アスリートならではの信頼構築スキルとは?

小園翔太氏(以下、小園):では2つ目の質問に移りたいと思います。「ビジネスでの信頼関係構築で意識、実行していることは?」なんでしょうか。

「アスリートならではの信頼構築スキル」。少しお話の中でも出ましたけれども、この部分を聞いてみたいと思います。今日、お知り合いの方も多数参加されてらっしゃる大山峻護さんに、ここはぜひ聞いてみたいと思います。

大山峻護氏(以下、峻護):一番大切にしてるのは、損得で動かないことです。「この人のために何ができるかな」と。「この人に何を与えることができるかな」と。そう考えるようになってから、すべて上手くいくようになったんですよ。

これが、なんかこう損得で「この人と付き合うとなんか上手くいくぞ」とか「この人と付き合うとなんかおいしいことあるぞ」とか考えると、今まで上手くいかなかったんです。

小園:なるほど(笑)。

峻護:そう、本当に純粋にこの人に何ができるか。だから人と人を繋げるのがすごく好きです。

小園:はい、そうですね。

峻護:人の縁ってこう、渦になって戻ってくるんですよ。大きくなって返ってくるんです。それもうすごく実践しているのが今(会場にいる)東君で、すさまじいんですよ。でも、そうだなと思って。だから、喜んでもらうことを意識してますね。

営業に行って、Fightnessをすごく(導入)してもらいたいんだけど、最近はとくに「今この人に何ができるかな」と考えてますね。そういうのって、無意識の部分で絶対相手に伝わるなと思うんですよね。それはすごく大切にしてます。

小園:峻護さんと接しているとですね、本当に損得感情抜きでお話しされてるんだろうなというのを毎回感じるんです。だから本当に、今日のメンバーも峻護さんの繋がりで生まれたようなものと言っても過言ではありません。この点でいうと今、東さんの話が出ましたけど、東さんはいかがでしょうか。

人の流れが渦となって無限に広がってゆく

東俊介氏(以下、東):僕が大山さんの背中を見て、学んでいることで、本当にお世辞じゃなくて、大山さんは損得じゃなくて善悪で動くというか、良い意味での好き嫌いで動く人なので。この間もけっこう紹介してもらって、食事してたんですけど、困っている人がいて(大山さんが)「うわあ、もっと人脈ほしいわ」と。「もっと偉くなりたい」と。「なんでなんだろう」と思って聞いてたら、「あの人を助けたいわあ」と言うんですね(笑)。

僕も一緒ですね。そういうのを見てて、自分がされて嫌なことはしないようにするとか、自分がされて嬉しいだろうなということをしようとか、そういうことは大山さんから学びましたね。

サーキュレーションという会社に入ったのも、僕自身が会社を辞めて独立して、いろんな経営者の人に紹介してもらった時に出会ったんです。僕自身はさっき大山さんが褒めてくれましたけど、僕自身も大山さんの渦に巻き込まれてるとこなんで、これからもどんどん、恩返ししたいなと思っています。

峻護:すごく嬉しかったのは引退するときに(東君が)「現役中は大山さんには人はいっぱいいる。引退したら僕の出番です」とメールに書いてくれたんですよ。

僕、本当にいっぱい知り合いがいたんだけど、そういうことを言ってくれたのが彼だけだったんです。彼の言葉がすごいお守りになって、やっぱり現役引退して、離れていく人とか熱が冷めていく人とか、肌で感じてすごく寂しい思いをしたんだけど、「あ、変わらない人もいるんだ」と思って、それが僕の中ですごく力になったんですよ。

だから東が「大崎電気辞める」と言って、「よっしゃ!俺の出番だ!」と思って、わっしょいわっしょい紹介してたら、今度は東に渦が生まれて、それがまたここに返ってくる、みたいなことですよね。

小園:紹介がまた紹介を生んで、というふうに、渦になってくんですかね。

峻護:なんかね、人のそういう流れってあって、絶対こう、止めちゃうと止まっちゃうんですよね。ちゃんとそれを流していってあげると、すごく大きく、無限に輪が広がっていく気がしてて、そこを大切にしてますね。

現役を退いても残ったものを大切に

小園:ありがとうございます。大山加奈さんが先ほど、「世間の方が名前を知ってくれている」とおっしゃってましたけれども、実際引退したあとはどうですか? 今、峻護さんは「離れていってしまった」という話がありましたけれど、実際離れていってしまったのか、それともそうじゃなかったのか。実際どうですか?

