スタートアップに興味がある大企業、学生、ネット系が3分の1ずつ来場

根岸奈津美氏(以下、根岸):後半のモデレーターをやらせてもらいます、グリーベンチャーズの根岸と申します。

今日はみなさんキャリア論で、「片桐さんの話を聞きたい」「なんで吹けば飛びそうな小さいベンチャーにあの3人行ってんだっけ?」などたぶん気になっていると思うので、自由にいろいろ聞いていきたいなと思っています。じゃあ、乾杯!

一同:乾杯!

根岸:早速ですが、前半で話してもらったGraffityとラブグラフとフラミンゴ、片桐さん知ってます?

片桐孝憲氏(以下、片桐):知ってますよ。

根岸:ありがとうございます。前半ではその3社のナンバー2のみなさんの経験や、事業の話をうかがったんですが、後半でキャリア論というところで事前にみなさんから質問を頂戴しました。

参加者のデモグラは、だいたい大企業でスタートアップに興味がある人が3分の1ぐらい。学生さんでたぶんスタートアップに興味がある人が3分の1ぐらい。あとはネット系。超どスタートアップじゃないけどネット系の企業にいらっしゃる方3分の1ぐらいです。

事前に質問を頂戴しているなかで、(スライドを指して)だいたいこの4つぐらいのテーマの質問(①スタートアップと大企業、どっちを選ぶべき?、②どんなチームで日々スタートアップをやっているの?、③自分のキャリアについてどう考えているの?、④今経営、プロダクトについて悩んでいることは?)が多かったので、この中から自由に選んで話していけたらいいなと思っています。

片桐:定義の問題なんですけど、スタートアップというのはどれぐらい? 例えばメルカリがスタートアップかという話あるじゃない? その定義をしっかりしましょう。

根岸:そうですね。登壇している3社がみんなシリーズBにいってないぐらいので、そのくらいのイメージはどうですか?

片桐:シリーズBって言われても俺もわからないですからね。

根岸:そうですよね。

(会場笑)

根岸:それでいうと、12ヶ月以内に結果出さないと会社がキャッシュアウトして死ぬって感じですね(笑)。

(一同笑)

インターン生がスタートアップに集まるのはなぜか

根岸:それぞれ社員何人ですか?

吉村創一朗氏(以下、吉村):今、副業合わせて30人ぐらいですね。

根岸:そんないる? ちょっと今盛った? 社員は10人です。

吉村:10人ぐらいで、副業入れて20人。

片桐:なんで大きく見せるの?(笑)。

(会場笑)

吉村:いやいや、ライターの方も入れようということで(笑)。

片桐:嘘が一番よくないからね。

(会場笑)

吉村:嘘はついてないです。もちろん(笑)。

根岸:Graffityとフラミンゴはそれぞれ何人?

大野将希氏(以下、大野):Graffityは、正社員で今6名で、副業を合わせると15名ぐらいですね。

牟田吉昌氏(以下、牟田):そうですね。うちは正社員が8名で、インターン生を足すと20人ぐらいですね。

片桐:なんでインターン生が集まるの?

牟田:ビジョンに共感してくれたり、「仲間になりたいです!」みたいな感じで言ってくれて、もちろん本人のマインド、スキルセットなども加味した上で「じゃあこういうの困ってます、〇〇を一緒にやりましょう!」って言って、入ってくれていますね。

片桐:スタートアップを見ていると、インターン生がたくさんいるんだけど自分はインターン生をどうやって集めればいいのかよくわからないんだよね。なんでサービスや会社が有名ではないのにインターン生が集まるかを知りたい。 (一同笑)

なんで集まるの?

牟田:なんでですかね? 僕らでいうと、外国人のサービスをやっているわけですから、自分の言葉を、「バイリンガルなので言葉のスキルを活かしたいです」みたいにうちも外国人のために事業やっているのでインターン生、コミュニティマネージャーでミートアップやってもらったり。たぶん、やりたいこととうちのビジョンみたいのが近くて親しみやすいのかなと思います。

片桐:ビジョンを語る機会はあまりないでしょ? サービス見て、勝手に来るわけでもない。ブログとかやっているの?

牟田:弊社は社長がかなりブログ書いてますね。

片桐:社長が書きまくったブログをインターン希望者が見に来るんだ?

牟田:そうですね。Twitterの活動を非常にしてます。ビジョンや事業についてなるべく多く世の中に発信しようとしているので、そうすると弊社に興味を持って下さる方が徐々に増えますね!

大企業は分業型、スタートアップはゼロから携われて成長できる

片桐:大企業とはどれぐらいの規模のことを言ってるの?

根岸:大企業は、リクルートや商社、あと上場しているネット系の企業を大企業と定義しています。

片桐:わかりました。

根岸:DMMも大企業だと思っています。そういう大企業とスタートアップの二項対立があるんですけど、そもそも「どっちを選ぶべき?」という質問があって、「その段階で迷っても困るんだけど……」みたいのがありながら。

片桐:おもしろいね。意見を聞かせてください。

吉村:そうですね。参加者の方のデモグラと今回のテーマを合わせて言うのであれば、僕はスタートアップだと思っています。

何が大事かはいろいろありますが、わかりやすく「成長」みたいなテーマで切り取るのであれば、LINEにいた時は社員が1,000人ぐらいいたのですが、1,000人の組織の1人の影響力と、10人の組織の1人としての影響力はぜんぜん違うと思っています。

