プロジェクトマネジメントがうまくいく「バーベキュー理論」とはなにか

著者と語る朝渋『どこでも誰とでも働ける--12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール』 #3/6

2018年4月20日、BOOK LAB TOKYOで早朝に開催されている会員制朝活コミュニティ「朝渋」の人気企画「著者と語る朝渋」にて、『どこでも誰とでも働ける--12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール』を上梓した尾原和啓氏が招かれました。今回は、メンバーそれぞれが得意分野で役割分担できる「バーベキュー理論」を軸に、きっちり価値を出していける働き方について尾原氏が語ったパートをお送りします。

苦労してるなと思ったら、それは好きじゃない

尾原和啓氏(以下、尾原):たまたま僕はありがたいことに、人にモノをわかりやすく説明するというお金になる能力と、インターネットが世の中を変えて、より自由にするという自分に掲げたミッションが一致したから、生きがいになっているだけで。

だから、自分がたきつけといて言うのもなんなんですけど、生きがいと全部を重ねようとするからしんどくて、別に金を稼げる中じゃなくても、自分が趣味でやってることの中に、絶対に時間を忘れてやってるなにかがあるはずなんだよね。

単純に言っちゃうと、好きの見つけ方って簡単です。「苦労してるな」と思ったら、それは好きじゃない。だとしたら、自分がやってることの中で「苦労してるな」と思わないところを分解していくんですよ。

例えば、自分がテニスとかをやってる時に、下手なんだけど、「練習はなんか嫌いだな。でも試合やっててギリギリ競ってる瞬間好きだな」とか、「そこ、なんか時間忘れてるな」とか。

もっと言うと、「テニスもシングルスでやってる時はなんか飽きてくるんだけど、ダブルスでやってて、なんかアイコンタクトみたいに連携ができた時に、すごく感じるな」という話だったら、その人は結局「誰かと一緒になにかを打ち超えるのが、たぶん自分の好きなんじゃね?」と、わかってくるかもしれないですよね。

これが1回わかったら、「じゃあ、これ、仕事の中に転写できないんだっけ?」と考えた時に、実は自分というのは、仕事の中でも自分が中心になるんじゃなくて、「誰かヒーローになるビッグサーブ打ってくるやつをさりげなくサポートして、でも、おいしいところでボレーでバシッと決めるみたいな。ごっちゃんゴールができるのが好きなんだ」みたいな。「じゃあ、そういう仕事って何だろう?」というふうに考えていけばいいわけで。

だから、仕事の中に好きを見つける必要性はないので、自分がやってることの中を分解して、分解して、分解して、「時間を忘れることは何なんだろう?」というのを考えていくのが大事だと思いますよね。

ぶつかり稽古でランダムを増やす

井上皓史氏(以下、井上):最近ライスワークしかないという20代も多いなと思ってるんですよ。月から金は朝9時に行って、就業が終わって、残業してから帰る。土日は寝るだけみたいな人もいる中で、コミュニティだったりボランティアだったりが好きを見つけるきっかけの1つになるよというのが、本にも書かれてたと思うんですけれども。尾原さんもTEDxTokyoで裏方をやっていたりとか。

尾原:はい。

井上:そういう中で、どういう判断でTEDxTokyoを選んだのか、エイヤッでおもしろそうだから飛び込んだのかで言うと、どうなんですか?

尾原:そんなの簡単で、まずはランダムを増やすことですよね。

井上:うんうん、なるほど。

尾原:Tシャツにも書いてるけど「雑に生きる」っていうのが。

(会場笑)

井上:知らなかった!(笑)。「雑に生きる」。

尾原:単純に言ってさ、さっき言ったように、仕事ってどうしても目の前で評価してくれる人が決まっちゃうからさ。どうしても、その中で好きを見つけるバリエーションって減っちゃうじゃないですか。当たり前ですけど「そんな社員3年目なんかで仕事なんか選ぶな、クソ!」っていう話で。

(会場笑)

井上:はい(笑)。

尾原:「まずはてめーのお給料をきちんと稼げるだけの、ちゃんとベネフィットとかメリットを、クライアントとかお客さまに提供してから四の五の言え」という話なので。

だから、その中で好きが見つかればいいけど、見つかる可能性のほうが少ない。だとしたら、自分の残った時間の中で好きを増やすには、いろんなぶつかり稽古を増やすことですよね。

井上:おもしろそうと思ったらすぐにイベントに行くとか、なにか参加するとか。

尾原:とくに大事なことって、自分が好きなことや得意なこととかで、人から「ありがとう」って言ってもらえることって、自分で気付けないことが多くて。なぜならば、自分が得意なことで、人から「ありがとう」って言われやすいことって、自分にとっては当たり前だけど、人から見るとやるのが難しいことなんですよね。

