2044年、国家の数は数十万に
河崎純真氏が予測する、“ブロックチェーン後”の世界

馬から車。手紙からメール。銀行、国からブロックチェーン。 #1/2

Blockchain EXE #9
に開催
2018年2月14日、Blockchain EXEが主催するイベント、「Blockchain EXE #9 ブロックチェーンが築く経済圏 将来展望と課題」が開催されました。あらゆる産業への応用が期待され、仮想通貨を火付け役に注目を集めるブロックチェーンの動作原理や基礎・応用、最新技術の共有に重きを置いたエンジニアコミュニティ、Blockchain EXE。第9回となる今回は、ブロックチェーンを用いて挑戦を行う3名をゲストに招き、最新事例を語っていただきます。

日本的な思想とブロックチェーン技術のつながり

河崎純真氏(以下、河崎):よろしくお願いします。今日はこういった登壇の機会をいただき、ありがとうございます。GIFTED AGENTの河崎です。

今日のテーマとしては、「馬から車。手紙からメール。銀行、国からブロックチェーン。」みたいな話をさせていただければと思います。経済圏の話なので、「今後、経済というあり方がどう変化していくか」、さらにそれに代わって「資本主義のあり方・国家のあり方はどう変化していくのか」ということに関して、我々の考え方をお伝えできればと思います。「近代資本主義から共感資本主義」というところですね。

私の活動テーマをひと言で伝えると、「“和”とブロックチェーン」です(笑)。これは説明すると長いんですけど、今、日本では仮想通貨がすごい注目されています。世界の3割の仮想通貨投資家が、日本が次のメインの仮想通貨マーケットとして1番重要な資源になる、と答えています。その中で「分散型社会の次に必要とされるのは“和”の精神である」ということを強く考えています。

先週もエチオピアの大使にこのアイデアを紹介させてもらって、来週はパナマの大使とお話させてもらうんですけど、実は日本的な思想とブロックチェーンとは、非常に相性が良いんじゃないかと考えています。これが前段で、今日はこのお話を紹介させていただきます。

では、これからの時代どのように変化していくか、我々はこのように変化していくというふうに考えています。今の既存の社会の枠組みというのは、このように構造化された社会ですね。3角形みたいに構造化された、画一化された社会構造です。

これからの時代は、これが分散・ネットワーク化され、「ポピュラー・オーガナイゼーション」という組織構造に変化していくことによって、こういった無数の組織構造、多層的なレイヤーで混ざり合うような時代になってくる、と捉えています。

「今日、15分で伝えたいこと」って書いてますけど、25分いただいたので、それくらいかけて話します。「私たちの未来予測」「ブロックチェーンとは何か?」「共感資本主義とは何か?」「これからの世代の生存戦略について」「“和”とブロックチェーン」がどう繋がるか、という話をさせていただきます。

ジャック・アタリの未来予想図をもとに

河崎:私たちの未来予測ですが、私たちは2044年、国が数十万から数百万に増えると考えています。中央銀行や強大な国家が消え、より小さいコミュニティによって政府が成立する、という時代を想定しています。ちなみにこれは、フランスの哲学者・社会学者のジャック・アタリが提示している未来像です。

そして、2050年の地球。前提として、エネルギー需要が現在の1.8倍、温室効果ガス1.5倍、食糧需要1.7倍、水需要が1.6倍。都市人口が63億人いて、今の8倍。日本の人口は8,000万人になっています。

8,000万人ってどういうイメージかって言うと、その際、この人口比の内4,000万人が60歳以上です。人口の半分がおじいちゃんとおばあちゃん、2,500万人が20代~50代。1500万人ぐらいが20代以下みたいな感じなんですけど。簡単に言うと、今の社会構造が成り立ちません。

これも細かいので説明すると、これはシェル……みなさんご存知の石油会社ですね。シェルが出している未来構想。どのようになっているかを分析したものですけれど、「2つの未来シナリオ」を彼らは見ています。

