2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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タジリケイスケ氏(以下、タジリ):大変お待たせいたしました。本日は暑い中、「H」のトークイベントまでお越しいただきまして、ありがとうございます。本日、司会を担当します「H」編集長のタジリと申します。よろしくお願いします。
本題に入る前に、先にお伝えしておきたいのですけれど、スライドの下にありますように、Twitterで随時質問を受け付けております。トークの最後にも一応、質疑応答の時間を設けているのですけれども、トークの中で「ちょっと今の、気になるぞ」とか「詳しく聞きたいな」というのが出てくるかもしれません。ですので、その時に「#h0831」と付けて投稿していただければ随時、僕がチェックしまして、お二人に質問を投げかけたいと思っています。
今回のトークイベントなんですけれども、弊社が今月末に新しく自然科学のメディアのサイト『NATURE & SCIENCE』を立ち上げたということもありまして、今回はそのローンチに合わせての企画となっています。テーマは「『ムー』が問う――科学はそんなに万能か?」というところで、『ムー』編集長の三上さんと、筑波大学の渡辺先生にお越しいただいています。
今回は非常に注目度が高くて、定員超えでの開催となっています。僕個人としても、ちょっと楽しみなんです。
いくつか大きなテーマを設けて、それ以上は筋書きなしで展開していきたいと思っています。僕としては不安なところもあるんですけれども、お二人とも非常に興味深い問いを投げかけてくださるので、楽しみにしております。
では、さっそくお二人をお呼びしたいと思います。『ムー』編集長の三上さんと、筑波大学教授の渡辺先生、『NATURE & SCIENCE』の神吉です。では、拍手でお迎えください。よろしくお願いします。
神吉弘邦氏(以下、神吉):みなさんこんばんは。『NATURE & SCIENCE』という新しいWebマガジンの編集長を務めている神吉と申します。よろしくお願いします。(2018年)8月27日に新しく『NATURE & SCIENCE』という名前でWebサイトを立ち上げたのですが、この中でご覧になったことがあるかたは、いらっしゃいますか?
(会場挙手)
なんか控えめに手を挙げているかたが、けっこういらっしゃいますね(笑)。ありがとうございます。テーマがNatureとScienceで、「自然」と「科学」をテーマにしている読み物のサイトになります。
「自然」というのは、いわゆるワイルドの自然、「科学」は自然科学です。天文学、物理学、生物学、地球科学、あとは化学の5分野をテーマにしています。
「科学って何だろう」ということを僕ら編集部の中でいろいろと考えているうちに、「これはやっぱり、1番それをよく考えているかたにお話をいただいた方がいいだろう」「僕らもそれで勉強したい」となりました。その一人が今、私の左にいらっしゃいます筑波大学の渡辺先生。サイエンスコミュニケーターとして活動されているかたです。
もう一人は僕の右にいらっしゃる、『ムー』編集長の三上さん。タイトルが、「『ムー』が問う――科学はそんなに万能か?」ということなので、この通りだと三上さんに僕らが問われちゃう(笑)。
三上丈晴氏(以下、三上):『ムー』の場合は、「超科学」ですからね(笑)。
神吉:スーパーサイエンス(笑)。
三上:なんでも「超」がつきますからね(笑)。超能力とかね、超叡智とかね、超宇宙とかね、なんでも「超」がつく!
(会場笑)
神吉:本当にこれ以上なくぴったりのかたに、対談ということで今回はお越しいただきましたので、どうぞみなさん楽しんでください。また、質疑応答の時には、「私はムー民です!」みたいなかたちは手を挙げてください(笑)。(トークが)白熱したら、ちょっと短くなっちゃうかもしれないですけど、(質疑応答は)10分くらいあるんですよね。
タジリ:そうですね。
神吉:そういうことで、どうぞよろしくお願いします。じゃあここでもう、バトンタッチを!
