シェアリング時代は「信用のあり方」が変わる
企業や属性に左右されない、未来の評価システム

SHARE × LOCAL ~2020年以降の国と地域を考える~

SHARE SUMMIT 2018
に開催
2018年9月7日、シェアリングエコノミーの価値を発信する「SHARE SUMMIT 2018」が開催されました。「SHARE × LOCAL~2020年以降の国と地域を考える~」には、内閣官房シェアリングエコノミー促進室・高田裕介氏、産業経済新聞社・大坪玲央氏、PwCコンサルティングのパートナー野口功一氏が登壇。渋谷区観光協会事務局長の小池ひろよ氏をモデレーターに、シェアリング時代における社会システムについてディスカッションしました。

2020年以降の国と地域を考える

小池ひろよ氏(以下、小池):みなさま、こんにちは。少しセッションが続いていますが、お疲れではないですか。大丈夫ですか? 本日は50分ちょうだいして、「SHARE × LOCAL~2020年以降の国と地域を考える~」というテーマで展開していきたいと思います。司会を務めさせていただきます、渋谷区観光協会の小池と申します。よろしくお願いします。

(会場拍手)

なぜ渋谷区観光協会かというところで、一部の方はご存知かもしれないですけれども、簡単に自己紹介を兼ねてご挨拶をさせていただきます。私は3月までシェアリングエコノミー協会の事務局次長を務めながら、株式会社スペースマーケットの社長秘書を務めておりました。この4月から場所を渋谷区に移しまして。

13時から記者発表がありますが、シェア渋谷という課題が立ち上がったり、昨年6月に渋谷区とシェアリングエコノミー協会の連携協定をしたりすることで、私は少し改革に回りながら、渋谷でシェアという広がりが、より一層広がっていかないかというところで、今また新しい立場を変えて務めております。どうぞよろしくお願いいたします。

では、さっそく、まず簡単に自己紹介を野口さんからお願いできますでしょうか。

野口功一氏(以下、野口):PwCの野口でございます。私はPwCというコンサルティングの会社に勤めていて、いろんなことをやっております。PwCの中でテクノロジーをベースにした新規事業、ソフトウエアやクラウドサービスみたいなものを作ったり、イノベーション関連のコンサルティングだったりといったことを担当させていただいています。

それをやっていくうちに、世の中にシェアリングエコノミーみたいなものが出たということを数年前にいろいろと気付きまして。PwCのアメリカやイギリスでも、実は力を入れていろいろな研究をしているということがわかって、日本でも一生懸命勉強して、いろいろやろうかというふうにやったら、いつの間にか……。

(今日は)日経文庫さんがいらっしゃいますが、この前も日経文庫から本を出すぐらい、そこそこの知識が付きまして。逆に、そればかりをやっている人みたいになってしまったんです(笑)。そんなかたちで、SHARE SUMITもいつも参加させていただいておりまして、今日は非常に素晴らしい方と一緒なので、楽しみにしております。よろしくお願いします。

(会場拍手)

小池:ありがとうございます。

政府内でシェアリングエコノミーを推進

小池:このあと、みなさんお待ちかねの調査発表にも連れていきたいと思います。次に、内閣官房高田企画官からよろしくお願いします。

高田裕介氏(以下、高田):私が出るという経緯から話さなければなりませんね。

小池:そうですね。ごめんなさい。では、高田企画官から、よろしいでしょうか。

高田:事前告知をされて来た方はびっくりされているかもしれませんが、このセッションは本来であれば小泉(進次郎)衆議院議員と小林(史明)政務官が出るという前提で、これまで調整されてきました。しかし、北海道の地震など相次ぐ天災への対応ということで、本日は残念ながら欠席ということになりました。まず冒頭では、被災で苦しんでいる方、復旧に携わっている多くの方々に対して、お見舞い申し上げたいと思っております。

そういう中で、こちらに来ること、つまり、若手の中でも非常に発信力のある2人の政治家の代役を昨夜20時に仰せつかりまして。一縷、ニ鏤、三鏤もためらいながら、そういった後災を含めて、シェアリングという新しいサービスがどういうふうに役立ってきているか。そういうことのきっかけになればと思って、受けさせていただきました。

申し遅れましたが、私は内閣官房シェアリングエコノミー促進室の高田と申します。政府の中でシェアリングエコノミーにまつわる、よろずの相談といろいろなお悩みの調整。そういったことをさせていただいております。もともと立つ(予定だった)方(小泉衆議院議員と小林政務官)に比べて若干頼りなく思われるところはありますけれども、この仕事をやり始めてすでに3年になってございます。