どういうシナリオかと言うと、1つは「Mountains」、もう1つは「Oceans」。「Mountains」というのはアメリカのStratforという調査会社がまとめたシナリオで、簡単に言えばアメリカが世界を征服するシナリオですね。世界征服ができる、という未来像です。

もう1個の「Oceans」というのは、これがジャック・アタリが言っている「市民社会、ネチズン、NGOといった集団がITによってエンパワーされ、自生的に秩序がつくられていく世界観」というものです。こういう2つのシナリオがある。

グローバル資本主義の整理をここで説明しておくと、現代は「国民国家資本主義」というのが非常に強いです。今成立してるモデルはアングロサクソンモデルで、国民国家と資本主義を混ぜ合わせたような社会モデルが成立している。当時台頭していた共産主義や開発独裁やファシズムみたいなのは失敗して、こっちが強くなってるよね、という話ですね。

それ以外にも北欧形式や欧州などいろいろあって、日本はアジア形式っていう家父長制度をメインをした社会モデルが強いんですけれど、そういったモデルが今の世の中です。

市場が世界を支配する時代

河崎:これからどういう社会モデルが成り立ってくるかなんですが、「スーパーキャピタリズム」の時代だと言われています。これはすごくシンプルで、企業が国家になっていく時代ですね。General Electric、P&Gなど、日本ではトヨタ。トヨタ自動車ができて、愛知県挙母市は豊田市に名前が変わったわけで、ほぼ国家化していますよね、みたいな話で(笑)。そういったものが非常に強くなっていくだろうと考えられています。

ただ我々の集団が「“和”とブロックチェーン」と言っているのは、こういうのがいっぱい広がっていくと、トランプやブレグジットみたいなことがいっぱい起きちゃうので。そうではなくて我々は、ダブルスタンダード、「共感資本主義」という社会モデルを成立させていきたいな、と考えています。これはギデンズの「第三の道」という方向性なんですけれど、これを実現したい。

これはどういうモデルかと言うと、これはジャック・アタリの「世代の変化」を図にしたものです。彼は「時代には波がある」と言っていて、最初にロンドン、ボストン、ニューヨーク、ロスアンジェルス、今ここ、みたいな感じなんですけど。

時代には中央となる都市や場所があって、そこにあらゆるテクノロジーが集積していく。次はマーケットになる、と言っています。ロンドンが産業革命、ボストンが科学革命、ニューヨークは金融革命、ロスアンジェルスは技術革命。次は国ではなく、市場が世界を支配する時代になってくるだろう、ということです。その先にまた、100年後くらいに超民主主義が訪れるだろうと『21世紀の歴史』という本で描いています。

2つおもしろい事例があって、ピーター・ティールとミルトン・フリードマンの孫が、海洋国家を作るのを実際にやっています。2020年にもう始めると彼らは言っていますね。

もう1個おもしろいのは、最近で言うとカタロニアですね。カタロニアの騒動、知っている方?

(会場挙手)

河崎:あ、意外とぽつぽつ……あんまり知らないですね。カタロニアが独立しようとしたのご存知ですか? カタロニアはですね、実は独立しようとしていて、うまくいってたり、うまくいってなかったり、というニュースがあるんですけど……カタロニアはスペインの大きな地域です。スペインの大阪、みたいな感じなんですけど、そこが独立しようとしてる。そんなことが起きたりしています。

ブロックチェーンがここでやっと繋がってくるんですけど、その裏側でFairCoinというのがありまして、独立にすごく強く関わっているものです。あとで紹介します。

新しい信用のあり方、ブロックチェーン

河崎:ブロックチェーン。AIとかいろんな社会構造の変化が絡んでのことなんですけど、ブロックチェーンの役割を紹介します。

「ブロックチェーンとは何か?」を簡単に説明させていただこうと思うんですけど、「俺はブロックチェーンわかってるよ」という方? ……どうですか?(笑)。多ければ説明が不要かな、と思ったんですけど。じゃあ軽く説明します。我々の理解としてですけど。

