「好きなことで生きていく」ために必要なのは、知識よりも伝え方
鷹鳥屋明氏がオンリーワンになれた理由

Community Marketing Workshop vol.1 ~グミ×中東 好きなコンテンツで生きていく~ #3/6

2018年4月24日、NagatachoGRIDにて、「Community Marketing Workshop vol.1 ~グミ×中東 好きなコンテンツで生きていく~」が開催されました。主催したのは、日本グミ協会会長で本業は広告代理店にてサラリーマンとして活躍する武者慶佑氏。ゲストに「中東で最も有名な日本人」として知られる鷹鳥屋明(たかとりやあきら)氏をゲストに招き、「好き」から生まれるコンテンツの作り方を語ります。

スピーカー

鷹鳥屋明
武者慶佑
日本グミ協会 会長

好きなことを仕事にするということ

武者慶佑氏(以下、武者):みなさまの中で「私はこれが好きでたまらない、時間を忘れるほど好きだよ」というものがある方は、どのぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

武者:1、2、3、4、……。4、5人。まぁ、10人はいないでしょうね。

鷹鳥屋明氏(以下、鷹鳥屋):はい。

武者:逆に、好きなものですでにごはんを食べている方いらっしゃいますか?

(会場挙手)

武者:あっ、お1人いらっしゃる。差し支えなければ、何をしているか教えていただけますか?

参加者:カメラマンと、あと海外旅行です。

武者:カメラマンと海外旅行。海外旅行が好きだということがお仕事になるんですね?

鷹鳥屋:グールジア! グールジア!

参加者:ふふふ(笑)。

鷹鳥屋:グルジアに行かれているんですよ。

武者:あっ、また行くところも。

鷹鳥屋:あっ、今ジョージアだ。そうなんですよ。やっぱり少ないですね。

武者:そうですね。果たしてお仕事でやっていくということが本当に必要なのかというのこともあると思いますが。

好きなものでお金を稼げるようになるべきか?

武者:鷹鳥屋さんは、好きなことだけでお仕事になってるんですか?

鷹鳥屋:正直なってないです。「石油王の友達がいたら、金もらえるんだろう?」とか言うんですけど、そんなことはないですからね。

武者:いない?

鷹鳥屋:いないですね。

(会場笑)

ただ、個人資産8,000億持ってる超ブルジョワに招待されたときに、「お小遣いあげるよ」とか言われたんですけど、「いや、飯だけ食わせてくれればいい」って言って、炊き込みごはん食わしてもらっただけというのは、今ぐらいになって「3〜400万ぐらいもらっとけばよかったな〜」ってすげぇ後悔してますね(笑)。

でもまぁ、私はマネタイズ自体があんまりうまくないのと、そこまでお金を絡ませたりとかすると、たまにトラブルになったときに中東のことが嫌いになっちゃうというか。そういうトラブルとかに巻き込まれて、中東に対して、自分自身でも悪いイメージを持っちゃうことがやっぱりあったんですね。だから、好きなものとの距離感の取り方って、すごい難しいなと感じています。

鷹鳥屋氏が注目されるワケ

武者:もしかしたらこの話と近いかもしれないですね。好きなものを自分にとって居心地の良いものに。

鷹鳥屋:あぁ〜。

武者:好きなものと自身のコンテンツというところの違いがあるのか、というお話もお聞きしたいです。「好き」と言っていても、その好きなものをやってる人って、たぶん他にもいっぱいいるんじゃないかと思います。

鷹鳥屋:うんうん。

武者:オンリーワンになるために、なのかわかりませんが、自分のコンテンツに転換していかなくちゃいけない部分があると思っています。もちろん好きで続けている趣味だったらいいんですよ。趣味との違いはあるのかと思いますが、どうですか? 中東は趣味ですか?

(会場笑)

鷹鳥屋:「趣味、中東」というのもなかなか新しいですけど。でもそんなこと言ったら、中東に住んでる人には私、絶対勝てないですよ。アラビア語の能力とか、いろいろ他の面で私よりも優れた人って圧倒的にいるんですけど、なぜ私だけがピックアップされたかというと、わかりやすさが一番あるんだと思います。

なんでメディアで他の大学教授とか偉い人が呼ばれず、私が解説員をやっているかというと、わかりやすいからなんです。同じことを言っても、私が言ってると「あっ、そうなんだろうな」って、同じことでも説得力が5倍ぐらい違うって言われましたね。あと今話題のテレ朝では、「鷹鳥屋さんが出たほうが視聴率取れます」って言われて。

武者:鷹鳥屋さんが言ったほうがコンテンツになるということですよね?

鷹鳥屋:そうですね。

武者:聞いてくれる方も、耳を傾けやすいといいますか。

鷹鳥屋:あと、視覚効果を重視するメディアに対して、写真も含めて使いやすいでしょうね。

武者:確かに、五感で中東を感じますね。

鷹鳥屋:そうですね、全身見たまんまですから(笑)。

武者:確かに。スーツを着て中東を真面目に語るよりも、これを着て、なのにボケずに真面目に話すということですもんね。

鷹鳥屋:そうです、そうです。

武者:ボケでやってるわけじゃない?

