悩みのタネは、支払いサイクル・資金調達・営業不振

辻庸介氏(以下、辻):はい、みなさんこんにちは。マネーフォワードの辻でございます。(今日は)SMBCの谷崎さんとGMOの相浦さんからご紹介いただきまして、大変光栄です。

SMBCさんには、創業当時から資金面や提携とかいろんな面で本当にお世話になっております。株主でもいらっしゃいまして、当時からすごく応援いただきまして。当社の営業メンバーに、相浦さんの営業方法を叩き込むというセミナーをしていただいたこともあります。

ぼくも6年前に創業したばかりで、どこまでお役に立てるかわからないんですけども、多くの方々にこうやって助けていただいて今がありますので、今日はぜひなにか一つでも、皆さまのお役に立てることがお話できたらなあと思います。どうぞよろしくお願いします。

じゃあ本題にいきます。まずは会社概要と、今日は経営者の方が多いと思うので、創業当時の悩みについて。……あ、経営している上での悩みはなんですか?

参加者A:悩み……支払いサイクルが遅くて、売り上げに対してキャッシュが入ってくるのが遅いことですかね。

:支払いサイクルが遅い。なるほど、お金の悩みですね。じゃあ、(横の方)どうですか。

参加者B:ぼくはこれから資金調達するところなんですけど。

:資金調達するところ。(反対側の方)いかがですか?

参加者C:スタッフ同士で、作業がマンネリ化して飽きてしまう。

:人の問題。(手前の方)いかがですか?

参加者D:サラリーマンをやってたんですけど、販売促進が上手くいかなくて苦労しています。

:営業が売れない。

参加者D:そういう感じですね。

:なるほど。今の問題はほとんどSMBCさんと相浦さんに教えてもらったほうが解決しそうな(笑)。

(会場笑)

:やっぱり問題になるのはお金と人ですよね。あとは、お金を生み出す仕組みをどう作るかっていうのが、だいたいスタートアップの方々の悩みだと思うので、そのあたりのお話を集中的にしていきたいと思います。

ミッション・ビジョン・バリュー + カルチャー

はじめに、自己紹介を簡単にしておきます。(マネーフォワードは)6年前にできて、今300名くらいの会社です。4割がエンジニアやデザイナーです。ぼくはソニーやマネックス証券で合計12年位働いてきて、MBA取得を経て、マネーフォワードを設立しました。去年9月に上場させていただきました。

当社のミッションは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」なんですが、もともと世の中のお金の課題を解決したくて会社をつくりました。当社はミッション・ビジョン・バリューを大事にしています。正確に言うとミッション・ビジョン・バリューと「カルチャー」なんですけれども。もし、経営される上でこれをきっちり定められてない方がいらっしゃいましたら、ぜひ定めていただくといいと思います。

この会社が何のために存在して、社会に対して何をやっていくか。マネーフォワードという船に乗ったメンバーが、どういう価値観を軸にやっていくのか。それを明確化するのが大事かなと思っています。あ、今日は写真撮っていただいていいので。撮ってください、必要でしたら。

Speed・Pride・Teamwork・Respect・Funを大事にする

:ミッションは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」で、ビジョンが「すべての人の「お金のプラットフォーム」になる。」、バリューが「User Focus・Technology Driven・Fairness」。ということで、ぼくたちのサービスを通して、お金に関する課題を少しでも解決できるように貢献をしたいという思いで、ワンルームマンションから作った会社です。

とにかくユーザーさんのためにやろうと。テクノロジーは世界を変えると信じているので、テクノロジーを使おうと。会社って、ユーザーや株主様、取引先様、社会とかいろんな方のおかげで成り立っていると思うんですけれども、そういった方々に「できるだけフェアでいよう」という姿勢を大事にしようということで、この3つを定義してやっています。

0→100でぜんぜん迷わない時の意思決定は大丈夫だと思うんですが、現場が51対49で、例えば「ユーザーさんをとりたいけど、もうちょっと手数料をとれるかな」など、迷うときがあると思うんです。そんな時に「ユーザーさんのほうを大事にしよう」という価値観を決めています。そうやって、社員の意思決定の軸がブレないようにするのを大事にしています。

ちなみにカルチャーは5個ありまして、覚え方はスーパーTRF。最近の若い人はTRFって知らないと思うんですけど(笑)。Speed・Pride・Teamwork・Respect・Fun。この5つをすごい大事にしています。

スピードを持ってやろう。自分のアウトプットに対してプライドを持とう。いいチームワークで仕事をしよう。お互いの仕事をリスペクトしよう。仕事は大変だけど楽しく(=ファン)やろう、というカルチャーです。