ブロックチェーンというのは、タイトルにもあるように「馬から車。手紙からメール。銀行、国からブロックチェーン。」という変化をもたらすものだと考えています。では、ブロックチェーンがどんな変化をもたらすのかと言うと、我々は「信用を陳腐化した」と考えています。

簡単に言うと、今までの時代は信用に価値がありました。これからの時代にはなくなります。ちなみにその時代は、「信頼」に価値がある時代、「共感」に価値のある時代になる、と考えています。

ブロックチェーンが何であるか、という話なんですけど、1つ例として。……お名前なんでしたっけ?

伊藤:伊藤です。

河崎:伊藤さん。実はここの土地、全部俺のものです。

(会場笑)

河崎:これが証明です。みなさんこれ、ご存知ですよね。ケーブルです。

これが証明です。伊藤さん、信じますか?

伊藤:信じません。

河崎:信じないですか。ありがとうございます(笑)。

(会場笑)

河崎:信じないそうです。じゃあ、まぁ……信頼されてないってことですね。

(会場笑)

河崎:じゃあ、どうやったら信じますか?

伊藤:うーん……権利書みたいなものがあれば。

河崎:権利書ですか? じゃあ今ちょっとコンビニ行って、「権利書」って書いて持ってきますけど、そしたら信じますか?

伊藤:信じません。

河崎:信じないですか。じゃあ、誰が発行した権利書だったら信用しますか?

伊藤:国が発行した。

河崎:あぁ、国が発行した権利書。ということは伊藤さんは、俺のことは信用しないし信頼もしてないけど、国の言うことは信用してるってことですね?

伊藤:そうですね。

河崎:ありがとうございます。これが、今までの信用です。なので、誰か初めて会う人とか、信頼がない人が経済活動を行うためには、信用が必要です。でも信用がないので、お互いが信用してる第三者を代表にして価値交換を行いましょう、取引を行いましょう……というのが今までの価値交換です。

もう1つだけ伊藤さんに、ここの土地が俺のものであるということを信じてもらう方法があります。どうするかって言うと……(会場にむかって)すいません、ここの土地俺のものですよね。はい、俺のものですよね。みなさん、俺のものですよね。そうですよね。みなさん頷いてますね。ありがとうございます。

ここの会場で伊藤さんだけが信じてないみたいなんですけど……。

伊藤:ちょっとやっぱり本当に、信用しそうになります。みんなが言ってると。

河崎:本当ですか? でも、もしかしたら全員買収してるかもしれないですよ。

(会場笑)

河崎:飲み会でみんなにビールおごるとか。伊藤さんを騙そうとしてるかもしれない。

伊藤:なんかちょっと不安になりますね。

河崎:はい。では例えば銀座に住んでいる人全員に俺が聞きに行って、全員が「ここの土地は河崎のものだ」って言ったらどうしますか?

伊藤:そしたら信用しますよ。

河崎:あぁ本当ですか。銀座だけでいいですか?

伊藤:できれば東京都。

河崎:(笑)。東京だけでいいですか?

伊藤:できれば日本全員。

河崎:日本だけでいいんですか?

伊藤:できれば世界。

河崎:はい。世界ですね、ありがとうございます。世界中の人に俺は聞きに行って、伊藤さんだけが信じてない。でもみんなはイエスって言っている。そしたら伊藤さんは?

伊藤:信じます。

河崎:はい、ありがとうございます。これが新しい信用、ブロックチェーンです。

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このログの連載記事

1 2044年、国家の数は数十万に––河崎純真氏が予測する、“ブロックチェーン後”の世界
2 ブロックチェーンが変える経済のあり方––信用は無価値になり、“共感の時代”が始まる

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