若者の見極めは、眼力や気合いではなく「仲間」がいるか
DMM亀山氏が学生起業家と語り合う“起業のイロハ”

トークセッション #2/2

第2回TORYUMON TOKYO
に開催
2018年8月19日、DMM.com六本木オフィスのイベントスペースにて「第2回TORYUMON TOKYO」が開催されました。これはF Venturesの主催によるもので、若手起業家や大物ゲストを招いたトークセッションをメインとした、スタートアップに興味がある学生の大規模な交流会です。本パートでは、ヤフー株式会社の伊藤羊一氏をモデレーターに、DMM.com会長の亀山氏と若手起業家2名がトークを繰り広げたパネルディスカッションの後半部分をお送りします。

一足飛びに信用を得ようとすると被るリスク

伊藤羊一氏(以下、伊藤羊):おっしゃる通りですね。伊藤和真さんは、わらしべ的に育てながらやっていく売り方で、ちょっと似ているところがあるかと思うんですが。

亀山敬司氏(以下、亀山):わらしべでいきなり、一気に何段飛びしようとか思ったりすると、ちょっと詐欺まがいのことをやっちゃったりとか、叩かれたりすることがあるから、そこは気を付けたほうがいいよね。まだ若いし、あまりあてがなくても、いかに自分のためじゃなく、一緒にやってくれる仲間を増やすとか、投資家の信用を守ったほうがいい。

この段階で信用が崩れると一気に崩れて、その先には何もないからね。今はSNSの世界ですぐ広まるし、「あいつに騙された」って言われただけで終わるから。なので、そういった面ではFacebookとか、いろんなSNSの世界っていうのは信用がわかりやすくなっていて、けっこう良いと思うんだよね。

伊藤羊:その代わり、怖いところもありますけどね。

亀山:逆に怖いからこそ、自分たちの行動を1つずつちゃんとしないといけない。不倫してもすぐにバレるという(笑)。

(会場笑)

伊藤羊:そうですね。そういう意味では、山内さんはわらしべというより、最初からデータと言っているような感じですよね。

山内奏人氏(以下、山内):いやいや、もう僕めちゃめちゃ失敗していて。

伊藤羊:そこの過程をお聞きしたい。いつからプログラミングを始めてたとか、そこら辺も含めて。

山内:えっと、ゼロ歳で生まれて(笑)。

(会場笑)

伊藤羊:ゼロ歳で生まれたんですね(笑)。

9歳の頃からすでにプログラマーだった

山内:6歳の時に初めてパソコンに触って、9歳の時に気付いたらプログラミングをしていて、11歳の時に国際的なRubyのコンテストで賞を獲って。その後、松山太河さんという人にたまたま拾われて、六本木のシェアオフィスに時々行ったりとかしていて。隣の席にdelyという会社の堀江社長という人がいて、「暇だったらうちにおいで」って言われたので、ひたすらコードを書いたりしていました。

伊藤羊:12歳ぐらいから?

山内:そうですね、13歳からやっていて。その後、delyが事業を1回畳むことになって、いろんな会社を僕は転々としながら、エンジニアとかデザイナーをやったり、あとはリサーチ系のインターンとかをしてみたりとか、いろんなことをしていて。でも自分でコードを書くのがやっぱり好きだったので、14歳の時にビットコインのウォレットをつくったんですね。

当時、ビットコインが22,000円とか25,000円の時だったんですけど、「いや、ビットコインのウォレットをつくっても、ビットコインが街中で使えないじゃん」って思って。その時にVISAのカードにビットコインをチャージするよっていう、日本で初めてのスキームをつくったんですね。それを一緒につくったのがあるライフカードというカード会社で、「ヤバイ、契約しなきゃいけなきゃいけない」「会社をつくらなきゃ」って思ってつくったのが今の会社です。

伊藤羊:へぇ、そこに通ったのはどれぐらいですか?

山内:それは15歳の時に起業して、リリースをしたんですが、ぜんぜん使われなくて事業を畳んで。その後も送金のサービスとか、決済決算のサービスをいくつかやってたんですけど、あまり上手くいかず、今に至るという感じです。

伊藤羊:あまりお金は使わないで済んだの?

山内:そうですね。

伊藤羊:今に至ったきっかけは?

