2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
提供:株式会社トライバルメディアハウス
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田中:続いてNewsPicksの野村さん、お願いします。
野村:みなさん、こんにちは。NewsPicksで「アカデミア」という事業のマネージャーを務めています野村と申します。
まず、NewsPicksをインストールしてる方は、どれぐらいいらっしゃいますでしょうか?
(会場挙手)
ありがとうございます。けっこういらっしゃいますね。じゃあ、「NewsPicksアカデミア」の存在をご存じの方どれぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
けっこう知ってくださっていますね。ありがとうございます。実はNewsPicksは、2017年の4月から「アカデミア」という「学び」をテーマにしたビジネスコミュニティを運営していまして、今日はそちらの話をさせていただきたいと思います。
前段で、そもそもNewsPicksは何なのかというのを、あらためてお話させていただきます。キャッチフレーズとして、「経済を、もっとおもしろく」を掲げています。
世の中の経済情報ってちょっと堅かったり、いろいろなところに散財していたり、ビジネスで活かすにはハードルが高い状況があると思います。それを1つのアプリでワンストップに、しかも早く、わかりやすく、おもしろく情報を提供していくことが、我々の会社がやっていることです。
具体的には、今ユーザーが300万人以上いまして、スマートフォンなどでニュースが見られるというアプリです。インストールされている方は「なにをいまさら」と思うかもしれませんが(笑)。
どういう特徴があるかというと、ニュースがアプリ上で流れてきます。それは、我々が書いているオリジナルのコンテンツもあれば、ほかの媒体から配信されてくるニュースや当社のコンテンツキュレーションチームが選び抜いたニュース記事などもあります。それがキュレーションされて、日々「このニュースは重要だ」というものが流れてきます。
画面には「PICK」というボタンがありまして、ここを押していただくと、ユーザーの方々が記事にコメントができるんですね。ニュースに対してさまざまなコメントが投稿されることで、ニュースをより多面的に理解できるようになっています。
野村:今言ったことを図解するとこんな感じになるのですが、世の中では、いろいろなところにニュースのソースが散らばっているんですね。経済媒体だけでも数十ぐらいあると思うんですけど、そこから厳選されたニュースが流れてくるというのが1つ目の価値です。
それから、例えば「企業買収があった」「マクロ経済がこうした状況になった」というニュースは、それだけだとけっこうわかりづらい部分もあると思います。
それに関して、専門家が「要はこういうことです」と解説をしたり、あとは報道された企業の当事者の方が「世の中ではこのように報道されているけど、実際はこうです」という感じで付加価値をつけてくれるのが2番目の価値になります。その結果、ニュースに多角的な理解が深まるのがNewsPicksの構造になっています。
よく「御社は、プラットフォーマーなんですか? メディアなんですか?」と言われることがあります。プラットフォーマーとメディアの違いはおわかりになりますでしょうか?
辞書的な意味でお答えすると、プラットフォーマーというのは、基本的に外部でコンテンツを作る人がいて、それが配信されてくるか集まってくる場だと思ってください。Facebookもそうですし、Twitterもそうですし、ニュースアプリ業界でいうと、スマートニュースさんなどはそれにあたると思います。
一方でメディアは、ここでは「Publisher」という言葉を使っているんですけど、自らコンテンツを作り出す立場の事業者です。それこそ新聞社やテレビ局などの伝統的なメディアは全部、パブリッシャー、メディアにあたります。
我々は、プラットフォーマーの機能とパブリッシャーの機能の両方を持ちながら、日々サービス運用をしています。プラットフォーマーとしては、いろいろなところからニュースを集めてくる、そしてコメントをそこにつけてもらう立場ですね。パブリッシャーとしては、我々自身が編集部として、いろいろなところからプロを集めてきて、独自取材をしています。
なので、「多角的なニュースを読む」という意味でのプラットフォーマーとしての役割と、ビジネスの最先端を独自に取材して届けるというパブリッシャーとしての役割の両方を持っているのがNewsPicksになります。
最近の特集としては、このようなものがあります。各産業ですね。ZOZOTOWNやメルカリ、Microsoftといった企業ものから、北朝鮮情勢などの国際政治ものもあります。このように硬軟織り交ぜながら経済ニュースを日々配信しています。
野村:(NewsPicksは)もともとニュースアプリから始まった事業ではあるのですが、最近ではコンテンツの幅を広げています。とくに最近反響が大きいのが動画サービスです。
1週間に1回、オリジナルの動画番組をNewsPicksのプラットフォーム上で配信しています。1番の人気番組が「WEEKLY OCHIAI」という、落合陽一さんがMCを務めている番組です。水曜日の22時から配信しています。
そして、後述する「アカデミア」というリアルコミュニティ事業やJ-WAVEとコラボしたラジオ番組の配信も行っています。