この業界の中では、5本の指ではありませんが、10本の指に入るぐらいの見識はあるという自覚・自負のもとで、今日は立ちたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

小池:本日、このあとのフリートークセッションでは、災害とシェアの繋がりについて、トークセッションを繰り広げていきたいと思います。では、次に産業経済新聞社の大坪様から自己紹介をお願いいたします。

大坪玲央氏(以下、大坪):産業経済新聞の経済本部で総務省を担当しております、記者の大坪と申します。 ふだんはこのような場に来ることはまったくなく、正直申し上げまして、まさかこんなところで取材する側ではなく、される側になるとはまったく思っていなくて。しかも野口さんや高田さんと比べると、ふだんまったくしゃべらないのに、とくに口が回るとも思えないので、まずその辺から非常に不安で。

さらに知識も、そこまでシェアリング方面に詳しいのかと言われると、メディアの方々にもたぶんバカにされるのではなかろうかと思うので、あまり厳しい目で見ていただかないようにと思っています。一応、産経新聞の総務省担当は、けっこうインターネットの事業をずっと取材しております。

もちろんメルカリやWeWorkなどといったところの取材はかねがねやっておりまして、そういったところで少しは語れるのかなということで、今回選んでいただきました。とはいえ、しゃべるのにあまり慣れていないので、時々変なことをしゃべったら書かないでいただけたらと思います。

小池:ありがとうございます。今まで多くのメディアに取り上げていただくことはありますが、こういった記者の方が壇上に立って、シェアエコについて議論してくださったり、それから記者として、この関係しているみなさんに質問を切っていただくようなことがなかったので、今日はそれができればなと考えております。どうぞよろしくお願いします。

Uber、Airbnbがブランドの認知度を上げた

小池:それではさっそく、本日11時にPwCさんから、国内のシェアリングエコノミーにおける認知度調査の結果というもののプレスリリースを発表されていらっしゃいます。それに伴い、野口様から調査結果を含め、少しトークを重ねていきたいと思います。

野口:ご挨拶のときに申し上げましたように、実はPwC日本だけではなくて、むしろPwCのアメリカやイギリスを始めとするヨーロッパでは、5、6年前からシェアリングエコノミーに関する調査をやっています。それこそ各メディアの方々や、執筆される本の中にも、PwCのイギリスが世界規模で2025年はどうなっているというのは必ず使われるんですよ。

逆に言うと、世界規模のやつはそれぐらいしかなくて。そういった私どものグローバルのパートでもいろいろやっているのを受けて、昨年から国内におけるシェアリングエコノミーの意識調査をやらせていただいております。昨年もこの場で確か発表、披露させていただいています。今年は日本では2年目になっていますので、今日は簡単にサマリーをご紹介したいと思います。

まずシェアリングエコノミーの認知度についてです。みなさんもご存知のように、シェアリングエコノミーはアメリカからどんどん入ってきたものですが、アメリカやヨーロッパ、今はアジアなどでもその浸透度はすごいです。日本はそれに比べると、昨年の調査でもまだまだ認知度が低いということでした。

しかしながら、やはりここにいらっしゃるみなさんや、今日登壇しているみなさんのご活躍があり、認知度が徐々に上がり始めています。シェアリングエコノミーというものを聞いたことがあるか、具体的にどのようなことを知っているかというような話に関しては、前年よりちょっと上がっています。まったく知らないという人もまだまだ多数いますが。これから知らない人が増えたり、知っている人が少なくなるということはあまりないと思います。

もしかしたらどこかで爆発的に大きくなるかもしれないですが、少なくとも日本の中では少しずつ浸透していくと言えると思います。この質問はシェアリングエコノミーの定義……例えばライドシェア、民泊、シェアリングエコノミーのサービスやシェアビジネスというか、シェアサービスを説明した上で、シェアリングエコノミーのサービスをどういうふうに知っているかというようなことを聞いています。これも前のシェアリングエコノミーそのものの認知と同じで、徐々に増えてきてはいます。

シェアリングエコノミーと言うと、「何ですか、それ?」となるんですが、「Uberを知っていますか?」「Airbnbを聞いたことはありますか?」と言うと、ガラッと回答率が変わってくるんですね。なので、これは日本の中でも1つのおもしろい取捨だと思っていて、シェアリングエコノミーという言葉そのものよりも、ブランドなどの認知度としては、すでにみなさんが認識されているということになると思います。

