします。

ブロックチェーン業界で幅広く活躍する平野氏・中村氏

平野淳也氏(以下、平野):初めまして、平野です。ブロックチェーン業界で主に3つくらいの活動をしています。まず1つはHashHubというブロックチェーンスタジオを作っています。

東大の近くの本郷に、ブロックチェーン業界で働く人のためのコワーキングスペースと、自社プロダクトを作っています。どのようなプロダクトを作っているかは、今日はまだ詳細の発表ができませんが、ライトニングネットワーク管理などもやっています。

これが活動の1つ目で、2つ目は「d10n lab」というものです。これは、業界のリサーチレポートなどを配信する有料コンテンツです。おそらく国内ではトップレベルの品質の内容を配信しているんじゃないかなと思うので、ご興味のある方はよろしくお願いします。

3つ目は、投資活動をしています。国内外のブロックチェーンプロジェクトに出資や投資をさせていただいております。以上です。今日はよろしくお願いします。

竹田:ありがとうございます。続いて中村さん、お願いします。

中村昂平氏(以下、中村):初めまして。中村と申します。こちらにあるtokenPocketと呼ばれているDAppsブラウザとイーサリアムのウォレットアプリを開発しています。

(スライドを指して)このようなウォレットアプリです。日本初のDAppsブラウザとしてリリースさせていただいておりまして、2万種類以上のERC20/223/721(イーサリアムのトークンの規格)を管理できます。日本語のサポートが万全だということが売りなので、ぜひご利用いただければと思います。

DAppsブラウザはブロックチェーンとユーザーをつなぐものなので、今後みなさまも使うことになるということだけ覚えておいていただければいいかなと思います。

もう1つプロジェクトをやっております。CryptoCrystalという名前のDAppsを運営しています。どういうDAppsかというと、イーサリアムのパブリックチェーン上で宝石を発行して、それを掘るゲームのようなDAppsを作っています。

特徴としては、スマート・コントラクトで希少性を全部管理できることと、誰でも運営者と同じアプリケーションを使えることを目指して運営しています。そのような感じで、DAppsとDAppsブラウザの両方に携わっている人間と思っていただければと思います。よろしくお願いします。

ブロックチェーン事業者として、今なにがおもしろいか?

竹田:よろしくお願いします。少し歯切れが悪くなってしまっていると思いますけれど(笑)。僕らはトークで巻き返していこうと思います。

スライドのランキング投票と席順が違うので、席替えをお願いします。平野さんと深井さんが逆になっていますね。申し訳ありません。

平野:いえいえ。これはランキングで勝ってもインセンティブはないと聞いていますが。

竹田:そうなんです(笑)。

深井:あまりモチベーションにはならなさそうですね(笑)。

竹田:痛いところを突いた方が点数が上がりそうな気もするので、どういう感じでいけばいいか難しいです(笑)。でも、僕は点数はあまり気にせずやろうと思っています。今回は論点が3つあります。タイトルが「日本は世界に勝てるのか?」なので、日本の現状などを最初に議論していこうと思います。

2つ目に、MicrosoftやFacebook、その他もろもろのインターネット時代を牽引してきた事業が、今後どのようにブロックチェーンに関わるのかという未来的なお話を聞きたいと思います。

3つ目は、これからブロックチェーンに関して、仮想通貨を事業にするときに、どのように関わっていけばいいのかを悩んでいる人もすごく多いと思います。その関わり方を事業者として携わっているお三方に聞きたいと思います。

まず1つ目のお話を聞いていこうと思います。

2017年は投機的な動きがすごく目立っていて、値段が上がるか下がるかの論点がすごく多かったと思います。今は価格もだんだん落ちてきて変化もゆるくなっていますので、事業者側は価格がどうこうというところは正直もう見ていないと思います。

そこで、事業者側は関わり方が違う部分が多いだろうなと思いましたので、現在注目しているプロジェクトや、事業者としておもしろいと感じるところを、平野さんから順番にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

