本物の美人であることのメリット・デメリットを知っていますか?

Looks aren't everything. Believe me, I'm a model.

「美人になりたい」「美女に生まれたかった」「綺麗な人は得をしている」と考えたことがある女性も多いのではないでしょうか。16歳でモデルデビュー、プラダやシャネルのランウェイに立ち、またVOGUEの表紙を長年飾り続けてきたキャメロン・ラッセル氏が、美人のメリット・デメリット、プロのモデルとしての「美人あるある」エピソードについて語りました。誰もが羨む美貌を持つ同氏ですが、その裏には人知れぬ悩みを持つといいます。モデルという職業は外から見たら、「細身の外見とつやつやの髪を持った彼女達はとても幸せなはず」と思われることも多いですが、ラッセル氏によると「自分がどう見えるか」について毎日不安だらけで過ごすことが多いそう。美女は本当に得なのかを考えさせられるスピーチです。(TEDxMidAtlantic 2012より)

容姿が持つパワー

キャメロン・ラッセル氏:こんにちは。私はキャメロン・ラッセルです。ここ数年、私はモデルをしてきました。実際には10年です。

今この場所にはとても居心地の悪い緊張感があります。私はこの服を着てくるべきではありませんでしたね。

(会場笑)

幸運にも、着替えを持ってきています。TEDの檀上で初めての着替えでしょうね。これを見れるなんて幸運だと思いますよ。もしここにいる女性の中で、私が(この服で)出てきたことにびっくりした方がいたら、今ここで何も言わなくていいですよ。あとでTwitterで私はそれを知るでしょうから。

(会場笑)

あなた方が思う私という人物を、私はたった10秒間で変身させることができるという特権を持っていることも言っておきましょう。みんながそれをできるわけではありませんからね。

(履いているヒールを脱ぎながら)このヒールはとても履き心地が悪いんです。今履き替えられてよかった。(この檀上での着替えで)最悪な部分は、このセーターを頭からかぶるときです。みなさん、その瞬間に私を笑うでしょう。セーターを着ているときに、何もしないでくださいよ。

なぜ私は着替えなんかしているのでしょう。気まずかったですね(笑)。

(会場笑)

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この写真ほど気まずいものでないといいのですが……(笑)。

外見、容姿はとても強力です。そしてまた表面的なものでもあります。私はたった今、6秒間でみなさんが想像した人間から他の人間に変わりました。

この写真を撮影したとき、私の実生活では彼氏などいたことがありませんでした。とても居心地が悪く、カメラマンは私に背中を反るように指示し、手を男性の髪に絡ませるように言ったのです。

手術や撮影2日前に偽物の日焼けをつけることを除いては、私たちが自分の外見を変えるためにできることはほとんどありません。そして、自分たちの外見は表面的で変えることのできないものですが、それでも私たちの生活にとても大きな影響力を持っています。

今日私は怖いもの知らずでありますが、それは私が正直に話すということを意味しています。私はモデルだから今このステージにいるのです。このステージにいられるのは、私がかわいくて白人だからです。モデル産業ではそれをセクシーな女の子と呼びます。今から、よく聞かれる質問に答えたいと思います。正直にです。

モデルになれたのは、「遺伝子の宝くじ」に当たったから

最初の質問は「どうやってモデルになったの?」というものです。

私はいつも「スカウトされたの」と答えます。でもそれは答えになっていません。私がモデルになった本当の方法は、遺伝子の宝くじに当たったから、そして遺産を受けとったからです。

みなさん、それがどんな遺産か不思議に思っているでしょう。過去何世紀かにわたり、私たちが生物学的に賛美するようにプログラムされている健康や、若さ、均整美を美と考えるだけでなく、背が高く、細身で女らしく、白人であることを美ととらえるようになったのです。それは私に有利に作られた遺産であり、私が恩恵を受けているものです。

この時点で、みなさんの中には疑いを持っている人もいますよね。ファッションに詳しい人は「待って。ナオミ、タイラ、ジョアン・スモールズ、リウ・ウェンなどがいるじゃない」と考えていると思います。まず、その知識を称賛します。とても良くご存知ですね。

(会場笑)

しかし、2007年にニューヨーク大学の博士課程の学生は、ランウェイのモデルの数を数える調査を行いました。残念なことに、677人もモデルがいる中で白人でないモデルは27人、全体の4%以下だけだったのです。

次の私が多く受ける質問は「大きくなったら私もモデルになれますか?」というものです。最初に言えることは「わかりません。私は採用の権限を持っていないから」です。

でもふたつ目の答えで、私が本当に若い女の子に伝えたいことは「なぜ? あなたは何にでもなることができます。アメリカ大統領にだって、次世代のインターネットの発明だって、世界で初の忍者心臓外科医、兼詩人にもなれるのです。それはすごいことだよ」です。

(会場笑)

もしこの素晴らしいリストを聞いたあとでも、「違う、違う、キャメロン。私はモデルになりたいの」と言うでしたら、私は「私の上司になってください」と答えます。なぜなら私は何の権限もないからです。

でもあなたはアメリカ版Vogueの編集長、H&MのCEO、次世代のスティーヴン・マイゼルになれるかもしれません。大きくなったらモデルになりたいと言うことは、大きくなったら宝くじを当てたいと言うのと同じです。自分ではどうすることもできないもので、素晴らしいものではありますが、職業として選ぶべき道ではありません。

雑誌上のモデルはまるで"建築物"

