一刻も早く会社を正常な状態にしたい

記者15:テレビ朝日のヒラモトと申します。一つ教えてください。検察当局と協力して進めてこられたと冒頭で社長もおっしゃっていましたが、今回は特捜部と司法取引をなされているのでしょうか。まずそれを事実関係として教えてください。

また、冒頭で関係者のみなさんにおわびするとおっしゃいましたが、(西川氏は)会社の社長でもありますので、ゴーンさんをコントロールしなければいけないと思います。今回の事を、社長として、ご自身の責任を含めてどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

というのも、冒頭でおわびの言葉はありましたが、よくある謝罪会見のような頭を下げるシーンはなかったと思います。どのように考えていらっしゃいますか。

西川廣人氏(以下、西川):まず最初のご質問ですが、私は全くコメントできない立場におりますので、ここでは(回答を)控えさせていただきたいと思います。

それから先ほど申し上げた通り、今日ここでお話ししたかった点についてですが、みなさんの背景にはもちろん、メディアのみなさんだけではなく、日産のファンもおられます。これまでサポートしてくれた、いろんな方がいらっしゃるわけです。そういった方々には本当に申し訳ないと思っていますし、おわびをしたいと思っております。

それについて、このタイミングで、私が自らがお話しをする。いま私がどのように感じているかということをストレートに申し上げたかったのが、(この記者会見での)大きなポイントであります。

私の責任というところですけれども、先ほど申し上げたとおり、今は猛省すべきところもありますし、事態を沈静化させて安定化させる必要もございます。1日も早く会社を正常な状態にして、先に進ませるためにやるべきことが山積しております。

まずは前に進めるということが、とにかく私の仕事だと思っております。その中で、先ほどちょっと申し上げましたけれども、ガバナンスの体制や執行体制についても、変えるべきところは変えていくということ。そして、つないでいくという意味では、さまざまなことをスピードを上げてやっていかなければいけないと思っております。

それを行なった上で、この先どうしていくかということを、改めて考えるときが来ると思います。今の段階では、まずそこを足早に集中してやっていく。そう思っております。

司会:ありがとうございます。では、ショーンさん。

アライアンスメンバーのリアクションについて

記者16: ウォールストリートジャーナルです。英語でお話しさせてください。まず、あなたがアライアンスメンバーとのあいだでこの話をした時の反応はどうでしたか? どんな話が出ましたか? アライアンスメンバーから何か反応があったか教えてください。

また、三菱自転車やルノーの方は、このニュースに対してどう反応していたか。それについて教えてください。それから、仮に三菱自動車がカルロス・ゴーン氏を解雇しない、あるいはその職を解かないという判断をした場合はどうされます?

西川:あの、日本語で(質問をうかがって)いいですか?

司会:最初の質問は、(今回の件について)アライアンスメンバーはどういう反応だったのかということと。それから2つ目は、仮にゴーン氏を解雇しないということがあるのかという質問でした。

西川:最初の(アライアンスメンバーの)リアクションということですけども、これは情報を私の方からご報告をして、そしてコミュニケーションしたのが、そこからまだ時間が経ってないので、具体的にどうするか、どう受け止めるかという反応は、まだいただけるような段階ではないと思っております。

ただし、許される限りとにかく早めにお伝えするということが、私の責任であり誠意だと思ってます。そういうつもりで両者の方へお伝えをしたというところでございます。その一報については「よくわかりました」という反応をいただいています。

そこから先にどうされるかは、それぞれの会社でこれから取締役会の中でご判断をされていくということで、現在私のほうでは承知をしておりませんし、まだ過程の段階で、お話を申し上げるべきではないと思います。

司会:はい、ありがとうございます。では、次の方。

ゴーン氏とケリー氏の指示関係

記者17:東京新聞のクモデと申します。内部調査についてお伺いします。内部調査はほぼ終了されたということなんですが、ゴーン氏からお話はうかがっているんでしょうか。これがまず1点目。

あと、ゴーン氏のサポート役はケリー氏ということですが、これは上下関係から考えたらゴーン氏の方が上なんですが、今回のことに関してはゴーン氏がケリー氏にこうするように指示をしていた、という理解でよろしいのでしょうか。以上、よろしくお願いします。

西川:まず2つ目のところから申し上げますと、実はいま、私からはなかなか申し上げにくいところであります。我々が掴んでいる事実はございますけども、その部分に関する最終的な判断というのは捜査当局でされると思っております。

ただし、先ほど申し上げたとおり、その二人が首謀であるということは間違いないという風に見ております。それからすみません、(もうひとつの質問は)何でしたでしょうか……?

