行動データを使ったブランディングとコミュニケーション

三好さやか氏(以下、三好):このあとは内山さんのパートに一旦お譲りをします。

内山英俊氏(以下、内山):ありがとうございます。僕が『VOCE』に関わらせてもらったのは4年、5年くらい前ですかね?

三好:そうですね。

内山:講談社さんはやっぱり紙があるところがすごいと思っています。僕はデジタルのクリエイティブエージェンシーをずっとやってたので、デジタルの中だけで考えちゃうとできないことってあるんです。紙があるとどんなことができるのかを真剣に考えさせてもらう機会になったなと思いました。

今日はこれまで講談社さんとやらせていただいたことを整理して持ってきましたので、冒頭でお伝えできればと思います。

三好:お願いします。

内山:ありがとうございます。株式会社unerryの内山と申します。デジタルのクリエイティブエージェンシーをやっているのと同時に、みなさまの日常的な行動の位置情報データとかも扱わせていただいたりしながら、ブランディングや購買につながるコミュニケーション設計を行う会社です。

「紙からデジタル」の一方通行ではなく、両輪を回す

内山:今回ブランドコミュニティを支える仕組みとはどんなものかを考えてみますと、やっぱり『VOCE』のすごいところは、多面的な顧客理解をしているところです。先ほども話にあった、「紙からデジタルへ」ではなく「紙とデジタルの両方」っていうところだと思うんですよね。

みなさんの行動にも、ネットとリアルの両方があります。ネット上の行動で言うと、Webのブラウザもあるしアプリもあります。リアルな行動だったら雑誌があるし、それ以外にも日常的に行動していることが、いっぱいありますよね。

VOCEでもそうなんですが、オウンドメディアのような自分のメディアとインスタとかって、けっこうお客さん違いますよね。先ほどもそんなお話がありましたが、つまりオウンドとソーシャルだけでもなくて、それ以外のメディアもいろいろ使っていくことで、顧客理解って深まっていくということです。

だいたいこの4×3くらいの掛け算でメディアや手法を使い分けながら顧客理解をしていきます。結果、多面的に顧客を理解するには、この4×3=12マスをどうやって埋めているのかってことがポイントなんだと思います。

さらに考えるポイントとしては顧客の識別方法です。WebではCookieがありますし、アプリだったらモバイル広告IDというユーザーを識別するIDもあります。リアルな行動だったらみなさんの位置情報を識別しながら多面的な顧客理解をする、ということをやらせてもらってます。

例えば、VOCEって雑誌とかWebサイトだけじゃないんですよね。(スライドを指して)雑誌とかWebというのは、1番上のオウンドと書かれているところだけなんですね。

それをWebやアプリ、雑誌もあれば、アプリから取ってくる位置情報もある。同時に、Facebook、LINE、Twitterといったソーシャルも全部やってます。雑誌でのソーシャルが何かって言うと、イベントだったりセミナーとかっていうのがソーシャルな活動だったりもします。

「コスメを買う人のほとんどが読んでいるVOCE」という行動変容

内山:外部のメディアというのも相当広がっています。例えば編集部の方が自らYouTubeで顔出ししてやってますみたいなことも含めて、多面的な顧客を理解するというのは、紙というリアルがあることのすごく大きな特徴なんじゃないかなと思っています。

(スライドを指して)私どもはとくに1番右下の位置情報みたいなところを強みにはしています。今まで申し上げたものをすべて統合して、多面的な理解を全部1つの顧客の行動データベースみたいなものに入れていくことができます。

先ほど「コスメLOVERSクラブ」をご紹介いただきましたけれども、コスメメーカーさんに対してなら「メーカーさんのブランドが好きな人ってこんな属性のお客さんですよ」とか「そういう人のPVとかUUがこのくらいあるんです」「いや、このメーカーの人はほかにもこんなメーカーが好きなんです」みたいな関係性をお伝えしたりしています。当然アンケートみたいなものもあります。

あと「このコスメカウンターに来ている人って、だいたいどんなところにいるんですか?」という商圏分析や行動特徴の解析なんかもやっていきます。

読者に対しては、好きなブランドのニュースをご提供したり、イベント情報の配信も可能になります。自分が今銀座4丁目にいるんだったら、その付近のコスメの商品とかをご案内するとか、これはもう少し先になるので将来的なことも含めてですけれども、今はこういうかたちで価値化していこうと思っています。

