2024.11.29
“マニュアル作成が進まない問題”をAIで解決 管理者の負担も軽減できる、先進AIツール活用法
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澤円氏(以下、澤):もう1つ言語化しなきゃいけないのは、オーディエンスです。みなさんがプレゼンテーションする、コミュニケーションする相手はどういう人なのかということを、自分の頭の中でできるだけ具体的に作っていくんですね。
今回であれば比較的シンプルというか、僕がこうやってプレゼンテーションに関するトーク術をご紹介しますよということになっているので、みなさんの期待値がある程度わかるわけです。
ものすごく抽象的な話だと、ある人はこの人からプレゼンを習いに来てるかもしれない。ある人は料理を習いに来てるかもしれないとかなっちゃうと、これはもう期待がぐちゃぐちゃになっちゃうわけですね。
今回はオーディエンスの期待値はだいたいここらへんになるだろうなというイメージがあったうえで話をしているので、これはマッチングが重なった状態ですよね。
実際のところビジネスなんかをやっていると、こっちは営業しに行っているんだけれども、向こうはテクニカルのサポートを受けられるんだと思ってたりして、期待値にギャップがあります。これはだいたい揉めるんですよ。そういったことが起きるんですね。
そうならないように事前に期待値を揃えておくことが、実は成功するために非常に大事なポイントになるし、それを自動化することを「ブランディング」と言います。
ブランディングがきちんとされていると、最初から期待値が揃うんです。なんとなくわかりますよね。ブランディングがちゃんとできていると、その人がどういう話をするのかがわかるわけですね。
例えば乃木坂46にしましょうか。乃木坂46の人たちは歌を歌う、ライブをやる、CDを出す、単体でいろんなラジオ番組を持つ。それがみなさんの期待値になりますよね。
別にあの人たちにサーカスで曲芸をやれという期待値にならないじゃないですか。やったらおもしろいかもしれないですけれども、そういう期待値はないじゃないですか。
最初からブランディングができているわけです。あの人たちは女性で(メンバーが)たくさんいて、歌や踊りを提供する人たちだというブランディングがされているから、ああなるわけですね。そうすると演じる場所は決まってくるし、期待値も揃ってくる。それがブランディングです。
澤:とにかくこれを言語化するということです。言葉に落とすんです。書きとめられる状態にすることです。残念ながら脳の中だけだとダメです。「なんとなくわかる」は1番危険な状態です。紙に書けることです。もちろんタイプするでもいいんですけれども、書くということができなければ人には伝えられません。
一発でそれができる1つのゲームがあるんですけれども、どういうことかと言うと、いわゆる記憶スケッチというものです。今手元に紙があるんだったら描いてみてください。ドラえもんの絵、すぐ描けます? よかったら今、10秒くらいで描いてみてください。途中まで。
ときどき、それを子どもに見せたら絶対泣くぞというのを描く人がいますからね(笑)。なんの生き物なのっていう。そもそもあれはロボットなのか。生き物じゃないですけどね。
(ワーク中)
(描いているところを見ながら)いいね~。いい! いいやつだ。今、新しい生物が発見されましたね。
お、うまい。
お、うまい、うまい。
(ワーク終了)
ありがとうございます。(ドラえもんが)描けた人は、もしかしたら絵描き歌が頭に浮かんだりするわけですね。絵描き歌は、描き方の究極の言語化です。そうするとなぞった状態で描くことができますので、それが言語化というものです。
絵描き歌そのものも書き出すことができますよね。そうすると他人に説明ができるんですよ。そうできるかということです。なんとなくわかっている状態が1番危険だということを覚えておいてください。
そしてもう1つ、プレゼンテーションやコミュニケーションをするうえで、一般論というのは人を動かしません。誰でも思いつくから。
なので、一般論ではない自分の体験に根差したなにかを伝えることはかなり大事なポイントだと思っています。一般論ではありません。人は自分ごとでしか動きませんから、自分が関係するもの以外では、人は動かないと思ってください。
