ミシガン伝説の選手がスピーチ

チャールズ・ウッドソン氏:2018年の卒業生のみなさん、自分に大きな拍手を贈ってください!

(会場拍手)

おめでとうございます。みんなのご両親、友人、家族、親戚のみなさんも、自身に向けて大きな拍手を贈ってください。おめでとうございます。両親は観覧席に座り、やっと肩の荷が下りた、なんて考えているところでしょうから。   スピーチを始める前に、この先何者かになりたいと思っている人は手を挙げてください。何者かになりたいですか?

(会場挙手)

良いですね。このことについてはまた後で。今日の私はいつもよりすごいはずですよ。友人が「今年は卒業スピーチにすごく良い人を呼んだみたいだね」なんてメッセージを送ってきましたからね。

私は、「私の前に10~15人のスピーチ候補がいたんだろうけど、誰からもいい返事がなかったみたいだよ」と言っておきました。そんなわけで、あなたたちは私と一緒にここにいるというわけですね。でも、良い面も見ましょう。スピーカー不在の年にはならなかったのですから。

(会場拍手、歓声)

今日という日をシュリッセル学長に感謝します。この地域と、選ばれし先生に、私をこの素晴らしい機会に招待してくださったことに感謝します。これは本当にすごいことです。心の底から感謝します。

私は過去にも他の大学でのスピーチを頼まれたことがあるのですが、辞退させていただいています。というのも、その時の私は、自分のスピーチに対する責任は取れない、と感じたからです。それはある意味本当のことですが、本当の理由は、自分の母校が私にスピーチを頼んでくるのではないか、という思いがあったからです。もしそうなら、母校で最初にスピーチをしたい。2018年の卒業生のみなさんのために、機会を温めておいたのです!

(会場拍手)

ウッドソンとミシガンの出会い

本当のところ、少し緊張しています。私の前にいる人数の問題ではありませんよ。私はこのスタジアムで10万6,000人の前で試合をしたこともあるのですから。今日、この時はあなたたちの時ですから。あなたたちが、生涯記憶に残す時ですから。私は、良い記憶として残りたいのです。

今日のためのスピーチの準備をしている時に、ミシガン大学の一番の魅力は何だったのかを考えていたのですが、私の兄がミシガンのフットボールチームの熱狂的なファンで、思えばそれが私を黄色と青(注:ミシガン・ウルヴァリンズのチームカラー)に目覚めさせたきっかけでしたね。

大きくなるにつれ、いろんな選手やチームに目が行くようになったのですが、私を嬉々としてファンにさせたのは、ここ、ミシガン大学のチームだったのです。ミシガン・ファンになったのです。

私の好きな選手に、トニー・ボウルズという選手がいたのですが、80年代の終わり、彼はランニングバックでした。彼の名前は聞いたことないでしょうね。ここで怪我を負って、選手生命は短く終わったのですから。しかし、長身で細身の男の中には大きな力があって、彼がオープンフィールドを駆ける光景はとても美しいものでした。

名選手ハワードの「その後」

それから、デズモンド・ハワードがいました。デズモンドは知っているでしょう。ノートルダム相手にダイビングキャッチした。誰もの記憶に残っているでしょう。

私とデズモンド・ハワードに共通する、興味をそそる話をしましょう。デズモンドはオハイオ州出身、私もオハイオ州出身です。オハイオ州を後にし、ミシガン州に来たのです。私はオハイオ州を去り、デズモンドはミシガン州に来たのです。デズモンド・ハワードはちょうどそこのサイドラインでパントリターンしました。例の人に対して。勝利のために。同じようにそこのサイドラインでパントリターンしたのは? 誰だかわかるでしょう? 私です。

(会場笑)

デズモンド・ハワードはハイズマン賞を受賞していますが、私もハイズマン賞を受賞しています。デズモンドはミシガン大学を出て、NFLで活躍しました。NFLではオークランド・レイダースに籍を置きました。私が引き抜かれたのは、お察しの通りレイダースです。デズモンド・ハワードはグリーンベイ・パッカーズで活躍し、グリーンベイ・パッカーズでスーパーボウルで勝利を収めました。行け! パック、行け!

