「楽しい」を目的にする

武者慶佑氏(以下、武者):でも、一瞬思ったのが、もしかしたら鷹鳥屋さん、タレント的な要素といいますか、「マツコの知らない世界」に近いなという気がしました。鷹鳥屋さんがやれば、なんか中東っぽくなるというか、中東に見えるというか。

鷹鳥屋明氏(以下、鷹鳥屋):今まさに、ここ中東に見えますよ。

武者:(笑)。鷹鳥屋さんがいちごを食べ比べるから、なんかいいみたいな。

鷹鳥屋:あぁ〜。

武者:マツコさんが「これ、おいしい」って言えばよいみたいな。

鷹鳥屋:なるほど。実際、この格好でJA福岡まで行って、いちご摘みに行ってましたからね。

(会場笑)

マジでこの格好でキャリーケース引いて、いちご摘んで「うまい!」とか言ってやってました。

武者:なるほど。絵作りから完全に意識してますよね。そこが本当に、なんだったら取り上げられたらおいしいもんだって思って(笑)。

鷹鳥屋:そうですね。今度JA高知に行って、ゆずのプロデュースやるんですけど。

武者:ゆずのプロデュースというのは、あのアーティストの「ゆず」じゃなくて?

鷹鳥屋:違います、違います(笑)。柑橘類のほうのゆず。だから、みなさんが着ている格好をもう何十着か増やして、村民に全部これを着せて遊ぼうというプロジェクトが今進んでおりまして。

武者:そのプロジェクトの目的はどこにあるんですか?

鷹鳥屋:えっ? 楽しいから。

武者:ははは(笑)。

鷹鳥屋:もうそれだけのために私が自分の給料を削って、服を70着も集めてきたという。

武者:さすが、サラリーマンの鏡ですね。

鷹鳥屋:これはねぇ、船便で送るのもすごい大変だったんですけど。でも逆に好きだったら、毎食ケバブで我慢して、ずっと服を買ったりとか、中東の好きなものを買うということは、そこまで苦じゃないと思うんですよ。

自分が有名になるのではなく、人の力を使う

武者:そうですね。僕自体はやっぱり、グミを逆に食えるかっていったらそういうわけではないんですけど。逆にグミって、たかが100円、200円の話でして、これを買って写真を撮ったりしても、まったく苦じゃないというか。それって毎日続けられるし、別に、写真撮ることに気を張らなくて済む。

鷹鳥屋さんはさっき、ミルフィーユを食べるのに本気を出してたじゃないですか。なんか、ミルフィーユを1枚1枚剥がして、それを動画に撮ってて、「あとで早送りにしてアップするんだ」みたいな感じで、ウキウキしながらミルフィーユ食べてたんですよ(笑)。

(会場笑)

鷹鳥屋:「ミルフィーユはそうやって食べない」ってすごい冷静なツッコミ食らって。

武者:「このミルフィーユ、剥がせないなぁ」とか言ってて、「ミルフィーユってそうやって食べるものじゃないですから!」って。そりゃ剥がせないよという。

(会場笑)

鷹鳥屋:職人の苦労をぶった切って食べてましたけど。

武者:なんかこう、基本的に「何かおもしろいことしてやろう」というか、コンテンツを作ってやろうとしながら生きてますよね?

鷹鳥屋:若干、ネタ人生ですよね。

武者:ネタ人生を歩んでますよね。そこに対して、鷹鳥屋さんと僕とは、好きなものは好きなものだけれども、僕のほうが気を抜いてるなという気がします(笑)。あと、僕そこまでグミグミしてないというか。どっちかというと、人の力を使ったほうが楽だろうと思って(笑)。

鷹鳥屋:ははは(笑)。人の力。

武者:そうです。僕がもしグミが好きということを広めるんだったら、僕が有名になるんじゃなくて、僕が関係値がある人とか、僕きっかけで何か他のところがうまく動いて、タレントさんがうまく「グミ好き」って言ってくれたほうが早いなぁみたいな。

鷹鳥屋:あぁ〜。確かにそっちのほうが、早くていいですよね。

武者:という考え方を持っています。

発信する時、どう絵作りをしていくか

武者:好きなものの絵作り意識はどうされていますか?

鷹鳥屋:あぁ〜、絵作り。

武者:はい。鷹鳥屋さんはどちらかというと、センスかなと。

鷹鳥屋:センス?