井上:価値がありますよね。

尾原:なぜかというと、その本の中でも書いてるんですけど、「ありがとう」って言葉って、漢字で書くと「有ることが難しい」って書くから、人の「ありがとう」なんですよね。

つまり、なにかをしてもらった人が、自分がこれをやろうと思ったら、3日、4日かかっちゃう。ないしは自分にはスキルがないから、やろうと思ったら、勉強したりして、2年ぐらいかかっちゃうことを、他の人がやってくれたら、自分にとっては「有ることが難しい」ことをやってくれたので、「ありがとう」って言うんじゃないですか。

でも例えば、本の中にも書いたけど、リアルタイムで議事録を書くことだったりとか、目の前にいる僕が大好きな友達が困った時に、「誰々と会ったほうがいいよ」とか、「そのビジネスって型がこれだから、ここだけ気を付けとけば他はなにも気にしなくていいから」なんて、5分で言えることなんですよね。僕にとっては。

それって何かっていうと、僕にとっては空気みたいなものなんですよ。呼吸みたいにできるから。でも、呼吸みたいにできるってことは、逆に言うと、自分の呼吸の仕方なんて意識しないですよね?

井上:そうですね。苦じゃないですもんね。

尾原:だから、やっぱり自分では、人から「ありがとう」と言ってもらいやすいことってわかんないんですよ。なので、ランダムを増やす。

バーベキュー理論とはなにか

尾原:いろんな人といろんなことをやってみると、実は自分が営業として、相手の売りたいもののアピールポイントを情熱的に語ることがすごく得意なのかもしれないし、人によっては、一晩かけてもいいから資料をまとめて、「どこが一番大事なんだ」と言えることかもしれない。そういったことって、自分では当たり前すぎて気付かないけど、いろんな人といろんなことをやってると、それに気付けるんですよね。

例えば、「TEDxTokyo」みたいに、いろんなバックグラウンドの会社から来た人が、短期間でなにか成果を出そうっていってプロジェクトをやる。そういう瞬間って、もう期日が決まってるから、お互い得意なことを無意識に探し合って役割分担していくんですよ。

そこで最近僕、「バーベキュー理論」と言ってて。バーベキューってすごくいいプロジェクトマネジメントなんですよ。

井上:はい(笑)。

尾原:バーベキューって、一定の時間においしいバーベキューをみんなで食べよう、っていうプロジェクトじゃないですか。しかも「モテたい!」という大事なゴールがあるよね?

井上:男女の交流があるんですね。

尾原:あれ? 「うん」って言ってくれないの?

(会場笑)

そうするとみんながそれぞれ、他の人に比べていいとこを見せなきゃというところを探すんですよ。しかも、会社と違って「おまえ、これな」「おまえ、あれな」という(役割分担)はないから、周りを見て「俺が活躍できる仕事はどこなんだろう?」と考える。

場合によっては、俺は地道に皿を洗うよという背中を見せ続けることで、「あの人、普段はチャランポランだけど、本当はすごく真面目ないい人かも」みたいに思わせたり。「いや、魚さばくのめっちゃすげーよ、俺」みたいなところだったり、他の人と違う少し得意なところを、お互いに探し合うわけじゃないですか。

こういう行為が、バーベキューやTEDxみたいな、短期間でなにかのゴールに向かってやろうというボランティアプロジェクトに多いんですよね。

井上:なるほど。

尾原:例えば、街の中でちょっと猫が繁殖してきてるから、ちゃんと去勢してあげて、街の猫として飼ってみようよみたいなプロジェクトでもいいし、いろんなものが転がってる。

もっと言うと、インターネットだとオンラインでできるし、ありがたいことに俺の時代と違って、インターネットって男女の比率がすごく良くなってきてるから(笑)。オンラインの中に、バーベキューっていっぱいあると思うんだよね。

(会場笑)

尾原:だから、オンラインの中のバーベキューを探して、いろんなところでやってたら、「意外と俺の役割、ここでウケんじゃん」みたいなことがわかってくる。少なくとも他の人から「ありがたい」って言われることがわかるわけですよ。そうすると、「じゃあ、それが俺は本当に好きなんだっけ?」という話で。

僕みたいにたまたまそれが好きと一致して「ヤッター!」っていう人か、林(修)先生みたいに「いや、俺は嫌いなんだけど、そっか、そこが稼げんのか。わかった」という人か。でも、大事なことは、好きじゃないけど得意なところが見つかったら、そこにフォーカスすれば、自分の価値は高まるわけですよね。そうすると、一番短時間でライスワークを終わらせることができるわけですよ。