認知されているカテゴリは、今言ったようにサービスのカテゴリごとです。これも昨年と同じで、物に対するものですね。物を個人間取引きするということに関しては、日本はかなりいろんなことを始めて、みなさんが慣れていらっしゃいます。なのでそういう意味では、物のサービスに対する認知度はやっぱり大きいです。あとは場所といったものになってきます。

実はスキルのシェアというものが日本の中ではだいぶ伸びてきています。それはビジネス規模も伸びてきているのであれなんですが、去年との比較から伸びてきているという意味では、家事手伝い、ビジネスプロフェッショナルといったものは、徐々に認知度が伸びている。これは日本ではけっこう特徴的な部分だと思っています。

安心・安全に対する不安が残る

野口:それから、利用経験です。いろいろなサービスの中で、利用経験としては物が一番多いです。日本ではこれが完全にポピュラーになっていて、「シェア」と言ったら、「物」というかたちになってきています。次は利用意向ですね。これも「シェアリングエコノミーを利用したい」「利用検討していると思う」というようなかたちで、今使っていなくても(使いたい)、もしくは今使っている人はもっと使いたい。

やっぱり場所や空間といったところは伸びていますね。「スペースマーケット」などで利用しやすいですし、日本の今の不動産状況にもけっこうマッチしているだろうというのもあります。

移動手段に関しては、先ほども申し上げましたUberなどは耳にするようになっている。日本ではまたちょっと違ったかたちになっていて、そういう移動手段に関しては、「それなりにブランド認知度が高いから、今は使っていないけれど使いたい」。

そういう意味では空間も同じで、Airbnbなどはブランドの認知度がものすごく高いので、シェアリングエコノミーのビジネスとしてはその2つですね。「イメージがあるので、使いたい」という意向に素直に。カテゴリやシェアリングエコノミー全体というよりも、強くなっていて認知度が高いブランドを確立していたビジネスに関して、みなさん利用傾向があるというようなかたちになっています。

次に日本は欧米に比べてこれからガーンとシェアリングエコノミーが伸びてくると思っていて、伸びていくに当たって、いろいろ懸念事項があるんですよね。実は懸念事項のポイントとしては、トラブルが怖い、品質がどうのこうの、といったことがあります。

当然 Peer to Peerのビジネスは個人間取引なので、信用や品質が担保されているということが実はあって、プラットフォーム業者が信用を担保するんですが、イメージとしてはやっぱり(信用してもらうのが難しい)。

例えば、家事手伝いに知らない人が来てしまうという感じになっているので、その辺の安心・安全に対する不安というのがあります。ここは日本でもまだ(ハードルが)高いですね。先ほど利用したいという意向がある人でも、懸念事項と言ったらやっぱりそこのところです。ここは非常にシェアリングビジネス、シェアリングエコノミー全体の大きなポイントになってきます。

実はこれ、日本だけではないんですよね。もう先に進んでいると言われている欧米やアジアの国々でも、こういった調査をすると、最初に出てくるのが懸念事項なんです。一番に出てくるのがアジアでの品質のばらつき。もう完全に企業が担保してくれている物の売り買いなどをしているものではないという、ここが非常に特徴的なところです。

けれども、逆に言うとここのところを上手くクリアしている。いわゆるプラットフォーム業者などは一気に爆発的に伸びる可能性があると言えると思います。すごく駆け足だったんですが、私のほうは一応こんな感じです。

小池:ありがとうございます。

シェアリングが爆発的に広がるポテンシャルがある

小池:そんな野口さんと、先ほどお話しさせていただいたときに「僕はちょっと(シェアリングエコノミーを)使えないんだよね。そういう世代なんだよね」というお話があったんですが、調査結果でも今年は2017年度に比べて、プラス10パーセントということで42パーセントぐらいの認知がされています。野口さん、例えばどんなサービスだったら、もしかしたら使えるというのはありますか?

野口:物とかそういうものよりも、海外に行くとマインドシェアというか、利便性がものすごくわかるものに関してはガンガン使います。そういったものは、そういうことをやること自体が面倒くさいし、というようになってしまうんですね。だけど、Ubarなどを海外に行って使うときには、もう利便性がバーンと跳ね返ってくるじゃないですか。

ぜんぜん簡単だし、早くて安いものは、やっぱり海外でもバンバン使いますね。調査結果でもそうで、私は50代ですけれども、世代別に見ると、20代・30代の人たちの利用傾向や利用意向は高いですよ。

僕みたいな世代よりも、そういった下の世代の人たちはシェアリング世代、ミレミアム世代とよく言われます。この人たちは好景気を経験していない、生まれたときからのネット世代で環境意識が高いとよく言われますよね。

シェアリングエコノミーが起きた背景とぴったり合うわけですよ。だからそういう人たちが主力になってどんどん上がってくることは、日本の中でもシェアリングエコノミーが爆発的にどんどん広がっていくポテンシャルがある。私はもうぜんぜんダメですから(笑)。

小池:ぜひ使っていただけるような社会になっていきたいと思います。ここでみなさんにご質問したいと思います。今までシェアサービスを使ったことがあるという方。敢えてこの業界のカンファレンスに来ていただいていると思うのですが、挙手をしてみていただいてもよろしいでしょうか?