タジリ:はい、わかりました。最初のテーマにさっそく行きたいんですけれども……大きく、3つテーマを掲げたいと思っています。
まず、みなさんも気になるところというか、Webでも告知があったんですけども、「科学・非科学とは何か」というところです。
我々は素人なもので、「科学」というジャンルについては、なかなかわからないところなんです。それについてちょっと調べたんですけども、「一定の領域で、対象を客観的な方法で系統的に研究をする活動」って辞書に書いてあったんです。
それで「自然科学」とか、「物理学」とか、「天文学」とかっていろいろ出てくるんですけれども、「世の中で起きている不思議な現象」みたいなもの、いわゆる「超常現象」のようなものを取り扱うって、特殊だと思うんです。そういったものは、「非科学的」なものか。そのへんって実際はどうなのか、というところをおうかがいいしたいですね。
三上:なんか大学の講義みたいだね(笑)。「科学とはなにか?」とかね。定義から入るというのが、いかにもですよね。「定義しないと、始められない!」「理系ですか?」みたいなね(笑)。
みなさんも科学というと、だいたい頭の中で思い浮かべるのは自然科学だと思うんですね。でも科学というのはもっとたくさんあるんですよね。社会科学とか、政治科学とか。
先ほど言った定義からすると、そういう概念があってもいいんじゃないのって思います。科学がいくつかある中で、自然科学の中に物理学があって、化学があって、生物学があって、みたいなことになっていくんだろうと思うんです。
この分類上、「科学」とくに「自然科学」って言った時の「自然」。これは先ほどの『NATURE & SCIENCE』の、まさに「自然」と「科学」(の「自然」です)。ネイチャーですよね。でも「自然=ネイチャーなの?」って考えたと思うんですよ。「あっ」って思うでしょ?
三上:「天然」という、(「自然」と)似たような言葉があるんですよ。例えば、「天然温泉」って言うじゃないですか。「天然記念物」も言いますよね。でも、「自然温泉」ってないんですよ。「自然記念物」ってないんですよ。「天然」と「自然」。「自然科学」なのか、「天然科学」なのか。「天然科学」って言わないですよね?
これ、実は重要な問題なんです。今後いろんなことを考えていく上で、哲学って言うとちょっと大げさなんですけど、言葉の持っている意味をきっちり押さえていくと、メディアも含めてなんですけども、いかに世の中の人が言葉をいいかげんに使っているかわかります。『ムー』なんかはその間をぬって、半分ぼかしたりしているけれども(笑)。
この「自然」と「天然」の違いをごくごく簡単に言うと、林と森の違いなんです。林と森の違いは、木が1本多いだけ……違います。
林の場合は人の手が入っているんです。森の場合は一切、人間の手が加わっていない状態。だから、「天然ボケ」はあるけど「自然ボケ」はないんですよ(笑)。いわゆる人智の及ばないものが、まさに「天然」。だとすると、「自然科学」……この言葉でいいのかなってなります。
神吉:(笑)
三上:『ムー』の場合は「超自然科学」ですけどね(笑)。
(一同笑)
タジリ:その「超」が付く・付かないの差は、何かあるんですか?(笑)。
三上:「超」がついてれば何でも(笑)。
(会場笑)
三上:自然科学でもそうですけど、科学って理系っぽい言い方をすると、概念として、いわゆる時間のパラメーターを内包しているんですよね。だから、19世紀の科学、20世紀の科学、21世紀の科学の概念は違うもの。常識もそう。
なので概念というか、定説とか常識は変わっていくものだという大前提で科学を見ていく必要があるかなとは思いますね。だから(わかっていない人は)「絶対的な真理だ!」みたいなことをだいたい言うんだよ(笑)。
(一同笑)
渡辺政隆氏(以下、渡辺):科学には「科学教」じゃないですけども、「科学神話」というのがあるんですね。科学に対する普通の人たちの思い入れというか、絶対視が強いというか。科学って、本来は方法なんですよね。絶対的真理を科学と言うんじゃなくて、真理というか法則性を見つけていくための方法が科学。
有名な言葉で、科学とは「The art of the soluble」だというのがあります。解ける問題を解くのが科学。その点でいくと、(問題が)解けない「超科学」は科学のジャンルじゃないということになるんです(笑)。
あと三上さんが今おっしゃったように、「常に書き換えられていく」というのが科学の一番の特徴なんですよね。宗教と違うところです。宗教というのは、絶対の教義があって、それは変えられないんです。
科学の場合は、仮説を立てて、それが否定されるなら次の仮説を立てて、ということになります。それで、長らく真理・法則だと考えられていたことも、それを否定するデータが出れば覆され、次の仮説が立てられていく。それが、その方法が科学であって、宗教と一番違うところなんですよね。
あと、「自然」と「天然」ですかね。あまり考えたことがなかったですけど、ただ「自然」に関しては、日本語の問題もありますね。Natureを「自然」と訳した人は、すごいなと思いますよ。Natureという英語には「本性」という、他の意味もあるんですね。あるいは、日本語で「自然」って言うと、「自然にナントカした」みたいな、「天然」「自然」の「自然」とはまた違う意味になったりしますね。
