月収3万円でも、自分のアイデアで収入を得ることは進歩

若新雄純氏(以下、若新):なかさんはどうなの?

なかさん氏(以下、なかさん):自分も少し前まではシェアハウス生活をしていたんですけど、今は実家に戻ったんですよ。実家にいることでお金の心配はなくなり、よく言われる“親のすねをかじる状態”だとは思うんですけど。それでまだ起業みたいなことをしていると、やっぱりすぐにお金が儲かる状態にはならないじゃないですか。

それでも助けがあるなら、その助けを借りながらいろいろ試す機会があったっていいじゃん、というか。それでもう親も死んで、どうしようもなくなったら、生活保護ということになるのかもしれないですが。

まだそういう状態じゃなくて、月3万とか4万ぐらいしか稼いでいないんです。でも、自分で考えたレンタルニートやプラモデル制作代行業でお金を得られることに関しては、すごく進歩しているなと思います。

若新:まさにその通りだね。

なかさん:バイトとか、どこかで雇われて命令に従ってお金を得るよりは、自分で考えた稼ぎ方でお金を得ていることに関しては、何年か前の自分から見たら、ずいぶん成長しているなと思うので。

よく、「そんなことをやっても、行きつく先は生活保護だろ?」みたいに言われるんですけど、ずっと現状維持をしているつもりはないし。一応次々に新たな試みをして、こんな商売をしよう、ということはやり続けているんですよ。つい最近も、中古品販売をやりたいなと思って、古物の許可申請を出しました。

この前、その申請の出し方をネットでちょっと調べて、警察署に行って書類を集めて提出してきました。つい昨日、その準備が整ったから取りに来てくださいと言われて、今度取りにいくんですけど。やれることをちょっとずつ積み重ねて進んでいる最中というのが、僕自身の状態ですかね。

川畑翔太郎氏(以下、川畑):なるほど……。どうぞ、アウターキーさん。

無個性の集団に入りたくなかった

アウターキー氏(以下、アウターキー):はい。NEET株式会社に求めていることというか、期待していることがあります。自分がNEET株式会社に入った理由でもあるんですけど、自分が就職活動をはじめたときに、大学で最初に就職合同説明会があったんです。

そこに来た(学生たちが)、みんなスーツでずらっと並んでいる姿が、ものすごく無個性な集団に見えて、正直こわかったんですよね。「人じゃないな、この人たち」という感じがして。それで、「この集団に入っていきたくない」と心底思ってしまった。

川畑:気持ち悪いな、と。

森川剛氏(以下、森川):僕もそれ、気持ち悪いなと思いました。僕は高卒で、偏差値40ぐらいの学校で成績が400人中の下から2番目とかだったんです。大学に行けるレベルでもなく、いまだに分数の計算とかもできないぐらい。なので、僕もその日本の新卒というのは気持ち悪いってずっと思ってますね。

アウターキー:そんな感じで実際に会社に入って、本当にみんなで同じことをして、週休2日とかだと……。定年退職するまで、それこそほとんど休みなしで働き詰めになるということが、なんとなくわかっちゃったんですよね。実際に週休2日制のバイトを1年以上していたので、そこでもなんとなく察したんですけれども。

例えば学生のときの春休みや冬休みは、10日以上の休みが普通だったんですけど、バイトですら、週休2日制だと10日の休みはまずあり得ないじゃないですか。それが現実だと思い知らされたとき、ちょっと絶望してしまいまして。「こういう人生は送れないな」と心底思ってしまったんですね。

そのときに、NEET株式会社に、例えば10日休める仕事があってもいいんじゃないか、と自分は考えてるんです。日本に10日間の休暇をもらえる仕事があってもいいんじゃないか。そういう働き方のできる会社としてニー株(NEET株式会社)があってもいいんじゃないか、と自分は思ってるんです。

ニー株を起点にして、新しい働き方の価値観みたいなものをつくっていけることが私の希望というか、望みみたいなところがありますね。ニー株はぜんぜんそんな段階に至ってないので、まだまだ先の話なんですけど。

いろんな働き方のパターンがあってもいいと思う

川畑:みんなが同じリクルートスーツを着て就活して入社して、「気持ち悪!」という。

アウターキー:そうじゃなくて、もっといろんな働き方のパターンがあってもいいと思う。

川畑:そうですね。ちなみに、脇本さんは就活も普通にやって、スーツばっかりの大企業に入った経験もあるわけじゃないですか。我慢できない人もいれば、(脇本さんは)それは気にはならなかった?

脇本桃子氏(以下、脇本):私はぜんぜん気にしなかったですね。

川畑:なにが違うんですかね。どっちがいい悪いとかじゃなくて、なんでこんなに感覚の違いがあるのかなと。

脇本:なんかけっこう、もともと期待値がそんなに高くなくて、すべてに「こんなものだな」と思っていました。

川畑:社会人になることに対しては、別に期待してない。

脇本:そうですね。すべてに対して、「就職活動ってこんなものだな」「入社してもこんなものだな」という感じで入ってきているので、そこにすごくギャップを感じたり、「うわー」とは思わないんだと思います。

川畑:なるほどね。

脇本:いいのか悪いのか、今まで働いていて、衝撃を受けたことがそんなにないですね。

アウターキー:はっきり(言ってもらうと)、俺が「わがままだ」ってコメントきてる?