(会場挙手)

小池:素晴らしいですね。ただ100パーセントではなさそうというところ、この会場のみなさんが必ず一度でも使ってくださったら、また広がりもあるんじゃないかなと思います。野口さん、ありがとうございました。

政府が取り組んでいる4つのこと

小池:続きまして、内閣官房高田企画官からのお話に移らせていただきたいと思います。

高田:自己紹介でも話しましたが、僕たちはシェアリングエコノミー促進室を立ち上げて、昨年1月から各事業者さんや自治体さんと霞が関の中のいろんな省庁などの橋渡し役をしております。相談件数も順調に伸びていて、この間、このイベントのために名刺を新しく刷ったところ、ここに着任してすでに600枚ぐらい消費しているということに気付いて。

非常に多くの人に会うことができる、あるいは多くの人に関心を持ってもらっているなということを実感しております。シェアリングエコノミー推進の意味は、政府でやっているいろんなことに結びつくという部分がすごく多いのかなと思っています。ここに書いてあることは、みなさんが日経新聞やいろんな新聞の一面でよく目にする単語だと思います。

「ここに書いてあることは、何でも役に立ちますよ」という売り込みをしたいわけではなくて、こういう新しい成長とか、新しい1億総活躍の要請が出ていく中で、シェアリングエコノミーというのはその中に適用するために出てきたツールなんじゃないかなと、最近やはり都度感じています。そういった意味で、私たちや霞が関で新しい政策をする人たちが取り組んでいることは大きく4つあるのかなと。

いろんな補助金・税制・国民運動の名前がありますが、個人的な分析の枠組みとして、たぶんみんな何となく大きく4つに整理しているなと。1つ目は役所というのはルールを作るところなので、健全で柔軟で未来志向のルールをちゃんと作っていくと。役所が民間の邪魔をしてはいけないので、これはやっぱり1つ目です。

2つ目はルールを作るだけだと、人間はなかなか足が前に進まないので、背中を押すために1つ取り組みをする。それは何だろうと言うと、フォローワーを作ってあげるということだと思うんですね。そういう意味では1つ事例づくりというものが大事になってくるんじゃないかなと思っています。

3つ目に「応援団」と書いてあって。私もシェアリングエコノミー促進室に行って気付いたのは、ベンチャーにはすごく謙虚な方が多いんですね。謙虚と言うとちょっと言葉が違うかもしれないですけれど、こちらが話を聞いてあげることに対して、すごく感謝をされる。話を聞いていることしかできなくて、こちらが何か積極的に……例えば良い補助金をご紹介する、すごく重要なコネを紹介する、といったことをしているわけではないですが、話を聞くだけでもすごく感謝されて。

これってなんだろうと思ってみると、新しいことをやっているので、不安感や孤独感を感じているのかなと思っています。それはたぶん政策側でやっている人たちもそうだと思っていて、新しいことをする人たちを孤独にしてはいけないよねと。そういうところで、やっぱり応援団みたいなものというのを作っていく必要性をすごく感じています。

何事も最後には、ムードの醸成が必要になってきますよね。そういうことを意識しながら厳しいことをしているところです。そういったこともあって、選挙カーの選挙戦略のように、政府の戦略というのは、今言った4つのシダに整理できるのかなと思っています。

ですので、いろんな政府の政策を見る中においては、さっき言ったような4つを見ながらやっていければいいと思います。また、シェアリングエコノミーをこれから進めていく上で、4つの中でどういう軸足の置き方をしていくかというのが、これからのポイントになるかなとは思っています。以上です。

小池:ありがとうございます。

料理教室サービス「Tadaku」に注目

小池:例えば政府の方は、提唱だったり、「広めよう」と言ってはくださるものの、実はシェアサービスを使ったことがないという方が本当に多くて。その中でも高田さんは本当に日頃からいろんなシェアサービスを使ってくださって。

