隆盛を誇るバーチャルYouTuber
一過性のブームで終わらせないためのキーファクターとは?

企業に考えてほしいバーチャルYouTuberマーケティング #1/4

第19回NED
に開催
2018年8月9日、Tokyo Otaku Mode 東京オフィスにて、株式会社シェアコトが主催するセミナー「NED」が開催されました。イベントには、シェアコトにてアニメコンテンツマーケティングを手がける武者慶佑氏と、Gugenka三上昌史氏、vivito内田悦弘氏、KOUEN松田一輝氏が登壇。バーチャルYouTuberブームが到来した2018年、その背景には何が起きていたのか? SHOWROOMを中心に活躍する「東雲めぐ」、TikTokやInstagramで発信する「琴吹ゆめ」をゲストに、バーチャルYouTuberの新たな可能性などを議論しました。本パートでは、武者氏がセミナーの主旨とバーチャルYouTuberの現在地を語ります。

東雲めぐと琴吹ゆめは「バーチャルYouTuber」ではない

武者慶佑氏(以下、武者):よろしくお願いします。シェアコトという会社で働いてます、武者という名前をしております。本名でございます。

(会場笑)

今日はTokyo Otaku Modeさんの会場をお借りして、タダでお借りしてやらせていただいております。いつもありがとうございます。また一緒に仕事を、はい。

本日ログミーさんが入っておりますので、いろいろ今日のお話は全部ログに取られます。そこは気をつけて、取られる前提でお願いいたします。

あともう1つ、僕がちゃんとわかってるよということをアピールしておきたいために、どうしても1つ言っておきたいことがあります。東雲めぐちゃんや琴吹ゆめちゃんは、バーチャルYouTuberではなく、SHOWROOMERと2.3次元YouTuberであることを知っていると。バーチャルYouTuberというのは、最初にキズナアイさんが言い始めたことも知っていると。

Activ8さんにちゃんと確認を取って、「バーチャルYouTuberって使っていいですか?」と言って、今日言っているので、いろいろそのあたりもログミーさんが入ってるということで、しっかり言わせていただきます。ということで、改めましてよろしくお願いいたします。

いろいろなテーマで18回やってきたんですけれども、歴史とともにかなり動いてまして、だいたい5年ぐらいかけて18回やっております。今回が19回というところですね。18回目をやったのが去年の冬ぐらいなんですけれども、今回19回目です。

NEDというセミナー自体をなぜやり始めたのかというと、アニメカルチャーの活用を最初に考えていました。それで、アニメカルチャー活用の最新の傾向に対して、ゲスト様とか、事例をもとに、テーマを立てて定量化、体系化していくことで、一般企業様のプロモーションに活用しやすくなるようにしたいと。

よくわからないものに対して、ちゃんとフレームワークを作ったり、ちゃんと数字で示していったりすることによって、マーケティングソリューションとして使えないかなと思って始めたことです。

これまでの文化とは違った、かなり特殊なムーブメント

武者:企業様とコンテンツホルダー様が関わるとか、関わる方の有益なマッチングの場も一気に作りたいなと思っているので、今日は名刺交換の時間も設けております。どんな企業様が来てるのかをパッとまとめると、38社53名の方がいらっしゃっていて、いろんな会社の方がいますので、後ほど名刺交換などをしてつながっていただければなと思っています。

それでは、ここで今日の趣旨なんですけれども、実は今回、メルマガ発行記念です。「週刊バーチャルYouTuberマーケティング」というメルマガを発行しまして、こちらも許可をとってバーチャルYouTuberマーケティングという名前にしております。

じゃあ、編集長のオグマさんから一言、今日の意気込みをいただければと思います。オグマさん、その台本的なものを見ないで、ひとつよろしくお願いします。

オグマ氏(以下、オグマ):こんばんは。本日は本セミナーにお越しいただきありがとうございます。「週刊バーチャルYouTuberマーケティング」の編集長をしております、オグマと申します。

本メールマガジンは、2017年末より、未だかつてない規模とスピード感で発展を続けるバーチャルYouTuberを、マーケティング的な示唆から分析することによって、バーチャルYouTuberと市場のより良い関係のあり方を考察していけたらいいなと思って始めたマガジンになります。