(一同笑)

川畑:わがままではないんじゃないですか(笑)。

炎上男氏(以下、炎上男):アウトロー採用(注:フラットなコミュニケーションを重視して、参加者と企業の担当者は互いに大学名や企業名を出さずに交流し、そこで仲良くなれば選考に進む採用方法)なら、僕も1回やったことあります。

そのときに、カウンセリングみたいなものも受けて、「たぶん発達障害なんじゃないの?」とかいろいろ言われました。よくわからないなと思って、暑い中でペンキを塗るインターンとかいろいろ行ったんですけど、見事にぜんぶ滑って、結局入った会社がNEET株式会社というありさまで。

(一同笑)

今村邦之氏(以下、今村):いいじゃないですか(笑)。

川畑:プチ炎上させる(笑)。そっちで炎上させるんですか(笑)。

炎上男:軍隊みたいにみんなでエントリーシートを書いて、同じような就活をして普通の会社に入るという流れでも、普通に給料をもらえて、拘束時間が長くても普通に暮らしていけるんだったら、どっぷりその流れに乗っちゃうかな、と。

(もし自分が)普通に働いて普通に暮らせたら、なんも悩みもなくてのほほんと、ずっとじじいになるまでいったんじゃないかな、なんて(思います)。

川畑:なるほど。それがラッキーだと。

ニートとして責められても、その道を突き進んでいきたい

若新:「普通に」っていったら変だけど、疑いを持たず稼いで生活ができることは、それはそれで一つの幸運じゃないですか。だから、そういう立場に行けた人はやっぱりいいよね。いろんな巡り合わせがあるから、努力すれば全員必ず、一つのところにいけるわけじゃない。

(それが)人間が生きていく社会の難しいところで、個人として見れば、努力したほうが変わるかもしれないけど、努力がすべてを救うわけじゃないので。

アウターキー:安定して家族と幸せに暮らす社会というようなものが、わりと日本の一般的な価値観なのかなという気がしています。いつのまにか社会が、それを基準に形成されているような気がしているんですけど、たぶん自分はそれに価値をあんまり感じていない。

それよりも、たとえリスクのある人生だったとしても、自分のやりたいことをやりたいと思っているんですね。そう考えたときに、そういう価値観を持った人たちが生きるすべが今の日本にないんじゃないかなと思います(笑)。

森川:無気力だからニートってわけじゃないんですか? やりたいことがあるということなんですか?

アウターキー:そうですね。やりたいことがあるんです。だから、自分はゲーム開発をやっています。ゲームをつくって、それを売って自分の生活を成り立たせたいという、夢といえば夢があるんですけれども。それを実現するために、たとえニートとしてまわりから責められても、あくまでもその道を突き進んでいきたいという考え方なんですね。

脇本:なんかニートとフリーランスの違いが……。

森川:そう、聞くとけっこう普通だ、と(思いますね)。僕、パラレルキャリアで並行してお笑い芸人をやっているんですよ。芸人ってけっこうニートが多くて、それこそ一応フリーターみたいに週1で働いていたり。その(お笑い芸人志望の)人も、売れたくて就職をせずにやっている。

(アウターキーさんも)たぶん同じように、ゲームをつくりたくて、今の状況(になっているわけ)じゃないですか。そうなると、そんなに悲観するニートではないのかなって、僕は思ってしまう。そんなに討論することがなくて「いいんじゃない?」という。

(一同笑)

努力に関係なく向き不向きがある

アウターキー:ただ、自分のやり方だと、それこそまわりに全部しわ寄せを押し付けてしまっている。自分は、両親が死んでしまったら生活保護で、みんなのお荷物になるしかないような人間なんですよ。

若新:それは荷物じゃないんだよ。仕方ないんだよ。別に君がそうじゃなくても、君の代わりにまた別に生活保護を受ける人が一定数いるから。だから、どちらかしかない。

なか様が俺に教えてくれたんだけど、生活保護を生み出さない方法もあるんですよ。ぜんぜん仕事ができないやつにも毎回月給15万払えば、生活保護を受けることにはならない。でも、会社としては、それでは組織が成立しないわけ。

「ぜんぜん働かないし、ぜんぜん生産性がない嫌なやつに、なんで15万払うんですか?」って、必ずなるじゃん。それはみんなが納得いかないから、会社としては採用しないほうがいいんだよ。

だけど、小学生で書道を書かされて毎回入選する人がいて、めちゃめちゃ努力してた人が入選してたわけじゃない? 習字がへたくそだったら、どれだけ努力したって、ずっとへたくそだから。そう思わない?

習字とかめちゃめちゃそうだと思いません? 習字なんて、上手に書ける人は上手に書けるんですよ。へたくそだった人も、めちゃめちゃ努力したら字がきれいになるかというと、向き不向きがあると思うんですよ。

川畑:(今村)代表は字がヘタですよね。

今村:なんでここで悪口なの?(笑)。

(一同笑)

若新:向き不向きがあると思う。努力して上手になるんだったら、歴代の総理大臣は絶対に習字を練習するんですよ。書道がへたくそな総理大臣はバカにされるわけです。毎年書き初めするし、どこかで書道をしなきゃいけないわけだから。練習してうまくなるんだったらうまくなるけど、ならないものはならない。

仕事も一緒で、それ(上達度に)は限界があると思うんだけど。「そういう人でもいいよ」ということで給料を払ってくれるんだったら、生活保護を受けなくていい。

会社からしたら、一定のレベルの仕事が得意な人、習字でいうと一定レベルのきれいな字を書ける人しか入れたくないわけじゃない。そこに永遠に入れない人は、しょうがないよね。運よく書道が上手な人に代わりに書いてもらうしかないので。

そうだ、字がきれいなやつがいたら、代わりに書いてもらったほうがいいじゃない。会社のなかでも封筒とかに宛名書くときに、字が汚い人は、代わりにきれいな人に書いてもらうわけ。

アウターキー:はい。

(一同笑)

森川:なんかあんまり(笑)。

今村:構造上はそうなんですけど、いざその個人目線でいうと、ちょっと、すごくギャップがありそうに思うんですけど。アウターキーさんから(どうですか?)。

若新:どうなんですか? 反論してください。