明確なメリットがない限り人は従来のものを好む

井上一鷹氏(以下、井上):これも言葉遊びですけれど、今、裁量労働制の議論をしていますが、結局97パーセントは固定時間労働をしているので、本当に進めないといけないことは、例えば大企業の中で言うと日本で一番働き方が変わっているという、ユニリーバ・ジャパンあたりがやっていることなんですよ。

彼ら彼女らは、WAA(Work from Anywhere & Anytime)と言って、どこで働いてもいつ働いてもいいです、という仕組みに変わっているんです。でも、8割、9割の人はやっぱり9時に会社に来るらしいんですね。

人は自由度を上げても、結局決められた時間に来るんですよ。だから、ちゃんとどんな時間か、どんな空間かを最適化されないと選べないんですね。なので、そこまでいかないと働き方は変わらないと思っています。

そうすると個人としてのパフォーマンスは上がるし、法人としては働き方の幅が広がってイノベーティブな人材を確保できるので、そんなことを進めたらいいかなと、今、議論しているところです。

まとめに入ります。「JINS MEME」としては、データ活用をしたサービスにだいぶ移り始めています 。それから、「Think Lab」に関してはもはやメガネを使わない事業で、働き方を提供するようなサービスを展開し始めているというのが今までの経緯です。

ざっとちょうどいいぐらいですか。喉が乾いてきたので、ここまでもう1回、ご質問があれば、適当にアイスブレイクしていただけると。では、いったんお話ししてもいいでしょうか。ここからは本当におこがましいので、あとでぶん殴ってもらっていいです。

(会場笑)

繰り返します。僕らJINSとしては、「デザイン」と「ストーリー」という、しっかりとした付加価値領域を守って差別化をし続けるという話で、データを活用したサービスやハードウェアに閉じないサービスをつくっていくのが一応事業開発の方向性でありました。

こういう事業をやって、例えば「集中を測る」「自分のデータを見る」ということを僕は仕事の中でずっとやっているので、「個人としてどう働くべきか、どう生きるべきか」ということと、「事業を開発する場合にどういうことを考えるべきか」という両方を行き来しながらずっと議論していて、両方(の視点)が入っています。

両方が入っているんですが、こういう新しい事業をつくることの足がかりまでは成功しているとしたら、「そのときに必要な要件は何なのか」を9つほどお話しします。

「変わらないことがリスク」という危機感を持てる経営者

こんな図があります。まず1個目として、組織に感謝していることを話します。このプレゼンをつくった前の週ぐらいにうちの社長の田中が送ってきたんですが、目薬で視力は矯正されるという研究があったんですね。これを半分嬉々として送ってくるんです。彼はそういう人なんですね。

これが何かと言うと、「メガネなんて」という言い方をしたら良くないですが、視力矯正をするというファンクションは、いついかなるときになくなるかわからないということなんです。(社長は)メガネというものをすごく純粋な危機感をもって新しく変えていかないと、事業体として残せないということをずっと感じている人です。

これは僕もちゃんと読み切っていないので微妙なんですが、「振り切る勇気」という言葉をよく言っています。なにかに対して傾倒すると決めたら、「ちゃんとフルスイングしよう」という言い方をする人です。そのときにうちの会社が、成功しているわけじゃないけれど大事だなと思っていることは、健全な不安感、危機感があるということです。

視力矯正はかなり近い将来に、もしかしたら5年、10年で(実現できるように)なるんじゃないか、といつも話しています。提供価値を変えていかないとそれ自体にリスクがある、投資をしないことのほうがリスクだという感覚を経営が持っているということが1つ。

イノベーションのヒントは固定概念の外からやってくる

もう1個は、川島先生が「JINS MEME」の着想をいただいたときに、けっこうおもしろい言い方をしていて……僕らじゃないですよ。うちの社長はけっこう無邪気な人なので、「頭が良くなるメガネをつくってくれ」と言ったんですよ。

それは無理なんですが、けっこう序盤で「メガネはパンツの次につけている時間が長いね」と言われたそうなんです。メガネ屋として普通のメガネの事業をやっている人間としては気づかないんですが、確かにパンツの次に着用時間が長いんです。かつ、パンツは毎日換えるので、実は人に触れている時間が一番長いということがメガネの強みなんです。