『VOCE』にはずっと関わらせていただいていますけれども、こうしたことを進めていき、コスメを買うお客さんのほとんどが『VOCE』を読んでるという、行動変容してくれるようなメディアになったんじゃないかなと思っています。

購買につながるコミュニケーションとは

内山:お客さんが行動変容するようなやり方ってなかなか簡単なことじゃないのかなと思ってまして、本当はいっぱいあるんですけど、今日はそのごく一部、もっと日常的な行動を使った価値化みたいなところを中心にお伝えできればなと思っています。

日常行動のデータがどんなものなのかっていうのを、ちょっと見てみたいと思います。みなさんは日常的に移動されますよね。(スライドを指して)ちなみにこれはうちの会社の社員のデータを特別に可視化してみたものです。いつもは、ビッグデータを解析して扱うので一人一人のデータを扱うことはできないですが、今日はプレゼン用にちょっと形にしてみました。

この人は日々、だいたい吉祥寺の周りの居酒屋とかスーパーにいつもいますね。

あと、うちの会社は有楽町にあるんですけれども、ここで働いてくれているので日常的にはこのオフィスの中にいます。

休日はどんなところに行っているのかなぁと見てみますと、ファーストフードでご飯を食べていたり。アミューズメントというのはラウンドワンなんですけど、そういうところでカラオケして遊んでいたりすることがわかりますと。

みなさん行動は別々だと思いますけれども、だいたいこういうところがわかってきます。うちの会社がやらせていただいているのは、いわゆる生活情報みたいなことを1つヒントにしながら、みなさんにどうやってコミュニケーションしたらより商品を買ってもらえるのかといったことを考えたりしています。

GPSではわからないこともBeaconなら見えてくる

内山:ここからは、『VOCE』だけでやっていることよりももう少し幅広く、みなさんが購買につながるようなコミュニケーションはどんなものかといったことをお話しさせていただきたいなと思っています。

うちがご提供しているのは、日常行動のデータのプラットフォームというところです。Beacon Bankというんですけども。人の行動を捉えるということで見ますと、いわゆるGPSを使った位置情報みたいなものもあるんですね。

だけど、例えば今ここの部屋にいるというところまでは、GPSでは捉えられないんですね。けっこう重厚な建物ですので。今スマホでGoogleマップとか立ち上げていただいても、最初はあんまり正確なものが出ないはずなんですね。

つまり、屋内に入った瞬間に位置情報は結構ずれてしまいます。それも何百メートルとか平気でずれちゃったりします。なので私たちは、屋内ではBeaconというBluetoothのデバイスを利用しています。

(スライドを指して)5cm大のセンサーですね。71万個くらいのBeaconを日本全国の方々からご登録いただき、それを別の多くの方にご利用いただくというシェアモデルを行っています。

71万のセンサーと連携するアプリの増加

内山:このBeaconというのは、講談社様とのお付き合いもあるんですけれども、うちはコカ・コーラ ボトラーズジャパン様とも資本業務提携をさせていただいています。

コカ・コーラさんはスマホと自販機をつなげて、お金入れて買うとアプリにポイントが貯まって、15ポイント貯まったらクーポンに替わるマーケティング施策を行っているんですけども。自販機とスマホをつなげるためにBluetoothのセンサー(Beacon)が自販機に付いていて、それを見た各社が一斉に追随している状況です。

そのように各社が設置したBeaconを他社がいろんなかたちで使えるようにするということをやっていまして、今71万個くらいのBeaconの登録があります。そのBeaconと『VOCE』を含めた複数のアプリが反応できるような仕掛けになっています。講談社さん以外にも大手の観光アプリやポイントアプリなど、いろんなアプリと連携するようになっていますね。

そういうものをNTTデータさんが使ったり、最近だと電通さんとも資本業務提携させていただいて、広告で使っていくということをやらせていただいています。

「ここに来た人は他のどこに行くか?」をデータ化する

内山:こういうものを使うことでいろんなデータが取れます。例えばKITTE博多に来た人は、ほかのどんなところに行っているのか。ちなみにKITTE博多にはマルイさんが入っているので、けっこう若年層が入ってます。

(スライドを指して)上にランキングしているのはボーリング場だったり、パチンコだったり。確かに10代後半から20代前半の子たちがいそうなところにも行っているというデータが取れています。

