チャットボット開発の展開

後藤和貴氏(以下、後藤):SNS上で(映画『名探偵コナン ゼロの執行人』のキャラクターの)安室透さんのファンの方々がとても面白いやりとりをされています。昨日ちょっと見てみたら、「乗り遅れたので、誰かQRコード持ってませんか?」みたいなやりとりがあるぐらい、安室透チャットボットは、本当に人気あるコンテンツのようですね。

我々が提供している「チャットボット開発」でできることをいくつかまとめてみました。

単純に返答内容を登録するための専用CMSを筆頭に、ひととおり整備されています。

メッセージサービスって、やっぱりプッシュ通知が効果的なので、そういった機能もありますし、なにかアクションを取ってもらったあとにアンケートを取ったり、それをデータとして活用する機能であるとか。

現時点では、統計データをもう少し見やすくしたり、もしくはまた違う軸のデータを入れられる環境にしていきたいな、ということも考えながら開発を進めています。

今回の小学館さんのプロモーションでは使っていませんが、例えば自由にテキストを入力されたときの言語解析の機能とか、チャットボットのコアな部分と、それ以外の賢い機能を外部サービスで補うこともできます。

宣伝になってしまうので、ごく軽く紹介しておきますけれども、キャンペーン期間だけ使いたいというニーズにぴったりのワンショットで使っていただけるようなメニューがあります。

あとは継続的に使っていただく場合のベーシックプランだったり、テーラーメイドで作り上げるカスタマイズプランがあります。実際にチャットボット以外の機能が必要な場合に開発しているケースもあります。

カスタマイズプランの事例を少しだけご紹介しますと、経済産業省が町田市で行った電子レシートの社会インフラの実証実験というものがありました。今年の2月に2週間ほど行われたものです。LINEで電子レシートを受け取れるサービスでしたが、チャットボットの仕組みの一部を使いながら追加開発を行った例です。

要は、電子レシートの実証実験のために、特別なデバイスを使わずに、みなさんがすでに使っているLINEの上でレシートを受け取れるような仕組みを、AWSの基盤の上で作っているところがユニークなんじゃないかと思っています。

最近は、こういったサービスを非常に簡単に、かつ短期間で実現できるところが、AWS Lambdaなどサーバーレスアーキテクチャを使う理由の1つにもなってきていますので、ぜひみなさんも参考にしていただければと思います。

O2OからOMO(オンラインとオフラインの融合)へ

「もう少し進んだチャットボットの使い方ができないか」ということで、最初にO2O施策を3つのフェーズに分けましたけれども、実際にオンラインからオフラインに行ったあと、さらにそこで何かできないか?と。オフラインで何かを行ってもらうことによって、オンラインの機能やサービスを活用して、お客さんとの接点を深めていくとか、購買活動に結びつけられないか?など、さまざまなニーズをお聞きしています。

ここからは、集客したあとの回遊策につながる話をご紹介していきます。

「ネット vs リアル」みたいな話がよくあります。もう結論からいうと、Amazonが一番わかりやすいサンプルですね。

まず、お客さんがどこで見て購入を決定するのか。例えば、商品の情報を集めて、実際に見て、それを買おうと決めるのか。おそらく、みなさんも気づかないうちに体験してると思うんですけれども、オンラインで限られた情報を頼りに感覚的で買う場合と、もしくは実際にお店に行って商品を実際に手に持ってから買う場合と。オフラインとオンラインは、日常的に使い分けられています。

例えば、通販のAmazonは、完全にオンラインからスタートしています。一方で、リテールストアは、もともとオフラインの販売活動であり、たぶんお客さんとの接点はお店しか存在しなくて、お店に来てもらってそこで購買してもらう方法しかありませんでした。

最近はO2Oと言いながら、実はいろんな攻め方があって、タイトルにあげてしまっていますが、OMO(Online Merge Offline)というかたちが注目されています。オフラインを活用する中で、よりよい顧客体験や顧客接点を作って新しい購買の方法を提供していくことを、実はもうAmazonのような会社が実践しています。

Amazonがオフラインを侵食していく

例えば、商品を選択する際の手段としてオフラインの場では、Amazon Dash、Amazon Echo、Amazon Goがあります。実際オンライン上で商品を選択をしている状況だとしても、例えばボタンを押すといった物理的な構造とか、画面をポチポチすることなく購買が行われたり、Echoなら音声で買うようなこととかですね。

新しいところではGoですね。実際に店舗に行ってそこで買う。決済に関してはオンラインかもしれませんが、オフラインに行って、目の前の商品を選択して買うようなことができる時代になってきています。

これは単純に今までオフライン側の購買行動を真似してやったというよりは、もともとオンラインで顧客接点がよくできているAmazonだからできることで、このへんを侵食し始めている状況です。

あとAmazon Booksですね。お店に行って提示される価格が、実はプライム会員とそうじゃない会員で違ったりするんです。実際に本をスキャンして表示される値段がそもそも違うと。それを目の前で叩きつけられて「じゃあプライム会員になろうか」みたいな行動に結び付く。それくらい、そこはオフラインなのに実はオンラインとすごく密接な購買活動になっているところが肝になっています。

