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JHVSミートアップ 「Women × Healthcare」(全2記事)

2018.11.06

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ヘルスケア × ITの協働を成功させるために必要不可欠 研究者が惚れ込む起業家の特徴

提供:株式会社JTBコミュニケーションデザイン

2018年10月10日〜12日、パシフィコ横浜にて「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット 2018」が開催されました。11日には、「Women × Healthcare」をテーマに、ヘルスケア分野で活躍する女性起業家たちが自身の活動を紹介しました。奥田浩美氏をモデレーターに、未開拓の大きな分野の可能性を聴衆に語りかけました。

「産学」がヘルスケアに寄与すること

奥田浩美氏(以下、奥田):最後に「産学官民連携から見る」という部分を(横山)理佳さんから発表していただきます。みなさん、今日はいろいろな分野の話を、あえて深掘りせずにポンポン材料として投げていきます。ですので、このあとミートアップするときに、知りたい人はその分野の人たちとそれぞれ交流してもらえればと思います。では理佳さん、よろしくお願いします。

横山理佳氏(以下、横山):あらためまして、OWLSという会社のCEOをしています横山理佳と申します。

私がどういう人間かと言いますと、実は理系の出身です。実は、神戸にある理化学研究所で、事業を作る仕事をしていました。(スライドを指して)左側にあるのが花王の研究所で、右にあるのがSiriを開発したStanford Research Instituteという米国の研究機関になります。

実は最初に花王株式会社で研究開発をやっていました。そのあと、アメリカの学会で研究発表をした時に「なぜ君は、このデータをビジネスにしないの?」と8年前に言われまして、すごくショックだったんですね。それで悶々としまして、シンクタンクの日本総研という会社に入り、ずっと事業開発を行ってきました。

シンクタンクは、いわゆる官民連携をしっかりとやるところなんですが、その一環で神戸の「リサーチコンプレックス」という文科省のプロジェクトに出向して、研究、また企業やベンチャー、自治体の方々と一緒に仕事をしました。

このような経歴で、研究をもっともっと活用していただきたいという思いがすごく強まっていますので、そのあたりをみなさまとお話しさせていただければと思います。

(このような分野を)「産学連携」といいます。研究のところに来てビジネスをするのは、Moonshotといいまして、いわゆるゼロからお金をどんどん生んでいく。勢いを持ってやっているのが現状になります。

研究開発型スタートアップの特徴4つ

横山:実際、日本の研究開発型のスタートアップはどんな特徴があるのかなと思いまして、経産省のデータベースを見てみて、4つの特徴があると思っています。

まず、ナンバーワンかオンリーワンという感じです。具体的に言いますと、独自の技術であったり、一番の高みを目指さないと勝てないところがあり、ここもおもしろいのかなと思っています。

また、海外進出を狙う企業がほとんどなんですね。実は8割ぐらいの方々が、分野を問わず海外を狙うところがあります。

実は研究している先生方でも、最近では、日本で採ったデータだけでは論文が書けないという方もいらっしゃいます。例えばシンガポールで採っているような事例も増えていまして、海外と日本をどんどんつなぐところで活躍されているようなベンチャーが多いです。

また、分野の研究者の方々を見ていますと、実はけっこうな割合でヘルスケアとITなんです。このあたりの技術の研究者がたくさんいます。例えばインフラやエネルギーになりますと、大企業の中で留まっているような印象があります。

おもしろかったのは、多様な価値観、ダイバーシティです。こういう研究開発型のベンチャーさんは意外と、女性や海外出身者の方々の割合が多いんですね。ですので、いろいろな価値観が入っているからこそ、おもしろいところがあります。

ヘルスケアのサービスはいろいろなものを超えていかなければならないので、ハードルが高いです。例えば法規制であったり、「科学的なエビデンス」と言いますけれども、「どこまでデータを採っていいんだ?」とうんざりしてしまうんです。

いわゆる「知財はどうするのか?」みたいな話ですね。技術をどんどん勝てるようするところや、いろいろな専門家の機嫌を損ねないようにしたり……実際に一番大事なのは「ユーザーが実感するような健康」です。

