音楽業界からエンジニアへ転身した浪川氏

浪川舞氏(以下、浪川):みなさん、こんばんは。Women in Technologyの浪川と申します。今日は当イベントを主催しているWomen in Technologyという団体について、最初に少しだけご紹介できればと思います。今、素晴らしく緊張していまして、そこにいる代表の小沢に「どうしよう緊張しているんですけど」と言ったら、「最初にひと笑いとれ」と言われました(笑)。

むしろ、それがすべったら、たぶんこの後なにも喋れなくなるなと思ったので、ちょっと笑いは止めておきます(笑)。暖かい目で見てください。私は自分がエンジニアなので、ふだん広報や人事の方の前で喋る機会があまりなく、アウェイ感が甚だしいのですが、今日の参加者のみなさんがすごく優しい方でよかったなと思っています。

先に私の自己紹介を簡単にしたいと思うんですけども、実は私、大学時代は音楽大学でピアノを専攻していまして、新卒の頃は音楽系の企業に入り、演奏活動などをしていました。

今から4年前の2014年にIT企業に入社して、基本的にはJavaをメインに、サーバーサイドのエンジニアとして働いています。今はTech Fun株式会社という会社にいるんですけども、そちらでeラーニングやIT教育のマーケティングをやらせていただいたりしています。あとはシステム自体のバグ改修などを主にやっています。

Women in Technologyがどういう組織かというと、「ITの人材不足を女性エンジニアの観点から課題解決しよう」という取り組みをしています。この女性エンジニアの観点というのは、女性にこだわっているわけではなくて、まずきっかけとして女性から始めようということで、今、私たちは女性を中心にアプローチをしています。

IT人材の不足に関しては、もちろん女性だけの問題ではなくて、女性も男性も同じことだと思いますので、まずそれ(女性エンジニアを増やすこと)をきっかけに(解決への取り組みを)していければと思っています。

私たちが目指す世界について、簡単にかいつまんでお話ししますと、まず女性エンジニアが生き生きと働ける環境づくりを進めていきたいと思っています。

また、私たちはメンバーのほとんどがエンジニアですので、エンジニア同士のコミュニティを支援するところでも活動していきたいと思っています。今エンジニアではない女性や、エンジニアという職業すら知らない女性も多くいると思うんですけれど、その女性たちがエンジニアとして働く選択肢を持ってもらうことを目的にしています。

コミュニティを活用してエンジニアを続けられる環境をつくる

浪川:今の話を簡単に図にしたんですが、まずエンジニアになりたい女性がいたときに、WITY(ウィッティー / Women in Technology)の活動の中で、学習をフォローする仕組みを取り入れています。

そこでフォローした人たちが実際にエンジニアになった後、せっかくエンジニアになったのに、1年やったら辛くて辞めてしまったという話をよく聞くので、そこで技術コミュニティによる支援をしていこうと思っています。

またメディアもこれからつくる予定がありまして、そちらでエンジニアの情報を発信することで、また新たにエンジニアになりたい人たちを発掘するという図を目指しています。

取り組みについてさらに詳しい説明をさせていただきたいのですが、採用支援に関しては、まずWITY Studentsというサービス名で、企業と学生向けに展開していく予定です。

まずはマッチングをメインにしておりまして、就活中の学生と企業の適正を診断してマッチングするイベントを企画しております。

エンジニアのキャリア支援という点では、先ほどのコミュニティとのコネクションを提供しようと思っています。私たちはWITYという団体に入っているんですが、それ以外にもJava女子部であったり、TECH PLAY女子部であったり、運営メンバーがそれぞれの技術コミュニティに入っていますので、それらとのコネクションの場を提供したいと思っています。

最後に、ITエンジニアの情報発信というところでメディアをつくっていく予定です。メディアが立ち上がるまでは、各々コミュニティでアウトプットしたり、エンジニアでない方はもしかしたら知らないかもしれないですけれども、Qiitaなどで技術情報を発信しているので、それを続けていきたいなと思っています。

