2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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若新雄純氏(以下、若新):なかさんはどうなの?
なかさん氏(以下、なかさん):自分も少し前まではシェアハウス生活をしていたんですけど、今は実家に戻ったんですよ。実家にいることでお金の心配はなくなり、よく言われる“親のすねをかじる状態”だとは思うんですけど。それでまだ起業みたいなことをしていると、やっぱりすぐにお金が儲かる状態にはならないじゃないですか。
それでも助けがあるなら、その助けを借りながらいろいろ試す機会があったっていいじゃん、というか。それでもう親も死んで、どうしようもなくなったら、生活保護ということになるのかもしれないですが。
まだそういう状態じゃなくて、月3万とか4万ぐらいしか稼いでいないんです。でも、自分で考えたレンタルニートやプラモデル制作代行業でお金を得られることに関しては、すごく進歩しているなと思います。
若新:まさにその通りだね。
なかさん:バイトとか、どこかで雇われて命令に従ってお金を得るよりは、自分で考えた稼ぎ方でお金を得ていることに関しては、何年か前の自分から見たら、ずいぶん成長しているなと思うので。
よく、「そんなことをやっても、行きつく先は生活保護だろ?」みたいに言われるんですけど、ずっと現状維持をしているつもりはないし。一応次々に新たな試みをして、こんな商売をしよう、ということはやり続けているんですよ。つい最近も、中古品販売をやりたいなと思って、古物の許可申請を出しました。
この前、その申請の出し方をネットでちょっと調べて、警察署に行って書類を集めて提出してきました。つい昨日、その準備が整ったから取りに来てくださいと言われて、今度取りにいくんですけど。やれることをちょっとずつ積み重ねて進んでいる最中というのが、僕自身の状態ですかね。
川畑翔太郎氏(以下、川畑):なるほど……。どうぞ、アウターキーさん。
アウターキー氏(以下、アウターキー):はい。NEET株式会社に求めていることというか、期待していることがあります。自分がNEET株式会社に入った理由でもあるんですけど、自分が就職活動をはじめたときに、大学で最初に就職合同説明会があったんです。
そこに来た(学生たちが)、みんなスーツでずらっと並んでいる姿が、ものすごく無個性な集団に見えて、正直こわかったんですよね。「人じゃないな、この人たち」という感じがして。それで、「この集団に入っていきたくない」と心底思ってしまった。
川畑:気持ち悪いな、と。
森川剛氏(以下、森川):僕もそれ、気持ち悪いなと思いました。僕は高卒で、偏差値40ぐらいの学校で成績が400人中の下から2番目とかだったんです。大学に行けるレベルでもなく、いまだに分数の計算とかもできないぐらい。なので、僕もその日本の新卒というのは気持ち悪いってずっと思ってますね。
アウターキー:そんな感じで実際に会社に入って、本当にみんなで同じことをして、週休2日とかだと……。定年退職するまで、それこそほとんど休みなしで働き詰めになるということが、なんとなくわかっちゃったんですよね。実際に週休2日制のバイトを1年以上していたので、そこでもなんとなく察したんですけれども。
例えば学生のときの春休みや冬休みは、10日以上の休みが普通だったんですけど、バイトですら、週休2日制だと10日の休みはまずあり得ないじゃないですか。それが現実だと思い知らされたとき、ちょっと絶望してしまいまして。「こういう人生は送れないな」と心底思ってしまったんですね。
そのときに、NEET株式会社に、例えば10日休める仕事があってもいいんじゃないか、と自分は考えてるんです。日本に10日間の休暇をもらえる仕事があってもいいんじゃないか。そういう働き方のできる会社としてニー株(NEET株式会社)があってもいいんじゃないか、と自分は思ってるんです。
ニー株を起点にして、新しい働き方の価値観みたいなものをつくっていけることが私の希望というか、望みみたいなところがありますね。ニー株はぜんぜんそんな段階に至ってないので、まだまだ先の話なんですけど。
川畑:みんなが同じリクルートスーツを着て就活して入社して、「気持ち悪!」という。
アウターキー:そうじゃなくて、もっといろんな働き方のパターンがあってもいいと思う。
川畑:そうですね。ちなみに、脇本さんは就活も普通にやって、スーツばっかりの大企業に入った経験もあるわけじゃないですか。我慢できない人もいれば、(脇本さんは)それは気にはならなかった?