澤:そして核の話の続きですけれども。聞いている人たちが何を持って帰るのかも、同時に言語化です。何を持って帰ってもらったら成功なのか。さっきの流れからいきます。ビジョンというのは何でしたかね? オーディエンスの未来のハッピーな姿ですよね。具体的にどのようにハッピーになるのかを言語化していく。
プレゼンの核は、オーディエンスの人たちが持って帰って配れる状態にパッケージされたものだと思ってください。その言葉です。要するに、繰り返し繰り返し人に言える状態になっているものになります。これがさっきの再現性ってやつですね。
オーディエンスが持って帰って配れるものをいかにして提供できるか。これがプレゼンテーションの良い悪いをはっきりと決めます。ぼんやりとしてちゃダメなんです。具体的でなきゃダメなんですね。それをみんなに知ってもらうために、繰り返し繰り返し言うんです。
さっきからしつこく言ってますね。ハッピーというキーワード。かなりしつこく言ってますよね。そうすると、ハッピーというキーワードを頭に入れておいてビジョンというキーワードをつなぎ合わせると、「あ、そうだ。プレゼンテーション、コミュニケーションは人をハッピーにさせるものなんだ」。それを言葉に落とす。人に伝えられる状態にすることが基本になってくるわけですね。
最後はちょっとパパッといきますけれども。例えばこういう過去の偉人さんたち、アウグストゥス、チンギス・ハン、ナポレオンといった人たちがたくさんいます。下にちょっと説明がありますけど。
当時何千万人とか、場合によっては何十万人とか数万人の軍勢を率いたりして、たくさんの人たちを取りまとめていたわけですよ。どうやったらそれができるんだ、と思うわけですね。その当時はメディアもないわけです。インターネットもなければテレビもラジオもないわけです。どうやったんだろうか?
僕は絶対これだと思うんですね。伝言ゲーム。見えます? 伝言ゲームがうまくいった。やったことのある人はわかると思うんですけど、頭と尻尾でぜんぜんトンチンカンな言葉になるのを楽しむのが伝言ゲームです。でも、これは真逆です。
澤:伝言ゲームがてっぺんと尻尾でまったく同じ状態になるか、効果がグーっと上がっていく状態になるかのどちらか。これがプレゼンテーションの肝の部分になります。
伝言していって内容が変わらず正しく伝わる、だけじゃなくてみんなが行動したくなる。これをやると、さっきみたいに国が変わるわけですね。大きくいろんな行動が変わる。
例えばこの人なんかも、わかりますかね。織田信長という人ですけれども。やっぱり、おっかないだけじゃないわけですよ。おっかなくて、「お前ら合戦場でうまくやらないとぶっ殺すぞ!」と言ったって全員は動かないわけですね。
たぶんいろんな夢を語ったり、「我々が国を治めることによってこんなハッピーな世界があるぜ。だから手伝わねぇか?」ということを彼は家臣に言ったわけですね。
「俺は天下統一しようと思ってるんだけど、お前はどう思う?」「いいっすね、信長さん!」とかっていうのが、こんな感じじゃないと思いますけど、ずーっと伝言ゲームをしていって、最終的には合戦の1番最前列にいる人たちも「信長さんについていったら俺ら絶対にハッピーになるんだぜ。がんばって生きて帰ろうぜ」ってなるから実際に合戦に勝つわけですよね。
そういった伝言をちゃんと間の人たちがしてくれるように、本人がビジョンを明確に持って言葉に落としてわかりやすくして伝えていく。これを繰り返すことによって最終的にはうまく収まる。収まると言うとちょっと変ですけれども、効果を上げることになるんじゃないかなと思います。これがビジョンと核の部分になります。
澤:このあとは実際に僕の動画を見ながら解説をするコーナーがありますので、その話にいきますけども。ここまででなにかご質問のある方いますでしょうか? もしいましたら先に答えておきますけれども。
(会場挙手)
はい、どうぞ!
質問者1:先ほどのお話で、伝言ゲームが世界を制するという話の具体的な事例、ファクトみたいなものってありますか?
澤:ファクトという意味で言うと、さっきのものが全部ファクトです。なんでかと言うと、歴史上の書物ってあるじゃないですか。この人たちはどういう言葉を発して、というものが口伝で全部伝わってますよね。それが書物になってるんですね。
質問者1:あ、書物になってるんですか?
澤:たいがいなってます。そうじゃないと、そういう話って残ってないじゃないですか。
質問者1:そうなんですけど。じゃあそれは書物を見ればその話が載っているということですか?