山内:なんで決済とか仮想通貨とかをやってたかというと、「都市のソフトウェア」ってことをずっと考えていて、都市のソフトウェアって経済だな。要は人が移動するのも、人が何かを消費するのも、そこにお金が必ず関わっているじゃないですか。だから、そこを取った人が勝つなと思っていて、そのためにデータがすごい欲しかったんですっていう感じです。

都市で生活する人の行動はどうすれば把握できるか

伊藤羊:なるほど。そう簡単に言うんだけど、もうちょっとなんでそうなったのかというのを聞きたいんですが。

山内:せっかく自分の人生を使うなら、多くの人を豊かにするような、なにかをしたいということで。人の生活みたいなことを考えたときに、「都市の人の生活はどうやったら把握できるのか」というのをまず思ったわけですよ。それは基本的にはデータだなと感じていて、「都市ってハードウェアとソフトウェアだよね」というふうに僕はよく言うんですけど。

都市の道路とか、木はどこに生えているか、どういう建物があるかとかが、ハードウェアだと思っていて。そこの上にあるソフトウェアの部分ってなんだろうと思ったら、やっぱり人の動きだなと思って。そこから決済のデータとかを把握したいなと思ったということですね。

伊藤羊:なるほどね。伊藤和真さん、今の話を聞いててどうですか? 僕はすごいなって口をポカーンと開けて、ちょっと生き急いでいるんじゃないですかぐらいに(笑)。

伊藤和真(以下、伊藤和):なんか目が座ってますよね(笑)。

伊藤羊:うん。目が座ってる(笑)。

伊藤和:最初にしゃべった時、「なんだコイツ」「なんでこんなに目が座っているんだ」みたいに、年下なのにすごいなと思いましたね。

伊藤羊:そんなこと言われても(笑)。

亀山:俺は目が死んでるって言われるけど。

(会場笑)

伊藤羊:いやいや、亀山さん怖いですからね(笑)。

亀山:みんな見たら固まっちゃうから。

1億円もの資金をどうやって調達したのか

伊藤和:すごいなと思いましたね。年下なのに1億円調達している。

山内:そうですね。去年の9月に。

亀山:1億円集めたんだよ。

伊藤羊:すごいね。

亀山:良い世の中だね。でもね、そういった面では、本当に俺の頃は金貯めるの大変で。パクってまで絵を描きながら、金貯めてたわけだからね。適当なことをやってたんだけど(笑)。でも実際問題、その頃(お金を)出してくれる人は誰もいなかったし、エンジェルなんていなくて。そもそもITとかの分野に関しては、サイクルが速いから、若いほうがけっこう有利で。

俺たちの時代からするとあり得ない話だし、でもこの世代は君たちを見てても、すごい良い時代だと思うんだよね。だから、1億円をどうやって集めたのか、そこを教えてあげなよ。

伊藤羊:そこの調達に関して、いろんな経験談を教えて欲しいんですけど。

山内:最初、僕は調達をまったくできてなくて。50社ぐらい回って、1社も投資してくれなかったみたいな経験があったので、そういうところはひたすら経験かなとは思いますけど。

伊藤羊:足で稼ぐ。

山内:そうですね。あとは、投資家さんに会うたびに、いろんなところを指摘してもらえたりするので、それをベースにしっかりアップデートしていくということをしてましたね。

伊藤羊:なるほど。調達されたのはいつでしたっけ?

山内:去年の9月です。

金銭感覚の狂いに気がつけるかどうか

伊藤羊:もうすぐ1年ですよね。そのビフォー・アフターで、山内さんの中になにか変化はありましたか?

山内:調達したお金は比較的使って、いろんな事業をしてきて。できるだけ無駄づかいしないようにというのは、やっぱり常に考えています。調達した直後とかって、けっこう金づかいが荒くなるんですよ。たぶんこれはどんな起業家でも同じだと思うんですけど。

伊藤羊:「入ってきたぜ!」みたいな感じで(笑)。

山内:っていうよりは、会社でしっかりとした意思決定ができていないと、金銭感覚って一瞬で狂っちゃうんですよね。なので、それをがんばって戻すみたいなことをしないと、きついのかなと思ってます。

伊藤羊:そこで(金銭感覚の狂いに)気付けるか、気付けないかというのが重要ですよね。

亀山:俺はそこでダメになった起業家をたくさん知っているからね。

伊藤羊:そうですよね。

亀山:(お金を)集めてから、すぐ事務所をきれいにしたりとかね。やっぱり集めた金と稼いだ金ってまったく違うからね。そのへんに関しては、「今、何億円集めました!」みたいなことは自慢にならないから。稼いで初めて価値があるんだけど、そういった面では、今しんどいフェーズに入ったということなんだよね。