イノベーションを起こそうと思ったら、やっぱり再定義する必要があって、メガネは「目の悪い人をどうするか」という固定概念から一回バイアスを外さないと、イノベーションが起きないんですね。バイアスを外すために、「まったく違う人と話をしまくる」「できるだけ遠い人と話をしろ」とずっと言われてきたので、それを意識として持っている会社です。

そのときもけっこう記事を調べていたのですが、そのなかでたまたま好きな言葉がありました。良い・悪いはあるんですが、「“儲”かる」という字は「信じる者」と書くと言うんですね。

だから、投資判断を最終決定する社長として、信じられるか信じられないかというので、「信じ続けることができれば、いつかそれがかたちになるから、ちゃんと信じ続けて振り切りまくれ」と。一番最後の意思決定者が、ずっとそう言ってくれているんです。

うちの会社は不思議なんです。起業した人(田中社長)がずっと30年(経営を)やっていて、スドウさんがいるから言うんじゃないですが、うちの会社の人はこんなに訳のわからないこと、訳のわからないワークスペースをつくっても、絶対にネガティブなことを言わないんです。

なにかしないとまずいという不安感はあるし、こういう会社であることに誇りを持ってくれているので、僕の場合はそれで嫌な思いをしたことが本当に一度もないんです。それがすごい会社だなと思っているというのが1つです。

相手を引き寄せる本当のストーリーは対話の中で固まっていく

個人として意識している行動として、1個はこれですね。大企業の新規事業の方が「できるだけ遠い人に仕事の話をしろ」とよく言われていますよね。

僕がなぜ「JINS MEME」をやっているのかを、けっこういろんなメディアで話をさせていただく機会が多いので、そこでどんな話をしているかと言うと、僕が高校2年生ぐらいのときに母方の祖父母が両方認知症だったんです。

認知症になって母が(1年の)半分ぐらいずっと北海道に行っていて、帰ってくるたびに僕に対して「医者になってくれ」「自分がああなったら安楽死させてくれ」とずっと言われていました。そのときに、僕は殺すことはできないけれど医者になろうと思ったんですね。

それで、医学部の面接をしているときに言われた、忘れもしないことがあります。「認知症の研究者になりたい」と言ったんですけれど、それに対して「あれは病気じゃない」と言われたんです。

「あれは病気じゃないから医者の研究範囲ではない」と断言されたんです。それに対して違和感を感じながら、実際に受かることもなく、理工系の大学を出てコンサルをやって、うちの会社に入ったんです。

実は川島先生という方は、認知症になってしまってからその症状を軽減させた、唯一の研究者なんです。その彼が、パンツの次につける時間が長いもので認知症の対策ができたらむちゃくちゃいいねという話をくれたんです。そんな話を聞いたら、ライフワークにして当然だなと思ったんですね。

この話を「いい話だ」と思って話しています。でも、これはあと付けなんですよ。ここが僕は大事だと思っています。自分の仕事になんの意味があるのかを話す機会があればあるほど、自分の中でストーリーが固まっていくんですよ。新規事業をやっているとつらいことが多いので、自分が一歩がんばれないときに「俺、ああいう話をしちゃってるしな」と思えるんです。

自分の話をできるだけする。仕事になっているということは絶対に誰かの役に立っているので、できる限り遠い人に対してそれを表現しまくるんです。自分の中で一番なんとなくエモさが高いストーリーを探して、それを突き詰めていくと、やっぱりグリット(やりぬく力)が強くなる。そんなことをやるべきかなと思っているというのが1つですね。

必要なのは良いアイデアよりも実現する力

これに近いんですが、もう1個、新規事業をやるという意味で、こういう新しいことをやると、一番最初のキャズムを超える前のアーリーアダプターはほぼBtoBの人なんですね。もう見飽きたこの図なんですけれども。これ(JINS MEME)を買ってくれている人は、すごく変な言い方をすると会社のお金で遊んでいる人なんですよ。