夜に資料を作って昼はずっとツイート

尾原:要は林先生っていうのは、(教えるのは)好きじゃないけど、あれをやることで自分が本を読む時間が一番増えるんですよ。なぜならば、一番得意で一番お金を払ってもらえるから、授業にキュッと専念すれば、残りの時間はすべて自分のライフワークにあてられるわけですよね。

例えば、この前もけんすうと話したんですけど、けんすうとか僕とかって、基本人間のクズで。

井上:いや(笑)

(会場笑)

尾原:1日中ずっとツイートしてるんですよね。Facebookでポストしたり。あ、けんすうって「nanapi」という会社をKDDIに売り抜いたカッコいい男なんですけれども。彼がリクルートに入ってきた時に、あまりにもTwitterをやりすぎるから、上司に「ちょっとさ、おまえ、Twitterやりすぎじゃない?」って言われたら、「僕はTwitterの合間に仕事をやってるんで」と。

(会場笑)

尾原:どうしようもない人間ですよね。でも、なんで彼がそれを言えるかっていうと、彼には「好きじゃないんだけど、会議が終わってそれを資料としてまとめる時に、どこが要点でどこが足りてないかを明確にする能力」がすごく高いんですね。

しかも、彼ってずっとブログを書いてるから、人にどういうふうに伝わるかとか、物語として、なんかチームでみんなでやりたくなるようなナラティブ(物語的)な書き方をすごくできる。

彼が資料をまとめると、みんなが「俺はここをやんなきゃいけない」というふうに、ものすごく熱意を持って足りないところを埋めようとするから、彼が1人いるだけでプロジェクトがむちゃくちゃ早くなるんですよ。

でも、実は彼がやってることって、会議が終わった後に、夜ウーンっていって、1〜2時間資料をつくることだけで。それでも、彼がいると仕事が早くなるから。

井上:循環させるんですね。

尾原:うん。昼間はずっとツイートしてる。

(会場笑)

仕事は各フロアを2時間グルグル回るだけ

尾原:実際僕も同じで、例えば僕がリクルートにいた時って、54個のネットのサービスがあって、そのうちの47個を横断してネットのマーケティングを見るというのが、僕のミッションだったんですね。

そうなってくると、1個1個をチューニングすることよりも、「いや、こっちでやってた新しいテクニックをここで使えますよ」ということのほうが、ずっと進化が早くなる瞬間がいっぱいあるわけですよ。だから、僕が何やってるかっていうと、毎日毎日、各フロアの喫煙ルームで仕事してて。

井上:へぇ! そうなんですか。

尾原:ずっと回ってて、なんか机の上に見たことのない新しい資料が置いてあったら、「これ何やってんの?」みたいな話で。

井上:フラフラするような(笑)。

尾原:各事業部でやってる新しいやり方を、こうやって取っていくわけですよね。それを見たら、「これ、誰々さんもやってたから、あの人としゃべるといいですよ」みたいなかたちで交流する。だから、僕の場合は1日1時間ぐらい全フロアをグルグルと回るという徘徊を決めてて。

井上:徘徊が仕事なんですか(笑)。

尾原:あと1日2時間くらい各フロアの喫煙ルームにいると、だいたいこの時間にこの事業長がタバコを吸いにくるのがわかるから。そうすると、事業長が「あ、尾原いたか」って。「そりゃ、おまえがいるころに来たから」っていう。

(会場笑)

井上:計算してるんですね(笑)。

尾原:そこから、「あれ、どうかな?」とか、「どうせおまえ、取締役会の内容きいてるんだろ?」「いや、まあまあ」みたいな感じで話をして。

そういうわけで、なぜか僕が一番、事業部それぞれのメンバーがやってる新しいプロジェクトや、事業長が何を考え、何を企んでいるかがわかってるから。1日2時間グルグル回るだけで、他の仕事は僕の右腕とか下にいる、僕のダメなところを全部わかってくれてる人がサポートしてくれるので、ここ2時間だけ回れば、あとはTwitterしてても別にOKになるわけだよね。

そういうふうに、ライスワークっていうものも、実はライフワークと一緒じゃなくても、しっかりわかってれば、そこにフォーカスすることで自分の会社の中でも、きっちり価値を出せるようになってくるので、そういったものをどうやって探していくか。ただ、1~2年目の社員なんてそんな得意なところなんてないから、「とにかく目をつぶって、しゃにむに結果を出せ!」て感じはそうなんですけどね。

井上:そうですね。

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