伊藤羊:そのお金を勘違いせずに使って、いかに稼ぐかっていうために回していくかという。

亀山:よくみんなが調達って言うけど、初めは借金でもいいんだよ。親でも友人でもいいし、サラ金でもいいぐらいの話で。極端に言えば、IT以外のほとんどは、借金でビジネスをやるわけよ。ラーメン屋やっている人も土建をやっている人も、だいたい借金で始まるわけよ。なので、それは1つの考え方としてある。

若い頃から実績があって、1億円が集まったんだと思うけど、正直言って普通は出ないからね。お金が集まらなくても、それでもやりたいことがあるわけじゃない。そんなときは、調達する手として、借金してでもやっていくというのも、1つの方法だと考えておいたほうがいいかな。ITに関しては、(お金が)集まらなかったらできないという話ではないし。

あまりお金がなくてもやろうと思えばできるもんね。在庫を抱えるとか、店をつくるというわけじゃないし。だから初めに、もし金がなくてもやろうと思えばやれるだろと。

山内:まあ、そうですね。

亀山:ある程度はね。

再現性のない幸運

山内:最初からプロダクトをつくって、リリースをして会社を作った直後も、まだ自己資金でずっとやっていましたね。

伊藤羊:なるほど。それでも次にもっとでかいものをやりたいから、もっと大掛かりに調達しようということをされてるわけですよね。

山内:まあ、そうですね。その時は比較的新しいサービスを出すタイミングだったので、あまりリスクをとらないかたちで、エクイテでしっかりキャッシュ・フローを調達して、やっていきたいなというのがあってという感じですね。

伊藤羊:そういう調達ありきじゃなくて。プロダクトをグロースさせていくためには、これは必要だという考えですね。

山内:そういう感じですね。

伊藤羊:伊藤和真さんは資金調達についてはシード?

伊藤和:シードで、最初はネットエイジアの西川さんから投資を受けたんですけど。

伊藤羊:個人で?

伊藤和:最初はそうですね。リードで入れてくれたんですけど、僕お金なかったんですね。一応アプリとか売ってましたけど、お金がないからヒッチハイクしてたんですよ。それで最後に乗せてくれた人から繋がって、西川さんと出会ったという。

伊藤羊:ヒッチハイクって、普通のリアルなヒッチハイク? 

伊藤和:そうです。リアルなヒッチハイクで福岡まで。

伊藤羊:そこから、西川さんに繋がったと。

伊藤和:そうなんですよ。

伊藤羊:超偶然。

伊藤和:最初、西川さんがそんなにすごい人だとは思ってなくて、「僕の彼女かわいいんですよ」「その絵かわいいですね」って話してて。「僕、こういう世の中を実現したいんですよね」とかを雑談ベースで言っていたら、「投資したいです」みたいなメッセンジャーが飛んできて。その時に政治のアプリをつくっていて、トークンエコノミーもあったので、(掛け合わせて)これはなにかやろうかなって思った感じです。だからすごい運が良かったんですよ。

伊藤羊:なるほど。それは参考にならないですね(笑)。

偶然のプレゼントを受け取れるようにしておくことの意味

亀山:いやいや、ある日突然のプレゼントみたいなのは意外とあって。「え、この出会いが!?」っていうのがあるんですよ。ただ、そうやってawabarとか、道で出会うことがあるんだけど、「えっ、何やってるの? 何ができるの?」って聞いたときに、「今これやってます」「これができます」ということを、どこまで言えるかというので、そのプレゼントを受け取れるかが決まることがある。

例えば、「俺いつかはミュージシャンになりたいんですよ」って言っていて、地道にギターの練習をして「ここまで弾けます」って弾いたときに、「おお、うまい。一緒にバンド組もうぜ」って言ってもらえればいいじゃない。でもそのときに「バンドやりたいけど、俺ギター触ったことないんですよ」とか言ってたら、「ああ、じゃあまたね」って終わる。

伊藤羊:おっしゃる通り。

亀山:だから、ある日突然、贈り物がきたときのために、「自分は何ができるのか」ということを、つくっておかないとかなということだね。

伊藤羊:「DMM.make AKIBA」も、そういう意味ではawabarで小笠原さんと話をされて、やることになったということですよね。

亀山:あれは小笠原くんが、たぶんいろんなことをやってきていて、たまたま俺に出会って、あのプランも実現したので。俺は出会わなかったほうが良かったのかもしれないけど(笑)。

伊藤羊:何十億円と掛かっているという。

亀山:いっぱい掛かったけどね、今迷走しているんだよ(笑)。

伊藤羊:あと例えば、FXはご近所さんと?