最後に、私たちから伝えたいことは、「テクノロジーで輝く毎日を目指していこう!」という気持ちです。今日のイベントでも情報発信のお手伝いをさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

司会者:ありがとうございます。

レスリング選手、教師、多彩な経歴を持つテモナCTOの中野氏

司会者:次に「ないものはない!開き直りから始める技術広報」というところで、テモナ株式会社取締役CTOの中野様からお願いいたします。

中野賀通氏(以下、中野):みなさん、こんばんは。

会場参加者:こんばんは。

中野:今日は大変緊張しているんですけれど、社内の広報に「失言だけはしないように」と言われてきたので、あった場合はカットでお願いします(笑)。

(会場笑)

中野:はい。よろしくお願いします。私はテモナ株式会社の中野と申します。下の名前を賀正の賀に交通の通と書いて、ガッツがあるようにと名前を付けられたので、ぜひ気軽に「ガッツさん」と呼んでいただければうれしいです(笑)。

(会場笑)

中野:今日のアジェンダなんですが、はじめに本日の概要、事例の紹介、たぶん時間の関係でカットしてしまうかもしれないですけれど、最後に質問タイムというかたちで進めていきたいなと思います。よろしくお願いします。

では、改めて自己紹介ですね。テモナ株式会社の中野と申します。学生時代はレスリングをやっていまして、部活仲間には実際にオリンピックやK-1に出ているような人たちがいるような感じでした。今日は、プロレスを観戦しにいく仲間もイベントに参加してくれています。

ファーストキャリアで学校の先生を4年ほど勤めた後、上場直後のベンチャーにエンジニアとして参画して、その後はクラウド事業の立ち上げとか、国内のマーケティング基盤のプロジェクトとかに、PL、POみたいなかたちで入ることが多くありました。

今はCOO兼CTOみたいな感じで、セールスとかマーケティングとかも見つつ、テクニカルも見ているような状態です。

会社自体はテモナ株式会社と申しまして、細かい話は今はいいんですが、東洋経済掲載の「経常利益がケタ違いに伸びるトップ100社」で、日本で6位に入っていた会社でございます。

急成長をとげる企業の技術広報として着目することとは

中野:メインの商品自体は「たまごリピート」という通販システムです。定期通販でいわゆるサブスクリプションコマースを行うための通販システムを、クラウドで提供している会社でございます。

本日の概要として、技術広報もやり始めて苦節3年ぐらいです。本当にやったことを1から全部紹介するようなかたちでお伝えできればなと思います。さっそくですけれど、みなさん「あなたの思う技術広報って何でしょう?」。いきなりプレッシャーがかかる感じで指してもいいですか? ほら、みんな目線を合わせなくなりました(笑)。

(会場笑)

中野:ほら誰も合わせない(笑)。じゃあどうですか?

観客A:エンジニアリング広報ということで、今、ITエンジニアの方が非常に不足しているので、「いかに自社で働くことが魅力的か」を上手く広報することだと思っています。

中野:いきなりすみません、ありがとうございます。こんなに指しまくってたら、みんなぎょっとしてしまうと思うので、いったんこういう茶番みたいなところは終わりにしたいと思います。

僕の思う技術広報は、今おっしゃったように、やっぱりPRと呼ばれるようなブランディングの部分、あとはマーケティングの部分です。「うちはこんなふうですよ」ということですね。

あとブランディングは、やっぱり相手に「あなたは〇〇です」と思ってもらいましょう、というところに合わせて、技術や文化を組み合わせたものが技術広報かなと思っています。

実際にわれわれがやったことは、3年半ぐらいでエンジニア3人から、だいたい今は36人ぐらいのチームになっています。

本当に1からやっていったことを順番に紹介して、みなさんに持って帰っていただきたいなと思います。

インナーブランディングの大切さ

中野:やったことの1つ目として、まず「技術広報に関するステークホルダーは誰か」をしっかり社内で議論しました。われわれの場合ですと、顧客でいうと定期通販事業者。採用に関していうと、新卒、第二新卒、中途みたいなところです。

