LastRootsの2年間の軌跡

小林慎和氏:こんばんは。LastRootsの代表 小林と申します。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。「2nd Anniversaryイベント」ということで、弊社はまだ2周年の会社です。

今日のテーマは「Roadmap to 2020」。東京オリンピックもありますが、弊社がこれまでの2年間で何をしてきて、今後2年間どこへ向かっていくのかをできる限りお話しさせていただきます。

弊社のサービスは大きく2つ、「こばんちゃんねる」と仮想通貨「c0ban取引所」があります。

弊社は、2年前の6月2日に創業しました。私はもともとシンガポールに住んでおりまして、そのときはシンガポールに2つ、インドネシアに2つ、半分くらい関わっている会社がタイにも1つありましたが、日本から社会をより良くするサービスをやりたいなと思って帰国し、この日に創業しました。

ここにいるみなさんは、日常的というか、何度もICOという言葉を聞いているかと思うのですが、我々が創業した2016年のときには、ICOという言葉はまだ広まっていませんでした。

世界で初めてのICOは2014年9月。こちらは何かというと、イーサリアム(によるもの)です。私はその頃シンガポールにいて、その話をシンガポールの友人から聞いていて、何か新しいものが始まったのかなという認識でした。

仮想通貨c0ban開発までの道のり

そこから、シンガポールにいたときにその仕組みについて研究し、日本でもできないかなと(考えました)。しかし、日本では誰もICOを知らないので、クラウドファンディングというかたちで、サポーターの募集を始めました。

当時、今のこばんちゃんねるのビジネスモデルを考案し、動き始めたのですが、時代はビットコインのマウントゴックスの事件があり、いったん落ち着き始めた頃でした。

その中で、三菱UFJ銀行がブロックチェーン投資に動き始め、もう1回ビットコイン、ブロックチェーンが注目を集め始めたところで、ありがたいことに、すぐに資金をいただいて無事開発に着手できました。

さらに、2016年9月には日本の金融庁と日本経済新聞社の主催で「フィンテックサミット」が開催され、全世界700社ほどから応募があったといわれるなかで、受賞6社の1社に弊社を選んでいただきました。

しかしながら、勢いがあって目立ちすぎたのか、Twitterなどで炎上しました。

2016年9月、10月に「詐欺じゃないか」「あんなビジネスモデルができるわけない」「作れるわけない」という言葉が飛び交いました。

そのような情報が飛び交った中でも、私を含めた弊社のメンバーは、「自分たちはできるんだ」と一生懸命作っていました。とはいえ、実は9、10、11月はかなり難航しまして……私自身も何度も「できないんじゃないか」と思いました。

一番困難な理由は、弊社は今はたくさんの仲間に恵まれているのですが、2年前は仲間を1人ずつ探して、ヘッドハントしながら、「手伝ってくれ」と口説きながら開発していました。

一方、ICOクラウドファンディングでは「いつまでに作る」「リリースする」と約束をしている。人が足りないのにデッドラインだけは公表してしまっていたことを後悔しました。

なので当時は、炎上の言葉で傷つきながらも、中の人間でどうにか作ろうと、日々エラーを見つけて開発を進めていきました。

さらに、これは今まで社員にも言ったことがなかったのですが、2016年11月末ごろに預金通帳残高が100万円を切りました。

夜中にATMに行って、自分の口座から会社の口座に振込みました。そうしないと翌日の支払いがやばいと思ったためです。そのようなことがありながら進んでいきました。

最初にICOで1億円の資金をいただき、そこから継続的に資金のご支援をいただいていました。本当は11月末でICOを閉じて、その資金で作れると思っていたんですけど、ブロックチェーンは難解で壮大で深いんです。お金が足りない、時間が足りない。

そこで急遽、12月以降も我々のビジネスプランでお金を出してくれる方はいないかとICOを延長して、どうにか生き延びました。

仮想通貨c0ban、ブロック始動時のアクシデント

そして、2016年12月15日にようやく仮想通貨c0banの最初のブロックが始動し始めました。ブロックチェーンの世界ではジェネシスブロックというのですが、そこからブロックが動き始めて、c0banのブロックチェーンが積み上がっています。

しかし、本当は12月12日にリリースしたかったんです。いろいろな人に「12月12日が一番運気が上がっていい」と聞いていたので、そこを目掛けてやっていたんですけど、12日に「ブロックチェーン点火」と言ってスタートボタンを押したらエラーが起き、13日にもう1回トライしてスタートボタンを押したらそこでもエラーが起き、14日もエラーが起き、(エラーの)合計は忘れましたが、もうc0banは産まれないんじゃないかと思っていました。