ましてや、昨年、Amazonがホールフーズマーケットを買いました。これまでホールフーズマーケットってオフライン・オフラインの領域にいますけれども、そこがAmazonに買収されることによって、オンライン寄りになります。

実は、ホールフーズマーケット自身が、Instacart(インスタカート)という、オンラインで顧客誘導して購買につなげる、買い物代行サービスをやったりしています。よりAmazonが活用しやすいようなかたちになってきているので、今後はここを攻めてくるんじゃないかなと思っています。

なので、これからは単にO2Oという観点だけでは語れないような購買活動が出てくると思っています。前半の話と絡めると、実際リテールのエリアで、O2O施策は来店だけではなくて購買に結びつける必要性があると考えています。

モノ消費からコトの消費という移り変わりの先で、さらにコトの消費からもう一発モノの消費への転換していく流れが求められているというわけです。

さらにコト消費からモノ消費に喚起させていく仕掛け

もちろんいきなり一足飛びで購買というのも理想的ですけれども、ワンステップ手前でリピート率向上とか、1回買った方にすごくお得になるようなオンラインクーポンだったり、例えば、ポイントカードみたいなものも含めて実現できるようなものとか、最近はより一層の消費を喚起していくようなことが望まれています。

コト消費につながっていく行動としては、いくつかに分類されています。例えば純粋体験、イベント参加、アトラクション、時間滞在、コミュニティ、ライフスタイル型、買い物ワクワク型みたいなかたちで、いろんなところで注目され、リテールでの集客に活用される時代になってきています。しかし、リテールにとっては集客からモノ消費につなげていく施策はもっと重要で、そこにオンラインを活用する施策に注目が集まっています。

なので、元のタイトルからちょっとここだけ変えますけれども、O2OからOMOという時代に来ています。オフラインもオンラインもどちらも使って消費を喚起させていくような考え方がいいんじゃないでしょうか。

我々が提供できるOMOの手法として、ここから少しご紹介させていただきます。チャットボットとサイネージの連携みたいなもので、さらにIoT周辺の活用にも繋がるのではないかと考えています。特にオフラインに来てから回遊することを前提とした施策にはいろいろな可能性を感じています。

例えば、実際にサイネージの前に人が立つとプロフィールを判断する。すでに自動販売機なんかにも採用されていますけれども、まずは目の前に来た人を判定してこちらから話しかける。それこそAlexaみたいなものを使って話しかける。そして、お食事はまだですか?など、アンケートを取るようなかたちでやりとりをしながら、その人が潜在的に何を求めているかを分析をしていく。

ただ単に音声で答えるだけではなくて、ここで「LINEでQRコードを読み込ませる」と書いてありますけれども、このタイミングでこのユーザーをオンラインで繋がることができます。

ここから先はオンラインでトレースができる状態になるのと、その見返りというと印象が悪いですけれども、いろいろなクーポンを提供して、実際にアクションまで移してもらうこととか、このチャットボット+サイネージでできるのではないかなと考えています。

LINEの顧客情報をもとに、属性に合わせて音声対応

今回のセッションでは数少ない技術的なスライドになりますが、ここで構成図を紹介します。先ほどの電子レシートの実証実験に近いところがありますけれども、実際のお店でサイネージを見たときに、まずはそこで音声でアンケートというか、どういうアクションをしてほしいかを促します。LINEを起点として、そのユーザーの特性を掴んでいく流れです。

その上で、その方にどこでなにをしてほしいか特性に合った回答を用意することによって、特定のテナントやイベントに誘引したり、もしくは性別や年齢に合ったオファーが可能になります。

しかもクーポンを発行してそれを利用してもらえると。実際使われたかどうか、オファーが気に入ってもらえたのかどうかがわかる仕組みになっているので、今後、非常に役立つデータが蓄積されていくと考えています。

現時点で存在する機能としては、ユーザー識別とか音声認識とかになりますが、さまざまなニーズに柔軟な対応ができるように、我々もさらに開発を進めています。

最初からコンテンツCMSやLINEでのQR読み込みなどの機能は用意しています。

あとキャラクターはかなり重要な要素です。先ほどの小学館さんの『安室透チャットボット』の話もそうでしたけれども、視覚は印象に直結する部分ですし、こういう施策に適したスクリーン映えするキャラクターを設定したほうがいいですね。そのキャラクターにしゃべらせることができることで、効果が期待できるようになります。

当然ながら、回遊させるための施策として考える余裕も必要なので、オプションもいくつか考えています。スタンプラリーみたいなものを使うとか、ビーコンの利用とかですね。LINEにはビーコンがあって、持っているだけで近づいたら教えてくれるような機能もあります。

そういったことをやってみたり、その他のIoTデバイスと連携してみたり。そして、我々としては、町田市で実証実験したように電子レシート対応みたいなことが考えられるだろう、と計画をしています。

先ほども実際の例で出しましたが、こういったものを上手に活用することによって、性別・年齢・人数・時刻から、オファーする内容は何なのか、どんなアクションを誘発したいのかという設計ができるようになり、例えばレストランへ誘導したり、ファッションのテナントに誘導したりすることが可能になっています。

ほかにもエンタメ機能とか迷子対応とか、デジタルサイネージで対応できるだろうと考えています。