社員に関してはテクニカルと他部署というところで、「インナーブランディングを含めてやっていきましょう」ということを定義しています。ここは実際に、KPIとかKGIとかを持つような部署を含めて関係者が集まって、KJ法みたいな感じでみんなでブレストして出して、それをマインドマップにまとめる感じで最初はやってます。

この工程が、社外向け技術広報としてすごく大事かなと思っています。社内でのこういう活動は、なかなか理解が得られないと思うんですね。でも、みんなの頭の中を一致させて、結果としてその活動をします、ということが明確に伝われば、みんなから「あいつはなにか、金にならないことをやってるんじゃねぇよ」とは言われなくなります。そこが重要かなと思います。

それから、やったことの2つ目。ステークホルダーに対してのUSPは何か。Unique Selling Propositionと言われるような、こういった言葉なら刺さるというものですね。ざっくりとしたUSPで言うと、「われわれは顧客に対しては、定期ならではの特殊な機能を有したサービス。採用に関しては新卒、未経験OKです」みたいな感じです。

われわれのエンジニアの組織は、8割5分ぐらいが文系未経験の新卒という組織になっています。社員に対しては最先端な実需要がありますよ、しっかり採用していくぞ、というのをインナーブランディングとしてやっています。ざっくりとしたものを決めた後で、具体的なUSPというかたちです。

具体的な機能は、どういったところが特殊なのかとか、採用としてどういったところをがんばってやっていますといった話をまとめています。

社員に対しては、普通の会社だとあまりやらないようなことも体系的に勉強会をしたり、教育コンテンツを作っていますよ、というところを出しています。

この辺は自分たちの会社をよく分析して、何をUSPとして表に出すかをまとめていただければいいなと思います。

露出する内容を常に考えて注目される広報をつくる

中野:3つ目は、具体的なチャネルを決めた後に、4半期ごとのテーマ、ストーリー、露出内容を決めていきます。チャネルを決めるというのは、オフラインなのかオンラインなのか。Face to Faceで会うようなイベントなのか、インタビューなのか。あとはオンラインでの技術発信なのか。そういったところをやっていくと思います。

これは普通あまり意識しないと思うんですが、僕は大事だなと思っているのが、4半期ごとのテーマ、ストーリー、露出内容やテーマの時系列を含めて、ギュッと固めて合わせることなんですね。

例えば、あるお店に飲みにいきました。その人が1週間のうちに3回来たら、常連になれるじゃないですか。でも、3ヶ月に1回しか行かなかったら顔も覚えられないですよね。そういう話です。なので、4半期ごとにテーマを決めて、ストーリーを決めて、露出する内容を意図的に固めて表に出していく。これをぜひやっていただきたいなと思います。

テモナの場合は、今でこそ上場してたりしますけど、当時は13人ぐらいの組織で、誰も知らないし、やってることはECで地味だし、何も興味(をひくもの)がない状態だったので、とがり(得意な部分)を先に出していくようにしていました。

マインドマップで各エンジニアとか業界とか、どういう人に何をというのは体系的にまとめるんですが、僕らは最初にオフショアの開発を得意としていたので、その部分を意図的に表に出すようにしました。その後に、アジャイル開発とかプロダクトの開発のやり方を体系的にやっているので、その内容を出していく。

さらに、その後に(独自性のある)変わった文化や制度みたいなものを出して、最後にやっと、人としてのストーリーや、チームとしてのストーリーを出していくようにしています。みんなに注目してもらったり、取り上げてもらうことはどうしても必要なので、「他とは違うよ」ということを表に出していくために、最初のとがりの部分を伝えるようにしています。

表に出た後に続く内容で、会社を知ってもらうところにストーリーがあるのかなと思っています。あとはKGI、KPIの設定で、これはやっていない会社もありますね。