今、偉そうに説明させていただいたんですが、私はシェアコトさんのメンバーではなく、本メールマガジンの発行にあたってアサインされた、いわば外部のスペシャリストというわけです。本来の活動としてはいろいろあるのですが、バーチャルYouTuberをメインに取り扱うライターとして、バーチャルYouTuber本人や、運営などの関係者へのインタビュー、イベントレポートや考察記事を書いたりしております。

そんな私から言わせていただきますと、バーチャルYouTuberというものは、これまでのオタクカルチャーであったり、YouTuber文化といったようなポップカルチャーの文脈を汲みながらも、発展の仕方ひとつとっても異質でございますし、あとは文化の本質を捉えようとしても、かなり異なるものでして。そういう分析をしてみても、バーチャルYouTuberというものが、これまでの文化とは違った、かなり特殊なムーブメントであることがわかります。

マーケティングとバーチャルYouTuberの関係

オグマ:その特異性は、マーケティングという商業との絡みから考えたときに、その特異性は絡めるのが難しいと思えてしまったり、取り扱いの難しさを感じてしまうこともあると思うんですが、バーチャルYouTuberの特異性をしっかり理解した上で取り扱っていただければ、これまでになかったような価値を生み出す可能性を秘めているようなカルチャーであると信じております。

実際に私も、これまでのイベントであったり、バーチャルYouTuberを初期から見つめてきた中で、バーチャルYouTuberが新たな感動を生み出す瞬間をいくつも見てまいりました。そのような、バーチャルYouTuberと企業との新しい関わり方、よりよい有益な関わり方ができるように、今回のセミナーであったり、これからの我々の活動でサポートしていけたらいいなと思っております。本日はよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

武者:オグマさん、ありがとうございます。オグマさんがこんなに人前でしっかりと話しているのを、僕はもう本当に、すごい、親心といいますか……。要は「バーチャルYouTuberはすごい」ということを言っていただいたのかなと思っておりますので。はい。

マーケティングとバーチャルYouTuberの関係も、まだ正確になにかわかっているわけではないと思いますので、みなさんで一緒に考えていきたいといったところも、1つの趣旨になっております。なので、「ちょっと違うんじゃないか?」とか、いろいろあるかもしれないんですが、ひとつ優しく見守っていただければなというところも、よろしくお願いいたします。

今日のテーマはこちらの2つで、前半と後半に分けてやります。最初は私から、データから見えるバーチャルYouTuberの市場とか、タイアップのポイントというところをお話しいたします。これはあくまで、私的にこう思うという話ですね。

後半は、運営に関わる方、プロデューサーのみなさまをお呼びしておりますので、運営視点から考えるポテンシャルとか、戦略とか、カルチャー、期待といったところをセッションな感じで、パネルディスカッションというかたちで進めていければなと思っております。

バーチャルYouTuberは2つの種類がある

武者:はい、改めまして、バーチャルYouTuberって知ってますか?

(会場挙手)

知らない方もたくさんいらっしゃるということですか。本当ですか? 今日初めて聞いたんですか? バーチャルYouTuber。じゃあ、YouTuberは知ってますか?

(会場挙手)

あっ、知ってる。YouTuberは知ってる方はいらっしゃるんですね。はい、すいません、「バーチャルYouTubeって知ってる?」って、これ、全員手を挙げる前提だったんですけれども、最初からやられてしまいました。

じゃあ手を挙げた方、もう一度手を挙げていただいていいですか? もう一度、バーチャルYouTuberを知っているという方。

(会場挙手)

はい、ありがとうございます。ちゃんと手を挙げていてくださいね。バーチャルYouTuberってなんですか? はい、手を挙げていてくださいね、そのまま。はい。じゃあ、答えられる方いらっしゃいますか? バーチャルYouTuber。手を下げてもいいですよ。減ってきましたね。

おっ、後ろのほうで手を挙げていらっしゃる方がいらっしゃるので、じゃあちょっと、インタビューをしたいと思います。バーチャルYouTuberってなんでしょうか? 企業名とか、よろしければ言っていただいてもいいんですけど、言わなくてもいいですよ。

