好きなことを仕事にするということ

武者慶佑氏(以下、武者):みなさまの中で「私はこれが好きでたまらない、時間を忘れるほど好きだよ」というものがある方は、どのぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

武者:1、2、3、4、……。4、5人。まぁ、10人はいないでしょうね。

鷹鳥屋明氏(以下、鷹鳥屋):はい。

武者:逆に、好きなものですでにごはんを食べている方いらっしゃいますか?

(会場挙手)

武者:あっ、お1人いらっしゃる。差し支えなければ、何をしているか教えていただけますか?

参加者:カメラマンと、あと海外旅行です。

武者:カメラマンと海外旅行。海外旅行が好きだということがお仕事になるんですね?

鷹鳥屋:グールジア! グールジア!

参加者:ふふふ(笑)。

鷹鳥屋:グルジアに行かれているんですよ。

武者:あっ、また行くところも。

鷹鳥屋:あっ、今ジョージアだ。そうなんですよ。やっぱり少ないですね。

武者:そうですね。果たしてお仕事でやっていくということが本当に必要なのかというのこともあると思いますが。

好きなものでお金を稼げるようになるべきか?

武者:鷹鳥屋さんは、好きなことだけでお仕事になってるんですか?

鷹鳥屋:正直なってないです。「石油王の友達がいたら、金もらえるんだろう?」とか言うんですけど、そんなことはないですからね。

武者:いない?

鷹鳥屋:いないですね。

(会場笑)

ただ、個人資産8,000億持ってる超ブルジョワに招待されたときに、「お小遣いあげるよ」とか言われたんですけど、「いや、飯だけ食わせてくれればいい」って言って、炊き込みごはん食わしてもらっただけというのは、今ぐらいになって「3〜400万ぐらいもらっとけばよかったな〜」ってすげぇ後悔してますね(笑)。

でもまぁ、私はマネタイズ自体があんまりうまくないのと、そこまでお金を絡ませたりとかすると、たまにトラブルになったときに中東のことが嫌いになっちゃうというか。そういうトラブルとかに巻き込まれて、中東に対して、自分自身でも悪いイメージを持っちゃうことがやっぱりあったんですね。だから、好きなものとの距離感の取り方って、すごい難しいなと感じています。

鷹鳥屋氏が注目されるワケ

武者:もしかしたらこの話と近いかもしれないですね。好きなものを自分にとって居心地の良いものに。

鷹鳥屋:あぁ〜。

武者:好きなものと自身のコンテンツというところの違いがあるのか、というお話もお聞きしたいです。「好き」と言っていても、その好きなものをやってる人って、たぶん他にもいっぱいいるんじゃないかと思います。

鷹鳥屋:うんうん。

武者:オンリーワンになるために、なのかわかりませんが、自分のコンテンツに転換していかなくちゃいけない部分があると思っています。もちろん好きで続けている趣味だったらいいんですよ。趣味との違いはあるのかと思いますが、どうですか? 中東は趣味ですか?

(会場笑)

鷹鳥屋:「趣味、中東」というのもなかなか新しいですけど。でもそんなこと言ったら、中東に住んでる人には私、絶対勝てないですよ。アラビア語の能力とか、いろいろ他の面で私よりも優れた人って圧倒的にいるんですけど、なぜ私だけがピックアップされたかというと、わかりやすさが一番あるんだと思います。

なんでメディアで他の大学教授とか偉い人が呼ばれず、私が解説員をやっているかというと、わかりやすいからなんです。同じことを言っても、私が言ってると「あっ、そうなんだろうな」って、同じことでも説得力が5倍ぐらい違うって言われましたね。あと今話題のテレ朝では、「鷹鳥屋さんが出たほうが視聴率取れます」って言われて。

武者:鷹鳥屋さんが言ったほうがコンテンツになるということですよね?

鷹鳥屋:そうですね。

武者:聞いてくれる方も、耳を傾けやすいといいますか。

鷹鳥屋:あと、視覚効果を重視するメディアに対して、写真も含めて使いやすいでしょうね。

武者:確かに、五感で中東を感じますね。

鷹鳥屋:そうですね、全身見たまんまですから(笑)。

武者:確かに。スーツを着て中東を真面目に語るよりも、これを着て、なのにボケずに真面目に話すということですもんね。

鷹鳥屋:そうです、そうです。

武者:ボケでやってるわけじゃない?

鷹鳥屋:笑いは1個も取ってないので。テレビの出演者にツッコミ入れたりとかしましたからね。「間違ってます!」とか言って(笑)。

武者:ははは(笑)。

大切なのは伝え方

鷹鳥屋:例えば、ラーメン好きな人っていると思うんですよ。ただ、その中で「私はラーメン毎日昼ごはんで食べてます」と。それで「好きでブログとかやってます」というのは、競争相手が相当多いと思うんです。その中で、中東の衣装に特化して、かつ中東のことを語る人間というのが、今までゼロだったんです。

武者:うんうん。

鷹鳥屋:だから私が急にピックアップされて、他の教授から「いいなぁ、お前、格好だけで」とか言っていじめられたりとかしてるんですね。

(会場笑)

武者:ラーメンの話に戻りますけれども、僕が知っている方でラーメンYouTuberがいるんですよ。

鷹鳥屋:ラーメンYouTuber?

武者:ラーメンYouTuberのすするさんという。その人はYouTubeという媒体をうまく使って。ラーメンを毎日食べるてブログをつけてる人っていっぱいいると思うんですけど、YouTubeというメディアを通してそれを伝えるということに特化できた人だろ思います

ラーメンの伝え方としても、プラットフォームの手段だったりとか、差別化するポイントみたいな。鷹鳥屋さんの場合は、それがファッションから入った部分もあるかもしれませんけれども。

ということで、好きなものをコンテンツに変える時には、ちょっと工夫が必要だと思います。

後発と差別化できた理由

武者:そんな、工夫の話なんですが、この間打ち合わせをしたときに、掛け算の話が出たじゃないですか。この話をもう少し膨らませられればなと思います。鷹鳥屋さんにとって、好きなもの、中東というのは、もうすでに自分のオンリーワンになっていると思いますか?

鷹鳥屋:う〜ん、今実はこの格好をしていろいろ情報発信してる人が、後発でちょこちょこ出てきてるんですよ。

武者:うん、うん。

鷹鳥屋:ただ、そういう方々も、一番多くてもフォロワー1万とか2万ぐらいで、私のほうがちょっと頭1つ抜けてるんですね。その理由は、この格好で過去にいろんなことをやりすぎたんです。空飛んだり、この格好でジンベエザメと一緒に泳いだりとかしたんですよ、実は。

(会場笑)

武者:溺れちゃう、溺れちゃう。

鷹鳥屋:泳ぎは達者だからぜんぜんOKですね。この格好で酸素ボンベ背負って、「ガチャピンチャレンジみたい」とかみんなから言われたんですけど。

(会場笑)

それでいろいろやらかして、船の上でダイブしたりとかいろいろやって、だいたいのふざけたことは私がもうやっちゃってるんで、二番煎じになっちゃうみたいなんですね。

私、アラビア語ではシャムスカマルという名前なんですけど、「それ、もうシャムスカマルがやってるじゃん」みたいなことを言われるみたいなので、なんかやりづらいみたいではあります。

だから、まぁちょっと抜けてはいますけど、ただ私自身が「これ以上何をやりゃいいんだろう?」ってちょっとためらってるところもあるので、今後の課題としては、1位を維持するなら何かをやり続けなきゃいけないという、ちょっと強迫観念はありますね。