実体験などもあると思うのですが、キラリと光るシェアサービス、やはり「シェア・ニッポン100」のように、政府連携の良い事例などがありましたら、ぜひご紹介いただけたらなと思います。

高田:キラリと光るということになると、「Tadaku(タダク)」という外国人の方の家で、料理教室(のレッスン)を受けることができるサービスがあって。トルコ人の有名なホストの方が、自分の家から歩いて30秒のところに住んでいたという経験があるんですね。いろんなエンターテインメントやコンテンツは、みんな電車に乗って盛り場とか有名な観光地に行かないとない、という先入観があると思うんですけれど。

実は最大のコンテンツとかエンターテインメントというのは人なんじゃないかと。それって実は自分のすごく身近にいたということに感動しました、というのが1点目。2点目で「シェア・ニッポン100」で良い事例と言うと、今日もいろんな事業者さんが来ている中で、特定の事業者さんの名前を挙げるのはすごく気が引けるんですけれど。

一番びっくりしたのは、ロケ地をシェアリングしているサービスをやっている方がいらっしゃって、その人に「廃校はありませんか?」と聞かれたんですね。こっちからすると、廃校は自治体財政の中ですごく負担になってきていて、どう使っていいかよくわからないという方もすごくいらっしゃると。

ちょっと言葉は悪いですが「そんなものを探してどうするんですか?」と言ったら、最近ネットの動画の配信サービスが増えている中で、ロケ需要がすごく増えていると。そういう中で学園モノと病院オノというのは鉄板で、そういう廃校みたいなものを、われわれもすごく探しているんだと言われました。

1番目の話とも関係するんですが、ロケ地のサービスがシェアに向いているかどうかということではなくて、これまで価値がなかったものが、シェアリングのプラットフォームというフィルターを通ることで、今まで気付かなかった価値が生まれる。これがこのサービスのすごくチャーミングなところかなと思っています。

小池:ありがとうございます。

記者目線から考える今後のシェア社会

小池:まさに私が所属していた「スペースマーケット」でも古民家を載せたところ非常に需要がありまして。どちらかと言うとコミュニティーを持っている方々の集う場所や、それこそ楽しむ場所というところで、プラットフォームであることによって探しやすかったり。

そういったことについて、インターネットを介して、簡単に自由に、そして安心・安全の担保というところも……やっと日本でも認証制度といったかたちでトラストというものが前提にありながら、サービスを使っていただけるユーザーが増えてきたのではないかなと思っております。ありがとうございました。

それでは、シェアリングエコミー業界初めての期待の記者が登壇というところで、おそらく本セッションが終わりましたら明朝、産経さんに何か記事が載っているんじゃないかと期待したいと思います。大坪さんよろしくお願いします。

大坪:よろしくお願いします。

小池:大坪さんから見たシェアリングエコノミーは、どんなふうに今捉えられているかというか。この先2020年以降を1つ掲げているテーマではあるんですけども、大坪さんから見て、このシェアサービスの広がり方。そしてその先の社会がどういうふうになっているかを記者としてお考えになっているか。もしよかったら、ぜひ聞かせてください。

大坪:今、2人の専門家のいろいろなお話をド素人の目線で聞かせていただいて、ちょっとメモをしながら、いろいろ考えておりました。私も新聞記者なので、よく上から「いろんなド素人に伝えるにはどうすれば(よいのか)、ということをなるべく簡単に書け」と言われます。うちの妻、母親、娘といった辺向けにどういうふうに書いていったらいいかという。

そういう視点でシェアリングエコノミーを考えていくと、いろんな幅広い世代にというのは、かなり大きな課題かなと今思いました。この資料の中でもそういうシェアエコがあったのですが、言葉としては伝えにくかったとしてもサービスとしては、かなり広めやすいのかなと。

うちの母親は、例えば70歳でパッチワークをよくやっていたのですが、そういったもので、もう要らなくなってくる物を売るとか、そういうのも非常にシェアとしてはわかりやすいですし。もともと物を作らなかったとしても、例えば醤油とお酢を分けるとか、そういったことは日本人の心根と言いますか、そういうのにけっこう根付いているものなのかなと思うので。

そういった高齢者の世代にも上手くやろうと思えば、かなり響きやすいのかなというのは感じました。あとは地方。一応、ローカルと2020年というのが今日のテーマですので、やっぱり地方にけっこう広めにくいというのがまずあるのかなと……私は郊外に住んでいるのでUber Eatsがないとか、そういう単純なことから始まりますが。