自分のアウトプットに対してプライドを持つ

当社はエンジニアやデザイナーは裁量労働制です。ちなみにいつも会社に行くはぼくが一番早いんです。エンジニアには夜型の人も多くて、けっこう遅く来る人もいるんですけど。

まあ、それでも結果を出していれば問題ありません。裁量労働制なので、結果・アウトプットで評価します。その分、自分のアウトプットに対してプライドを持ってもらわないと、組織ってぐちゃぐちゃになっちゃうと思いますが。「自分のアウトプットに対してプライドを持とう」とか、そういうことを決めてやっています。

個人向けの家計簿サービスは、今650万人以上のユーザーさんに使っていただいています。BtoBでは法人向けのクラウドサービスをやっています。

ちなみに、どっちでもいいんですけどマネーフォワードのサービス使ってるよっていう方、どれくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

お、すごい、さすが。ありがとうございます。使っていない方はぜひ、当社のクラウドサービスを使い、SMBCに口座を開き、GMOペイメントの決済を使いましょう。

(会場笑)

もう一回言いますよ(笑)。

(会場爆笑)

いや、本当にいいサービスだと思います。フィンテックのところはもうご存知だと思うので軽く飛ばします。

フィンテックとは Finance × Technologyで、ご存知のとおり、テクノロジーですべてのものが変わってくると。これは全業界に言えると思います。ファイナンスの場合は、決済とか送金・交換・融資・投資・保険とあって、いろんな業界があるんですけども。

それぞれ資金決済法とか貸金業法とかの法律がありまして、そこにいわゆるテクノロジーの進化によっていろんなプレイヤーが出てきて、「アンバンドリング化」って言うんですけども、バラバラになってきている。それが1つになっていくと思うんです。

それぞれのサービス領域によって、いろんな良いサービスが出てきています。これはどっちかっていうとユーザーさんとの情報レイヤーと整理されているところがあるかなと思います。

シェアリング×◯◯という、新しいマーケットへの投資

フィンテックが何かというと、これはぼくなりの整理なんですけども、1つ目は結局、早く・安く・正確で。吉野家の牛丼みたいですけど。早く・安く・美味しくでしたっけ?

(会場笑)

2つ目は、中央集権型から分散型に変化してきていること。3つ目がデータとAIによる最適化。そういったことが背景にあるんだろうなと思っています。

1つ目の、早く・安く・正確に、についてですが、もうご存知のとおり、クラウドですべてがつながる世界になってきていますよね。クラウドでリアルタイムに共有したり、アップデートがされる。さらにサーバー費用も激減しています。

こういう背景があって、今まで受けられた。例えば100の便益を受けたサービスを、コスト100万円で提供していたのが10万円くらいに下がり、下手したら5万円くらいでサービスが提供できるようになりました。

こういった背景の中でフィンテックというものが伸びています。みなさまも経営をする上で「どういう環境が変わっていって、世の中どうなるのか」というのは、読みがすごく大事だと思っています。

1つは、やっぱり伸びる領域にいないとならない。どんなにがんばっても売り上げが10分の1になる領域で、自分ががんばってシェア2倍にしても、10分の2にしかならないんですね。やっぱり「どういう領域を狙うか」は大事かなと思います。

なので国が発表している「未来投資戦略(2018)」などを参考にしてみるといいと思います。政府がどういうところを重点的にやろうとしているかとか、伸びる領域はどこかとか整理されているので。

ちょっと飛ばし飛ばしでいこうと思うんですけど、2つ目のテーマが、中央集権型から分散型へ。これはもうご存知のとおり今までサーバーが中心にあったものがどんどん分散されていっています。ブロックチェーンなどは代表的な事例です。

シェアリングエコノミーの流れも、そういう「シェアリング × ◯◯」、というようなことだと思うんですけど。この中で新しいマーケットが出てきているので、経営者の方々は、この新しいマーケットをどうとっていくかっていうのがあるのかなと。

「シェアリング × モノ」だとメルカリさん。5年で時価総額5,000億円以上の会社になっています。「シェア × 空間」では、日本には民泊規制があるので世界ほど上手くいってないですけど、Airbnbさんというビッグプレイヤーがいらっしゃいます。「シェアリング × スキル」だと、上場されたクラウドワークスさんとかランサーズさん。そういう素晴らしいサービスがいっぱい出てきています。

こういった世の中の大きな流れに注目すると、自社のサービスにどうやって活かしていくのかが見えてくる場合もあるかと思います。「データ × AI」などはご存知のとおり、もうどんどん進化していくので、ビジネスチャンスになってくるかと思います。