「みんなにガールフレンドをつくってもらいたい!」 従来の100倍の星が見える"大人のプラネタリウム"をつくったワケ

星に届いた夢: 大平 貴之 at TEDxTokyo #1/2

これまでの100倍、2200万個もの星を映し出すプラネタリウムを創りだした大平貴之氏。「ガールフレンドが欲しい」そんな身近な夢から始まった挑戦は、今では「多くの人にガールフレンドを作らせる」という野望に変わりました。プラネタリウムは子供が見るものから、大人が楽しむものへ。新しいものを世の中に問い、新しい文化をつくっていくことの重要性を説きます。

肉眼では見られない2200万個の星

大平貴之:здравствуйте меня зовут Такаюки Охира.(こんにちは、私の名前は大平貴之です)

とまあロシア語で挨拶してみたんですけども、なぜかというと実は一つだけ理由があって、ちょうど今、ロシアで僕のプラネタリウムの設置をしています。まあそんな仕事もあってちょっと挨拶してみたんですけども。ちなみにロシア語がどうとかいうことじゃなくて、英語は残念ながらあんまり喋れないので、日本語でいきたいと思います。

さあ、これから本題なんですけども、よく星の数ほどっていう表現をしますよね。たくさんのもの。じゃあ実際に何個ぐらいの星が見えるのか。星の数は何個か。それをちょっとお話ししたいと思うんです。

東京の渋谷、ここで見れる星ってどのぐらいでしょうかね。だいたい実は10個ぐらい。まあ10個から20個ぐらいと言われています。一等星がかろうじて見えるぐらい。本当に少ないですね。これ、街明かりのせいなんですけども。

これが例えば川崎や横浜、ちょっと郊外に行くと、数百個に見えてきます。ここにですね、少し星が見えてきますけども、オリオン座、少し見えますかね。ちょっと後ろスクリーン見えないかな。

さあ、それではさらに星の数を増やしていって今度は、山奥行ってみましょう。富士山。そうすると、見える星の数は6000個から9000個になってきます。そのぐらいになると、本当にたくさんの星が見えますね。

で、今までプラネタリウムっていうのはね、いろんなところにありますけども、そのプラネタリウムで見える星の数っていうのが、大体そのくらいです。だから、プラネタリウムって今までそれで十分だと思われていたんですね。

ところが、僕が作ったプラネタリウム、メガスターは、星の数が何個かというと、2200万個。2200"万"個。「え!? どういうこと!?」って皆さんは思うかもしれません。実はそんなたくさんの星を映すっていうのは、とても大切な意味があって、宇宙にはそれだけたくさんの星があるっていうことです。肉眼では見えない星までどんどん映していくと、そんな数になるし、宇宙には星がもっとたくさんあります。

プラネタリウムを子供のものから大人のものへ変える

じゃあなぜそんなプラネタリウムを作ったのかというお話をしていきたいと思うんですけども、ちょっと写真が出てきました。

この左の方のちょっとこんな風に(手を顔に当てながら)やっている子供がいますね。これが小学校4年生の時の僕です。

その時にプラネタリウムに興味を持ったんですね。うちの近所には立派なプラネタリウムがありました。鉄アレイの大きな投影機から映し出される綺麗な星空。で、僕は工作が好きだったんですけども、あんまり成績が良くなくて、学校ではどちらかというといじめられっこでした。でも、プラネタリウムを作って、「わぁー!」って言えば、ガールフレンドが出来るかもしれない。モテるかもしれない。そんな風に思ったんです。

そして、作ろうと思ったんですけども最初はボール紙で簡単なプラネタリウムを作りました。それがこれです。ボール紙で筒を作って穴をあけて星を映すだけ。

そうすると(下の画像のように)ボンヤリとした星が映りました。

でもこれではとても満足はいきませんでした。科学館のあの大きなプラネタリウムとは全然違う。それで、仕組みを調べてみると、大きな違いがあることがわかりました。左がピンホール式。僕が作った方法です。豆電球の光をそのまま空に映す方法。そして右が、レンズ投影式。電球の光をレンズを通して焦点を結び、くっきりとした星を映します。