だいたいそうした成功したエコノミーに限らず、先進的なITサービスを地方に広めるのはなかなか難しいのかなとか、そういう意味でもその辺も広めていくことに対して、どこまでわれわれ新聞記者がやれるのかなという。とくにシェアリングエコノミーというのは、けっこう言葉として難しいので、新聞という意味では、一般の一番知らない人に伝えるという意味で、新聞記者としてどこまで伝えられるのかなというのをかなり課題として感じておりますね。

高田:字数も多いですもんね。

大坪:文字数の制限がだいぶあるので。

小池:そうですね。地域と言っても私が今関わっている、例えば渋谷区という都市圏だったり。それから昨年度おうかがいした利尻島などでは、やはり2,500人という過疎地になっていて、もう生き残りをかけたという島になっていると。そこを同じような目線で課題を解決していこうというのはなかなか難しいと思いますが、そういったときに都市型にあったようなシェアサービスであったり。

その先にサービスを提供する個人が社会の主体になっていくというものが、本日発表させていただいた「SHARING NEIGHBORS」。個人をそういった少しの時間であったり、大きな資格をとらなくても1、2時間の中で何かを提供することで、ありがたみを感じていただけたり。それから繋がりであったり、生きがいが、とくに地方だと広がっていくんじゃないかなという期待は私でも持っております。

「トラストのあり方」が変わる可能性

小池:そのような中で、例えばもし20XX年にシェアリングサービスの認知が当たり前のように広がっていて、今は42パーセントぐらいのものが100パーセントに近い90パーセントぐらいに世の中がなったら、どういう日々の社会・生活になっているのかなというイメージについて「こんなふうになっているんじゃないのかな」というのを、できたらみなさん一言ずつ、ぜひ語っていただけたらうれしいと思います。じゃあ、野口さんからどうぞ。

野口:シェアリングビジネスやシェアリングエコノミーが、そういったかたちでみんなが使っているということになったら……先ほど地方と都市部で違うとおっしゃったのですが、もともとシェアリングエコノミーは都市部で発展したというのはなぜかと言うと、それは物が余っているからなんですよね。

一方で、シェアリングエコノミーは物や人が少ない地方のほうが役に立つので、いかに都市から地方に対してシフトじゃないけど、(移行)できるか。そういうシェアリングビジネスがたくさん埋まっている世界になっていれば、地方にもそういったものがあっていいんじゃないかと。それで、もう1つは信用のあり方というのが変わっているだろうなと思います。

シェアリングエコノミーでない世界は、例えば大きな会社に勤めている人は信用がありますというように、自分の属性において信用があります。ところがUberでもなんでも、シェアリングエコノミーには評価システムがあって、xx会社に勤めていなくたって、そのへんのおっちゃんが車を運転しているだけでも、信用がどんどん積み重なるわけですよね。

未来の世界では、それだけシェアリングエコノミーの話が一般的に、当たり前のようになっているのであれば、信用のあり方もおそらく変わってきて。例えばそういうシェアビジネスの中での信用の積み重ねと、今中国でもそうなっているように、ネットショッピングの信用の積み重ねが合わさって銀行がお金を貸してくれるとか……その頃は銀行も変わっているかもしれませんが(笑)。

お金を貸してくれたり、保険の料金が違ったりというように、何かそのようなかたちで……シェアリングエコノミーのすごいところは、実は「トラストのあり方」として従来の経済活動とまったく違うことができるというところなんですよね。なので、それだけ良いシェアリングエコノミーの未来の世界になっていれば、トラストのあり方が変わっていると思っています。

小池:ありがとうございます。

シェア社会は起業がしやすくなる?

小池:先ほども少しお話が出たんですが、やはり広がっていく中に手続きの問題だったり……国・政府が簡単にできる、例えば税金の問題として、確定申告をもうちょっと簡単にできるようにするといった議論もあったんですが、そんなことも踏まえ、高田さんはどうでしょうか。

高田:シェアリングエコノミーの普及した社会とは何だろうと考えると、たぶん起業がものすごくしやすくなる社会というのが1つ言えると思うんですよね。ローリスクで、かつスモールスタートで、あとはいつでも畳める。そういう機敏な、すごく敏捷性のある起業スタイルが、この国に定着する世の中になるんじゃないかなと思っています。

その結果として何が起こるかと言うと、今会社がほとんどの部分で行政と向き合っているんですよね。源泉徴収がたぶんその典型だと思うんです。自分たちが社会と向き合うコストのほとんどの部分を会社が持っている。それであるがゆえに回っているシステムが、だんだん回らなくなってくるのが、その20xx年なんじゃないかなと思っています。