澤:そうです、そうです。ほとんどの場合、本当かどうかぶっちゃけわからないです。とくに『三国志』なんて、絶対もりもりに盛ってますから(笑)。ですけど、コアの部分はそんなに変わりはないと思うんですね。そうでないと、つじつまが合わなくなることもありますので。
それを見ていただくと、「こういうことを言うと人は動くんだな」とか「こういうことが結局人が動いた原因なんだな」とわかると思います。
質問者1:僕がこの質問をさせていただいた理由は、どういう伝言が伝わりやすいのかなというのが気になったので。
澤:あ、いいですね~。
質問者1:具体的にどういう言葉を言ったんですか? という質問をしたかったんですけど。それは、書物を見れば、きっと共通に見られるこういうことだというのがわかるかもしれないですね。
澤:ほとんどの場合、未来の話をしているんですよ。「我々が国を統一することによってこういういいことがある」というものはだいたい成功するパターン。
『失敗の本質』という本を知ってる人います? 第二次大戦でなんで日本軍が負けたのかをいろんな作戦ごとに解説した本なんですけど。内容もめちゃくちゃ重たいですけど、その中に失敗の本質がある。それが失敗パターンなんですよ。
どういうパターンが見られるかと言うと、ほとんどが感情だけに訴える話をしたパターンなんですね。例えば「あいつはよくがんばってるから、このまま作戦を続行すべきだ」という根拠のないことを言い出すと、だいたいその先には失敗が待ってるんですね。
具体的にこうこうこうで未来がこうなるからこれをやろうじゃなくて、現状のこの人ががんばっているからどうにかしようという、未来もなにもないような感情論で指令が出るとだいたい全滅するんですね。
未来はここにあるんだと。そこから逆算していくということですね。ありがとうございました。
澤:ほか何かありますでしょうか?
(会場挙手)
質問者2:僕、プレゼンテーションと言っても論文の発表とかちょっと専門的な場面で。引っかかったのは、一般論が響かないので自分の体験をという話になったと思うんですけど、専攻研究を踏まえて話す場合って、有名な研究を書いているほかの偉い人が、そもそもわかりやすく書いてるとは限らないんですね。
僕は見ていて、けっこうわかりにくく書いてるなと思うんですけれども、一般論というか、ほかの専門家の人はみんなそういう説明をしているので、じゃあ僕も同じようにやろうかなと思ってやったんですね。
でも、そのほうがわかりやすいというか、みんなある教科書にこう書いてあって、ある教科書にこう書いてあって、専門用語とかってそういうものだと思うんですけど。
そこに各自がもっと自分ならこうわかりやすく書けるんだけど、でも、それを言い出すと人によってブレ始めると思うので、専門用語に関しては、わかりにくくても広く使われている言葉を使ったほうがいいかなぁと思って。僕のケースに関してはどう捉えればいいのかなというのが悩みというか。
澤:それは何を目的にするかですよね。誰がどうハッピーになるかの逆算なんですよ。例えばその学会がシャンシャンで終わるんだったらそれでいいと思いますけど。僕はそれだったらPDFでいいんじゃないかなと思います。
質問者2:なるほど。
澤:そうですよね。一般論でいいんだったら、わざわざ(プレゼンをして)時間を割く必要はないと思っていて。であれば、僕だったらですよ。ちなみに僕の兄貴は名古屋大学の教授なので、同じようなことをしてる人間なんですけど。
その人たちがど素人に対して説明できるようにするとか、あるいはまったく違う奴らにドヤ顔ができるようにするとか、そういうかたちでの説明というテクニックを伝授するでもいいんじゃないかなと。
同じ話なんだけれども、私はまったく畑違いのベンチャーキャピタリストに「この話をしたら、(投資家が)どうしても投資させろと言いました」と言ったら、「何、何、何?」となるし。研究費が欲しい人間はいっぱいいるじゃないですか。
「これによってお金が得られるんですよ」となったらちょっと身を乗り出すじゃないですか。そういうエッセンスを入れる手もあります。
同じ話なんだけど伝え方を変えるということと、結果そういうことが得られるというかたち。その人たちがわかるだけじゃなくて、その先にもあるんだよという話。
質問者2:わかりました。
澤:最近読んだ話で『バッタを倒しにアフリカへ』という本があるんですけど。超~おもしろいんです。読んだ人?