亀山:そうだね。FXもMAKEも、出会いというのは意外なもので。たまたま隣でバーベキューしてた人が、FXをやってたとかね。たまたまバーで飲んでた人が、MAKEをやってたとかっていうのはあるけど。例えば、「(事業を)やる資金がある」とか、「人材がいる」とかがないと、ビジネスできないじゃない。

だから会社とかいうのは、日頃別のビジネスをやってても、その人材を抱えているから、次の事業ができるというのがある。ヤフーとかでも、「新しいサービスをやろうかな」と思ったときに、やっぱり(既にいる)スタッフをあっちこっちから集めるでしょ。そのときエンジニアに「じゃあ、お前がリーダーだ」とか、既存の組織力でやれる。

伊藤羊:なるほど。既にそういうものをつくっておくということで、伊藤和真さんも、何もやってなかったらどうしようもないんだけど、ものを作っていたからだし。そういう意味では、山内さんもプログラミングをやっていたから、イーストベンチャーズさんに呼ばれて、たまたまかもしれないけど、そこにいるべくして堀江さんがいたという、そういう感じなんですかね。

伊藤和:そうだと思います。

ハッタリとリアルを行き来する

伊藤羊:やっぱり出会いってすごい大事だなという。

伊藤和:はい。最初はハッタリみたいなところがありますけど。

伊藤羊:ハッタリとリアルのいったりきたりみたいな。

伊藤和:そうですね。「俺は天才なので」みたいなことを、本当に思い込んでいく。孫正義さんも言ってましたけど、英語で書いたら「Vision」みたいな。

伊藤羊:ハッタリかまします?

伊藤和:ハッタリかましますね。

伊藤羊:例えば、どんな?

伊藤和:普通に「革命起こすんで」みたいな。やっぱり政治家とか、百戦錬磨なわけですよ。僕とかはペーペーなわけなんですけど、正直は最大最善の策で、「本当に変えたいんですよ!」とか言うと、けっこう使ってくれたり、おもしろいって言ってくれるのが、すごい良いなと思うんですよね。

伊藤羊:そういう意味では、自分が足元でやっていることもそうなんだけど、やっぱり起業家が未来をつくっているから、「俺はこういう未来をつくりたいんだ!」というハッタリを果敢にかますという。

伊藤和:ハッタリはすごい大事だなと思いますね。

伊藤羊:なるほど。そこはどうですか? 山内さん。

山内:うちは「技術的には可能です」みたいなことは、クライアントさんと話してる中で言いますね。

伊藤羊:なるほど。

山内:というのは、できなくはないけど、今の自分たちにはないので、「これぐらいの位置づけ感、日程感でできます」とか言います。ハッタリではないじゃないですか。実際にできることだけど、今はそれをやれないから、「できるけど今はないです」ということを含めて話をします。そうすると、「じゃあ、こういうふうにして、こうしていこうよ」ということを一緒に詰めていくことができるみたいな。

ハッタリに近いけど、実際に実現することなので、ハッタリではなくて。自分たちが今できることだけじゃなくて、これからやろうと思っていることだとか、「(将来的に)こういうこともできるよね」みたいなところも含めて共有していく。

亀山氏がAmazonの日本支社長になっていた可能性

伊藤羊:なるほどね。だから本人たちから見たら、別にお二人ともハッタリじゃないんだよね。周りから見たらハッタリに聞こえるかもしれないけど。「いや、俺はこれやるから!」みたいな。

亀山:ああ、俺もハッタリ言ってたよ(笑)。

伊藤羊:ちょっと聞きたいですね(笑)。

亀山:20年ぐらい前に、Amazonが日本にそのうちくるだろうと思っていて。だから「Amazon.co.jp」のドメインを取っていたら、これは売れるんじゃないかと思ったんだよ(笑)。

(会場笑)

亀山:それでJPNICで調べたわけよ。そうしたら既にAmazonが(ドメインを)取ってたわけよ。「やっぱり抜け目ねぇーな」って。昔はJPNICに登録者の電話番号が載ってたのよ。そこに電話をして、「うちはITの専門会社だ。うちに代理店として日本のAmazonをやらせろ」というハッタリをして。まだITを始めて半年だったんだけどね。けど、断られちゃって(笑)。