脇本桃子氏(以下、脇本):私はぜんぜん気にしなかったですね。
川畑:なにが違うんですかね。どっちがいい悪いとかじゃなくて、なんでこんなに感覚の違いがあるのかなと。
脇本:なんかけっこう、もともと期待値がそんなに高くなくて、すべてに「こんなものだな」と思っていました。
川畑:社会人になることに対しては、別に期待してない。
脇本:そうですね。すべてに対して、「就職活動ってこんなものだな」「入社してもこんなものだな」という感じで入ってきているので、そこにすごくギャップを感じたり、「うわー」とは思わないんだと思います。
川畑:なるほどね。
脇本:いいのか悪いのか、今まで働いていて、衝撃を受けたことがそんなにないですね。
アウターキー:はっきり(言ってもらうと)、俺が「わがままだ」ってコメントきてる?
(一同笑)
川畑:わがままではないんじゃないですか(笑)。
炎上男氏(以下、炎上男):アウトロー採用(注:フラットなコミュニケーションを重視して、参加者と企業の担当者は互いに大学名や企業名を出さずに交流し、そこで仲良くなれば選考に進む採用方法)なら、僕も1回やったことあります。
そのときに、カウンセリングみたいなものも受けて、「たぶん発達障害なんじゃないの?」とかいろいろ言われました。よくわからないなと思って、暑い中でペンキを塗るインターンとかいろいろ行ったんですけど、見事にぜんぶ滑って、結局入った会社がNEET株式会社というありさまで。
(一同笑)
今村邦之氏(以下、今村):いいじゃないですか(笑)。
川畑:プチ炎上させる(笑)。そっちで炎上させるんですか(笑)。
炎上男:軍隊みたいにみんなでエントリーシートを書いて、同じような就活をして普通の会社に入るという流れでも、普通に給料をもらえて、拘束時間が長くても普通に暮らしていけるんだったら、どっぷりその流れに乗っちゃうかな、と。
(もし自分が)普通に働いて普通に暮らせたら、なんも悩みもなくてのほほんと、ずっとじじいになるまでいったんじゃないかな、なんて(思います)。
川畑:なるほど。それがラッキーだと。
若新:「普通に」っていったら変だけど、疑いを持たず稼いで生活ができることは、それはそれで一つの幸運じゃないですか。だから、そういう立場に行けた人はやっぱりいいよね。いろんな巡り合わせがあるから、努力すれば全員必ず、一つのところにいけるわけじゃない。
(それが)人間が生きていく社会の難しいところで、個人として見れば、努力したほうが変わるかもしれないけど、努力がすべてを救うわけじゃないので。
アウターキー:安定して家族と幸せに暮らす社会というようなものが、わりと日本の一般的な価値観なのかなという気がしています。いつのまにか社会が、それを基準に形成されているような気がしているんですけど、たぶん自分はそれに価値をあんまり感じていない。
それよりも、たとえリスクのある人生だったとしても、自分のやりたいことをやりたいと思っているんですね。そう考えたときに、そういう価値観を持った人たちが生きるすべが今の日本にないんじゃないかなと思います(笑)。
森川:無気力だからニートってわけじゃないんですか? やりたいことがあるということなんですか?
アウターキー:そうですね。やりたいことがあるんです。だから、自分はゲーム開発をやっています。ゲームをつくって、それを売って自分の生活を成り立たせたいという、夢といえば夢があるんですけれども。それを実現するために、たとえニートとしてまわりから責められても、あくまでもその道を突き進んでいきたいという考え方なんですね。
脇本:なんかニートとフリーランスの違いが……。
森川:そう、聞くとけっこう普通だ、と(思いますね)。僕、パラレルキャリアで並行してお笑い芸人をやっているんですよ。芸人ってけっこうニートが多くて、それこそ一応フリーターみたいに週1で働いていたり。その(お笑い芸人志望の)人も、売れたくて就職をせずにやっている。
(アウターキーさんも)たぶん同じように、ゲームをつくりたくて、今の状況(になっているわけ)じゃないですか。そうなると、そんなに悲観するニートではないのかなって、僕は思ってしまう。そんなに討論することがなくて「いいんじゃない?」という。
(一同笑)
アウターキー:ただ、自分のやり方だと、それこそまわりに全部しわ寄せを押し付けてしまっている。自分は、両親が死んでしまったら生活保護で、みんなのお荷物になるしかないような人間なんですよ。
若新:それは荷物じゃないんだよ。仕方ないんだよ。別に君がそうじゃなくても、君の代わりにまた別に生活保護を受ける人が一定数いるから。だから、どちらかしかない。
なか様が俺に教えてくれたんだけど、生活保護を生み出さない方法もあるんですよ。ぜんぜん仕事ができないやつにも毎回月給15万払えば、生活保護を受けることにはならない。でも、会社としては、それでは組織が成立しないわけ。
「ぜんぜん働かないし、ぜんぜん生産性がない嫌なやつに、なんで15万払うんですか?」って、必ずなるじゃん。それはみんなが納得いかないから、会社としては採用しないほうがいいんだよ。
だけど、小学生で書道を書かされて毎回入選する人がいて、めちゃめちゃ努力してた人が入選してたわけじゃない? 習字がへたくそだったら、どれだけ努力したって、ずっとへたくそだから。そう思わない?