鷹鳥屋:笑いは1個も取ってないので。テレビの出演者にツッコミ入れたりとかしましたからね。「間違ってます!」とか言って(笑)。

武者:ははは(笑)。

大切なのは伝え方

鷹鳥屋:例えば、ラーメン好きな人っていると思うんですよ。ただ、その中で「私はラーメン毎日昼ごはんで食べてます」と。それで「好きでブログとかやってます」というのは、競争相手が相当多いと思うんです。その中で、中東の衣装に特化して、かつ中東のことを語る人間というのが、今までゼロだったんです。

武者:うんうん。

鷹鳥屋:だから私が急にピックアップされて、他の教授から「いいなぁ、お前、格好だけで」とか言っていじめられたりとかしてるんですね。

(会場笑)

武者:ラーメンの話に戻りますけれども、僕が知っている方でラーメンYouTuberがいるんですよ。

鷹鳥屋:ラーメンYouTuber?

武者:ラーメンYouTuberのすするさんという。その人はYouTubeという媒体をうまく使って。ラーメンを毎日食べるてブログをつけてる人っていっぱいいると思うんですけど、YouTubeというメディアを通してそれを伝えるということに特化できた人だろ思います

ラーメンの伝え方としても、プラットフォームの手段だったりとか、差別化するポイントみたいな。鷹鳥屋さんの場合は、それがファッションから入った部分もあるかもしれませんけれども。

ということで、好きなものをコンテンツに変える時には、ちょっと工夫が必要だと思います。

後発と差別化できた理由

武者:そんな、工夫の話なんですが、この間打ち合わせをしたときに、掛け算の話が出たじゃないですか。この話をもう少し膨らませられればなと思います。鷹鳥屋さんにとって、好きなもの、中東というのは、もうすでに自分のオンリーワンになっていると思いますか?

鷹鳥屋:う〜ん、今実はこの格好をしていろいろ情報発信してる人が、後発でちょこちょこ出てきてるんですよ。

武者:うん、うん。

鷹鳥屋:ただ、そういう方々も、一番多くてもフォロワー1万とか2万ぐらいで、私のほうがちょっと頭1つ抜けてるんですね。その理由は、この格好で過去にいろんなことをやりすぎたんです。空飛んだり、この格好でジンベエザメと一緒に泳いだりとかしたんですよ、実は。

(会場笑)

武者:溺れちゃう、溺れちゃう。

鷹鳥屋:泳ぎは達者だからぜんぜんOKですね。この格好で酸素ボンベ背負って、「ガチャピンチャレンジみたい」とかみんなから言われたんですけど。

(会場笑)

それでいろいろやらかして、船の上でダイブしたりとかいろいろやって、だいたいのふざけたことは私がもうやっちゃってるんで、二番煎じになっちゃうみたいなんですね。

私、アラビア語ではシャムスカマルという名前なんですけど、「それ、もうシャムスカマルがやってるじゃん」みたいなことを言われるみたいなので、なんかやりづらいみたいではあります。

だから、まぁちょっと抜けてはいますけど、ただ私自身が「これ以上何をやりゃいいんだろう?」ってちょっとためらってるところもあるので、今後の課題としては、1位を維持するなら何かをやり続けなきゃいけないという、ちょっと強迫観念はありますね。

「お山の大将」でも大丈夫

武者:「鶏口牛後」という言葉もありますが、オンリーワンというのは、僕の印象ですけど、それがニーズがあるところじゃなくてもいいんじゃないかと思っていて。例えば鷹鳥屋さんが、中東の衣装を着て変なことしようと思ったのって、そこにニーズがあったからじゃないですよね?

鷹鳥屋:うん、ニーズなんてないですよね、そもそも(笑)。

(会場笑)

武者:そうですよね。だから牛後、結局、牛のお尻を取るよりは、鶏の頭を取ったほうがいいという話で。

鷹鳥屋:そうですね。

武者:僕は「お山の大将」という言葉を使ってるんですけど、別にニーズがなくても、自分1人しかやってなければ、ナンバーワンだよねという、SMAP的な発想ですよね。

鷹鳥屋:富士山でなくても、高尾山であっても、てっぺんはてっぺんですからね。

武者:てっぺんはてっぺんじゃんって言ってれば、まぁバレないんじゃないかなと思います。「日本グミ協会」というのはラッキーで、「日本」もメジャーじゃないですか。「グミ」もメジャーじゃないですか。「協会」もメジャーじゃないですか。でも3つ掛け合わせてそれっぽく見せたら、検索したら1件もないというような。

鷹鳥屋:あぁ〜。

武者:めっちゃラッキーとか思っていて。でも側から見たら、「なんか、ちゃんとしてそう」みたいな。

鷹鳥屋:ははは(笑)。どうしよう、俺ちゃんとしてそうって思われてるのかな、検索して。

(会場笑)

武者:それは戦略と戦術の違いですね。

鷹鳥屋:はい。

武者:だけど、鷹鳥屋さんは少なくとも一番最初にそれをやって、市場があるかないかとか、ニーズがあるかないかとかじゃなくて。

鷹鳥屋:「ファースト中東ペンギン」みたいな感じですよね。

武者:ファースト中東ペンギン(笑)。

鷹鳥屋:ビジネス用語で、最初になにかやった人を「ファーストペンギン」って言うんでしたよね? 