ここを全部、起業家が乗り越えていくのは非常に大変だと思っています。結局、それぞれが研究とすごく密接につながっています。例えば、法規制だと社会保障のような研究をしている先生もいますし、ユーザーの実感だったら健康科学という分野があります。基本的に研究者の先生と組んでいただくと、実はヘルスケアビジネスが進むんですね。

研究者と起業家はどうあるべきか

横山:でも、みんなが言うのが「研究者ってなんかヘンじゃない? なんかイヤじゃない?」といったことです(笑)。理研にいる時に、企業にも「いや、ハードル高いんだわ」とよく言われたんですよね。

でも逆に言うと、じゃあ研究者は「起業家や企業の人ってガツガツしてない? お金のことも言うし、スケジュールのことも言ってくるよね」と。実はこのギャップがあるんです。

最近、成功する事例もたくさん見ています。実は、理系出身だからといってうまくいくものでもないことがわかってきました。

具体的な協働のスキームはみなさまで調べていただければわかります。私たちが成長に成功するようなベンチャーさんの起業家を見たところ、実は「研究者に期待すべきこと」というところで、いい研究者を選んでいる。この一択です。

みなさんがなんとなく見ているのは、どちらかというと新しい課題・スキルのところだったり、客観的な効果のデータを出してくれるところだったりするんですが、実は一番大事なところは「世界をよくしたい」という熱量がすごく高い方を選んでいることが多いんです。

研究者の先生は、ずっとしゃべっていると、「自分が世の中を変えてやるんだ!」という勢いが、下手な起業家よりもあるんですね。そういう熱量の中でつながることはとてもよくあることだと思っています。

一方で、研究者の方々も実は「企業に期待すべきこと」というのが非常に曖昧だなと思っています。

オフレコなんですが、バイオベンチャーでかなり成長しても、アイデアを考案した先生にあまりお金が入らないなどのケースがあります。そうしますと、どんどん広がらなくなってしまうのが現状ですので、まず最低限のことは担保してもらいたいです。

また、起業家も先生たちに選んでもらう、アンケートする(のもよいと思います)。そのとき、先生たちが(心を)打たれる起業家には、おもしろいアイデアがあります。「これをやります」というのがユニークであるのが、一番惹きつける要因になっています。

さらに、リスクを取る意思ですね。結局「自分は何度でもこれをやっていきます。先生、一緒にやりましょう」という覚悟がある方々は、うまくいっているケースが多いです。

このような状況を見ますと、実は自分が理系のバックグランドを持っていなくても、研究開発型ベンチャーはできるんです。そう考えていただければと思います。

大切なのは「イシューレイズ」

横山:ここで少し目線を変えまして、産学連携でうまくいったときに、日本では世の中の仕組みが後押ししている事例を踏まえて、簡単に3つだけ触れますね。

「COI STREAM」という……COIという事業を知っていますか? 知らないですよね(笑)。

これは文部科学省の事業になるんですが、これまでは研究のシーズ、アイデアをビジネスにするフロントキャスト型開発がメインだったんです。少し前から、10年間かけて、しっかりと社会のニーズから研究にバックキャストで開発していくところが進んでいます。これが日本の状況になります。

もう1つ、アンダーワンルーフも奨励しています。わかりやすく言うと、「1つ屋根の下にみんながいるように、いろいろな方々と話そうね」ということをしています。

私が理化学研究所にいたころ、実はサロンがありまして、研究所の中にみなさんがしゃべれるバーカウンターなどのスペースがあるんです。そこでみなさまが話している状況になります。ベンチャーの社長や実は企業や自治体の偉い方など、いろいろな方々が話しています。このように国が後押ししている状況になります。

もう1つ、とくに経産省と厚労省の両方で進めているところで、多様なサービス……具体的には保険外サービスがかなり許容されているのかなと思っています。

住友生命の「Vitality」という保険商品、みなさんご存じですか? こちらはフィットネスに行ったり、運動をすることで保険料が下がっていく仕組みです。

日本は良くも悪くも、病院に行けば安く病気を治せてしまうので、ヘルスケア、予防医療に意識がなかなか向かないのです。ですので、このようなインセンティブをつけるために動いています。今はどんどんアイデアが必要な状況です。

そう言いながらも、産学官の私自身ができるのか。実は、なかなか使われないサービスが多いんですね。これになにが必要かと言いますと、シーズやアイデアを商品にしていくとき、実はプロセスがあります。