また「某ファーストフードに行く人というのは、ほかにもどんなところによく行くんですか?」みたいなことも統計として出てきたりします。ほかのファーストフードに行く確率が13倍ですよねとか、ピザ屋に17倍くらいの確率で行くとかですね。あとは、お酒の量販店に10倍くらいの確率でよく行くとかも。

要は「こういうところに来た人ってほかにもどんなところに行くんですか?」といった人の行動データをずっと貯めている会社だということです。

これでどんな行動変容ができるのかというと、だいたいこの3種類くらいだったりします。一部は『VOCE』さんにもご一緒させていただいたりしています。

位置情報のビッグデータから計算するプッシュ通知の効果

今日はもう少し幅広いお話をさせていただきたいと思いますが、まずお店に来た人に対してスマホのプッシュ配信をすることからご説明したいと思います。

店舗の周りにはGPSだけじゃなく71万個くらいBeaconがありますので、このBeaconの周りでプッシュ配信をポンと打つと、店舗の周りに来た人にクーポンを出したり、「今日お店空いてますよ」みたいなことを出したりできます。

ちなみにあるエンタメの施設でやらせてもらったんですが、プッシュ配信を1万4000くらい配信して、だいたい来店数が700強くらいでした。

700強くらいの人が来て、かつ100店舗くらいで掛け算してやりますと、顧客単価を考えるとだいたい売上が2.4億円くらいです。それにかかる販促コストは7000万くらいですね。

これくらいのコストだったら原価を考えても十分だね、という数字です。ただこれは、プッシュ配信を打てばお客さんがみんな来ますよねというシンプルなものではありません。裏側にあるみなさんの位置情報のビッグデータを使うというのがとても大事です。

高来店率を実現するデータの使い方とは

内山:(スライドを指して)これを見ていただきたいんですけれども、店舗の周りでそもそもどんなところからお客さんが来るのかについて、うちはGPSとかBeaconのセンサーの情報からのビッグデータを持っています。

なので、こういうところから来ますよねというデータをまず抽出するのと同時に、1回配信してみるんですね。見ていただくとピンクと青のところがあるんですけど、ピンクのところで一旦配信しました。

でもあんまり効果なかったですよねってところをどんどん除いていくんですね。最終的に青のところが残っていきます。

そうすると、さっき申し上げたような来店率5.1パーセントというけっこう高い来店率を実現できるということです。

オレンジのラインが来店数で、青いのが配信数なんですけれども、やっぱり配信を始めると来店も増えますね。でも、一旦青い線を減らしてるんですね。配信数を減らしている。

どういうことかと言うと、このまま配信して効果が低いところをどんどん除いていくんですね。そういうところを除いていっても、オレンジのラインってむしろ増えていくわけです。

効果の高いところだけにすると結果的に高い来店率になりますよね。余分なメッセージはいらないので、そういうところをどんどん削っていきます。

逆にもっと広げたような例もあります。これは東京都心でやったんですけれども、エンタメの施設なので大学とかがあったほうがいいよねと。最初入れてなかったので大学を入れてみたんですね。

そうするとどんなことになるかと言うと、途中から配信数を増やすとやっぱり来店数が増えるわけですね。来店率が高いところを位置情報のビッグデータからピンポイントでピックアップしていくのが大事になります。

(スライドを指して)これは1階から7階まであるエンタメ施設です。だいたい1階にゲーセンがあって、4階にカラオケ、7階にボーリングがあるような。それぞれ客単価が違うじゃないですか。なので、このメッセージはボーリングなので客単価が2500円ですねとか、そうやって計算していって割りが合うところだけをしっかり配信するということもやっています。

ちなみにこれは、1階に全部センサーが入っているからできたりします。

多面的な顧客理解があってこそのデータ活用

内山:冒頭で来店率5.1パーセントで2.4億円、コスト7000万ですって言いました。もしビッグデータとか使わずになんにも最適化せずにやるといくらくらいなのかと言うと、売上1.5億円、販促コスト1.4億円くらいの数字に替わります。原価とかを考えますと元が取れない。だから失敗ですよねという話になってしまうわけです。

プッシュ1つを考えましても、みなさんの生活行動データを使わせていただき、いらない情報は配信しないのを徹底することで、みなさんの購買行動に影響を与えることができるものもあったりします。