参加者:バーチャルYouTuberというのは2つあって、まず1つは、キズナアイが自分を定義するために言ったのがバーチャルYouTuberの始まりなんですけども、最近言われるバーチャルYouTuberは、いわゆるバーチャル、2Dだったり3Dのガワを着て活動してる人。ガワなのかガワじゃないのかはいったん置いておいて、そういう形態をとっているものの総称として、最近は言われていると理解しています。

最近言われているほうのバーチャルYouTuberというのが、イコールVTuberなんですけども、キズナアイは、私はVTuberじゃないと思っています。

武者:おぉ、すごい! 歴史から語っていただき、ありがとうございます。これもたぶんひとつの正解なんだと思っております。正しいことだと思っていますし、バーチャルYouTuberというのを私たちは知っている前提で臨めているのかということと、あとは答えがあるのかということだったりね。

アニメやボーカロイドとも違う存在

武者:あと、「バーチャルYouTuberってアニメなの?」という方も、もしかしたらいるかもしれない。アニメじゃないと僕は思っている。「バーチャルYouTuberはボーカロイドなの?」、いや、それでもないと思っている。「バーチャルYouTuberはなんなの? タレントなの?」と言われても、そのタレントというのもなんなんだろう。

バーチャルYouTuberという新しい考え方というか、概念はわからないけど、なんなんだろうというのは、まだ僕も明確ではないです。だから、一つひとつの課題に対して、「バーチャルYouTuberってこういうことをしている」「だったらこういう関わり方ができるのではないか?」というところを詰めていく中で、一つの答えが見えるかもしれない。今日は、そこにも少し迫っていきたいなと思っています。

バーチャルYouTuberを知っている方はけっこういるんですが、シェアコトを知ってる方は何人いらっしゃるんでしょうか?

(会場挙手)

はい、(挙手が)すごく少ない。私、シェアコトという会社で働いておりますので、ぜひ会社名も覚えていただければと思っております。

シェアコトはソーシャルマーケティングの会社でございまして、8割方そっちでごはんを食べております。私がやっているのは、その中の一領域の「アニメコンテンツマーケティング」というものです。

アニメコンテンツマーケティングとはなにかというと、私が本業としてやってる部分ですね。アニメと企業さんをマッチングさせて、アニメコンテンツをソリューションと考えて、企業のプロモーションに対して活用することで、企業価値とかコンテンツライフサイクルを最大化していくということをミッションとしています。

なので、SNSをしっかり分析して、どういうコンテンツがどういう力を持っているのか、そのコンテンツが成功するアニメコラボについて研究し、その上で自分で企画を立ててやっていくというようなことをしています。

ヒットしたものが続くとは限らない

武者:その上で、バーチャルYouTuberという領域に対して私が「おっ」と思ったのは、「最近アニメコラボしてないな」って自分で思ったからなんですね。バーッて時系列的に並べていくと、なんか途中から3次元が増えてまいりまして、「なんでアニメコラボができてないんだろうか?」というところからいきました。

(スライドのグラフを指して)この数字、まず、ドン。はい。とある社会現象になったアニメがございます。いくつか社会現象になったアニメってあると思うんですけど、その中の1つの作品です。

これ(スライドのグラフ)はTwitter上で1日何件言われたかを縦軸にしてるんですけど、(アニメの)1期では、その単語が1話ごとに10万件以上言われているわけですね。10万件がどのぐらいTwitter上で多いかというと、「こんにちは」と同じぐらいの数ですね。「こんにちは」と同じぐらい、このアニメの名前は言われていたと。

ところが、みなさん2期を覚えていらっしゃいますか? 1期の大爆発で、「2期も(ブームが)来る」って思ってたら、そんなことはなかったと。「そんなことない」というわけじゃないですよ。高いんですけど、あの時とはまた違うと。

スライド下も、とあるアイドルもののアニメ(のグラフ)です。いくつか、アイドルものの作品があるかと思うので、その中のとある1つなんですけれども、それも1期目の初回はどーんと来て安定してたんですけど、2期目はやはり少し減っちゃってるところがあるんですよね。

もちろん、あくまでTwitterの中での話なので、視聴率とかとはまた関係ないと思うんですけれども、1日あたり話題にする人の数が、ヒットしたものが続くとは限らないというか、もしくは減るかもしれない。わからないです。まず1つ目、理由はこれ(ヒットしたものが続くとは限らない)じゃないか。