まず、ケアジャーニー……ジャーニーですね。カスタマージャーニーという言葉は聞いたことがあると思うのですが、サービスを使うユーザーが健康をケアするプロセスをしっかりと吸い上げていく必要があります。

そのあとに、専門家の方々が問題ないことをチェックする必要があります。そして、ユーザー検証してから、一番大事なのが、「イシューレイズ」です。イシューですね。健康の課題をしっかりと言うというアプローチが必要になってきます。

「民」と「臨」を巻き込むべし

横山:よって、実は産学官だけじゃなくて「民」であるユーザーの方々と、「臨」である専門家の方々をしっかり巻き込んでいかなければならない状況です。

私が支援しているベンチャーですが、実は研究の結果が、研究結果としてエビデンスで出ていますと、わかりづらいんですよね。毛細血管なんですが、「なんかわかるけど、わかりづらいよね」と。

これが「毛細血管を知ることは、自分の健康状態を知ること」のようにビジョンになっていると、「あっ、なんかわかりやすい」となり、企業の方々だと組みたいなと思います。

でも、これだと「民」がわからないんです。一番右は「ゴースト血管」と書いてあるんですが、ここまで来ますと「あっ、なるほどな。なんかやばい気がする」「なんか測ってみなきゃいけない」と思います。

このように、みなさまに伝えやすいかたちでやることがすごく大事になってきます。

日本に欠けているところですが、イギリスの仕組みの話をします。市民の声を集める施設「Healthwatch」が機能しています。

母子の悩みみたいなところでは、「子育て、産後のいわゆるうつ状態に関して、みなさま意見をください」という状況なんですが、このような仕組みももっと必要だと思っています。

イギリスのベンチャーで、女性の起業家が作った認知症のVRを提供している会社があります。回想法と言いまして、昔のことを思い出すと認知症が軽減するという、もともと介護士のところでは暗黙知になっていたものを、実際にVRのジャーニーにして、バーチャルの旅行ができるサービスになります。このように、いろいろな方々の示唆を得ていくことがすごく大事になってくると思っています。

最後です。今まで「ヘルステック」と言ってきました。専門性と関心が強みになっていたのですが、これからは「ウェルネステック」といいまして、より広い範囲のヘルスケアが必要になってくると思っています。

ここは女性の資質が活きるところかなと思っています。ぜひみなさま、これからいろいろなアイデアを出して、いろいろな方と協働してビジネスを作っていただければなと思っているところです。ありがとうございます。

(会場拍手)

奥田:彼女は、みなさんがいろいろ新しい事業を始めるときにサポートするような会社を立ち上げました。いつですか、今月ですか?

横山:そうなんです。9月に立ち上げたばかりなので、正直、ちょっと話すことがないんです、すいません。

起業家たちのライトニングトーク

質問をたくさんしたかったんですが、ここからは私たちのこういう背景をもとに、今、日本でどんなヘルスケアベンチャーが立ち上がってきているのかを、お一人ずつ「Visionary Pitch」、ライトニングトークのかたちで、1分でお話をしてもらおうと思っています。

その方々がここにいらっしゃいますので、お一人ずつお呼びします。1分ずつお話しください。美弥子さん、この中で一番数字に厳しそうなので、1分を測ってください(笑)。

吉澤:はい。

奥田:一番最新にLily MedTechにお願いしたいと思いますので、準備をお願いします。去年、この場所でお会いしています。それではよろしいですか? スタート。

乳がん用の画像診断装置を開発

東志保氏:はじめまして。Lily MedTechの東と申します。弊社は乳がん用の画像診断装置の開発を行っている東大発ベンチャーです。

痛くなく、また超音波を使用するので非侵襲で、X線被爆のない乳がんスクリーニング検査の実現を目指すべく、開発を行っています。

コンセプトイメージは、ベッド型で中央に丸い穴が開いていて、その穴の中にリング型の超音波の送受信機が搭載されています。女性がうつ伏せになって乳房を入れると、リングが乳房を取り囲むように上下に動くことで3次元画像の取得が可能になっています。

AIによる自動診断支援機能を開発しまして、撮像だけではなく、診断の負担も軽減するようになっています。これによって、よりやさしくて見落としの少ない検査を実現し、ゆくゆくは既存の装置を置き換え、検診率向上を目指しています。ありがとうございます。