(会場挙手)
超おもしろくなかったですか!? (笑いすぎて)死にますよね! あれはおもしろいからぜひ読んでみてください。その人なんかはまさにそうです。研究費をどうやって手に入れるかで、めちゃめちゃ努力してます。それで本を出したんですね。
ひとつの参考に、ああいうアプローチは科学者や研究者はあってもいいかなと思うんですよね。
澤:ほかになにかありますか?
(会場挙手)
質問者3:最初のほうのお話でプレゼンにはリスクがあるというお話があったんですけど、ここまで聞いた中だと相手が何を求めるかを考えて、それに合わせて話すというのはメリットしかないように思うんです。逆に、どのような方針にするとマイナスポイントがあるんですか?
澤:今やってることをやらなかったら全部リスクです。ただし、さらにもう一歩あるんですよ。わかるかどうか、もしくは相手がネガティブな気持ちを持つかもしれないというリスクがあると、さらにリターンがでかくなる可能性があるんですね。
例えばの話で、1つはホラーストーリーです。「これをやらないと、みなさんどんなひどい目に遭うと思ってるんですか」って言うと、喜び勇んでみんな聞きたがるんですね。なんか嫌な話してるな、になるんですけど。
「だから、あなたはこれをやったらもっとハッピーになるんですよ!」っていう組み合わせをすると、これはリスクテイクすることによっては成功を大きくする効果がある。
これはよく引き合いに出すのが通販番組なんですね。例えば通販番組もジャパネット高田さんなんかは、「これは手ブレ機能が付いていてすごくきれいな絵が撮れるビデオカメラなんですよ。それが39,800円!」だけだと響かないんです。
その前に、「あなたが今持っているテレビカメラで運動会を撮ったとしたら手ブレしちゃってなにも映ってないとか、そんなの嫌ですよね?」とやるから、「そりゃ嫌ですよ。私は」「そんなあなたに! 手ブレ機能がうんたらかんたら」となったらすぐ電話しちゃうわけですね。そういうものがリスクを取るということです。
でも、前半部分だけだと「嫌なこと言うなぁ」というストーリーになってしまう。それ(リスク)に対してちゃんと答えがあることが大事ですね。1つの手です。
ちなみに、それをものすごーくうまく使ってよろしくないことをするのがいわゆるカルト教団です。カルト教団は前半のホラーストーリー、ありもしない勝手なリスクというのをでっち上げて、「であるがゆえに、この壺を買ったら幸せになれます!」をやるわけですね。
それを信じ込ませるためのストーリーを緻密に作っていて、最終的にいわゆる洗脳ということになっちゃうんですけれども。それでお金を払わされたり、いろんなことをやらせる、労働させたりすることになります。
あとでまた質問受けますので、よろしいですかね。
澤:このあとは、僕のしゃべっているビデオを見ながら解説をするコーナーをご所望だったので、わりと最近やったイベントのビデオをご覧いただきたいと思います。
(ビデオ):みなさん、こんにちは! 最高ですね、この眺め。本当にありがとうございます。
澤:これはde:codeというイベントでやったんですけど。280人入る部屋だったんですね。そこに400人ほど来ちゃって通路まで全部ぎっしり人がいるような超満員になっちゃんですよ。
これはほかの裏番組も何個かあったんですけれども、そっちのほうは人があんまりいなくて僕のところに集中しちゃったということで。
なんでああやって最初に「最高です~」とかやったかと言うと、後ろの人は立ち見だし疲れる可能性があったんですね。ですので「本当にありがとう!」という感謝の気持ちを強調するのが最初のプロデュースでした。
(ビデオ)昨日からずっと聞いてる方とかいらっしゃいます? うわ、すごい!