2つ目の理由。とある「けもの」たちが出てくる、お友達のすごいアニメなんですけれども、「こんなことになるって、誰か予測できましたでしょうか?」って言われると、これは予測できなかったんじゃないかって思います。

事故的な大ヒットは予測できない

武者:続きまして、とあるアニメがありまして。これもこういうことになるのか、1日10万件、20万件言われることになったのかというと、それもここまで来るとは思わなかった。もちろんTwitterとかLINEスタンプとかですごく流行ってたのはわかってるけれども、こんなことになるかはわからないわけですよ。

つまり、事故的な大ヒットは予測できない。「企業はアニメコラボを読むことができるのか?」という課題意識を持ちました。なので、自分自身、アニメコラボがちょっと少なくなってきたんじゃないのかなと思っています。それで結果として、声優さんとかアーティストさんとかオリジナルキャラクターといったほうに向いているのではないかと思っているわけですね。

理由としては、声優さんやアーティストさんというのは「人」なので、人についているファンというのは非常に安定しています。数字が安定しているという意味ですね。あとは、裏切るというようなこともないでしょうし、そういったところで非常に安定しているのがあるんでしょうと。

アニメの場合は、もしかしたら残念ながら3ヶ月間だけで終わってしまうということもあるかもしれない。でも、声優さんやアーティストさんについている人は、ずっと続いてくる。なので、仕掛けやすい部分がある。

もう1つ、オリジナルIPに関しては、戦略次第で「こういう数字を狙っていきましょう」っていったら、事前に最初から戦略をすべて練ることができるので、そこに近づけていくためにどうしていくかも考えられるわけですね。

なので、自分たちでもちろんコンテンツを作っているので、戦略によって調整ができるところなので、結果として私は、アーティストさんとか声優さんとかオリジナルキャラクター、IPなどに対しての企画が増えていってしまったのではないのかなと。

これは広告代理店として、お客様に対して数字を担保しなきゃいけないという立ち位置から、自ずとそうなったんじゃないのかなって、勝手に自己分析をしております。

キズナアイが初音ミクを超えた日

武者:そんな時にやってきたのが、2017年12月でございまして。2017年12月になにが起きたのかというと、キズナアイさんが、Googleトレンドで分析を見たときに、Googleトレンドの検索ボリュームにおいて、2017年12月に初音ミクを超えていると。その後、超えたり並んだりを繰り返して、これは今も続いているんですけれども、「この瞬間に超えた」というのを見つけたんですね。

同じくTwitter上でも、1日あたり「初音ミク」って言ってる人の数と、1日あたり「キズナアイ」って言ってる人の数が、初音ミクさんを超えたというのが2017年12月に起きている。

つまり、ティッピングポイントを迎えたのではないかなと思ったわけです。バーチャルYouTuberというか、キズナアイさんを筆頭に、キズナアイさんが急激に知られることになったのではないかと、数字的にキャズムを超えたのではないかと思った。

なので、「この領域はなんなんだろう?」ってすごく研究をし始めたのがこの年明け、12月、年明けぐらいからというところになってます。

だから、まだまだ私もわからない部分というのはたくさんあるんですが、その上で、このカルチャーを、せっかく生まれたカルチャーを、このままアニメ的な消費やオタク的な消費でやり続けるだけでいいのかなという部分も実はあって。

例えば、人気になった作品がワーッていっぱいコラボされたり、いっぱいグッズになったりするじゃないですか。そうすると、結果的に見飽きたというか、「よく見るな」みたいなところで、徐々にその熱量って失われてしまう可能性もあるのかなと思っていて。

例えばプラットフォームの衰退とともに……。そのプラットフォームがちょっと人気が下がってきたりすると、それと共に、その作品、コンテンツもなくなっていったりするのではないかとか。だからいろんな、もったいなくならない、せっかく生まれたカルチャーをもっと伸ばしていきたいとか、もっとマスに近づけていくというか、「なにかないかな?」って思いました。

一過性のブームではなくカルチャーにしていきたい

武者:なので今回、企業様をお呼びして、企業様と一緒に考えていくということができないかなと思っています。

それで、現在企業様で行われているバーチャルYouTuberを活用したプロモーションって、こういう感じに分けられるかなと。いわゆるキズナアイさんとか、しっかりとトップバーチャルYouTuberの方たちを活用して、販促であったり、会員獲得だったり、こういうところのコラボレーション。