最近では(親会社の)ユーザベースが「Quartz」という海外のメディアを買収しまして、アメリカへの展開を強化しています。やはり英語圏の市場が獲れると、成長の度合いとしては一段階ケタが変わってくると考えていまして、今年・来年の最重要テーマの一つが「海外展開の強化」です。
さて、このセッションのテーマは「コミュニティ」ですので、NewsPicksにとって、コミュニティがいったいどんな意味を持つのかをお話ししたいと思います。
例えばメーカーさんなどの場合は、あくまでも商品が売れることが前提にあって、濃いファンの方がいると、商品が売れやすくなります。つまり、商品を売る手段として「コミュニティ」があります。
一方、我々の場合は、ニュースがいろいろなところから集まってきて、利用者の方々が質の高いコメントをつけてくださること自体が、我々をユニークなものにしています。つまり、みなさんが良いコメントをしてくださる状態をいかにつくるか。言い換えれば、「良いコメントをすることが、全体の貢献につながる」というコミュニティ意識をいかに作っていくか。そこが本当に価値の源泉なので、我々は手段というよりは目的として、「いいコミュニティをつくろう」と思っています。
野村:そんな中で、「アカデミア」はいったいなんなのかという話をしていきたいと思います。私は、この「アカデミア」の運営責任者を務めています。
NewsPicksは、あくまでもWeb上のサービスです。それを何年間も運営していくうちに、「もっといろいろなコメントをしてる人に会いたい」とか、NewsPicksの公式コメンテーターである「プロピッカーに会いたい」というご意見をいただくようになりました。
そこで、そのNewsPicksのWeb上のコミュニティをもっとリアルなかたちで実現させたのが、「アカデミア」です。
先ほどNewsPicksのテーマは「経済を、もっとおもしろく」 と申しました。アカデミアは学びのコミュニティですので「学びを、もっとおもしろく」というテーマを掲げています。
具体的なサービスとしては、一番の柱は月に8回ほど行われている講義イベントです。アカデミア会員の方は、月に1回無料で来られて、2回目以降は追加料金をお支払いいただければ参加できる仕組みになっています。プロの方々の生の話が聞けることを一番の価値にしています。
一方、距離的、時間的な事情から現場に足を運べない方もいらっしゃると思いますので、イベントのうち、反響の大きかったものは動画で配信しています。
さらに、我々は出版社の幻冬舎さんと業務提携を組んでいまして、月に1冊オリジナルの本を作っています。堀江貴文さんの『多動力』や落合陽一さんの『日本再興戦略』などを刊行し、1年間累計で100万部を達成しました。NewsPicksアカデミアの会員の方々には毎月、書店での発売前にお送りしています。その上で、必ず著者のイベントを開催しています。
なぜ(会員に)本を送っているのかという話になると思うんですけど、この情報が溢れている時代、しかも情報がフローでどんどん流れている時代においても、1人の考えを200ページぐらい深く読む体験は、逆に貴重であり、廃れるものではないと考えています。
なので、まず本で著者の思想を理解しつつ、実際にその方の話を生で聞く体験を会員の方々に提供しています。
野村:イベントでは登壇者の話を聞いて、「ああ、おもしろかったな」と感じて、明日の仕事に活かすことができます。ただ、もうちょっとこうした機会が数多く行われていたら学びが深まると思いませんか? 私はそう思うんですよね。
ここですごくおもしろい話を聞いても、「はい、解散」となってしまうともったいないと思うことがありまして、3ヶ月で体系的に一つのことを学ぶ「ゼミ」というプログラムも運営しています。受講生を30人に絞って、1人のプロフェッサー(講師)から3ヶ月みっちりと学ぶものです。
その中で、NewsPicksアカデミアは大きく分けて2つのコミュニティを設計しています。1つは、受講者同士で交流していただくコミュニティです。
たとえば、特定のゼミの受講者のグループを作りまして、オンライン上で自己紹介や交流をしてもらったり、中でも一番熱心な方々に自習イベントを開いていただいています。
もう1つは運営者コミュニティです。すごく熱量の高い受講者の方々を、むしろ「運営と一緒にサービスをよくすることを考えていきましょう。一緒に運営していきましょう」という立場にお誘いし、コミュニティを形成していくものです。
そうした方々を「アンバサダー」とか「チューター」とか呼んでいますが、この会場にも経験者の方々が何名かいらっしゃいますね。田中さんも実はそうなんですよね。
田中:はい、そうです。
野村:ありがとうございます。最近では特に、「ゼミ」をどう運営すればいいかという点を議論していました、「もうちょっとこういう施策をやったらゼミがいい空間になる」という観点で、一緒に考えながら動いています。
また、「NewsPicksアカデミアで学んで、仕事の上でこんなすごく良いことがあった」「個人としてブレークした」という事例がたくさん出てくることを我々は目指しています。すでに活躍されている方の体験談なども、アンバサダーの方々が書いてくださっています。
詳しくはまたパネルで話していければと思います。ありがとうございました。
(会場拍手)
株式会社トライバルメディアハウス
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