澤:こっち側(客席)を見ないと、僕が何やってるかさっぱりわからないですね。これ1人でやってるとちょっと危ない人ですよね(笑)。
(ビデオ):これは最近だんだん恒例になってるんですけれども。わかる人はわかりますね。あまりにも嬉しいのでセルフィーを撮らせていただきたいと思います。はい、チーズ。
澤:まさにこういう感じで、オーディエンスとセルフィー撮ったんですけど。これなんかもオーディエンスを不快な気持ちにさせないのと、一体感を持たせる1つのやり方ですね。
ちょっとテクニック的な話をしましょうか。せっかくなので、僕が使っているテクニックの話をします。手の位置を見てください。手をずっとこのへんに置くんですね。動かすんですけれども、必ずここに戻します。なにか動かしたあとに、必ずこのへんに戻す。
手はけっこう人の目を引きます。そして、場合によっては注意力を散漫にさせちゃうんですね。ですので置き場を作っておくことは大事なポイントですね。
(ビデオ)顧客や自社のCIOの方の参謀になってもらう……
澤:今、何度か出した話があるんですね。もう1回いってみましょうか。
(ビデオ):ほとんどないはずなんですね。少数派なはずなんです。だから生産性を上げていく、プロダクティビティを上げていく……
澤:しゃべっている内容はどうでもいいです。
(ビデオ):かなり矛盾があるわけです。今言ってる……
澤:今、早口ですよね。すごく。バーっと早口になります。
(ビデオ):あんまりデジタルのことをわかってないけれども、なんかAIとかでできるんじゃないかと思っていて。生産性は向上……
澤:このへんずっと早口でいきますね。
(ビデオ):参謀になってほしいんです……
澤:ここで間を取ります。
(ビデオ):顧客や、自社のCIO(Chief Information Officer)の方の参謀になってもらうという、そういった観点で見ていただけるといいかなと思ってます。
澤:ここでゆっくりになります。けっこう細かいテクニックを使っています。「参謀になってほしいんです」というあとに2秒くらい間を取ります。これは3秒じゃダメです。せいぜい2秒くらい。
「参謀になってほしいんです」と言ったあとに、もう1回ゆっくり言うんですね。「顧客や、CIOの、参謀に……」と、参謀をもう1回言うんですね。確か3回か4回言うんですけど。
(ビデオ):参謀というのは将軍なりなんなりが合戦に行くときに正しい方向に戦略をちゃんと立てる人です。そして正しい情報を整理してわかりやすく伝えて、その人の判断を間違わないようにしてあげる。これが参謀の役割です。
澤:今みたいに「参謀は大事だ、大事だ」と言って、あとは参謀になるためにはということで、3つに分けて話をしていくんですけれども、ステップごとにストーリーを作っていくというやり方をします。参謀という話をするので、どうするかと言うと、例え話としてまずはお城を攻めるというテーマにするんですね。
澤:こうやって「攻め込むぞ!」「偉い人の固定概念の牙城へ」という。全部武士の合戦になぞらえて、このあとのストーリーを作っていきます。まずは外堀を埋めるという話をするんですね。次、納得感で城内に攻め込むっていうので1ステップいくわけですね。外堀を埋めて、今度は城内に攻め込みますよと。
また次の話、納得感。次に、デモがあって、デモはどうでもいいです。最後がこれだ。天守閣。3ついくわけですね。外堀、城内、天守閣っていう3段階。
そうすると、1、2、3よりもインパクトがあるわけですよね。まずは外堀から行って、中に入って、天守閣まで攻め込むぜと言うと、攻めていってるんだな~というイメージがわかるじゃないですか。
「1番目にこれを説明します、2番目にこれを説明します」と言うよりも、せっかくだったらそれを印象付けるための例え話にするとか、ストーリーを作ると、まずビジュアル的にもおもしろいし、あとは持って帰りやすくなるんですね。
さっき言った核の部分です。「参謀になりましょう」が、まず1つ目の核ですね。そのあとに外堀、城内、天守閣っていう3段階があります。これも全部核になり得るわけです。
そして、それを思い出して自分は何をするのかというアクションにつながっていく。みんなが参謀になるためにこういう話をしましょうね、ということで、間はけっこう細かいテクノロジーの話や、いろいろな制度面の話もあるんですけれども。
まずは、それをわかりやすくカテゴライズするために、お城に攻め込むためにはどうすればいいのかということで考えてありますね。最後にまとめるわけですね。必然性、納得感、未来感という3つがありますよ、ということになります。
澤:最後にどんな話をするかと言うと、急にトーンが変わって、突然昔の写真がポンっと出るんですね。ぜんぜんトーンの違う話をします。これは完全にクロージングなんですけど、これは高校のときのホームステイの話です。