大山加奈氏(以下、加奈):ありがたいことにバレー教室であったり、解説であったりというお仕事はたくさん声をかけていただいてやらせてもらっています。でも、やっぱり「もう1回一緒に仕事したい」と思ってもらわなければ続かないですし、「もう一度、一緒に仕事したい」「これからもずっと一緒にやっていきたい」と思ってもらえるような努力は忘れずにやってますね。

小園:ありがとうございます。今質問が来ておりまして、こちらをピックアップしたいと思います。「ビジネスの世界でアスリートであるために困ったことはありましたでしょうか? そして、その対策はどのように対応されたのでしょうか?」。未希さん、どうでしょう。

大山未希氏(以下、未希):私、小学校1年生からバレーボールを始めて、本当にバレーボールしかしてないので、まずパソコンがなにもわからない。そして、電話対応もわからなければ、客先にメールするときの敬語とかもわからないですし、それが一番困りました。なので、まずは先輩を見よう見まねでやってみたりとか。まあやればできる子なんで(笑)。

(一同笑)

小園:そうですね(笑)。

プロのアスリートだからこその苦労もある

未希:はい。パソコンも教えられればすぐできましたし、負けず嫌いなので1回言われたことは絶対忘れないようにしようと思ってノートに書いて、同じことをその先輩に言われないように努力してやるようにして覚えました。

小園:なるほど。2回同じ指摘はされないようにすることと、負けず嫌い精神でなんとか乗り切られたわけですね。

未希:はい。「さっきも言ったじゃん」とか「この前も言ったじゃん」と言われたら、自分自身も指導する側でバレーボール教えてて「これ、さっきも言ったのになあ」とか「なんで言ったのにやってくれないんだろう」と思う時もあるので、自分がそう思われないようにノートに書いて、それを見てやるようにしてます。

小園:ありがとうございます。嵜本さんははいかがでしょうか。

嵜本晋輔氏(以下、嵜本):そうですね、私もやはりサッカー馬鹿でしたので、「プロになったからには、サッカーのことだけを考えてればいい」という世界に身を置いてたなと思います。先ほどの東さんの話じゃないですけれど、やはり時間、1日24時間、時間の使い方を今振り返ってみると、サッカーのことしか考えられていなかった。

まあ私に限っては、サッカーのことすらもあまり考えられていなかったという……。そういう反省点がある、というところですね。はい。

小園:ありがとうございます。では、3つ目の質問に移りたいと思います。

アスリート時代とは違う人間関係の作り方

小園:3つ目(の質問)ですね。「ビジネスや仕事のなかでもっとも苦労したことと、解決方法は?」ちょっと先ほどの質問とかぶる部分があるかと思うんですが、ここはぜひ、またみなさんに聞いてみたいと思います。未希さんか、東さんいかがでしょうか。

未希:先ほど言ったパソコンができないとかもあるんですけど、一番は、ずっと座ってることができないんですよ。今までの人生、座ってることがなくて。常に運動していないとだめな子どもだったんで、まずオフィスに朝からずっと座ってるのがしんどいんですよ。

なので、なるべく立つようにして、印刷してコピーとって、みたいな作業をひたすらやるとか。あと、オフィスが9階なんですけど、毎朝階段で行くようにしたりとか。ずっと座ってるのがもう無理だって思ってしまうのと、あと一番は、アスリート集団じゃないところにいるっていうところが苦労してます。

人間関係も今までだったら、みんな言いたいことを言い合っていい仲間関係を作ってきたのに、「会社はそういうんじゃないんだよ」っていう、他の方たちからの教えもあるので、それがちょっと難しいですね。

私たちの昔からのチームが、先輩にも後輩にも上下関係なく、しっかり勝つために、目標達成のために言いたいことは言って、解決して、いい関係をつくっていきましょうというチームだったんで、まあ「ここはこうだよな」と思っても、会社は違うんだなと思って。

小園:それが社会人ですね。

未希:そこが難しいです。

小園:弊社もアスリートですとか、体育会を採用したいっていう企業さんから多数お声がけをいただくんですが、やはりその理由のひとつにあるのが、なかなか最近の若い方たちって自分の意見を発信を自重するというか失敗を恐れるというか。

そんなところが多いなかで、アスリートとか体育会までグレード高くやってる人だと、そこ(意見の発信)をずっと習慣でされてるので採用をしたい、という声が非常に増えてるので、ぜひそういう姿勢を発揮していただければなと思います。

未希:入社してもうすぐ1年なんですけど、「私はこう思います」っていう意見はしっかり言うようにはしています。