(会場拍手)

奥田:ありがとうございます。去年、展示会場でもピッチをしていただき、お会いしたんですが、すばらしいですよね。みなさん、ぜひあとに続いてください。

「AI問診」の可能性

奥田:では、2番目。Ubieさんです。スタート。

西村里穂氏:Ubie株式会社の西村と申します。よろしくお願いいたします。

弊社は「AI問診Ubie」というサービスを展開し、医師の事務作業サポートツールとして使われています。

受付で患者様に問診を打ち込んでいただいて、その問診内容が医師の画面に反映されるサービスです。AIを使って、疑い病名や検査のレコメンドというところまでを目指しています。

弊社は今、医療機関向け、toBのサービスを中心に行っているのですが、ゆくゆく実施したいところはtoCで、一般ユーザー層向けのサービスを展開したいと考えています。そのサービスは、みなさんがターゲットになるんですが、気になった症状を検索していただいて、より正確な対処方法がわかる世界を目指しています。

私個人の話をいたしますと、理学療法士としての経験もあり、その中でより訪問診療、訪問リハビリ、在宅医療に興味があります。

在宅医療は専門家が多く、その中で情報共有にすごく課題を抱えていまして、AI問診Ubieの延長線上でその専門知識のオープンソース化も実現できると考えています。そこまで目指してがんばっていきたいと考えています。ありがとうございました。

(会場拍手)

奥田:ありがとうございました。聞きたいことだらけになってくるので、まさにこのあとのミートアップが楽しみですね。

不妊治療生活のサポートアプリ

奥田:次はライフサカスさんですね。それではスタート。

西部沙緒里氏:こんにちは。ライフサカスです。私たちは、日本の不妊治療を変えるために立ち上がったスタートアップです。

今この国で、不妊に悩む女性は5.5人に1人まで達しており、仕事をしながら治療をしているワーキングウーマンの16パーセントが、治療の大変さから仕事を諦めているという現状があります。

ここに誕生するのが、日本初となる不妊治療生活のサポートアプリ「GoPRE」になります。私たちはまず、日々の治療の管理を劇的に楽にするアプリを作ります。その上で、仕事との両立や夫婦間のコミュニケーションをサポートすることを目指しているアプリになります。

その先には、ユーザーがデータをもとに最短・最適な治療を選べる未来を目指したいと考えています。プレユーザーテストでも、90パーセント以上が強い利用意向を示してくれています。

私たちの挑戦で不妊治療が変わり、当事者の未来が変わり、たくさんの子どもの笑顔があふれる社会をつくりたいと思っています。どうか応援をよろしくお願いします。

(会場拍手)

奥田:ありがとうございます。最近、拝見しました、このサービス。

腸内フローラの検査サービスを運営

奥田:次はサイキンソーさんですね。それではスタート。

前川紗有美氏:はじめまして。サイキンソーで管理栄養士として働いている前川と申します。弊社は、理化学研究所の認定ベンチャーで、腸内フローラの検査サービスを行っている企業です。

私たちは、お腹の中、つまり腸内フローラから人々の健康をサポートしていきたいという思いで活動しています。その中でも、いま私たちが最も解決したいと思っている悩み、課題が慢性的な便秘や下痢になります。

女性の方では、とくに便秘でお悩みの方が多いと思うんですが、実は日本人の10人に1人がこういった病気……病名でいうと過敏性腸症候群(IBS)というのですが、これに罹っていると言われています。しかしながら、この過敏性腸症候群の認知度もかなり低く、また明確な治療法もないところが一番の課題です。

しかし、最近わかってきている考え方があります。「高FODMAP(食)」です。実はこの食事の考え方では、リンゴやヨーグルトなど、一般的には腸内細菌にはいいと言われているような食べ物も、症状を誘発してしまうと言われています。

そこで私たちが考えたものが、FODMAP法を取り入れたお腹の調子をサポートするアプリです。私たちはこのアプリを通して、日本人のみなさんを腸内環境から健康にしていくサポートをしていきたいと考えています。以上になります。

奥田:わりとやさしいページ(笑)。ありがとうございました。

(会場拍手)