会社のお金で新しいことを仕掛けようとしている人がすごく多くて、この人たちがいる場所に集まって、その人たちと一緒にどういう仕掛けができるか考えるためには、この集まりを巡ることがすごく大事かなと思うんです。みなさんのようにこういうところに来ている人は、絶対にそれができていると思います。

もう1個、これは笑いごとなんですが、新規事業でメガネでこういうことができると言うと、だいたい2週間に1回ぐらい「僕は社長の田中さんと友達なんだけれど、これやってみたら」というアイデアだけくれるおじさんが来るんですよ。1個ずつ対応していくと絶対に死ぬので「ああ、ありがとうございます」と言って無視するんです。

Uberはうまくいきましたが、あれはアイデアとしてはカスみたいなものだと思うんですね。中学生でも思いつくアイデアを、やりがいでUXをしっかり作り続けるというグリッドがあったから彼らは強いんです。なので、アイデアだけ言う人は、できるかぎり無視したほうがいいなと思っています。

自分の人生に集中して、本当にやりたい仕事をする

最後に、心持ちとスタンスなんですけれど、ここについてはもうだいぶ話してしまいました。

1個目は「Live your Life」という言葉で、東京に高野山をつくろうということで「Think Lab」をつくったのですが、その前の月、去年のお盆に高野山に行ったんです。

高野山に行って住職と話したんですね。そして最初に、住職に「人はどうやったら集中できますか」というすごくプレーンな質問をしたんです。そしたら即座に言われたのが、この「如実知自心」という言葉です。仏教用語で、如実に自分の心を知るということなんです。

集中できない人は、「自分が何をしたいかを語れない人」だと思います。自分が何をしたいかがわからないヤツは集中できないと言いますね。やっぱり今も基本的には公人がいて個人がいて仕事が降ってくることが多いので、やらされている仕事は絶対に集中しないんですよ。

自分がやりたい仕事にどれだけできているか、それに対してどれだけストーリーを読み解けるか、というのが大事になると思います。「自分の人生に集中しましょう」ということですね。

もう一方の切り口で言うと、人は1日4時間しか集中できないと申しあげました。そうすると、がんばっても1ヶ月で100時間なんですね。1年間がんばっても1,000時間です。ライフシフトして人生100年時代だと言っても、本気で仕事ができるのはたぶん50年ぐらいなんです。そうすると5万時間しか集中できないんですよ。

1万時間の法則と言いますけれど、人は1万時間かけないとある領域のエキスパートにはなれないと言われています。だとすると、人生で超深く考えることは5個まで。どんなに綺麗にアロケーションしても5個までしかできないんです。

じゃあ今、目の前でやっている仕事に人生の5分の1を賭けていいのか? ということに対して、ちゃんと答えが出ないんだったら辞めたほうがいいなと思っています。これはちょっとおこがましいのですが、その通りだと思います。

サラリーマンでイントレプレナーであることの価値

人事系の話で最近流行っているんですが、「枠じゃなくて軸」という言い方をしていて、トップダウンで「ここからここまでを職務領域にしてがんばってください」というマネジメントの枠をつくっても、人のモチベーションは上がらないと思います。

ティール組織の話にほぼ近くて、これは僕ができているわけではありませんが、軸を定義して、共感をもとに人を引っ張っていくような働き方をしないとやっぱり難しいんだろうなと日々思っています。

最後に、上司が社長なので、半年に1回フィードバック面談があるんですね。そこで毎回言われるのがこれなんです。「お前は人のカネでやりたいことをやれて本当に幸せだな」と。本当にそのとおりだなと思うんですね。

自分が成したいことを社内でやるのはけっこう意義があると思っています。この10年ぐらい「アントレプレナーシップがあるヤツがカッコいい」という風潮が強すぎると思っているんです。

これだけの会社が内部留保をむちゃくちゃしてて、ビズリーチの人に聞いたら、今、新規事業のミッションで3,000社が募集をかけているんですね。だから、新しいものが枯渇しているんですよ。お金が余っている。

だとしたら、サラリーマンでイントレプレナーで、しっかり潤沢な資金があるところからそれを使って大きな事業をやったほうが僕はおもしろいことができると思っています。「アントレプレナーがカッコいい」ではなく、「イントレプレナーもカッコいい」という世界をつくりたいなと思っていたりします。