習字とかめちゃめちゃそうだと思いません? 習字なんて、上手に書ける人は上手に書けるんですよ。へたくそだった人も、めちゃめちゃ努力したら字がきれいになるかというと、向き不向きがあると思うんですよ。
川畑:(今村)代表は字がヘタですよね。
今村:なんでここで悪口なの?(笑)。
(一同笑)
若新:向き不向きがあると思う。努力して上手になるんだったら、歴代の総理大臣は絶対に習字を練習するんですよ。書道がへたくそな総理大臣はバカにされるわけです。毎年書き初めするし、どこかで書道をしなきゃいけないわけだから。練習してうまくなるんだったらうまくなるけど、ならないものはならない。
仕事も一緒で、それ(上達度に)は限界があると思うんだけど。「そういう人でもいいよ」ということで給料を払ってくれるんだったら、生活保護を受けなくていい。
会社からしたら、一定のレベルの仕事が得意な人、習字でいうと一定レベルのきれいな字を書ける人しか入れたくないわけじゃない。そこに永遠に入れない人は、しょうがないよね。運よく書道が上手な人に代わりに書いてもらうしかないので。
そうだ、字がきれいなやつがいたら、代わりに書いてもらったほうがいいじゃない。会社のなかでも封筒とかに宛名書くときに、字が汚い人は、代わりにきれいな人に書いてもらうわけ。
アウターキー:はい。
(一同笑)
森川:なんかあんまり(笑)。
今村:構造上はそうなんですけど、いざその個人目線でいうと、ちょっと、すごくギャップがありそうに思うんですけど。アウターキーさんから(どうですか?)。
若新:どうなんですか? 反論してください。
川畑:逆にちょっと、キャリアカウンセラーの視点も聞きたいなと思ってるんです。(UZUZは)キャリアカウンセラーとして、今までニートの方の支援をしたことがあると思うんですよ。
すごく印象に残っていたり、若干ネガティブでもいいんですけど、「いやいや、この発言はやめてよ……」という人っていました? そういう人はいるのかなと。
今村:うーん、まぁ……確かに、例が五万と頭の中にササッと出てきちゃうよね。面談していると、あのときのあの会話、とか。
川畑:はい。
森川:「ないものねだり」はけっこうキツイですね。
川畑:あぁ、そうなんですよね。今日、お話を聞いてると、言い方は悪いですけど、すごくちゃんとした考えを持ってる人しかいないなと思いました。でも、僕らがたまに面談させていただく方は、すごいことを言うんですよ。
アウターキー:なかさんの話を聞いてたりするとよくあるんですけど、例えば「こいつら絶対ニートじゃねぇよ」と言ってる人たちって、けっこういるんですね。「これ、TVで作ったヤラセだろ」とか。そういう意味で、やっぱり、わりとみんなニートというイメージが違うと思っています。
森川:ネオニートと普通のニートという階級がありますよね。
アウターキー:ただ、うちとなかさんは、さっき言ったニートの例の3番目以降なので(笑)。1番目、2番目の人たちは「働きたいけど働けない人たち」なわけじゃないですか。もっとなんか、アレですよね……それこそ、若新さんがさっき言っていたような感じなんだろうと思うんですよ。
脇本:(面談したニートの方の)印象に残ってる発言って、あります? 良いほうしか出てこなくて。
今村:いや、悪いほうもたくさん出るでしょ。
森川:悪いほうはやっぱり、他責が強い人ですかね。さっき言ったような、「親に言われてるから」「別に自分は就職しようとは思ってない」とか。
脇本:あぁー……。
森川:やっぱり、自分の市場観と市場価値がズレてるからだと思うんですけれど、「年収は何百万がいい」みたいなないものねだりになってしまう……。聞く耳を持たないというか。そういうのはけっこうキツイかな、と思ってしまいます。
炎上男:なんだろう。そういう人たちって、「とりあえず何百万」というのが抽象的な感じですよね。「働くんだったら、とりあえずこのくらいは欲しいな」という感じなのかなと。「自分が生活するのに毎日1万円ずつ使うから、365万円欲しい」とか、ちゃんと計算しているニートはあんまりいないんじゃないかな。
森川:うーむ。それは僕は、自分が歩んでいく人生だと思うので、生きていく上で知っておいたほうが良いかなと思っています。
若新:でも、別に収入に応じた人生を送ればいいんじゃない?