日本でも海外でも、マネタイズできるブロックチェーン事業が増えている

平野:なるほど、事業者として今なにがおもしろいか。

竹田:そうですね。

平野:まず、マネタイズできる事業がブロックチェーン業界で増えてきていることがおもしろいなと思っています。一昨年から去年まで、ビットコイン業界・ブロックチェーン業界には、Exchangeとマイニングしかつくれないじゃないかと思われていたけれど、今マネタイズできる事業はだいぶ多くなっています。

具体的にいくつか言っていくと、スマート・コントラクトの監査やホワイトペーパーを検索する事業などがあります。マネタイズできる事業領域が大きくなっていて、そこでポジションをとれる企業がこれからまだ出てくる。事業機会が増えていることはおもしろいと思います。

竹田:日本でそういう動きは出ていますか? 海外の動きでしょうか? 

平野:グローバル全体ですね。日本からも出てきていますし、今言ったスマート・コントラクトの監査という文脈でしたら、DAppsも参加されていますし、あとはクオントスタンプや、日本のイーサリアムもありますし。

あと、本当にマネタイズできる事業というと、CoinMarketCapがありますよね。あれはすごくトラフィックを持っています。

どれくらいかというと、AmazonのAlexaでアクセスされているランキングサイトの世界トップ500の中で、現時点300位くらい。今年の1月頃だと130位くらいでした。そのくらいのトラフィックを取っているということは、マネタイズが多少できています。

今、機関投資家や事業者向けの有料APIを発行したり、いろいろな事業がたくさん出てきているところがおもしろいですね。

竹田:その中で深井さん自身、視点が違うところがあると思いますが、現状どういうところがおもしろいなと感じますか? 教えてください。

インターネット企業がDAppsに移行するメリット

深井:そうですね。少しポジショントークのようになってしまいますが、当社の場合はDAppsの領域でやっていこうと決めましたので、答えとしてはDAppsかなと思います。

なぜ当社がDAppsの領域にいこうと考えたかというと、今世の中に出ているDApps、ブロックチェーンは、実際にユーザーが触れる部分としては、どうしてもゲームが派手なので目立ちます。しかし、ゲームなどの流れに乗ってDAppsを取り込みたくなるのは、インターネットの次世代であると思っているからです。

例えばFacebookやGoogleなど、中央集権系の会社がある程度インターネットを牛耳っていると思いますが、そのうちの半分とは言わないまでも、30パーセント、あるいは2割。少なくともそのくらいはDAppsに移行するのではないかと思います。

そうなった場合、今はどの企業もホームページを持っているのと同じように、まったく同じ文脈で、どの企業もDAppsのようなものを開発するのではないかと思っています。そうなってくると、マネタイズポイントはいろいろなところに生まれてきますし、我々もそこにチャンスがあると思っています。

竹田:インターネット企業がDAppsに移行することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。まだみなさまも僕もあまり理解できていないので、ぜひおうかがいしたいです。

深井:一番わかりやすいのは、ブロックチェーンの仕組みそのものが、デジタルアセットの所有権を持たせられることです。そこから発生して、今までのインターネットよりもユーザー同士がアクションしやすくなるのではないかと考えています。

竹田:わかりました。中村さん、同じくDAppsの部分で注目しているところを教えてください。

中村:僕が注目したのは、イーサリアムのレイヤーツー(ブロックチェーン上に記載されないオフチェーン)です。というのも、そのあたりが整ってこないと、DAppsは本当に使いづらく「ぜんぜんおもしろくもないじゃん」と思うところがあります。

毎日論文が出たり、毎週ぜんぜん違うことを始めていたりするので、その速度が楽しいなと思いますね。

竹田:中村さんが最終的にウォレットを作られたのはなぜですか? ウォレットもスマホのアプリが続々出てきていると思うのですが、ウォレットに最初に目をつけた理由はなんでしょうか? 

中村:最初にウォレット自体に目をつけたのは、「みんなが使うようになるのではないか」と思ったこともあります。ブロックチェーンを使ったアプリケーションを作るときには、なんらかのかたちで秘密鍵を管理しなければいけない。その管理をする方法として、ウォレットやDAppsなどが必ず必要になってくるので、そこが大事だと思ったからです。