これを自分で作ろうと考えて、小学校6年の時に設計図を書きました。それがこれです。

これを途中まで作りました。レンズも集めて、途中まで作ったんですけども、残念ながら小学生には形にすることができませんでした。それで、どうしようかなっていろいろなプラネタリウムを作っていったんですけども、そんな途中で高校生の時にすごい星空を見ました。これ、オーストラリアです。

オーストラリアでは天の川が真上に見えて、そして見てください、このすごい星。これ全部一個一個星です。空を埋め尽くす星が頭の上に広がっていました。そして天の川、光の本当に帯のようなものが見えますけども。

これを見た時に僕がもう一つ気づいたのは、今までのプラネタリウムの理想と思っていたあのすばらしい星空も、それですら、本物にはまだまだ届いていなかったという事実です。

そこで、僕はプラネタリウムをさらにすごいものを作ろうと思いました。そして、大学生の時に作ったのがこちらです。

学生の時に文化祭で公開しました。でも、これはあんまり長く使えませんでした。台から転げ落ちて「ガシャーン!」っていうわけですね(笑)。

女の子にモテたいという夢と一緒に、砕けて沈んでしまったわけです。理工系でね、女の子全然いなくてですね、まあそんなことはどうでもいいんですけど。そんな話をするためにここに来たんじゃございません。しかしですね、僕はめげずにさらにすごいものを作ろうと思いました。

そして自宅にですね、直径1万分の7ミリっていう超精密な穴を毎秒50個の速さで空けられる、レーザーを使った装置を自力で開発しました。

世界で1台しかありません。見てください。この後ろのふすま。生活感とのマッチングが何とも言えない。まさに部屋で作っている、こんな感じなんですけどね。

そして、できました。メガスター。ジャーン! イギリスに持っていって、そして星空を写しました。持ち運びができるんですね。そして、これがまさにオーストラリアの星空を再現してみせた時のスライドです。

映し出せる星の数、今までのプラネタリウムと比べると全然比較になりません。100倍。左が従来。右がメガスター。

そして、これを切り替えて、比較してみましょう。これでも十分綺麗な星空なんですけども。これをメガスターに切り替えていきましょう。このように沢山の星が見えることによって、宇宙の奥行が表現されて、本物に近づくということが、わかったんですね。このメガスター、いろんなところで上映がされました。

ちなみに、僕の作業部屋、ここです。

この作業部屋で作ったプラネタリウムをこんな場所で上映することになりましたね。これプラネタリウムバー。こういったところで上映するようになりました。

そしてお客さんからお手紙をもらいました。女性から。「素敵すぎて、隣にいる恋人と結婚したくなりました」と。「なんで俺じゃねえんだ!」と思いましたけどね(笑)。

でもね、僕は自分でガールフレンドを欲しいと思っていたのに、実は他の人にどんどんガールフレンドをたくさん作っている。最初に思っていたよりもはるかに大きい目標がいつの間にか達成されている。これはすごいことだな、と思いました。日本は今、子供が少ないです。高齢化社会、その中で少子化対策になると、いう風に思ったんですね。

汚い部屋から、綺麗な星が映った。こんな感じで、星が映せたわけです。そして、家庭用プラネタリウムまで実用化しました。全世界で65万台も売れて、そして、星を部屋でも見れるようになりました。

メガスターを生み出して得た気付き

そして、ここに置かれているのがメガスター。本物です。ちょっと時間がないのでアレなんですけども、ちょっと映してみましょう。電源を入れます。

会場がプラネタリウムの専門のスペースじゃないので、あんまり綺麗に見えないかもしれませんけども、お願いします。正面のスクリーンのところですね。本当はこれが全部広がると思ってください。皆さんの想像力で。これ今1000万個の星が映っています。

こんなメガスターのプラネタリウム作って僕が感じたこと。いくつかあります。まず、世の中にないものを生み出すと、それを多くの人に見せるっていうことが大事です。多くの人に見せる。そうすると必ず今までと違う反応が返ってきます。その繰り返し、つまり、新しいものを作り、世の中に見せ、そしてそのフィードバックが返ってくることによって、新しい文化が作れる、そういう風に思いました。

プラネタリウムは科学館から美術館へ、そして、子供が見るものから大人のものへとなりました。そして、もう一つ。夢に挑戦すると、最初はガールフレンドを作りたいという夢が、多くの人にガールフレンドを作らせるという大きな目標ができると。夢に挑戦することはとっても大切だと思います。私の話は以上です。ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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