ただこれも、別に位置情報を使ってただ配信すればいいということではなく、冒頭で三好さんからお話していただいたように、多面的な顧客理解ができて初めてできるんですね

ブランディングされているメディアじゃないとこういうことはできないので、1つのコミュニケーション手法として話をしていますけど、ブランディングとコミュニケーションという2つがとても大事であるというのを改めて申し上げたいと思います。

ウザがられないプッシュ通知の考え方

内山:ただ、プッシュ配信ってやっぱりうざいですよね。なのでもう1つやり方があって、みなさんが今日来店したら「今日は来てくれてありがとうございます」「次の週はこんなことをやってます」みたいなことを、今度はFacebookやInstagram、Twitterで配信したりします。

これは裏側にモバイル広告IDという仕組みがあって、『VOCE』のアプリをダウンロードしている人に対してFacebookで広告を打つみたいなこともできたりします。それがけっこう自然に見えるんですよね。

昔一緒にやらせてもらったんですけれども、『VOCE』アプリをダウンロードしているユーザがあるブランドに行ったとき、帰りの電車の中で今日行ったお店の広告を出すんです。非常に自然に出たりします。

ちなみにFacebookやInstagramでつながるということは、その人の友達とかその人の類似のお客さんにリーチできるということですよね。みなさんもFacebookとかにけっこうお友達がいらっしゃると思いますから、来店者だけでなくその類似のユーザまで広げることでボリュームのある配信ができたりします。

紙+デジタルでチラシ効果は伸ばせる

内山:さらにその人がどんなところに行くのかという位置情報を掛け合わせたりもします。これは全然『VOCE』とは関係ないんですけれども、あるホームセンターでやってみました。

もともと紙のチラシってありますよね。これはこれでけっこうコストがかかって、本当に来てくれてるのかがわからなかった。なので紙は一部残すんですけれども、あんまり効果が高くないよねって思われるところをうちのビッグデータから分析して、一部デジタルに置き換えています。

デジタルではソーシャルチラシ、バナーチラシ、動画チラシとやっているんですけれども、1告知あたりだいたい84パーセントくらいまでコストを下げることができています。

紙とデジタルの場合、両方やるというのがとても大事だったりします。どうやっているかと言うと、POSデータからリピーターか新規顧客かみたいなことを引っ張っていって、さらに位置情報も掛け合わせ、結果的にこの人にはどういう面で配信するのが1番いいんだろうかをうちで分析をしているんです。

結果としては、リピーターとか休眠の顧客にはFacebook、Twitterではソーシャルチラシを出しましょうとか、GoogleやYouTubeみたいなところだったら動画チラシ流しましょうなどと決まります。

潜在顧客はPOSデータからは出てこないので、うちのお店に来る可能性の高い人ってこんな人だよねみたいなことを、行動ビッグデータから分析して出してきます。例えば類似店舗に行っているような人とか、関連施設に行っているような人から出してきます。

ちなみにこういったことをすると、あるホームセンターでの通常の売上が1だとすると、紙のチラシをやることでだいたい2.2倍くらいまで伸びます。さらにデジタルチラシまで掛け合わせたり、紙プラスデジタルでやると3.4倍くらいまでいったりします。

でもそれは当たり前なんですよね。40代以下くらいの方って新聞を取っていないので、折込チラシでは届かないわけですよ。そこはやっぱりデジタルだよね、それ以上の年齢層にはやっぱり折り込みだよねなど、掛け合わせてやったりします。

なんでもスマホに広告に出せばいいわけではない

内山:最後に、私どもは位置情報のビッグデータとブランディングの両方やらせてもらっていますが、全部が全部スマホでいいとは思っていません。なんでもかんでもスマホに広告出しゃいいってもんじゃないと。

もっとリアルな世界っていっぱいあるじゃないですか。そういったところまでしっかりと入れるということが大事だと思っています。(スライドを指して)例えば1個の例ですが、あるスーパーさんの棚にデジタルサイネージを置いて、商品の動画を流しています。

この炭酸飲料けっこう飲むぞっていう方、この中でどれくらいいらっしゃいます?

(会場挙手)

あ~、ありがとうございます。今日は男性が半分くらいいらっしゃると思いますけど、けっこう少ないですね。男性だったら何買いますかね? コーヒーとか買われるんじゃないかなと思います。缶コーヒーとか。

なので男性がいらっしゃったら、この動画ってコーヒーであるべきだと思うんですよね、本当は。でも女性の方とかで缶コーヒーって飲みます? 飲まないですよね?