言葉ってそういう融通性があるものなので、ある言葉に絶対的な意味をつけてしまっていたら、こういうふうにお互い話している時に、「同じ言葉を言っていても、意味していることは違う」というのはよくあることだと思います。
タジリ:ちなみに、先ほど渡辺先生の(おっしゃった)「解ける問題は科学だ」ということで言うと、『ムー』の雑誌は、なかなか解けないような問題ばかり出てきて。
三上:あれは基本的に仮説ですから。
タジリ:そのへんは、科学的な……。
三上:だから、よくあるタイトルなんかも「!!」の次には「!?」ですからね。
UFOの特集だったら、今月号では「UFOは金星から来ました。金星人の乗り物です」、来月号は「タイムマシーンです」、その次の号は「地底人の乗り物です」(笑)。「説」ですから、あくまでも。
タジリ:『ムー』の読者の方々はそのへんのことを真実として捉えがちだと思うんですけど、「(実は)『!?』が付いていて、問うている」みたいなところはぶっちゃけちゃっていいんですかね?(笑)。
三上:いやそのへんは、あれですよ。『ムー』の編集部よりも『ムー』の読者の方が、ある種の、独自の見方というか説というか、一家言を持っているんですよ。「今月の総力特集はちょっと甘いな」「この研究家はわかってねーな。でも、このへんはいいことを言っているな」とかね(笑)。そういう見方というか、そういう知的なエンターテイメントとして読んでいるんだと思いますよ。
タジリ:ちなみに、科学者の専門家であられる渡辺先生は、『ムー』という雑誌をどのように捉えられているんですかね?
渡辺:やっぱり、「存在しないってことを証明できない」というのが一番の『ムー』の強みですよね(笑)。
(会場笑)
タジリ:「幽霊は存在しない」というのは、どうやったって証明できない。
三上:「存在する」というのは意外と証明が簡単ですね。1匹ずつ捕まえればいいんです。「白いカラスはいるのか?」って言われたら、白いカラスを1匹捕まえればいいんですよ。「白いカラスはいない!」ってなると、カラスを全部調べないといけない。「いない」って言うんだったら、「全部、調べたのかい?」って(笑)。
渡辺:どこかの首相の国会討論みたいになっている(笑)。
三上:「悪魔の証明」みたい(笑)。
渡辺:なので、そこが科学の限界ではありますよね。そういう意味で、「超科学」は科学とそんなに敵対するものではない気がするんですが、ある意味、科学と敵対するのは「偽科学」だと思うんですよね。科学を語るというのがね。一般の人々は、科学に対しての信頼性みたいなもの、幻想を抱いているんじゃないか、というのはある気がしますね。
タジリ:その幻想って、どういったものになりますか?
渡辺:「科学で全部証明できるんだ」みたいに、「この食べ物は絶対安全だって証明できるんだろう」ってことですね。そういうようなことは、100パーセントで言えるってことはないわけです。
渡辺:ただ、ちょっと話が変わりますけど、さっき自然科学の分類で言った「物化生地(物理・化学・生物・地学)」って、我々は学校で習うわけですね。でも今、「地」が絶滅危惧種になっていて、ほとんど地学を履修する学生がいないし、宮崎県には高校に地学専門の先生がいないという時代です。教科書も、物理と化学はずっと内容が変わっていないんですけれども、生物だけは分厚くなっていくという。
三上:なんか、半分……3分の1になるみたいなニュースがありましたよね? 生物の教科書に関しても。
渡辺:生物の先生たちの方で、「こんなに覚える必要ないんじゃないか」って意見が出ています。要するに、「科学を記憶の科目にしてどうするんだ」みたいなことです。だいたい、センター試験で生物は文系の人たちがとるくらいで、(理系には)ほとんどいないんです。要するに、医学部を受ける人はほとんど、98パーセントが物理と化学。生物を勉強しないで医者になる人がほとんど(笑)。
三上:それで大丈夫なんですかね?(笑)。
渡辺:そう、だから細胞のことなんかわからないでお医者さんになっている(笑)。
ちょっとまた話がそれたような感じですけど、とにかく点数の取れる科目を選ぶという感じですね。
三上:地学は地球科学、それから人文地理とかね、けっこういわゆる理系・文系にまたがっている部分もありますね。
渡辺:そうですね。天文、宇宙まで入りますし、生物も入りますね。
三上:さらに生物学も人類学が入ると、文化人類学というまたぜんぜん違う学問になっていく(笑)。なので、高校で教える科目によるわけ方って、非常に無理があるということなんですね。
渡辺:そうですね。「物化生地」にわけてしまうことに無理が生じていると思いますね。ただ物理の先生は、新しい「ナントカ粒子」が見つかってもそれは高校では教えないから、物理自体は100年前から教えることは同じだと言っているんです(笑)。ニュートン物理で教えているわけですね。
タジリ:生物のほうが多様な展開が……。
渡辺:そうですね。僕が高校生のときはDNAなんてなかったですからね。ちゃんと習わなかったです。そういう意味では今の高校生の方が大変。覚えないといけないことがたくさんあるという感じですね。
三上:物理は、他の教科に比べて一番覚えるものが少ないですからね。ぜんぜん少ないですよ。運動方程式なんか、すぐ覚えられる。だけど、ぜんぜん問題は解けないからね。ぜんぜん解けない(笑)。
渡辺:(三上氏に)物理学部なんですか?