私も、グリーンベイ・パッカーズに在籍していました。そして、スーパーボウルで勝利しました。デズモンド・ハワードはNFLを引退し、テレビの世界へと足を踏み入れました。今や私たちのよく知る、尊敬に値する解説者です。なので、私がNFLを引退した後にテレビの世界に行ったのは、自然なことだと言えるでしょう。

少し妙な感じもしますが、デズモンド・ハワードほど後に続きたくないと思う人はいないでしょうね。そして、「驚異の5人」。ジミー、ジェーリン、ジョシュアン、レイ、そしてクリスです。彼らは才能に満ちあふれていました。口が大きく、型破りで、文化すら変えてしまいました。

私の家には居間と台所を隔てる低い間仕切りがあるのですが、彼らの試合をテレビで見ていて、興奮して飛び上がった私はそこで頭を打ってしまい、あうやく気絶してしまうところでした。

模範となる卒業生たちに学ぶべし

一度ここに来てしまえば、ミシガン大学の伝統の証人となります。素晴らしい場所であることは間違いありませんし、一歩外に向かって歩き出せば、ここにいられたことに感謝するでしょう。ミシガン大学で勝ち抜いた人に気付くでしょう。

そして、同じくミシガン大学に通った者としての誇りで輝くでしょう。サンジェイ・グプタ博士もその1人です。彼のテレビ番組は見たことがあるでしょう。今日、私たちの知る、最も尊敬すべき医師の心を持つ医師です。治療薬としてのマリファナの合法化に向けて、マリファナを占有している者や健康問題と戦っています。

あなたたちが言うように、私が言うように、彼もミシガン大学出身です。ここにも、スターウォーズ一家の1人がいます。

(会場歓声)

考えてみてください。ザムンダの王(注:『星の王子様ニューヨークへ行く』の登場人物)や、あなたたちがアメリカにやってきて、それが誰か知るのです。ダース・ベイダーの声も同じくミシガン大学出身。「ルーク、私が父親だ」。ジェームズ・アール・ジョーンズ、その人です。

2、3週間前、私はミシガン大学の他の陸上選手とともに「ミシガンホール・オブ・オーナー」に就任しました。数週間前まで知らなかったのですが、ボストンマラソンで優勝したアメリカ人女性リサ・ラインズバーガーもミシガン大学出身です。

学校の一歩外には、お手本となる卒業生がたくさんいるのです。そのことはあなたたちに胸を張らせ、ミシガン大学出身であることに誇りを持たせてくれるでしょう。

人間は誰かの助けを必要とする

さて、あなたたちに伝えておきたいことがあります。私は勝利のために自分自身を押し殺してサイドラインに突っ込みました。誰のことだか知っているでしょう。学校に対して物思う経験をしてきたでしょう。それがとても心に痛く響きます。

だからこそ今日、私は伝えにきたのです。今から212日でミシガン・ウルヴァリンズはコロンバスを制し、このスタジアムで勝利の行進をするでしょう。そしてミシガン大学に、覚えのあるその勝利の風を運んでくれるでしょう。

(会場拍手)

それだけではありません。それだけではないのです。私たちは再びミシガン大学へと戻ってきてオハイオ州に跨がる南部の境界線に大きな、美しい壁を建設するのです。オハイオ州から再びミシガンへ悪い人が入ってこれないようにね!

(会場笑)

ちょっと待って、ちょっと待ってください。ミシガンとオハイオに壁を造ってしまうということは、私とデズモンドもミシガンに来れないんですよね? 取り消しです。取り消します。壁なんて作らないですよ! それに、政治的なスピーチじゃないので大丈夫ですよ! まあ言いたいことは伝わったでしょうが。

(会場笑)

今日私から言いたかったことは助け合いについてです。持ちつ持たれつの助け合いです。私はオハイオ州フリーモントの3人のシングルマザーのための結束の強い小さな共同体で育ちました。シングルマザーは望んでそうなったのだと思われがちですが、違うのです。

自分自身の力だけですべてを行える人はいません。私たちはみんな誰かの助けを必要としています。時として、助けはあなたたちの思いもよらないところからやってきます。そのことに気付くことさえできないときもあるでしょう。