あとは、キズナアイさんもそうですけど、月ノ美兎さんとか、東雲めぐさんとかが特化型と言いますか、「○○と言えばこれ」みたいな。キズナアイさんといえば海外に強いとか、東雲めぐさんと言えばSHOWROOMで東京タワーとも親和性があるとか、VRでの親和性が『レディ・プレイヤー1』であるとか、特化している部分との相性でアンバサダー就任というかたち。

あともう1つは、企業様のオリジナルバーチャルYouTuberも出てきているのかなと思っています。だいたいこの人たちは広報になりがちですね。根羽清ココロちゃんも、星名こむちゃんも、広報という位置付けになっています。いわゆる企業のコミュニティの強化というような位置付けにいるのかなと思っています。

それで、これを一過性のブームではなくカルチャーにしていきたいというのが私の思いですね。弊社の思いと言いますか。

それでカルチャーを伸ばしていくためには、2つの要素が必要だと思っています。

1つは、ファンを増やし続けること。リーチを伸ばしていくことですね。もう1つは、ファンの熱量、エンゲージメントの向上、維持向上。この2つが大事かなと。

ただファン数を伸ばしていけばいいのかというと、キャンペーンとかをして、いろんなキャンペーンでいろんな人たちを集めていくというようなこととか、いろいろフォロワー数を、いろいろできちゃうかもしれないけど、それでできた人たちに対して、熱量も一緒に持っていかなくちゃいけないだろうと思っていまして。

なので、バーチャルYouTuberを、バーチャルYouTuberというだけじゃなくて、もっといろんな人にリーチできないかな、もっといろんな熱量を取れないかなと思っています。

かつての企業タイアップの失敗

武者:バーチャルYouTuber自体も、たぶん最初に立ち上げた時に熱量が高いと思うんですよ。その熱量を維持し続けて、TwitterやYouTubeなどを運用していくことによって、新しいリーチを取ってファンを増やしていく。

たぶんここまでのフェーズは、きっと立ち上げから運用といったところで、そのバーチャルYouTuberさんご本人や事務所さんがやっていくことだと思います。その上で温まってきたところに、企業様は企業タイアップを通して、新しい人たちに知ってもらうことをしないと、たぶん、このカルチャーはまたいつもの人たちに、企業が「はい、いただき」と言って、物を売る。これはちょっと、「なんか切なくないですか?」というのがありまして。

昔、エヴァンゲリオンの企画にちょっと携わったときに、エヴァンゲリオンの会社の方がおっしゃってたんですけど、企業さんとタイアップする理由は、「エヴァを知らない人が、それによってエヴァを知ってくれるからだ」と言ってたんですね。

でも、僕はこの仕事をし始めて5〜6年経つんですけれども、最近もう、作品を知ってる人に対して限定的に売る、企業の商品なんてどうでもいいというか、どうでもいいは言い過ぎですけれども、そういうこと。直接的にただ消費をさせてしまって終わってしまって、「それによって企業ファンになったの?」とか、「新しい人がその作品を知ったの?」ということが減ってきている。そういう企画が多いんじゃないのかなって僕は思っています。これ、あくまで僕は、です。

なので、バーチャルYouTuberという領域においては、そういうだけの消費ではなくて、企業様と一緒にバーチャルYouTuberを知っていく……。僕自体が広末涼子を知ったのは、クレアラシルのおかげなんですよ。わかります? わからないですか。すいません。じゃあdocomoのおかげって言っておきますね。

そういうふうに、広末涼子がこんなに好きになったのは、やっぱりそういう企業様のプロモーションがあったから知ったところがあると思っていて。そういうことって、タレントさんであるバーチャルYouTuberという考え方だったらできるんじゃないか、あるんじゃないのかなって思っています。

エンゲージメント率をランキング化

武者:それで、企業に考えてほしいということで、バーチャルYouTuberマーケティングですが、(スライドを指して)バーチャルYouTuberランキング。みなさん、ユーザーローカルを見て知っているのかなと思うんですけれども。じゃあこれは知ってますか? バーチャルYouTuberエンゲージメント率ランキングって知ってますか? ということで、ここのお話をしたいと思います。