三上:そう。もう、本当に解けない。「運動方程式」とか「回転運動の方程式」とかあるじゃないですかです。方程式そのものを覚えたからといって、問題は解けない。間違って間違って、ずーっと間違って、ある時に悟りを開く(笑)。
(会場に)物理を専攻したかた、います? ある時「すっ!」「あっ!」ってなるんです。あのね、本当に「ユリイカ(eureka)!」みたいな瞬間が来るんですよ。
ずーっと間違うんですよ。ずーっと間違えて間違えて、毎回同じことを間違えるんだけど、ある時、「あ! そういうこと!?」ってなったその瞬間に、それまでの問題が全部解ける。やったことのない問題まで、全部解ける。もう極端で、ぜんぜんわからないのに、でもある時からボンって解ける。あれはね、悟りですよ!(笑)。
(会場笑)
もう本当に、走りだそう! 本当に、絶叫! わかったー!!
(会場笑)
あるんですよ。(会場のみなさんに対し)そういう瞬間が、ありますよね?
タジリ:あんまり感じているかたが多くない(笑)。すみません、科学とかそういう難しさというのは……。
渡辺:問題を解く科学、試験を受けるための科学というのは、そんなに面白いものじゃないです。
タジリ:方程式を覚えたり、化学式を覚えたりとか。
渡辺:物理でも相対性理論とかビッグバンとかそういう方が面白いけど、それを解けというのが受験で出るわけではないですから(笑)。運動方程式で止まっているわけです。
三上:運動方程式、F=maをずっと見ていても、わからない。わからないと問題が解けない。でもある時、全部わかるでしょ? そうすると、「はっ! Fはmaなんだ! あああ!」ってなるんです。「そうそう、この方程式を持ってくれば! ああああああ!」という、これが悟り(笑)。
(会場笑)
タジリ:その物理学の世界からすると、『ムー』は色が違うというか、ぜんぜん別の世界のように思うんです。ましてや、もっと正直な話、お会いする前に(三上氏は)『ムー』の編集長ということで、「とてもオカルティックなかたなのかな?」と思っていたら、すごく理路整然とされているかたでした。「この違和感はなんだろう?」と思ったんですけれど(笑)。
三上:たぶんね、『ムー』の読者のかたって、『ムー』をオカルト雑誌だとは思っていないんですよ。オカルト「も」扱う。だって科学もある。いいですか? M理論とかそういう特集になっちゃう。だって普通の打ち合わせで、宇宙論、科学の特集なんですよ。別にそこに宇宙人だとか、念力だとかが出てくるわけではない。
だから、科学「も」扱う。ただの科学だとなかなか扱われない世界があって、例えば死後の世界だとか、生まれ変わりだとか、やらないでしょう? 人間の意識とか自我の問題が入ってくると、もう科学の限界になっちゃう。「じゃあ心理学は科学か?」という話が、またあるんですけれどもね。
渡辺:『ムー』の創刊は1979年?
三上:そう、来年でちょうど40周年。
渡辺:『Newton』の創刊が1981年でしたよね。それで日本に科学雑誌ブームがきて、科学雑誌が乱立したんですね。
三上:ありましたねー。
神吉:それが1、2年でバタバタっとなくなって。(『ムー』は)それに先んじて創刊して、バブルも乗り越えて(笑)。
三上:そうですね。弊社の場合は、もう無くなったんですけど『UTAN』ってあったんですね。オランウータンのウータン。
(会場笑)
その『UTAN』も、途中から超能力とか、日本のピラミッドとかをやり出して『ムー』っぽいって言われていたんです。
神吉:出しているのが学研なんですね(笑)。
三上:だから社内的には、あまり目立たないように。
(会場笑)
三上:指導要領に載っていないことばかりやっていますからね(笑)。そのころ『UTAN』はね、(『ムー』になぞらえ揶揄されて)『ムータン』って言われていました(笑)。
(会場笑)
渡辺:『UTAN』はバブル期に創刊されて……。
三上:バブル前、80年代入ってからですね。それで、90年代の前半頃に……。
渡辺:休刊になったの?