「遠隔医療通訳」とは何か

奥田:次々いきます。メディフォンさん、いきましょう。メディフォンさんお願いします。それでは、スタート。

藤村静氏:みなさん、こんにちは。私どもは、外国人診療の領域でサービスを提供し、医療通訳等の活動を遠隔で行っています、メディフォンの藤村と申します。

私たちは、近年増えてきている訪日外国人、在住外国人の方の医療機関内での受け入れ体制整備のお手伝いを、病院向け・クリニック向けに行ったり、法人に向けて外国人顧客や外国人従業員向けの遠隔医療通訳サービス等の提供を行っています。

ミッションでもある、すべての方々が望む医療を選択できる世界を目指して、日々活動を行っています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

奥田:ありがとうございました。では、次がMICINさんですね。スタート。

古知屋理絵氏:株式会社MICINです。よろしくお願いします。私たちは医療のフィールドで、「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界を」つくっていくということで、大きく2つの事業を行っている会社です。

まず1つが、AIを用いました医療データの解析事業。もう1つが、オンライン診療サービス「クロン」などを提供するアプリケーション事業です。

こちらの事業の立ち上げの背景にありましたのは、これまでの日本で膨大な医療や健康に関するデータが、適切なかたちで蓄積されて、かつ、それが医療現場で活用される、ということが十分に行われていなかったことに対して問題意識を感じ、それを解決しにいこうということです。

例えば、オンライン診療の「クロン」のサービスを用いて、患者さんがご自身の健康データ、あるいは治療データ等をご自身のスマートフォン上のアプリに蓄積していきます。

今後はそちらを実際の医療の診断治療の場で活かしていただいたり、あるいは患者さんの予防医療というところで、こういった病気になりやすい患者さんを予測して、予防医療の部分でも貢献できたらなと思っています。ありがとうございました。

(会場拍手)

奥田:ありがとうございました。

ヘルスケア専門のウェアラブルデバイス

奥田:あと2組ですね。HERBIOさん、お願いします。

田中彩諭理氏:私たちは、基礎体温計測ウェアラブルデバイスを作っているHERBIOといいます。

女性は1ヶ月のうちに、ホルモンバランスによって心も身体も揺らいでしまいます。その揺らぎが一般的にわかる方法として有名なのが、基礎体温計測です。朝起きてから測るというところで大変面倒くさくて、継続率が2割ぐらいになっています。

私たちは、早稲田大学の研究者である助教と一緒に、寝る前につけて、就寝中に違和感なく心拍と脈拍から排卵リズムを計測できるウェアラブルデバイスを作っています。

脈拍と基礎体温、両方のバランスからバイオリズムを予測して、真にパーソナライズができるシステムを作っている会社になります。本日はよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

奥田:ありがとうございました。

再生医療ベンチャーの志すもの

奥田:では、最後のピッチですね。サイフューズさん、ご用意をお願いします。

実は、これが終わってからが私たちのミートアップの本番になります。リストを拝見すると、今日来ている方々がそれぞれ独自のサービスを持っていらっしゃったり、新しいビジネスを作ろうという方がたくさんいらっしゃいます。

ですので、彼女のピッチが終わったら、これから1分ずつ、それぞれのテーブルでピッチをしていただきます。自己紹介ではなく、自分が思っていること、あるいは今日、このために来たんだということをお話しいただきますので、心の準備もしながら聞いてください。

準備はそろそろできましたか? それではスタート。

秋枝静香氏:株式会社サイフューズの秋枝と申します。よろしくお願いいたします。

我々は、自社で開発しました細胞版の3Dプリンタで患者様に移植できる臓器をつくるということに取り組んでいる、九州大学発の再生医療ベンチャーとなります。体の中にある細胞だけを使って臓器をつくるというところが弊社の特徴となっています。

現在、血管や軟骨、神経を製品化するところに向けて取り組んでいます。小さな外傷性の疾患から、最終的には子宮まるごとですとか膀胱全体をつくるなど、臓器全体をつくることに取り組んでいます。

まずは各診療科に1つずつ臓器を届けることを行いたいんですが、やはり我々だけではできなくて、事業会社、最後の出口を担ってくださる製薬会社医療メーカーさんと、今パートナーシップを探しているようなところです。

私たちは、患者さんだけじゃなくて、働いている従業員、それから関係する会社のみなさま方、全員が幸せになるような世界を築きたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

奥田:ありがとうございました。

(会場拍手)

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