ブロックチェーンは改ざんできないのですが、なぜかというと、ブロックに対して異質な情報が入ってきたら、それを間違った情報として、もとの情報が上書きするわけです。

12日に起動したどこかの1台のパソコンの中で、まだ12日のエラーつきのc0banが走っていて、14日に始動しはじめた真のc0banに対して、12日のエラーのc0banが上書きして潰されました。c0banがc0banに潰されたわけです。

誰がやったのかと犯人探しをして、オフィスの中でパソコンを全部調べたら、スタッフの1人のノートパソコンが自宅で繋がっていました。

でもこれで逆にすごいなと思ったんですよ。たった1つ、スタッフのノートパソコンに古い12日のc0banが繋がっていた。そのc0banは一番ブロックが長いんです。そのエラー付きのc0banが、14日に起動し始めたc0banに対して、スタッフの家のネットワークから辿って、14日の新しいc0banを見つけて、上書きしたというわけです。

このエラーは「c0banは本当に動いている」という証拠で、大丈夫だとわかったので、万全を期して、会社の端末、スタッフの全端末、念のため携帯電話もチェックして始動のボタンを押したのが2016年12月15日でした。

Webウォレット、Androidアプリをリリース

同じ日にc0banのWebウォレットをリリースしました。c0banというブロックチェーンが動き始め、Webウォレットもできたので、ようやくみなさんのお手元にc0banをお送りできるという状況です。

一方、c0banのアプリ開発です。「動画を見たらc0banをもらえる」と、コンセプトは1秒で言えるんですけど、作るのは大変なんです。

だいたい4ヶ月でできる見積もりで始めたのですが出せなかった。クラウドファンディングで支援いただいた方々には「12月に出る」とお約束しながら出せなかった。

c0banは生まれたけれども、支援いただいた方からは、「どうなってるんだ」「いつになったらアプリは出るのか」という心配及び半分クレームをいただきました。エンジニアチームはどうにか出せないかと毎日戦っていたんですけど、そこから2ヶ月かかりました。

いろいろなエラーをとって、どうにか出せないか、c0banが獲得できるかどうか、動画がきちんと再生されるかどうかというポイントをクリアして、2ヶ月かかってようやくAndroidアプリをリリースできました。

ほっとしたんですけど、そうすると次は、「iOSはまだか」と。日本のみなさまの半分はiPhoneを使っているのに、「なぜ先にAndroidを出すんだ」と。それはそうですよね、私も先に出したかったです。

実は、iOSアプリは3月15日に完成したんです。7ヶ月かけて、何人ものエンジニアが作って申請しました。みんなようやく肩の荷が下りていたんですけど、2日後ぐらいにAppleからそっけなくメールがきました。「Decline、却下」。たった1行です。

仮想通貨取引所のオープン

先ほどの資金難のときも、このときも真っ暗になりました。「iOSが出せなかったらどうするんだ」と。ずっと Appleと交渉して、説得できるのか、と思いつつも、もう1つやらないといけない大きな仕事がありました。

2017年2月24日、政府が「4月1日から資金決済法の改正を施行します」と発表しました。つまり、4月1日以降にオープンした場合は免許を取らないとc0ban取引所をオープンできなくなりました。3月31日までにオープンできたら免許がなくても営業できる、今で言う「みなし業者」です。

それも間に合わせないといけないので、かなり無理をしたのですが、3月28日のギリギリにようやく取引所がオープンできました。

c0banの初値は120円/RYOから始まりました。

当初の名前は「c0ban」というアプリだったのですが、「こばんちゃんねる」という名前に変えて開局したのが6月1日です。動画メディア兼広告プラットフォームとして走り始めました。

3ヶ月ぐらいずっとシリコンバレーのAppleとやり取りをして、2017年7月1日に申請が通りました。通ったときも(メッセージは)「Ready for sale」という1行でした。

そこで、ちょうど1年前の7月5日、この会場で一周年記念パーティーをしたときに、来てくれた方々にお披露目しました。

しかし、2週間後にもう1回却下を食らいました。「じゃあ通すなよ」と言いたいのですが(笑)。そこから何度もチャレンジしたんですけど、この1年間はずっと却下し続けられています。だからどんどんバージョンアップしたくて、いろいろ機能を作っているのですが、それが今却下されています。