「エンゲージメント率とはなんぞや?」といったところで、ちょっと僕の中で勝手に作ったんですけれども、期間話題数。例に出しちゃいますけども、「キズナアイ」と言ってる人の数って、1ヶ月間で何人いるのかとか。それに対して、キズナアイさんの今の総フォロワー数が45万人とかだったと思うんですけど、45万で割ると何パーセントなのか。つまり、そのフォロワーに対しての何パーセントの人たちが「キズナアイ」と言及しているのか。

これは、「何人」というのは、具体的な数字じゃないですよ。あくまでパーセンテージの話なんですけど、そういうので並べ直してみたらどうなるのかなというのをちょっと考えてみました。

ちなみにユーザーローカルさんが取ってきたYouTubeの登録者数リストでトップ10ぐらい並べていくと、こういう感じで、キズナアイさんとか、輝夜月さん、ミライアカリさん、シロちゃん、猫宮ひなたさん、ねこますさん。あと、月ノ美兎ちゃんとかですね。

それを今度は、1ヶ月間でどれだけ話題にされているかということで、バーチャルYouTuberの名前を含むツイートの数順に並べてみました。ソーシャル、ユーザーローカルのランキング、これがどう変化するか。

シロちゃんに関していうと、「シロ」って言ってるのって、赤、黒、白、「赤白」の白も含まれてしまうので、正直取りづらくて。あくまで「電脳少女 YouTuberシロ」って言ってるのと、「SiroTalk」って言ってるのを足し算で考えたので、本当はもっと多いと思います。

キズナアイさんのことを「アイちゃん」って言ってる人は含んでないし、輝夜月さんのことを「月ちゃん」って言ってる人は含んでないです。この単語を言っている人たちの数ということになりますので。ということになると、こういう感じなんですね。

キズナアイさんとかが圧倒的なんですが、でも、お誕生日とかいろんなこともあったりしたので、そのトピックによって毎月の数は変わると思います。7月の話題数で言うと、こういうことになります、はい。人気ランキングとあまり変わりないでしょうねと。

エンゲージメント率が高い=コミュニティが熱い

武者:次は1ヶ月間で、これは参考までなんですが、どれだけの新規のフォロワーを獲得したかということですね。1ヶ月間で獲得した総フォロワー数といったところが、2万人のところから1,200人のところまであるわけなんですけれども、トップ10だけ並べても、これはいわゆるちゃんとした数字になります。

そうすると、意外と月ノ美兎さんとかときのそらちゃんとかってけっこう上位にやってくるなとか、ミライアカリちゃんはちょっとアレだなとか、少なくはないですけど、そういうことが少し変化が見えるのかなと思っています。あくまでこれが参考値ですね。ちょっと変わるかと。

じゃあ、エンゲージメント率ランキングにいってみましょう。そうすると、ファンの熱量が高い状態で運営されているかどうかということがわかるわけなんですけれども、キズナアイさんが25パーセント。フォロワーで割るとですね。それで、ときのそらさんが17.1パーセント。鳩羽つぐが14.3パーセント。

フォロワーが増えれば増えるほど、実はけっこう不利です。フォロワー数で割るわけですから、母数が多くなると不利なんですね。でも、キズナアイさんはやっぱり非常に高いということで思っております。

なので、この高さというかパーセンテージを、運営される方はもしかしたら意識すると、ファンの方たちの熱量を測る1つの指標になるかもしれないので、これから継続的に取っていこうかなと僕は思っています。

エンゲージメント率が高いというのはどういうことなのかというと、つまりコミュニティが熱いということなので、コミュニティマーケティングに近い部分かと思っています。

それで、改めて企業のバーチャルYouTuberマーケティングを整理すると、キズナアイさんの人気を使ってなにかしていこうというのは、これはコンテンツに依存していくようなかたちだとは思っているんですね。でも一方で、アンバサダーとしての活用だったり、広報として新しく立てる、これはコミュニティマーケティングに近い、コミュニティ型のやり方なのではないかなと思います。

どっちが正しいというわけではないのですけれども、よく見ると分けられる。意外とバーチャルYouTuberのタイアップって、コミュニティ型のほうが今のところ多いのかなというのが、なんとなく並べてみたら僕は思っておりました。

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