「シェアリングエコノミーは規制が問題だよね」と言う方はすごくいらっしゃいますが、去年1年間の規制改革要綱で、シェアリング関係の要綱がどれだけあるんだろうと言うと、ほとんどないとは言わないですが、他の例えば保育や農業などと比べれば、そのものズバリの要綱がすごく少ないです。じゃあ、規制の問題はないかと言うと、そんなことはなくて。

どちらかと言うと、個人が社会と向き合ってきたときに、窮屈であったり、ちょっと間尺だったりするような仕組みはたぶんいっぱいあると思っています。さっき確定申告の話も出ましたが、そういうものに慣れていないという大きな問題ももちろんあると思っていて、個人でやるのはちょっと骨が折れるよねと。

そういったところは個人でも行政手続きをやりやすいように、行政を電子化・デジタル化していくのは、1つ大きくあるんじゃないかなと思っています。これまでどちらかと言うと、行政の電子化やデジタル化は、役人が仕事を楽したいだけだろうとか、行革してクビにしたいんだろうという文脈だったのですが。

個人が活躍しやすい社会を作っていくために、デジタル化によって個人の負担を減らしていく。そういう社会が実現しているし、実現しなければいけないと感じます。

小池:先ほども教えていただいたのですが、「キッズライン」という子育てのシッターサービスも、実は渋谷区で一番使われているということで、その背景が何でなんだろうというところを、先ほどからお話ししていました。おそらく申請して、区が一部補助しているんですが、そういった手続きが非常に簡単にできるということで使われているんじゃないかということで。

このシェアサービスの広がりも、おそらく行政だったりが率先して使っていきやすいものを推進していただけるといいのかなと思ったりします。大坪さん、どうでしょうか。もう記事がだいたい一面から後ろまでごそっとシェアできるような世の中がくるんでしょうか?(笑)

大坪:世の中がどうなのかということと、その頃、産経新聞があるのかがちょっとよくわからないですが(笑)。

(会場笑)

小池:言いますね(笑)。

大坪:それは置いておいて(笑)。今お二方のお話を聞いていて、2020年頃がどうなるのか、あとはふだんの私の個人的な不満などをいろいろ思ったりしていました。Uberが「空飛ぶタクシーをやる」と言っていますよね。今「携帯電話料金を引き下げろ」と菅さんがよく言っていて、私も担当なのでよく記事も書いたりしています。

それよりも飛行機の料金が高過ぎるというのを、私はいつも思っておりまして。そういう意味では、かなり突飛ではありますが、2020年より先には空飛ぶタクシーでシェアリングエコノミーが進んで……もちろん日本ではいろいろ無理があるとは思いますが、私が北九州に帰りやすくなればいいなと、けっこう思ったりします。そのためにも野口さんがおっしゃった評価システムが……シェアの信用スコアですよね。

信用スコアを利用するためには、自分の状態や属性といったいろんなものを晒さないといけない。監視とは表裏なのかなとは思うので、日本ではけっこう気にされる方が多いんじゃないかとよく思います。その辺は表裏ではありますが、メルカリとかも、そういう信用スコアをけっこうやる気満々のようなので、その辺が普及した上で、全国、地方もどこを見てもそういう飛行機のシェアが進めばいいなと。

そのときにどういった記事が書けるのかは、まだわかりませんが(笑)。

小池:なるほど。ありがとうございます。

有事でも機能するシェア社会を作ることの重要性

小池:個人的には今回の大きな災害があったときに、震災に遭われた方がシェアサービスによってかなり心の安心を担保できたとか、もしくは具体的に泊まることができるスペースを提供してもらえたとか、そういったことの両事例がニュースや報道を通じて、たくさんの方々に使っていただくようになったらいいかなと思っています。

そして今申し上げたのは、冒頭にも高木企画官官からお話がありましたように、本日、本来は小泉進次郎先生がこちらのひな壇にお越しになり、災害というものをシェアするもので、何か個人として民間と行政が手を取り合って広がっていくことができないだろうかというお話をしていただける予定だったので、私たちがそのテーマについて何か1つ最後に議論ができて終えられたらと思います。

高田さん、例えばこういったことが起きたときに、すぐに国・政府が発動できるような仕組みみたいなものがあったら、行政のみならず個人が「じゃあ僕は(家を)貸すことができます」というように、ふだんは例えば民泊というのは規制緩和でなかなかできないんだけれど、そういったイレギュラーのときに、(家を)貸すということができたらいいんじゃないかなとか。

