インハウスエディターの役割を考えるイベント

西村賢氏(以下、西村):皆さま、こんばんは。この間まで、TechCrunch Japanというメディアで編集長をしていました西村と申します。今日のイベントは「PR視点で企業価値を高める『インハウスエディター』の役割」ということで、モデレーターを仰せつかっております。

今日は私の他に、ゲストということでお二方に来ていただいています。一言ずつ、簡単に自己紹介をお願いできますか?

松尾彰大氏(以下、松尾):みなさん、お金を払って20時からお越しいただいたということで、よろしくお願いいたします。

(会場笑)

松尾:今はメルカリっていう会社のメルペイに所属している、松尾と申します。今日はいろいろとお話しできればなと思っていますので、よろしくお願いします。

西村:よろしくお願いします。拍手をお願いします。

(会場拍手)

丸山裕貴氏(以下、丸山):はじめまして、丸山裕貴と申します。私はSansan株式会社という名刺管理サービスの会社で「Eight」というアプリの事業部にいます。そこでコンテンツを作っています。よろしくお願いします。

西村:よろしくお願いします。

(会場拍手)

西村:ちなみに、Eightユーザーはどれぐらいいますか?

(会場挙手)

西村:おっ、かなり制覇してるじゃないですか。僕、今日知ったんですけど、Sansanって、「西村さん」とか「丸山さん」の「さん」からとってるんですよ。自明? みんな知ってた? シーンとしましたけど大丈夫ですかね(笑)。

ちなみに「メルカン」を読んでるっていう方、どれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

西村:なるほど。「メルカンみたいなものが作りたくて、今日この場に来た」っていう方は、どれぐらいいますか?

(会場挙手)

西村:おぉ〜、なるほどなるほど。みなさん事業会社なんですかね。あとは、じゃあなんだろう、「インハウスエディターってちょっと興味のあるポジションだなと思って、そういう方向に進んでみたい」と思ってる人はどんな感じですかね?

(会場挙手)

西村:なるほどなるほど。ライターさんっていうのはどれぐらいですか?

(会場挙手)

西村:お〜。なんか、さっきのイベントの開始前のPR Tableさんのアナウンスと違って、そんなにPR、PRしてないですね(笑)。

(会場笑)

丸山:他のみなさんは、何なんですかね?

西村:何なんですかね。ちょっと、「俺はなんとかだ!」って怒鳴っていただいたりしてもいいですか(笑)。

(会場笑)

西村:では、先に進みましょうか。

元SMAPだった丸山氏の自己紹介

西村:自己紹介からですかね。ちょっと長めのやつになりますけども、それぞれ。じゃあ、丸山さんからお願いしてもよろしいですか?

丸山:はい。一応名刺の会社なので、スライドに僕の過去の名刺を並べてみました(笑)。最初は「Gizmodo」っていう、テック系のブログメディアにちょっとだけいまして。そこで記事をいろいろ作ってたり、海外の翻訳の記事を作ってたりとか、そういうことをちょっとだけやっていました。

ちょうどAppleが全盛期の頃で、スティーブ・ジョブズも元気だった。iPhoneの新しいのが出るたびに、長蛇の列ができるみたいな時代だったんで、もうなんか……。

西村:熱かったですね。

丸山:Appleから新製品が出るときにはもう徹夜で並んで、みたいな。Appleの記事以外、出しちゃいけないみたいな感じだったんですけど(笑)。

(会場笑)

西村:一時期、すごかったですからね。

丸山:そういう楽しい時に、Gizmodoにいました。その次も同じグループ会社なんですけど、インフォバーンっていう会社にいました。今は幻の「SMAP」っていうチームにいたんです。「Social Media Account Planner」の略で、まぁシャレみたいな感じで「SMAP」って言ってたんですけど。

西村:無理やりですね(笑)。

丸山:そうなんです。これが僕のスタート台になってSansanにいくんですけど。そこのきっかけになってたような気がしていて(インフォバーン時代を)載せています。

そのころはみんなFacebookを使い始めていて、「そろそろ企業も、Facebookを使わないとね」みたいな話になってきていた頃で、「Facebookページを使い始めてる会社は、けっこう先進的だね」みたいな感じになっていて。

でもアメリカとか海外を見ていると、「もうそんなの当たり前だぞ」みたいな。むしろ「その中で、大々的なキャンペーンをSNS上でやるのがイケてるんだぜ」みたいになっていましたね。

そのチームでの僕の役割は一応リサーチャーということで、そういったFacebookページを活用している海外企業の事例とかをリサーチして、それを日本の企業に提案するみたいなことをしていました。「こうやって、SNSを使ってみましょうよ」「海外はこうやってるんで、(御社も)やってみましょうよ」みたいな感じですね。

インフォバーンでオウンドメディアを立ち上げる

西村:日本の企業に提案するんですね? それって、社内の編集部にアドバイスするんじゃなくて、外側にサービスを外販してたんですか?