ハッタリが上手くいってれば、今頃俺はAmazon JAPANの社長だったんだよね(笑)。

伊藤羊:なるほど。DMMのサイトって、「Amazonか、DMMか」というぐらい見やすいですよね。

亀山:まあ、Amazonのサイトをけっこうパクってたからね(笑)。

(会場笑)

伊藤羊:相当意識されてたんですね(笑)。

亀山:ワンクリックでいろいろ買えるのを、「これは便利じゃないか。俺たちもこういうのをつくっちゃおう」みたいな話があったりとか。そのへんは(Amazonを)手本にさせてもらってたかな。けっこう考え方似ているんだよね。Amazonも出た利益が残るぐらいなら、次の投資をするとか、ほとんど値引きするとかって。うちらも、残った金は次の投資に全部回すみたいな感じで。普通、上場会社はそういうのできにくいのよ。

ある程度利益を出さないと株主が怒るから。でも実際は、お金を稼ぐ仕組みをつくり続けられれば、食っていけるわけだから、内部留保なんてあまりいらないんだよ。伸びているときって、今年よりも来年のほうが売上あるじゃない。ということは、「今年払えた給料は来年も払えるんだ」ってことで、残った金は新しい事業に回しておいたほうが、生き残りやすい。

伊藤羊:そりゃそうだ。

若者の見極め方は「仲間がいるかどうか」

亀山:だからエロだけで稼いでいても、これはそのうちダメになるよなと。だったらFXとか、ビットコインとか、英会話とかをやっておいたほうが、その先も生き残りやすいっていう感じかな。

伊藤羊:今、亀山さんが「ここだぜ! ここ興味あるんだよね」っていうところありますか?

亀山:「だぜ!」が最近まったく思い浮かばなくて。もう57歳だからね。さっきのブロックチェーンとかAIとかも、言葉しか知らないからね。みんなに「こうなんですよ」って言われたら、「そうなんだ。じゃあ金は出すからやってよ」っていうような話になるわけよ。だから、君たち若者がちょっとわかったふうな口をききながら、「AIは僕に任せてください! 専門です」とか言われたら、「とりあえずやらせてみようかな」って、騙されやすいお年頃なの。

世の中の大会社で偉そうにしているおっちゃんたちも、AIとかブロックチェーンとか言われたら、「なんか俺はわからないけど、こいつらに賭けようかな」って思いたくなる。おっちゃんはなかなか勉強しにくいんだよね。だから、最近やろうとしているのは、若いやつらが(企画を)持ってきたときに、「こいつ悪いやつではなさそうだな」って思うやつに、金を出してやらせてみるというね。

伊藤羊:DMMアカデミーとか。

亀山:うん、新卒とかもね。

伊藤羊:そういう若者たちを見るとき、何がポイントになりますか?

亀山:でも、さっきので言うと、やっぱり「仲間がいるやつ」ということですよね。だってその人だけのキラキラした目を見たって、そんなのなんか嘘っぽいし、わからないもの(笑)。

(会場笑)

伊藤羊:目じゃないんですか。気合いとかじゃないんですか?(笑)。

亀山:気合いとかもね、俺も今まで何回か見てきたけど、気合いがありそうに見えて、口だけのやつもいるし、普段ぼーっとしているやつで、意外と熱いやつもいる。青い炎みたいに、クールに見えて意外と熱いやつもいる。俺は長くやってみて、人を見る目がないなと。結局のところ、半年とか1年とか仕事をやらせてみると、試してみると、けっこうわかるようになる。

周りに仲間がついてくるやつはついてくるし、離れてくやつは離れるんだよ。やらせるチャンスは与えるんだけど、逆を言うと、例えば半年とか1年やってダメならもう引き上げる。

伊藤羊:ああ、なるほど。そこはドライにやっていくということですね。

亀山:もうそれしかないと。なので、そういうのは募集しているので、なにかやりたいことがあったら持っておいで。

それぞれの目指すコミュニティ像

伊藤羊:金曜の晩、awabarに集合ってことですね(笑)。ありがとうございます。最後にお二人に、ハッタリと世間からは言われるかもしれないけど、こんなことを考えてるみたいないろんな話を。それは事業名、組織名とかもそうだし、「仲間をこうやってつくっていきたい」「こんなコミュニティにしていきたい」とか、なんでもけっこうなので、2分ずつぐらいお話しいただけたらと思います。どちらからいきますか?