記者17:(声がマイクを通っておらず不明)

西川:そこもまだ、お答えしないほうがいいんじゃないかと(思います)。全部答えられなくて申し訳ないんですけれども。  

記者17:内部調査の(声がマイクを通っておらず不明)。

西川:はい、おっしゃるとおりです。私もその部分に関してプロではないので、どこを話せばいいのか、ちょっとお伝えしにくいんですけども。内部調査の詳細に関わる部分に関しては、(当局に)情報をシェアして、今捜査をされてるということですので、ちょっと回答は控えさせていただきたいと思います。

記者17:弁明放送はあるのかうかがいたいと思うんですけど。

西川:本人のですか? 私は聞いておりません。

司会:はい、じゃあ次へ。一番前の方。

ガバナンスの問題が不正を見抜けなくしていた

記者18:NHKのハヤカワと申します。取締役会の日程なんですが、木曜日とうかがったんですけども、その後任の人事はどのように検討されてるのかということが、まず1点。改めまして、どうしてこれだけの不正が行われていて見抜けなかったとお考えなのかについて聞かせてください。

西川:どうして見抜けなかったのかですが、会社のなかの仕組みが、(不正のあった)その部分について非常に形骸化をしていたというか、透明性が低く、やはりガバナンスの問題が大きかったと思います。もちろんそういう状態だから不正があるということではなくて。仮にガバナンスの仕組みに問題があっても、先ほど申し上げたとおり、必ず不正が起きるということではないと思うんですが。

日産のガバナンスという部分について言うと、やはりこの集中ということについて、いろんなことが起きても、なかなかそれを検知できないというような弱点はあったんではないかなと思います。

その背景としては、冒頭の話で申し上げましたけれど、ここも決めつけてはいけなんですが、やはり(ゴーン氏が)43パーセントの株主であってですね。株主であり、執行権もあり、株主の代表者でもあり、執行権もあり、また、日産の取締役会の議長でもあるということで、本来のオープンなガバナンスから見ると、非常に注意しなければいけない権力構造であったとは思います。

その部分の歯止めといいますか、何か起きたときに必ずわかるように、というところが弱かったんではないかなと私は見ていますし、責任者としてそこは反省すべきところだと思います。これは直していかなければいけないと思っております。すみません、それからもう1点聞かれましたよね? 

記者18:今の点なんですけれども、これは社内で(不正について)ご存じの方が何人かいらっしゃったが、ゴーン会長が力を持っているからずっと誰も言えなかった、という状況だったわけではないんですか?

西川:私が認識している限り、それが原因ではなくて。本件は我々の社内調査からすると3つあるんですけど、この3種類の点はなかなか表面化をしなかった、ということだと思っております。

それぞれが仕事をするときに、ぶつ切りで指示をすれば全体が見えませんから、そういう部分があると思いますね。

司会:はい、まだ手が挙がっておりますが、ちょっと手を挙げられた方が多いので、1人1問でお願いします。じゃあ、はい、その後ろの方。

日本市場に軸足を置くきっかけとなるのか

記者19:日本放送のハタナカと申します。先ほど社長は「負の遺産」という表現をされました。日本のユーザーの立場からしますと、ゴーン体制以降、ホームマーケットが軽視されていると言われて久しいです。それは国内シェアにも表れているかと思いますが、これも負の遺産の一部として捉えられるんでしょうか?

だとしたら、ゴーン体制が終わることで国内市場へ軸足を向けてくれるのかなという期待もあると思いますけど、そうつながっていくのか。あるいは、こういった質問自体が的外れなものなのか。そのあたりについて、ちょっとご認識を教えていただけたらと思います。

西川:まず、今現在、日本市場を軽視しているということはまったくありません。できる限りのことをやろうと思っていますし、できる限りのことをやっているつもりです。

その結果、お客さまからも日産のインテリジェント・モビリティについて評価をいただいているのだと思います。これは我々の財産として育てていきたいと思っております。また、日本発のこのブランドの価値というのは、海外マーケットへのいい波及効果も起こしてます。そういう意味では、より日本のマーケットが重要であるということは、今の経営陣は十分認識しております。

これが、私が申し上げた負の遺産にあたるかどうかということ。それはまだ、私も総括をしていない段階で言えないんですが。事実として言いますと、今現在の経営会議メンバーとしてやっている人間は、その部分に関して言えば、日本のマーケットそのものの価値というか重要性を見て、お客さまも十分に見えるし、そういう仕事をしてくれていると思います。

しかし、過去にやはりその部分が会社の中で事実として認識をされていて、重要視された上で意思決定をしてきたかというと、そうではない時期があります。

そのため、商品投入には非常に時間がかかりますから、なかなか挽回がしにくいということをこの数年間は経験してきたわけですね。それが少しずつ解消されつつある、というのが今の状態です。

これを称して、負の遺産の1つであるかというのは、ここでは断言は避けたいと思います。過去にそのような、ある意味偏った意見をもとに商品投入の議論がなされた時期がありますから、影響はあったと(思います)。

結果として、我々からお客様に十分な訴求ができていなかった時期があるという、大変残念なことでございます。これはまったくの事実と思っていただければ、私の実感であると思っていただければと思います。