森川:そうですね。僕はそれでいいかなと思うんですけど。
若新:だから、やっぱり年収は設定されているんですよ。本当なら、そっち(納税する)側に来られる人には、稼いで税金を払ってもらいたいから。国は税金で運営されているので、国家を成立させるには税金がいると思うんですけどね。でも、やっぱりしょうがないんじゃない。繰り返しだけど、運動会の選抜リレーは全員は走れないじゃない。
(一同笑)
今村:そんな「外れた」「外れた」言わなくても(笑)。
森川:でも、アウターキーさんは、どっちかと言えば……。ごめんなさい、分けるとしたら、こっち(納税する)側に来たいと思っていて、自分でも稼げれば稼ぎたいとは思ってるわけなんですよね。
アウターキー:そうですね、まぁそうです。
若新:それは会社の社員になりたいの?
アウターキー:会社の社員と言うか、自分で稼げるんだったら別に、税金を払うことに何の問題もないので。
森川:あぁ、なるほど。
若新:それはそうだよね。
アウターキー:ただ、現状ではまだ払えないので……。
森川:それは、組織に入ることじゃなくて、個人で独立してやることを模索されてるから(働きたくないということ)なんですかね。
アウターキー:「組織に入ることがイヤ」と言うよりは、組織に入った結果、自分のやりたいことができなくなるのがイヤなんです。
川畑:なるほど。じゃあ、自分のやりたいことができる組織があれば?
アウターキー:あ、それはもう。
川畑:入りたいって思うんですね。
今村:カウンセリング的に言うと、自分のできることを増やすために、修行じゃないんですけど、やりたいこととは違う会社の仕事もやりながら「あ、気が付けばこれもできてる」という話もあるじゃないですか。そういうこととはちょっと違うんですかね。
アウターキー:それは実際に見てみないとわからないんですけど。例えば、それを自分で見てみたときに、「それは(自分のやりたいことと)関係ないな」と思ってしまったら、やっぱりやりたくなくなると(思います)。
今村:あぁ、そういうことですね。
森川:固定概念が強いんですかね。もしかしたら自分の視点だけで、ほかの視点で見たときには関係があることかもしれないじゃないですか。
アウターキー:そうですね……そこは、(僕を)説得してください。
(一同笑)
川畑:じゃあ、説得してもらえればOKっていう?
アウターキー:説得し(てもらっ)た上で、理解できなかったらやっぱり断ると思います。
若新:でも、自分の好きな仕事をすることは、みんな憧れるじゃない。僕は比較的、本当に好きなように生きてるし、相当好きなように働いてきたと思う。
なぜ僕が好きなように働けるようになったかと言うと、理由はたった一つで、僕はあり得ないくらい強欲なの。もう「自分の好きなように生きたい」という欲が、異次元なくらい高いわけ。
(一同笑)
そのせいで学校でもずーっと怒られ続けてきて。「あなたみたいな自分の欲が強すぎる人間は本当にダメだ」と言われてきたから。普通ムリだよ。まともに学校に行っていたら、「自分の好きなように働こう」という人間は育たない。
その中で、たまたま僕は自殺せずに、それでも「自分の好きなように生きるんだ!」という欲で、ギリギリ生き抜けてこられたから。それでたまたま稼げたり、大学の先生になったり、TVに出たりすると、すべてが良かったことにされているけど。僕はひと言で言えば、もう本当に「自分のことしか考えてない超強欲な人間」なわけ。
(一同笑)
今村:説教部屋かな?