本来ですとボトムアップでそれが個人から広がっていったらいいかなとも思うんですが、やりやすさを作っていただくというのは、ぜひ国で、政府で取り組みを作っていただけたらなと思います。

高田:最近、災害がすごく増えていますよね。それからミサイルの話など物騒な話がすごく増えていて、変なことなんですが、平時と有事の距離がだんだんすごく縮んでいるなという気がします。そういう中で……僕も知恵があるわけではないですが、これまでは、平時のシステムと有事のシステムという二方向で分かれていました。

でも、そういう平時のシステムの中でも有事を前提にしたようなものを、だんだん入れ込んでいく時代もくるんじゃないかなという気がしています。徳島県で「シームレス民泊」という仕組みがあって、ふだんは民泊なんだけれど、とくに南海トラフとか(のある)非常にシリアスな地域なので、災害が起こったときに民泊を被災者の主要な避難所として活用するという仕組みも用意されていると聞いています。

やはり単に「経済性」や「便利だ」ということだけじゃなくて、有事において僕たちの力を総結集するための道具としてシェアリングを上手く使っていけたらいいなと思いますし、これからのわれわれの、知恵の働きどころでお知恵をいただきたいなというところだと思います。

災害時こそシェアのインフラ構築を

小池:野口さん、災害時にシェアによって広がる社会というのが、例えば今は意識調査の中にそういった項目はあまりないかもしれないですが、来年以降、ぜひそういったところも……防災や災害など何かのときに助けてほしいという項目の中にシェアが入ってくるのはどうでしょうね。

野口:そうですね。本当におっしゃる通りで、日本はとくにこうして落ちついているので、安全保障よりは災害にお金を入れたほうがいいと思いますね。私自身は東日本大震災があった直後からPwCでずっと東北復興のリーダーをやっていたので、ずっと住んでいるように被災3県にいました。そういうことをやっていた中で、やっぱりシェアという考え方は、防災に非常に役に立つと思っています。

実際に熊本のときも呼ばれて行ってますが、みなさんはご存知かもしれませんが、熊本ではシェアサービスのインフラというものを無料で何かをやったりということで、かなり活躍している事例がすでにあります。ただシェアリングエコノミーにはテクノロジーが不可欠なので、電気がないとだめなんですよ。今回みたいに停電しているときに何かをやろうとするとなかなか難しい。

だけど、物理的なシェアがいつでもできる場所がすでにあれば、例えば一時避難場所、緊急避難場所というのを探すのが大変なんですよ。私もそういう複雑なエリアの仕事ばかりをしているので、よくわかるんですが、1発目に何かが起きたときに、どこの一時避難場所に行くかについて一番揉めるわけですよ。だんだん時間が経って「〇〇企業が貸してくれました」「学校が貸してくれました」となるんですよね。

そういうところについて、自治体なり何なりにシェアのインフラのようなものを設定してちゃんとやっていれば、何かあったときにすぐにバーンとそこへ物理的に行ける。それで電気がもうちょっと復活したら、今度は他のところから送られてきた物資とかが余ったりしてマッチングがすごく難しいんですよね。必要な物資などをシェアリングエコノミーのテクノロジーによってマッチングをさせるとか、ものすごく大きなポテンシャルはあると思います。

小池:ありがとうございました。時間も過ぎてしまいそうで、最後に大坪さん、ぜひ明日の朝刊……みなさん産経を見ていただければ。一面なのか何面なのかは大坪さんに任せたいと思います(笑)。こちらでセッションをいろいろと進めていただきたいのですが、最後に会場後方にPwCさんのブースがございまして、そちらに本日ご登壇いただきました野口様が書かれた書籍『シェアリングエコノミーまるわかり』という書籍を本日特別価格の850円で(販売しています)。

野口:僕には印税が1円も入らないのですが(笑)。

小池:みなさん、ぜひ店頭でご購入いただけたらと思います。そして、最後の最後にすみません。私からもう1つ宣伝させてください。このあとご登壇されるMakuakeのクラウドファンディングで作りました「渋谷のお酒」というのがございます。このあとの懇親会でぜひ飲んでいただけるように試飲を何本かお持ちしています。この日本酒なども実は渋谷にお土産がないという現状をどうしようかというところで。

クラウドファンディングという、やはり容易にプロジェクトを進められるサービスを使いまして、渋谷の日本酒というのを今渋谷西武で販売させていただいております。みなさま、どうぞこのあとお楽しみいただければと思います。それでは本日のセッションを終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

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