武者:確かに、なんとなくペンギンっぽく見えてきました。

鷹鳥屋:私、黒白だからですかね?

(会場笑)

これ、みなさんわかると思うんですけど、ベルトがなくてボディラインが出ないんで、向こうの人たちってガンガン太るんですよ。どっちらかというとピラミッド体型になって、象足体型になって、首とか顔は細いのに、下がすごい膨れるということになります。

武者:ここ(顔)だけ意識しちゃってるんですね。

鷹鳥屋:ここだけ意識して。女性は目だけ化粧すればいいので、楽っちゃ楽なんですけど。

武者:確かに。みなさん判断するのに、基本的に目になってしまいますもんね。

鷹鳥屋:目だけのやつで合コンやりたいですよね。

武者:いやぁ……。僕ちょっと、ごめんなさい(笑)。

(会場笑)

鷹鳥屋:ダメ⁉︎

武者:いや、ダメというか、僕の趣味とはちょっと違ってたので……。

鷹鳥屋:いやいや、ルックス重視じゃないけど、本当のやつみたいな感じで。

武者:そうそう。なんか僕がルックスで判断する人間みたいな……。

(会場笑)

鷹鳥屋:まぁまぁ、そうですね。でもまぁ、お山の大将でもぜんぜんいいんですけど、ただ偶然、勝手に自分でやってたら勝手に中東で有名になって、サウジアラビアの国王陛下が来たとか、サウジアラビアの政変の時に解説員として「この人にやってもらったらいいんじゃないか」と言われて、急遽呼ばれました。

けっこう後付けで有名になったというのが大きいです。ですから、そこまで自分で「こうやってやろう」という戦略は持っていませんでした。

中東のマーケットは小さい

武者:ちなみに今はお仕事として、お仕事というか、日常のお仕事の中でこんな格好をしていらっしゃったりするんですか? サラリーマンですよね。

鷹鳥屋:サラリーマンですね。まぁ中東からの問い合わせみたいなのを……。映画会社の中東展開の話とか、商社から「中東でこれを売るにはどうすればいいか」みたいな、そういう相談がいっぱい来ますね。

武者:逆に自分でその格好を365日やっちゃって、「社長・鷹鳥屋さん」としての会社をやりたいとかは思ってるんですか?

鷹鳥屋:うーん。

武者:好きなことでずっとやり続けて、もし、お仕事の半分以上は中東関連のお仕事みたいなかたちで?

鷹鳥屋:まぁまぁ、そうですね。ただ、なんと申しますか、中東自体のマーケットがすごい狭いんですよ。これは確かです。

お山の大将ってことですけども、標高の低いお山の大将で。それこそ映画もやれば、ECサイトの現地の展開とか、中東でいちごがどうやって売れるのかみたいな相談とか、全部受けてるんですよ。「なんでも中東よろず屋」みたいな感じになっていて。

なぜかというと、需要が少ないので、どんな仕事でも受けなきゃいけないんです。だから、自分のプロフェッショナリズムみたいなものが、どうやって確立されていくかというところにけっこう悩んでいて。

「俺、別にいちごのエキスパートになるつもりないんだけどなぁ」とか思いながら、あまおうととちおとめを食い比べたりとかしてて。

(会場笑)

がんばっていろいろやってはいるんですけど。ただ、これだけだと、たぶん他にちゃんと中東の商社で5年、7年いた人とか、そういう人たちに比べてジリ貧になっていくだろうなという感覚は持っています。

なぜかというと、私もともと商社でも働いていた時期があったので、そういう組織力とかいろいろなものとかを考えると、1人で続けてるって、けっこうキツいなと思ってます。

武者:今は組織で、サラリーマンであることによって、中東好きというマインドが……。

鷹鳥屋:維持できてるところがあるんですよね。みんなびっくりするのが「1人で中東ワイワイやってるんですか?」って聞かれるんですけど、「いえ、サラリーマンです」って普通に言うんですよ。

武者:うん、うん。

鷹鳥屋:この格好でサラリーマンというのもなんとも言えないですけど、サラリーマンであることにある程度安定して、それに片足を置きながら中東をやってるというのは、けっこう安心感というか。人によっては「根性ねぇな」って言われるんですけど、「だったらやってみろよ!」という。

武者:ははは!(笑)

鷹鳥屋:「だったら中東でやってみろよ!」という。どれだけ仕事の受注が少ないかというのがあります。

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