武者:センスがやっぱり。もともとおもしろいことしてやろうとか、こうやったら目立つんじゃないかって、さっきのミルフィーユで確信しました。

鷹鳥屋:あ〜。そうなんですよ、本当は私、ティラミス食べたかったんですよ。

武者:ははは(笑)。

鷹鳥屋:でも、ミルフィーユ見た瞬間、「これ、上から剥がして食ったらおもしれぇなぁ」と思って、我慢してミルフィーユを食べたという。そういう時点で、若干ネタでいろいろ犠牲にしてるなって思うんですけど。

(会場笑)

武者:常に探してるというか、おもしろいことを見つけたら、準備してるんじゃなくて、突然思いついたらやっちゃうところもある。

鷹鳥屋:「天啓が降りてきた」みたいな感じで。

武者:というふうに思ってないと、たぶん自分自身をコンテンツ化していこうというところになかなかたどり着きにくいんじゃないかなと思って。

鷹鳥屋:あんまりないんですけど、たまにこの格好で、例えば雪の上をスライディングしたり、三点倒立してる瞬間に、「俺、何やってるんだろう?」って、一瞬素に返るときがあるんですよね。

武者:(笑)。

鷹鳥屋:その瞬間、「いや、俺は大丈夫、大丈夫」って言って、それがスッと消えて、「もう1回三点倒立やろう」みたいな感じで。その瞬間はあるんですけど、そういうふうに考えちゃダメなんですよ、もう。

武者:バズらなかったら凹むんですか?

鷹鳥屋:いや、バズるとかバズらないとか、もともと考えないでやりますから。

武者:へぇ〜。

鷹鳥屋:あとぜんぜん関係のない、自分が意図してなかったものがバズって、すごい力入れて「これはおもしろいだろう!」というやつがぜんぜんバズらなかったということはよくありますからね。

純粋におもしろさを追求する

武者:絵作りをしてる時に関して、なんでしょうね、「これをSNSに上げてやる、おもしろくしよう」って思ってやっているのか、単純におもしろいことが好きで、勝手にやってて、「バズってもバズらなくてもどっちでもいいや」というふうにやってるのかというと、そのあたりどうですか?

鷹鳥屋:でも、その空間とか何かおもしろいものを見つけた瞬間には、「あっ、絶対これで撮ろう」とか、やろうと思っちゃいますよね。

例えば今日みたいに、今日みなさんいらっしゃるって聞いたんで、男性衣装と女性衣装をガシガシ持ってきたんですけど。それはもう純粋におもしろいから。あと、みなさんも着たほうが、なんとなく向こうの感覚もわかるし、おもしろいだろうという意志でやってますね。

この格好で、みなさん正座してザーッと座った絵を撮るのもおもしろいだろうなとは思います。

武者:おもしろいものを自分の中で探し続けていて、それをSNSに上げることは、あってもなくてもいい? それとも、SNSはやっぱりセットだと思いますか?

鷹鳥屋:あってもなくてもいいと思いますよ。だって私、絶対笑える写真でも出してないやつとかいっぱいありますもん。

武者:「出せない」んじゃなく?

鷹鳥屋:それもある。

(会場笑)

それもある。「ちょっとこれ出せなかったな〜」というのありますね。

中東の民族衣装でお茶を立てる

武者:タイミングを見計らって出すぞって、準備してるものとか?

鷹鳥屋:それはありますね。それこそ、これで20人集めて、チューチュートレインやって遊んだりとかしましたけどね。

(会場笑)

それはちょっと、実は1個イレギュラーがあって投稿できなかったんですよ。そういうことがありますね。

武者:なにか問題があったんですか?

鷹鳥屋:今日来てらっしゃるかわからないんですけど、女性がこれを着て何かやるというのは、向こうではあんまりよく思われてないんですね。

武者:なるほどね。今日は別に、ね?

鷹鳥屋:今日は別に、ぜんぜん大丈夫なんですよ。

武者:遊びだと思うんですけれども。本気で向こうに届けるようなネタになってしまうと、ちょっと……。

鷹鳥屋:そうなんですよね。そのためにわざわざ品川区のお茶室を借りて、この格好の人間が20人ぐらいゾロゾロ入っていくのを見て、区の人が「一体何をやるんですか?」って言われて。「お茶を点てます」って。

(会場笑)

表千家の先生にこの格好をさせて、シャッシャッシャッてやったんですよ。お茶菓子まで自分で全部用意しましたからね。