三好:あんまり買わないです。

内山:水とかお茶ですよね。

三好:そうですね。

内山:じゃあ三好さんがいらっしゃったらどうだったかって言うと、ミネラルウォーターであるべきだったりするわけですよね。

こうやって私がどういう属性なのかとか、私は過去どんなものを買ったのかとか、どんなところに行ったのかに合わせることで、別にスマホとかに情報出すよりリアルが変わったほうが効果は高かったりするわけですよ。こんなこともやったりしています。

ちなみにそういったことをある食品メーカーさんでやらせてもらいました。スマホに配信することに加えてデジタルサイネージみたいなものを店頭に置いて、その人が好きなものとかを商品で訴求すると。

例えばこれは、ある機能性食品のヨーグルトでやったんですけれども、最初は商品の告知だけでいいかもしれないですが、2回目に来た人にはレシピを出したほうがいいかもしれない。3回目はまた違うなにかかもしれないというふうに、何回来たかによって分けたりします。

そうすると、その該当期間は3.5倍くらいの売上で、終わってもだいたい1.9倍くらいその商品が売れ続けてくれるんですね。これくらいあると「やってよかったね」となったりもします。

使用言語で目の前のデジタルサイネージが変わる顧客体験

内山:PISTA BBという商品をまもなく発売させていただくのですが、これはどんなものかと言うと、先ほど人によって動画を変えますと言いましたけど、もう1個すごくいいのがあります。私はよく中国人に間違えられるんですけど(笑)、中国の方だったら中国語の動画を流したほうがいいわけですよ。でも欧米人だったら英語だっていうわけでもない。カメラでは限界があって、何語の動画を表示したらいいかは特定ができないんですよね。

でも、みなさんが持っているスマホって自分の言語が入ってますよね。日本語とか中国語とか。それと反応して、デジタルサイネージの動画を切り替えるみたいなことをやっています。

例えば中国の方がいらっしゃったら中国語でバンっと流れるので、これがいい顧客体験になるんですよね。100人いたら100人が「すごーい!」ってなるくらいの顧客体験となるので、こういったこともやってます。ぜひこういうのもコスメメーカーとかとご一緒できたらなと思っています。

「捨てる」勇気が成長につながる

内山:最後にですが、僕は『VOCE』に4、5年くらい関わらせてもらって、低迷期からギュって伸びるところをご一緒しました。「捨てる、寄り添う、楽しむ」とまさに一緒になったんですけど、本当にすごいなと思います。

とくに捨てるという作業、ここはけっこう勇気がいったんじゃないかと思うんです。どうですかね? 捨てるということは。

三好:そうですね。それこそある程度認知度ができているからこそ、なかなか捨てられないものが多かったなと思っていますね。それはWebサイトだったりします。

実はアプリも、現状のものの前に別のアプリを作っていました。すごくよくできていて美容好きさんも集ってるんですけど、どうもWebサイトと本誌と連携ができていなかったんですね。けっこうお金かけたんですけど捨てました。

内山:捨てましたね、あれ。そうだそうだ。

三好:そうですね。

内山:ありがとうございます。『VOCE』さんとご一緒させてもらって僕も勉強になったなと思うのは、やっぱり紙があることです。リアルな世界を本当に動かしているのがすごいと思ったんですね。

なので僕らも、デジタルだけで考えていないで多面的に理解していくことができてすごくよかったなと思います。

できればですけど、これからリアルな行動みたいなところをより促進していって、購買につながる多面的なコミュニケーションで先進事例を作れたらなと思っています。

私どもの話は以上になります。ちょうど時間にもなりましたので、もしなにかご質問とかありましたら個別にお話させていただければなと思います。

また、みなさまのお手元にアンケートをお配りさせていただいております。ご記入いただいて、後ろの出入り口のところで回収させていただきます。アンケートには名刺とかも貼れるようになっていますので、貼っていただければのちほど講演資料の抜粋というかたちになりますけれども、お送りさせていただきたいなと思っております。

三好:ということで『VOCE』のブランディングと、内山さんからBeaconの位置情報の話などをさせていただきました。

もし今日いらしてくださっている方の中でなにかご一緒できる方がいらっしゃいましたら、アンケートに名刺やコメントを頂戴できればと思います。ぜひご連絡させていただきたいなと思っております。

三好・内山:本日はどうもありがとうございました。

(会場拍手)