例えば、LINEの場合、席の近くに執行役員の方がいたのですが、(一部の大企業)社長の顔を年に数回しか見ない会社で行われる意思や方向性の決定が、雲の上みたいな経営会議で執り行われていることに、自分たちは一切口も出せないし、なにが起こってるのかもわからない会社もあると思うんですよ。

一方でベンチャーみたいな会社、ここにいるような登壇している企業って、本当にフラットにすぐ近くにいるし、とくに大きな方向、戦略を描いて「10年でこう絶対なります」みたいなことがない中でいうと、社長が左に行きたいと言った瞬間に「本当に左でいいんですか?」「右じゃなくて大丈夫ですか?」みたいな問いを投げかけて、意思決定に自分たちが関われるという意味で、小さいほうがいいかなとは思っています。

そうは言いつつ、その会社の中で広い事業ドメインがあって、コンシューマー向けのプラットフォームやプロダクトを持っている会社さんでいうと、新規事業を若手が広くやっていく。LINEもそうだったんですけど、そういうところであれば別に大企業という定義に当てはまらなくても、面白いのかなって思っています。

根岸:吉村君。ちょっと長めなので(そろそろ終わらせて)。

吉村:あ、はい。

(会場笑)

片桐:いい話だった。

吉村:あ、いい話でした?

片桐:もうあと2〜3行でお願いします。

吉村:大企業は分業型。ベンチャーは0から100までやれる。成長する。以上。はい。という感じです。

片桐:おもしろかった。いや、めっちゃおもしろかった。

吉村:ありがとうございます。

何が正しいかはどういう問いを解きたいかによって変わってくる

大野:僕もGoogleにいて、環境も自由で、やりたいことに手をあげれば挑戦できる環境でした。

ただ1つ言うとすれば、やはりタイミングなのかなと思います。もともとやりたい思いがあって、ならいつやるかをキャリアとして考えたときに、例えばGoogleで3年後同じことをやり続けてなにができるかというところと、3年後、例えばスタートアップに行って成し遂げたことって、大きな差があると思います。

Googleでなにか3年やったあとになにか始めるよりも、それがやりたいって分かっているのであれば、今始めて、結果がどうであれ、挑戦したいという想いがあって決断しました。

片桐:2人ともキャリアがすごいんだね。LINE、Googleだもんね。

大野:そうです。

(会場笑)

すいません(笑)。

片桐:LINEみたいな超スーパー企業の感じと、スタートアップの今の感じが、すごくわかってるんだね。

大野:どうなんですか? 認識はしてるものの、それが正しいかどうかはまだちょっとわかりきってないのはありますね。

牟田:僕はどういう問いを解きたいかによって、だいぶ変わってくるなと思っています。例えば、前職がリクルートだったんですけど、「リクルートで何千万人のキャリアを変えたい」みたいな問いに対して、本当に「リクナビネクストを変えたいんだ。就活を変えたいんだ!」という方がいれば、その問いにたぶん立ち向かったほうがいいでしょうけど。

でも、それだけしかできなかったり、分業の話もあったと思うんですけど、リクルートキャリアの中のマーケティングで、例えばクラウドや管理者画面を作ることしかできなかったりするなかで、スタートアップは本当に自分たちの定義した問い、「僕はこの問いを解きたい」「僕らだったら外国人のために事業を作りたい」という問いに対して、自分たちがわからないことに毎日ぶつかっていく。

経営からオペレーションまで全部やらないといけないという、問いの数と内容が違ってくると思っていて、どっちを選びたいかだと思っています。

僕自身はリクルートに2年いたんですけど、大きな問いに対してもやりがいはあるものの、ワクワクが感がちょっと足りなかったのが正直ありました。だから外国人のために、僕自身も6年間中国に住んでいたので、そういう課題感もあって、「いや、ワクワクするな」が強くて、Flamingoでいろんな問いに対して経営からオペレーションまで解けることがすごいワクワクしましたし、そっちを選んだという感じですね。

片桐:すごいわ。

根岸:(笑)。

片桐:すごくいい。すごくいいね。

新しいリーダーシップは異なるものをまとめる能力

根岸:例えば、片桐さんはピクシブでしてきた採用や育成と、DMMでする採用や、育成って違うんですか?

片桐:ピクシブは基本的にはほぼほぼ1つの事業を100人から150人くらいで作っているから誰がどんな仕事しているのかとかよくわかったけど、DMMの場合は50近い事業を1000人とか2000人みたいな規模で開発・運営しているわけだから事業自体の細部・事業に関わる人を把握するというのがそもそも難しい。

話は変わるけど、普通の大企業だと、みんなが同じ事業やっているというか、同じ媒体の営業を50人・100人でやって、その中で勝っていくというのは受験勉強に近い。 DMMに来て思ったのは、また別の能力が必要だと思った。競争させるというよりは、違う能力を持っている人たちをまとめて、1個のことを見て、「この問いを解こう」「この課題解決しよう」って話にしていかないとまとまらない。リーダーシップのあり方が違ってくるって思っています。

スタートアップのリーダーシップって、まったく違う人たちをちゃんと束ねて1個の課題を解決することだと思うのね。だから、そういうことをやりたいとか、やれるのであればスタートアップのほうがいいかもしれない。

スタートアップの新しいリーダー(に求められること)って、まったく違う人たちを束ねる能力。エンジニアの言語と、営業の人の言語って違うから、そういうのをお互い聞きながらまとめる能力が問われる時代になったと思います。質問とはだいぶ話変わったけど、今の話よくない?(笑)

(一同笑)

根岸:めっちゃいい。確かにそうですね。