丸山:そうですね。インフォバーンは企業のオウンドメディアを運用したり企画を提案したり、SNSを運用したりと、そういうことをしている会社なので。

今はもうないんですが、「ソシエタ」っていうソーシャルメディアの事例を集めたオウンドメディアを立ち上げたりとかも、ここではしていました。

西村:タッチしてるメディアの数は十分にあるので、リサーチをして、自分たちなりに日本向けにカスタマイズする専任がいてもいいぐらいにビジネス的な意味があったっていうことですよね?

丸山:そうですね。

西村:なるほど。ちょっと、この後のアジェンダの先取りをするようですけど、丸山さんからすると、ソーシャルのことをどんどんやるのは、編集の仕事、編集者のスキルセットとして、マストハブだって感じで見られてますか?

丸山:インフォバーンにいた当時、Facebookページが登場したことによって、企業が自らコンテンツを作って発信できる場所が生まれました。

でも企業はそれまでコンテンツを自社で作ったことがあんまりなかったので、Facebookページを開設しても、なにを発信したらいいのか、よくわかんないわけですよ。なので、そういうのを教えてほしいっていうニーズが、けっこうありました。「ソシエタ」でも、企業が自らコンテンツを作ってソーシャルでの拡散に成功した事例を載せると、よく読まれていました。

西村:なるほど。それが2012年とかですか?

丸山:2011年ですかね。

西村:2011年。けっこう早いですね。

今はなきWIREDで雑誌の作り方を学ぶ

丸山:その後「WIRED」が2011年に日本で復刊して、2012年に転職してWIRED編集部に入りました。最初はWebエディターとして入って記事をつくってたんですけど、雑誌にも関わるようになりました。ここで雑誌の作り方を学んだんです。

西村:えっ、2012年に、1回紙の雑誌をやった? けっこうお若いのに(笑)。大変じゃなかったですか?

丸山:いや、大変です。やっぱり、ブログメディアからいきなり紙の雑誌って、ジャンルがいちばん離れてるぐらいのところなので。

西村:10年近く紙の雑誌編集者でしたけど、二度と紙なんか見たくないな、ぼくは(笑)。

丸山:ははは(笑)。デザインを1ページ1ページやっていくっていうところとかは、けっこう最初は戸惑いました。

西村:でも、やっぱりレイアウトや情報整理の仕方の面では勉強にはなったのでは?

丸山:やっぱり、すごく勉強になりましたね。WIREDの「コーヒーとチョコレート」って特集は僕が担当したんですけど、入って2年ぐらいでやらせてもらいましたね。

西村:「コーヒーとチョコレート」。いいなぁ、楽しそうだなぁ。

丸山:その後、Sansanに入りました。WIREDには4年間いたんですけど、ここで学んだ編集スキルは事業会社の中でも活かせるんじゃないのかなって、なんとなく思っていて。

WIREDにいた時にはよく記事広告を作っていました。でもそのとき企業の中にコンテンツを作れる人さえいれば、別にメディアに費用を払ってやらなくても、同じようなものが作れるんじゃないかなっていう、気づきがあって。それに、ちょっと挑戦してみたいと思ったんです。

探してみたら、Eightでちょうどそういう人が求められていた時期で。タイミングもよかったので、移ったっていう感じです。

伝えたいメッセージがきちんと発信できているか

西村:まさに、今日はそういう意識で来てらっしゃる方もいるんじゃないかなと思うんですよね。広告記事なんかだと、高いお金を出してメディアに頼んで企画や記事作りをやってもらってるけど、頼んだのとは違うものが上がってきて、「俺はスポーツカーを頼んだのに、ダンプカーが納品された」みたいな(笑)ことって、ありがちですよね。

でも一方で、やっぱり広告を出す側としては、「いや、WIREDさんならではの企画力があるじゃないですか」とか、そもそも「載せるチャンネルが大事だから」っていうことが、あるじゃないですか。そのへんって、どのようにご覧になっていますか?

丸山:その時に言ってたのは、「結局、『WIRED』の読者にいちばん届けやすい方法を知ってるのは僕らだから、その専門家に任せてくれ」っていうことなんですけど。

でも結局、そのサービスやプロダクトの価値とか、その会社のいちばん大事にしてるものとかは、1時間ぐらいヒアリングしたりとか、社員をインタビューしたぐらいだと、そこまでわかんなかったりするわけですよ。

なので、ちょっと有名な人をアサインして対談させたりとか、外の力を借りて箔をつけて、記事を作ったりすることもあるのですが、それって本当に、その企業の伝えたいメッセージを発信できているのかなっていうと、「WIRED」の読者がある程度興味をもつコンテンツは作れるかもしれないけれど、その会社が本当に発信したいメッセージができているかはわからない。

だから、それはやっぱり、中の人がもっとうまく作れるところでもあるのかなとは思いましたね。

西村:なるほど。例えばプロダクトの思想とか、本当に語りたいところとかですよね。外部の人が書くのと中の人が書くのだと、それぞれ一長一短っていう話ですよね。たぶんね。

丸山:そうですね。