三上:そうですね。
タジリ:今でこそ例えば、『ケトル』という雑誌が『ムー』の特集をしたりとか、(衣料品の)「シマムラ」さんとか、メガネの「JINS」さんとコラボした『ムー』のグッズがどうやらにわかに人気があるんですけど、このちょっとしたムーブメントについては、三上さんはどうご覧になっているんですか?
三上:『ムー』が創刊された1979年当時、その頃に小学校とか中学校で『ムー』を読んでいた人たちがみんな社会人になって、たぶん偉くなっていて、自分の裁量で企画できるようになって『ムー』(の企画を)やろうかな、という(笑)。
タジリ:(『ムー』は)40年くらい続いているわけですけども、渡辺先生、もう1度さっきと同じような質問かもしれないですけど、科学者仲間の間での『ムー』の位置付けというか、『ムー』という雑誌はエンタメとして捉えられているのか、おうかがいしていいですか?
(会場笑)
渡辺:(『ムー』を)知っている人がどれくらいいるのか、知らないです。どうなんでしょう。隠れファンがいるのかもしれないです(笑)。
三上:だいたいね、『ムー』を読んでいる人は、人前で「『ムー』読んでいる」って言わないですからね(笑)。そうですよね?
(会場笑)
みなさんもね、合コンとかに行って自己紹介する時に、名前と「愛読書は『ムー』です。特性は超常現象です」みたいなことや、「ハンドルネームは『ムー』です」って、普通は言わないでしょ? 言った途端に引きますね(笑)。
タジリ:(会場へ向けて)ちなみにこの中で、普段『ムー』を手に取るかたって、どれくらいいらっしゃいますか?
(会場ざわつく)
三上:これは……本当に、読んでいないですね(笑)。
(会場笑)
それか「隠れキリシタン」のように、隠れているのか。信仰は内に秘めているものですから(笑)。
渡辺:でも、今ここにいて、愛読書は『日経サイエンス』です、ということもないんじゃないですかね(笑)。
渡辺:日本ってだいたい、高等教育で理系の割合って3割弱なんですよ。
三上:うーん。
渡辺:この(会場の)中で、僕と三上さんはその中に入っていますけど、少数派なんですよね。だから科学書、科学雑誌が好きですなんていうのも、あんまりウケない。『ムー』の方が読者、愛読者が多いかもしれない。
三上:どうでしょうね。なくなっちゃったけど、昔は『Quark』だとか、ありましたからね。また1970年代、1980年代なんかは技術と共に、けっこういろんな発見があって、惑星の探査なんかもそうだけど、科学は盛り上がっていましたよね。NHKなんかもね。
その中で、なんかこう「今までわからなかったものが、わかる」という、いろいろな発見があると、その先には「いつか超能力も解き明かされるんだろうなー」みたいな(思いがありました)。
早稲田大学の大槻義彦教授も、実験でプラズマを発生させて、ずっとプラズマの研究しているんですよね。それをもって「人魂はプラズマ現象である」って、UFOなどいろいろ報告されているけれども「その正体は火の玉で、プラズマだ!」って、いろんなテレビなんか出てバトルなんかしてきました。
でもそれである種、UFO現象、人魂現象って言われていたものが解明されたわけですよ。そういう意味では、大槻先生は科学者ではあるけれどUFO研究家なんですよ。ちゃんと解明しているんですよ。
(一同笑)
神吉:確かに(笑)。
三上:今までそういった「超常現象」と言われていたものも、実際にある種の実験によってその現象が確かめられた、仮説が証明できたというと、説明できるようになってくる。
(一同笑)
神吉:サイト、ありますね(笑)。
三上:だから、ある種の技術的なブレイクスルーがあればできるんですよ。今はまだUFOとか超能力というのは、今の物理学の範疇では捉えられていないけれど、いつかあれですよ、「スプーン曲げの方程式」ってできるでしょう(笑)。
(会場笑)
渡辺:「スプーン曲げ」って言っても反響ないですよ(笑)。
(会場笑)
三上:そういう時代がありましたね。(笑)。
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