「テクノロジーって素晴らしい」という話に最終的に落としたいんですね。これは2日間のイベントで140セッションくらいあって、そのうちの10セッションくらいを選んで2日間ずっとセッションを聞くというイベントで。僕が1番最後だったんですよ。
気分良く帰ってほしいので、「テクノロジーって素晴らしいよね」という印象を持ってほしいがために、昔、僕が高校のころにホームステイしてた家の人と。
(ビデオ):30年以上前ですね。これ高校生のときです。
澤:ちょっとこのまま流していきましょうか。
(ビデオ):ホームステイをしてたんですね。オレゴンの片田舎でホストファミリーに住ませてもらって1ヶ月間過ごしていました。
30年前ですからね。まだメールとかもない時代ですから、手紙のやりとりをしてたりしてたんですけど。なにしろそんなにネイティブなわけじゃないので、ちょっと面倒くさくなっちゃったんですね。そして結果的に音信不通になっちゃいました。
でも、あるきっかけでまた付き合いが復活して、なんと去年会ったんですね。ちなみに真ん中で笑ってる彼女はこんなに大きくなって、僕より背が高かったんじゃないかな。
なぜ会えたのか? これは実はFacebookなんです。Facebookでホストファミリーが見つけてくれたんですね。ホストファミリーが突然メッセンジャーでメッセージを送ってきて、「お前、円か? ずいぶん風貌変わったね(笑)」
「心配すんな。中身変わってないから。円だから」「どうやって見つけたの?」って言ったら、「Facebookが、これお前の友達じゃないかってレコメンドしてきた」って。
30年前だからまだ携帯も何もないですよ。それにもかかわらず、FacebookのAIが見つけてくれたんですよ。すごくないですか? すごいことだと僕は思うんですよ。テクノロジーがつなげてくれたんです。
(ビデオ):AIの時代になると「怖い、怖い」と言う人がたくさんいらっしゃいますけれども、僕にとってはテクノロジーというのは本当に感謝しかないですね。過去と現在をつないでくれて、これから付き合いが復活しましたから、未来もつないでくれてるんですよ。
テクノロジーって本当すごいですよね。今どんどん、どんどん進んでいるテクノロジーというのはこうやっていろんなものをつないでくれます。怖いところばかりじゃないんですね。
ですので、どうやって見るのか。我々はテクノロジーサイドの人間です。この会場にいるみなさんはテクノロジーサイドの人間です。ということはこの素晴らしさをいろんな人に知ってもらって、どんどんつなげていかなきゃいけないんですね。
それを一言で表すとこれに尽きるかなと思います(「一緒に創りましょう、未来を」というスライドが流れる)。もう一緒に創っていくしかないですよね。テクノロジーは未来を創るために絶対必要なものですし、それを創るという行為は例えばプログラミングだったり、インフラの構築であったりといったことがある。
いずれにしても、テクノロジーは素敵な未来を創るためには絶対に不可欠なものだと思います。そして、みなさんは今日さまざまなキーワードを持って帰っていただくことになります。そのキーワードをぜひいろんなところで言いふらしていただいて、どんどん仲間を作っていただければと思います。
ちょうど時間になったようです。いよいよde:codeもこれでお開きということになりますけれども、本当に2日間ありがとうございました。またなんらかのかたちでお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました!
澤:最後にさっきちらっと出ていたので、覚えているかもしれないんですけど、ステージ上でやる最後の挨拶に入れていただきたいのが、よくあるパターンは「ご清聴ありがとうございました」。「ご清聴」はいらないんです。
それで、「ありがとうございました」ではなくて、最後にみんなを元気にしたいときは、上がってください。音痴でもなんでもいいんですけど、自分の感覚でドレミファソの「ソ」ぐらいで終わるようにして、少し(声の高さを)上げると、拍手しやすいくらいの「ありがとうございました」ですね。
「これでプレゼンテーションが終了しました、ありがとうございました!」ってやると、パッと拍手をしたくなるんですよ。ロックコンサートとかポップなコンサートって、だいたいそういう作りにしているじゃないですか。ワーッとなるような感じで。「ご清聴ありがとうございました」というロックコンサートはないですよね。
(会場笑)
「みなさんお越しいただきまして……」じゃないわけですよ。野球のヒーローインタビューとかでも、「ありがとうございましたっっ!!」って。あれも上げると拍手をしやすいから。全員を高揚させる効果がありますので、最後の挨拶はちょっと後ろを上げる。細かい姑息なテクニックに聞こえるかもしれないですけど、やっぱり終わり良ければすべて良し、なので覚えておいていただけるといいなと思います。
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