2024.10.10
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The Oversized Invasive Carrot That Can Give You Third Degree Burns(全1記事)
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この植物は、人にとって危険なだけではなく、固有の植物をも駆逐してしまいます。その名をジャイアント・ホグウィード(和名は「バイカルハナウド」)といい、絶対に触ってはいけない植物なのです。
ジャイアント・ホグウィードは、西アジアのコーカサス山脈が原産で、鑑賞用の植物として、19世紀の終わりころに西ヨーロッパに、20世紀初頭にアメリカ合衆国に持ち込まれました。
ジャイアント・ホグウィードは、丈が非常に高く成長し、複葉の幅は1.5メートルまで伸びます。白い頭状花は、幅75センチメートルにも及びます。非常にインパクトのある外見だといえましょう。
ジャイアント・ホグウィードは、庭園の外にすぐさま抜け出して野生化し、川岸や道端で多く見られるようになりました。現在では、ヨーロッパ、カナダ南部、アメリカ合衆国に定着しています。とくに広く分布が見られるのは、ニューヨーク州ですが、他の多くの州でも見られ、遠く降雨量の多いワシントン州でも、その姿を見ることができます。
ジャイアント・ホグウィードがとくに危険とされるのは、その樹液です。茎や葉を折れば人体に付着しますし、茎の剛毛を逆撫でするだけでも、体についてしまいます。
この樹液には、フラノクマリンという有機化合物が含有されています。フラノクマリンは、皮膚細胞に浸透し、細胞核のDNAにまで届いてしまうのです。
フラノクマリンが、日光のような紫外線に晒されると、日光のエネルギーを吸収することにより、DNA内の2種のヌクレオチド、チミンとシトシンを刺激して、DNAの鎖内に、本来あってはならないDNA鎖間架橋を生成してしまいます。このような不要な混乱が生じると、細胞はその機能を停止してしまいます。
ジャイアント・ホグウィードと同じ系列の植物も、同様に有害な有機化合物を生成しますが、これほどまでに毒性の強いものは例がありません。ニンジン、セロリ、シロニンジンや、一部の柑橘類、イチジクの類もフラノクマリンを生成し、ジャイアント・ホグウィードとよく似た接触による、やけどの報告が上がっています。
このDNAのダメージは、由来が何であれ、植物性光線皮膚炎という症状です。植物学では「phyto」、光学的には「photo」、皮膚の疾患としては皮膚炎とされるものです。
皮膚は光に反応して炎症を起こしたり、重度の水腫れややけどを引き起こし、傷跡は何か月も残ります。また、黒い斑点が残ります。これは、皮膚が光によって引き起こされたダメージを、メラニンという色素を生成して光を吸収することによって、修復しようとするためです。当初に受けたやけどが治癒した後も、いったん樹液が付いた皮膚は、数年に渡り日光に敏感になってしまいます。
恐ろしいことに、ジャイアント・ホグウィードが有害なのは、人にとってだけではありません。固有の植物群落にも災いを招きます。ジャイアント・ホグウィードは、一生に一度花を咲かせ、2万個もの種を拡散します。
将来、成熟したジャイアント・ホグウィードへと成長する芽ですが、かなり膨大な量ですね。成長するにつれ、非常に密集した群生が形成されます。いったん定着すると、「hog(がつがつ食らう)」の意味通り、周囲の養分をすべて食い尽くしてしまいます。
ジャイアント・ホグウィードは非常に大きく生育するため、巨大な葉は周囲を日陰にして、周りの植物を駆逐してしまいます。
また、周囲の土壌を毒で汚染することにより、周りの植物を駆逐してしまう可能性があるという研究結果も出ています。もし説が正しければ、ジャイアント・ホグウィードは、周りの植物に対して、化学物質による戦争をけしかけているのかもしれませんが、未だ確たる根拠はありません。
以上のことを鑑みると、そもそも論として、園芸家がこれほどまでに有害な植物を持ち込んだ理由が疑問視されますが、すべての外来種の植物がジャイアント・ホグウィードほどの有害性を発揮するわけではないので、このような未来予想図が描けなかったことが原因でしょう。
研究者たちは、一部の外来種の植物が侵略的外来植物と化し、環境、経済、人の健康に対して、深刻な害を与える理由を研究しています。ジャイアント・ホグウィードは、大量の種を拡散したり、生育が迅速であるなど、侵略的外来植物の典型としての特徴を備えていますが、鳥などを利用して広範囲に種を拡散することが不得手だったりします。
一種の植物が、侵略的外来植物としての特徴をすべて備えていることはなかなか無いため、新境地での生態系の繁栄を得るためには、複数の戦略を試す必要があるのでしょう。
ジャイアント・ホグウィードを研究すれば、研究者たちは、災厄をもたらす園芸種を予め判別することができるかもしれません。
ジャイアント・ホグウィードだと思われる植物を見つけた時には、写真を撮って、最寄りの専門家に相談することをお勧めします。
アメリカ合衆国であれば、多くの州が、侵略的外来種の専門窓口を設けているはずです。もし該当する窓口がない場合は、最寄りの国立自然保護区の窓口か、野生生物の保護区に相談してください。アメリカ以外の国であれば、類似の窓口に相談をしてください。とにかく、独力で駆除することはくれぐれも避けてくださいね。
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