若新:だから、堀江(貴文)さんもよく「自分の好きなように働けばいいじゃん」って言うじゃない。だからあの人も、僕と同じで、自分の好きなように働けるくらいのハンパない欲がある人だと思うの。
それを多くの人に持ってもらったほうがいいかと言うと、それはあんまり僕は……持てない人のほうが多いだろうし、持たなくてもいいと思います。
運はあったけど、すごい困難があるわけ。「ここはもうムリだな」というときに、あり得ない交渉とか、あり得ないお願いとか、あり得ない粘り強さを見せるわけですよ。なんで僕がこんなに粘り強くやれているのかというと、欲がハンパないわけ。
「もう死ぬ! これがもらえないと絶対ヤダ!」「あり得ない! 絶対やるぞ!」という。それで小さい頃、オカンになんて言われたかというと、「あんたは本当に、自分が欲しいものを手に入れるためだったらなんでもするのね。そんな人間は最悪ですよ」って、いっつも言われ続けたの。
(一同笑)
アウターキー:(若新さんの話を)聞いていて思ったんですけど、やっぱり自分は本当に、中途半端なんだなって。
(一同笑)
今村:おぉっと! 反省している!
(一同笑)
アウターキー:本当に昔から、自分で中途半端だと感じてきてるんですね。
今村:そうなんですね。
若新:「自分の好きな働き方ができます塾」みたいなものが、たまにあるじゃない。ああいうものはやっぱり全部やめて、本質を教えたほうがいいね。「強欲塾」とか欲の出し方、みたいにやらないと心が折れるもん。
炎上男:いや、でもなんか最近、悟りを開いたみたいな状態になっちゃって……。
(一同笑)
働くのに条件とかあんまり……いざとなったら、それこそ生活保護もあるし。未来があればそれでいいじゃん、というか。未来をゲットするために働いてるのかな、と思っています。
若新:それも素晴らしくて、そういう思想の国もあります。必ずしも日本みたいに豊かじゃなくても、幸せな人はいっぱいいるじゃない。
それぞれの地域や文化に密着した宗教があれば、仮に職場での立場や年収がなくても、自分の根源的な価値とか、魂の存在意義みたいなものは、たぶん宗教が保証してくれていたわけ。
日本に生まれ育って普通の家庭に育ったら、魂の存在意義とか感じないわけじゃない。だから、社会的な存在意義が失われても、宗教で魂の存在意義みたいなものを得られていた人はぜんぜん生きていけたんだよ。だけど今はない。
今はもう「年収いくらなの?」だったり。だから、「年収いくらなの?」とか「君はどんな人生を送ってるのか」という話のときに、「仕事はほとんどしていませんけど、魂のレベルはすっごく高いんですよ」と言われても、「この人ヤバい」ということになるじゃない。「私は魂的にはすっごい満たされてますから!」とか。
(一同笑)
川畑:スピリチュアルですね(笑)。
若新:国によってはそうなんですよ。家がボロボロで貧しくても、「私は魂がすごく充実していて、人間として産まれて生きていることに、とても安心感があって豊かです」という人が、「それは良かったね」と言われる地域とか文化もあるわけ。
だから、文明がぜんぜん発展していないような貧しい国でも、若者は生き生きと暮らしている。会社に入って、年収いくらもらって、どんなところに住んで……みたいなことがすべて、というような価値基準にいるから(生きていけなくなる)。
君(炎上男)の言うように、もう徹底的に「いや、働かなくても幸せになる」というような宗教的な世界観を作ればいいと思う。そこに行けば救われる、というようなね。
アウターキー:自分の場合、まさに自分の価値を、自分の目的にそのまま重ねちゃったんですね。今は「自分の目的のために生きるんだ、それがなくなったらもう生きる価値がないんだ」という感じになっちゃってるんですね。
今村:はぁー……。
川畑:でも、それキツイですね。
今村:追い込み。
アウターキー:ですから、自分の目的を奪われてしまったら、たぶん本当に自分は死ぬと思うんです。
森川:でも、ゲームを作りたいなら、1回ゲーム会社に就職してみればいいと思いますよ。失うものはないんだから、イヤだったら辞めて、またニートになればいいじゃないですか。
脇本:確かに。
森川:たぶん一般の人って、ニートになるのが怖いですよね。
アウターキー:でも(会社に)入ったら、なんか責任が出てきませんか。
川畑:正直、責任は多少出ますかね。
脇本:でも、また辞めれば。
森川:そうそう、自分で辞めればいいの。キャリアカウンセラーとしてはヤバイかもしれないけど、辞めればいいですよ、辞めればいい!