今から、私が10年間で培ったモデルの知識をお見せします。心臓外科医とは違い、今この場で披露することができるからです。

もしカメラマンがそこにいて、向こうからライトに照らされていて、クライアントが「キャメロン、歩いているショットが欲しいんだ」と言えば、足は先に行き、腕は後ろにいき、他の腕は前方に、顔は斜め前に向かせ、そのまま体を前後に動かすのです。それをしながら後ろにいる自分の想像上の友だちを見つめ、300回、400回、500回とその動きを繰り返すのです。

そうするとこのようになります。

真ん中の写真より、不自然じゃないといいのですが。その写真は何が起こったのかわかりません(笑)。

残念なことに、もし学校を卒業していて、履歴書を作ってしまえば、数個の職歴が加わり、もう何もできなくなってしまいます。もしアメリカ大統領になりたいと言っても、履歴書に「下着のモデル:10年間」とあれば、変な顔で見られるのです。

よく受ける次の質問は「すべての写真を修整してるの?」です。そして答えは、「ほぼすべての写真は修整されています」です。でもそれは実際に起こっていることのほんの小さな要素でしかありません。

この写真は私の最初のモデルとしての写真であり、私はこの時初めてビキニを着ました。まだ初めての生理も来ていないときでした。とても個人的な話になってきましたね。でも当時私はただの若い女の子だったのです。

この写真は、その写真を撮る数か月前に、私のおばあちゃんと撮ったものです。

この2枚は同じ日に撮影されました。友だちが撮影に一緒に来れたときでした。

これはフランス版Vogue撮影の数日前、パジャマパーティでの写真です。

この写真はサッカーチームで撮ったもので、これはVマガジンのものです。

そしてこれが今の私です。みなさんが見ている写真が、私ではないということを理解してほしいです。それは"建設"されたものです。ヘアスタイリスト、メイクアップアーティスト、カメラマン、スタイリスト、その他すべてのアシスタントや試作、撮影後の編集のプロたちにより作られたものなのです。彼らがこれを作りました。それは私ではありません。

美貌でトクする人、損する人

次のよく受ける質問には「タダで物をもらえるの?」というものがあります。私は多すぎるほどの20cmのヒールを持っています。でもそれを履くことはほとんどありません。このスピーチの初めには履いていましたが……。

私がもらうタダの物は、実際の生活でもらうものです。私たちはこれについて話すことを好みませんね。私はケンブリッジで育ちました。1度、お金を忘れたままお店に入ったことがありました。でもタダでワンピースをもらえました。

私が10代だった頃、私は友だちの運転する車に乗っていました。その友だちはひどい運転手で赤信号を無視してしまい、私たちは警察に止められました。でも私たちは「ごめんなさい。お巡りさん」と言うだけで、他に何もなく見逃してもらえたのです。

私がこれらタダの物を手にできたのは、私自身ではなく私の外見のおかげでした。そして世の中には、誰であるかは問題ではなく、見た目のせいで犠牲を払わなければいけない人がいるのです。

私はニューヨークに住んでいます。そこでは昨年、14万人ものティーネイジャーが職務質問、身体検査を受けていて、その86%は黒人かラテン系なのです。そしてそのほとんどが若い男性です。ニューヨークには17万7,000人の若い黒人男性、ラテン系男性が住んでいます。彼らにとっての問題は「職務質問されるかな?」ではなく、「何回職務質問されるか? いつ止められるかな?」なのです。

私がこのスピーチのリサーチをしているとき、私はアメリカの13歳の女の子の53%が自分の身体が好きではなく、17歳になるとその数字は78%にまで跳ね上がるという事実を知りました。

華やかなモデル業の裏は不安だらけ

よくされる質問の最後は「モデルってどんな感じなの?」というものです。期待している答えは「すこし細くて、つやつやの髪を持っていれば、とても幸せで最高な気分になれる」というようなものでしょう。

私たちが舞台裏にいるとき、そのように思わせてしまうような発言をしています。私たちは「いろいろな場所に行けるのは素晴らしいし、創造的、刺激的、情熱的な人と仕事ができることは素晴らしいことです」と言います。そしてそれらは真実なのですが、それは真実の半分なのです。

カメラの前では決して言わないことがあります。私も言ったことはありませんが、それは「私は不安なのです」ということです。私は毎日、自分がどう見えるかということを考えなければいけないから不安なのです。

もしみなさんが「もっと太ももが細かったら、髪がつるつるだったら、もっと幸せになれるかな?」と考えているようでしたら、モデルのグループに会ってみたらいいです。彼らの太ももはとても細くて、髪もつやつや、着ている服もかっこいいのに、彼女たちはこの世の中で最も自分の身体に不安を持っている女性たちです。

私がこのスピーチを書いているとき、正直なバランスをとるのは難しいと感じました。なぜなら、今日ここに来て私が「私はとても恵まれた状況からこれらの利益を得てきました」ということは気まずいからです。

そしてまた一方で、「そしてそれが常に私を幸せにしてくれるわけではありません」と続けることはもっと気まずかったからです。その中でも1番難しいことは、ジェンダーや人種的抑圧の遺産について語ることでした。私が1番そこから利益を得ているからです。

でもここに来られたことを嬉しく、光栄に思います。そして10年、20年、30年後ではなく、今ここに来れたことは素晴らしいと思います。その時にはもっと多くのエージェンシーで仕事をしているでしょう。そしてそうなれば、私が最初の仕事をどのように始めたか、どうやって大学の学費を払ったかという話はしなかったかもしれません。今はそれがとても重要なことのようです。

もしこのスピーチからみなさんが得るものがあるとしたら、私はそれが、みなさんが"ある力"をもっと認識できるようになること、であることを願っています。その力とは、みなさんが成功や失敗と感じる中で、外見や見た目が持っている力です。

ありがとうございました。

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