ざっと、そんな9つくらいが大事だなと思って最近話をしています。こんなハイブローな話をしてもちょっとツライと思うんですが、この9個の話の中で、ご自身がライフシフトという、ここに来てなにかを学ぼうとしているみなさんとして、例えばこの話を1時間聞いて、「自分は来週からこう変えよう」というような切り口として1個選んでもらいたいんです。

現在従事している仕事における変化……「こういう具合に習慣を変えたほうがいい」「人生全体でこういうふうに考えを変えていったほうがいいよね」という話(をしていただけたら)。集中とコワークは両方大事なので、5分だけ個々人で1回考えてもらって、そのあと10分ぐらいみんなで発表し合ってもらって、一人に発表してもらうかたちで進めてもいいでしょうか。

自分の人生と現状の本当の意義を見つけるために

質問を先にしましょうか。「自分はこんなことを心がけよう」と思ってくださるとうれしいんですけれど、いったん5分ぐらい取ります。いいですか、お願いします。じゃあ今から5分でお願いします。

(5分経過)

いったんここで5分なので、ちょっと自己紹介を含めて10分ぐらい取りましょうか。チームで「こんなこと考えました」という共有をしていただいてもいいでしょうか。

(10分経過)

10分経ちましたので、どの順番にいたしますか。ここを回しましょうか。じゃあこのチームから。

(会場拍手)

参加者1:いま浪人生をやっているものです。今回僕が印象に残ったのは、4の「遠い人に仕事について話す」というもので、自分なりに勉強をするストーリーが自分にはまだないなと思いました。

例えば学校の先生は、よく「ここの大学に行くために勉強しろ」と言うんですけれど、それはあくまで受かるために勉強するのであって、「今この瞬間に勉強している理由はなんだろう」「なんのためにこんな勉強をしているんだろう」と、自分でなかなか腑に落ちないところがあるんです。そういう面で今、あまり集中できていないのかなと思いました。

そんななかで、今回メガネ(JINZ MEME)が、健康問題までいっているんだ、という衝撃がありました。そういう刺激が直接……今、英語をやることによってそういうアイデアが出るとは思っていないんですが、そういうところを……上手く言えないんですけれど、いろんな人と話すことによって自分がこういうことをしたい、なんのためにこういうことをやっているのかを自分なりに腑に落ちるところに固めていきたいと思いました。

井上:素晴らしい。

(会場拍手)

ありがとうございます。

チームの軸を合わせることで本当のチームワークが発揮される

参加者2:弊社は、クリエイティブエージェンシーで広告制作をやっております。僕は今、広告制作ではなくそのなかで新規事業を起こしていまして、事業の責任者まではいかないですけれど、一人そろばんで経理、マネジメント、事業戦略などをやっています。今回新規事業をやるというところで、おもしろいやり方やいいヒントがないかなと思って聞きに来ました。

とくに今回、弊社を悩ませているのが6番のアイデアだけおじさん系の問題点がありまして。けっこうクリエイティブ関係の新しい事業を起こそうとしているので、どんどんいろんな新しい話があって。PDCAのP……PlanをやってDoをやっている最中にまたPに戻るという、改善活動にさえなっていないような課題があるんです。

それについて、「どうしよう」「やばいんですよね」という話をしていて。でも、完全にアイデアおじさんをシャットアウトするというのはまた考え方が違うと思っています。アイデアをもらったときに、けっこういいアイデアがいっぱいあるんですよ。でも、そのままやってしまうと、またPDCAのPDまでで終わってしまうんです。

でも、話を聞かないと新しい考えが浮かばないし、そのバランスをどうしようかということを話している最中に自己解決したんですけれど、8番の軸だと、枠ではなく話の軸だなと思いました。

けっこう僕一人で「やばい、やばい」と言っていて、他のメンバーが、3人ぐらいで仕事をしているんですけれど、2人ぐらいがそれで振り切ってしまうときがあるんです。僕が「おかしくないですか?」と言っても、数のあれ(多数決)で進んでしまうんです。