(一同笑)
だってそれは、ほかの人はできないんですもん。僕だったらニートになりたくないから(できない)。でも(ニートは)できるんですよ、ニートになれる。
アウターキー:でも、自分は本当にそれが嫌だと思ったら辞めちゃう人間ですよ。
森川:だから辞めちゃえばいいじゃないですか。
川畑:意外と入ってみたら合う可能性も。
森川:そういうこともあるかもしれないし、イヤだったら辞めてもいいという二択ですよ。
川畑:普通にキャリアカウンセリングが始まりましたね。
(一同笑)
今村:寄せるな、寄せるな!(笑)。
川畑:納得させようと、今すごくがんばってますけど(笑)。
アウターキー:優先していることがあるので、今はやらないです。
森川:あぁ、やりたいことがあるなら。
今村:僕はこの前、知り合った人に言われて、「確かにそうかもな」と思ったことがあって。「仕事の知識とか経験って、人生に深みを与えますよね」という話をしたんです。それまでは仕事って、どちらかと言うと、最低限お金を稼ぐ目的とか(だと思っていました)。
確かに、仕事をやって(いるおかげで)、今回みたいなこういう場を設けられたり、仕事がうまくいかなかったら「酒飲んで愚痴言うか」みたいなこととか。昨日、(UZUZ社員の)沙来とかと飲みつつ、ちょっと「じゃあカラオケ行くか」とか。
川畑:カラオケ行ったの?
土田沙来氏(以下、土田):行きました(笑)。
今村:そういうふうに、仕事をしてなかったらなかったことがけっこうあるなと思っているんです。
若新:今村さんのおっしゃるとおりで、僕らが社会に所属してなにか活動することの意味はいろいろあると思うんですよ。
今おっしゃったように、いくら稼げるかじゃなくて、その仕事をしたことで人生に深みが生まれるとか、出会いがあるとか、生きがいを見出すということはとても重要です。だから、できることなら働きたいと思うんですよ。
なかさんは、月収3万円でそういった経験ができてるんですよ。今村さんの仕事も当然できてるでしょうし。とくに経営者は、やっぱり裁量も責任も大きいから、実際に仕事の深みは増すと僕は思う。それをなかさんがニートでもできる範囲で作ったことは、価値があると思います。
土田:確かに。
若新:つまり、年収240万円以上の仕事をすれば、初めて仕事に深みが出るんじゃなくて、自分で納得してがんばって、「この人のためにやろう」ということで仕事をしているわけじゃないですか。それはプラモデル代行かもしれないし、納期のないゆるい仕事かもしれない。
でも、その仕事で相手に喜んでもらって、連絡をとって出会って、一緒に活動して……ということで、「あぁ、人生っておもしろいな」「この人と出会ってよかったな」という深みが、彼の中で生まれていると思うんですよ。
人生における深みや学び、気付きというものは、幸福にとても関係していると思うので、それ(仕事)はやったほうがいいと思うんですけど、ちゃんと就職して、週5日以上働ける段階までいかないと仕事にありつけないのは、ちょっと問題があると思うんです。
川畑:なるほど。
若新:NEET株式会社の社員たちは、もう年収1万円でも5,000円でも1,000円でもなんでもいい。週休6日だろうが、月休25日でもなんでもいいんです。できるところから働いて、「あぁ、社会の中で活動すると学ぶことや深みが生まれるな」ということが経験できればいい。
なかさんがそれを始めているのは偉いと思う。ニートのできる範囲で生きがいを作る、という。だからもう、月給3万円が「意味ないじゃん」と言っている人は、ほうっておいたほうがいい。(そういう人は)仕事がなにかをわかっていない。
(一同笑)
今村さんがおっしゃったとおり、仕事の価値は、その活動を通して深みが生まれること。人生の価値が深まっていくことは、とても大事です。だから、きっとなかさんの3年間は、そういう意味でとても深いものだったよね。たぶん、それをいつまでたっても「月収3万だからダメだ」という評価しかできないから良くない。そう思うんだけど、なかさん、どうなの?
(一同笑)
川畑:絶妙な表情してますね。
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