伊藤和:じゃあ、一応先輩なので(笑)。僕らは「政治の総合プラットフォーム」を目指していて、政治家も行政も入ってくるというのを目指しています。そこで来年ぐらいには、世界にもいこうかなとも思ってます。

伊藤羊:なるほど。その政治のプラットフォームというのは、「みんなの政治」ではやっぱりダメだと。

伊藤和:いや、みんなの政治も良いと思うんですけど、質の高いコミュニティをつくろうと。

伊藤羊:それはトークンエコノミーをベースとして、みんなが入ってくるというかたちにしていきたいということですね。はい、ありがとうございます。簡単に終わっちゃったんですけど、(山内さん)残り時間全部どうぞ。

山内:僕は「日本最大のインターネット企業」を目指したいなと思っていて。それこそヤフーとか、DMMを超えるような企業をつくっていきたいなというところで、やっぱりファーストステップとしてはデータで。これを日本国民全員とか、ワールドワイドに数十億人のデータベースというのものに、しっかり広げていきたい。そこに対して適したコンテンツとか、適したマネタイズのやり方とかを、すべてのユーザーに対して、提供していくということができたらおもしろいなと思っています。

とりあえずやってみればいいし、必ずしも起業はしなくていい

伊藤羊:あと、もう一言ずつでけっこうなんですけど、この(参加者の)中にも既に起業されている方もいらっしゃると思うんですが。これから起業を志す学生に、なにかアドバイスをお願いします。伊藤和真さんから。

伊藤和:「とりあえずやってみる」というのは、すごい大事だなと思ってます。とりあえずやってみて、俺こんなことをやっているんだって言うと、場合によっては、情報も人もお金もついてくる可能性がありますと。起業が別に一番とは思ってないですけど、まず挑戦したいことがあったら、自分自身にハッタリをかけて、とりあえずやってみる。

とりあえずやってみたら、応援してくれる人はある程度いるのかなと思うので、もし起業する方がいたら、ぜひ「とりあえずやってみる」というのを大事にして欲しいと思ってます。

伊藤羊:やってみないとわからないしね。

伊藤和:そうですね。やってみないと本当にわからないので。

伊藤羊:ありがとうございます。山内さんお願いします。

山内:敢えて逆のことを言うと、起業しないほうが良いと思います。というのは、起業しないとやれないことって、極論ほとんどないと思っていて。スモールスタートだったら自分一人で、とりあえずできることをやってみること。ここには「起業したい!」みたいな人たちが集まっていると思いますけど。

プロダクトがあって、それを伸ばすために、どこかと契約、提携をするとか、別のところからお金を引っ張ってくるとかで、「会社をつくらなきゃ」って言うなら、絶対に起業するべきだと思いますけど、そうじゃなければ、自分で本当に小さく始めてみるというのは1つありなのかなと思ってます。

起業を目的にしてはいけない

伊藤羊:ありがとうございます。まあ、これ結局お二人とも同じことを言っていて、要は、やってみなさいと。起業が目的になったらダメだと。

亀山:起業もあれば、起業を助ける役回りもあるんだろうけど、まあ、本当にやってみたらいいんだよ。俺はやってみようと思っているやつらに投資しながら、搾取するのを今後の目標にしたいと思います(笑)。

(会場笑)

伊藤羊:みんな、やってみなはれと。

亀山:みんなも大人を上手く使えばいいね。俺は上手く投資しながら、上前を撥ねようと思っているわけだから。そういった中でいうと、若い人たちは体力と知恵はあるけど、金はないわけじゃない。そういう人は大人の協力を上手く受けながら、そんな感じで楽しくやっていきましょうということです。

伊藤羊:はい。ということで、まずはやってみなはれということで、終了にしたいと思います。以上でパネルディスカッションを終了したいと思います。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

司会者:それではですね。みなさん、最後に全員に大きな拍手をお願いします。

(会場拍手)

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このログの連載記事

1 “詐欺師にならず、今のうちから信用を育てていくこと” DMM亀山氏から、スタートアップを目指す若者へのメッセージ
2 若者の見極めは、眼力や気合いではなく「仲間」がいるか DMM亀山氏が学生起業家と語り合う“起業のイロハ”

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