チームメンバーに対して軸のところで理解させてやれば、たぶんそこがぶれないんじゃないかなと思いました。「僕一人でどうにかしよう」という考えがそもそもおかしかったんだなと思ったんです。

井上:そうですね、それはいいことですよね。

参加者2:けっこう話しながら、軸を加味しながらやっていました。

(会場拍手)

井上:ベイン・アンド・カンパニーのコンサルの会長をやっていた火浦(俊彦)さんとお話ししたときに、まさに近いことを言われたんです。「集中するためには、任せる仕事、任せる力がないと集中できない」んですね。人にはなにをお願いして、自分はなにをするという、ここの区分ができないヤツは集中ができないと言われていたんです。

体力的には絶対に落ちていくので、できるかぎり人に任せる力をつけないといけない。その力を蓄えるということをよく言われていました。まさにそれだと思います。ありがとうございます。

一人ひとりの“人生100年”の描き方

参加者3:このグループはちょっとおもしろい編成です。お二人がそれぞれ違う某携帯電話会社の方で、私は独立してやっているコンサルタントです。ただ、その前に関わっていたコンサルティング会社自体は、どちら(の携帯電話会社)にもコンサルをしていたという、おもしろい偶然がありました。

私個人で言うと4番、人に仕事の話をすると、どうしてもふだんは同業やクライアントも含めて近い人になるので、遠い人を意識するのはやっぱり億劫だったんです。やるとそのうち良いことがあるんだろうなとわかりつつ、なかなかニューステージには上がらないよな、というのがありました。

3人で話していたもので言うと、集中力が発揮されるのが1日4時間というのは、確かに自分の日常を見てみるとそうだなと思うし、トータルで5万時間、人生の中で5つ選ぶとしたら、その5つを今やれているんだろうか、という話が気になりました。

とくにお二人とも実際に移動もあるし、という話もあって。そこで見ると、ある種JINSさんがメガネ屋なのにここまでやっていて、ずっと取り組んでいる井上さんご自身も、アイデアだけではなく、(事業として)ここまで発展形をやられている。

それを経営側がいいと思って、そこをちゃんと(取り組みを)されていて、どちらも成立しているというのはなかなかないことだなという話をしました。

(会場拍手)

参加者4:私は今月起業をいたしまして、今月の1日から会社をやっています。そういう意味ではそこに行くまでのあいだに、この7番の自分の人生を生きる、というものが気になりました。会社に定年を決められてやる、というよりは自分でやりたいと思ったんですね。

定年になったあとから始めるのでは対応していく自信がなかったので、早めに対応しようというかたちで、来年の2月で55になるんですけれども、55歳までに目処を立ててそこから25年かけて、80歳まで行けばなんとかなるかなと。

娘が30歳のときに子どもを産んで、娘が定年するのはたぶん70歳ぐらいになるんじゃないかと言われていて。そうすると(働いている)娘に迷惑をかけずに介護をしてもらおうと思うと、100まで元気でなきゃいけないでしょ。

そういう意味も含めて考えると、人生100年というのは、わりと近いなという感じになってきたと思っています。ただその余波というのは自分自身じゃなくて、家族……子どもやかみさんだけじゃなくて親のこともすこし考えないといけない。

それでなんとなくやらなきゃいけないので、自分がアイデアおじさんにならないようにという意味で、7、6、3という感じでどうかなと、今思っています。

井上:ありがとうございます。

(会場拍手)

まとめるつもりも一切ないので、僕の感想としては、みなさん、こんなハイブローで議論していただいてありがとうございます。

18歳からそれこそ55歳の方まで、わりと同じテーマで見据えていましたね。「どういう100年を描くか」は、どこも教えてくれないので、その一助にでもなればすごくうれしいなと思っています。

僕らとしてはまず、「JINS MEME」「Think Lab」は、うちだけでは絶対にできないので、いろんなかたちの教養が得られると思うので、ぜひ……今日だけはすみません、講釈をたれましたけれど、ご一緒してなにかできることがあれば、ぜひご連絡いただけるとうれしいです。アイデアだけだったら要らないですけれど。

(会場笑)

ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

(会場拍手)