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第61回:深沢ロイの頑張らない数学(苦手意識の解消について)(全1記事)

円周率ってそもそも何か知ってる? 数学嫌いな人に共通する、苦手意識の正体

西澤ロイの頑張らない英語。このラジオは、英語が上達しない原因を根本から治療するイングリッシュ・ドクターの西澤ロイ氏が、英語の効果的な上達法・学習ノウハウ、英語を使って活躍している方のインタビューなどを伝える番組です。TOEIC満点を獲得し、「頑張らない」をキーワードに英語勉強法をレクチャーするロイ氏が、リスナーからの疑問に答えます。今回は、ビジネス英語の専門家である深沢真太郎氏をゲストに招き、社会人向けの数学教育について語ります。

学生時代に習った公式を振り返る

西澤ロイ氏(以下、ロイ):今日はちょっと5つの公式を持ってきました。

深沢真太郎氏(以下、深沢):こういうの見るだけでも嫌ですよね。

ロイ:まず1番目が3角形の面積。底辺×高さw÷2。台形の面積は(上庭+下底)×高さ÷2。これを意味わからずに、暗記しちゃっている方がたぶん多いですよね。どうですか? じゅんじゅん。わかります? 何でこうなるかとか。

上村潤氏(以下、上村):何でって言われるとやっぱりわからないですよね。これはこういうものだからと言って教えられましたね。

深沢:そうなんですよね。おっしゃる通り。

ロイ:というか、真ん中のこの3つ目のやつって何かわからないですもんね。

深沢:もう勘弁してくれという感じですよね(笑)。

ロイ:nPrって書いてますけど、nPrといって僕が思い出すのは、National Public Radioというアメリカのラジオの放送局の。

上村:何がNで、何がPで、何がrなのかまったくわからないですから。

ロイ:そうそう。出ました。2πr。これは大事。

上村:これは聞いたことがありますね。

ロイ:nPrってなんでしたっけ?

上村:πは円周率ですよね。nPrは円周の長さ。

ロイ:おっ、すごい正解。

上村:たぶん、ここまでがギリギリです(笑)。

ロイ:その通りでござます。じゃあ、円の面積は?

上村:円の面積は、半径x半径x高さx円周率?

ロイ:πrの2乗。じゅんじゅん、苦手って言ってたクセにけっこういいですね。

上村:そこまでですよ。

深沢:いいじゃないですか。

ロイ:はい。

上村:不満でござますか?。もっとできないほうがよかったかな(笑)。

ロイ:英語よりもがんばってるなって(笑)。

上村:ああ、いやいや。なるほどね(笑)。

ロイ:こういうのを暗記してしまっているわけですよね。

円周率ってなに?

深沢:暗記してテストの点数は採れると思うんだけど、おもしろくはないと思うわけですよ。よく私が社会人とのコミュニケーションで、この中で使うのが、正に今じゅんじゅんさんが答えてくれた弧の長さの2πrというやつなんですけど、ここにπって出てくるじゃないですか。円周率ってみんなπって認識しているんですけど、円周率ってそもそも何かと言うと、円の周りの長さと、その円の直径の比率のことを円周率って言うんです。実は。

上村:ああ、そっか。

深沢:もう1回。ちょっと難しいと思うので。円周の長さと、その円の直径の比率のことを円周率と言うんです。これが正しい円周率の教え方なんですね。ところが世の中の大人の人に「円周率って何ですか?」という感じに質問すると。

ロイ:じゅんじゅんに聞いてみよう。

深沢:円周率って何ですか?

上村:えっ? 3.14。

深沢:って答えるんですよ。「いや、そうじゃなくて円周率って何ですか?」って聞くと「いや、だから3.14です」。こういう会話になるんです。

ロイ:そうか。何かって言われているのに、いくつかというのを答えてしまう。

深沢:これが今の教育。あまり教育のことを悪く言うつもりはないんだけども、やっぱりズレを端的に表現しているんですよ。円周率は円の周りの長さと直径の比率なんです。どんなに大きな円でも、どんなに小さな円でも、その比率が必ず3.14…になるんです。これってけっこうすごいことなんですよね。どんな円でも必ずそうなるって誰が見つけたの? どうやって見つけたのというのをみんなで考えていくほうが、おもしろいはずなんだよねというのが、本来やるべき授業かなと思うので。

今はビジネスパーソン向けにやってますけど、いずれはどんどん年齢を下げていって、小学校とか中学校とかで、そういう授業ができるような先生を沢山育てたいなって、思っているんですね。

ロイ:ななるほど。

深沢:そうすると苦手意識というものが無くなっていくんじゃないかなって思います。

ロイ:やっぱり大人になると、暗記ができなくなってくるんですよね。これは脳の話ですけど、小学生ぐらいまでだったら覚えられるんですよ。でも中学生以上になると、「何で?」とか理由のわからないものって覚えられないしやる気も出なくなるんですよね。

深沢:うーん、なるほどね。

数学も英語も同じ問題を抱えている

ロイ:なので、本当に大事なポイントですよ。英語も一緒なんですよ。例えば、問題です。見るというのを英語で何と言いますか?

深沢:見る? それは単語でいいですか? 例えばlook at。

ロイ:そうそう。じゃあ聞くは?

深沢:listen?

ロイ:そうlistenで、そうするとlisten to musicになるんです。

深沢:はい。

ロイ:じゃあ、何でatで、何で見るだけはatで、聞く時はtoなのとか。

深沢:ああ、そうですよね。

ロイ:習ってないんですよ。

深沢:習ってないと思います。

ロイ:そうすると、そこから暗記になってしまって、look forは探すとか。やっぱり暗記なんですよ。

深沢:そうか、そうか。

ロイ:もっと分解して1個1個感じることができたら、本当は難しくないんですよね。英語も。

深沢:なるほど。確かに。

ロイ:でも、何か今の数学の話も一緒だなと思うんですけど、最初からよくわからずに、後は全部暗記になってしまう。だから最初につまずいてしまうんですよね。

深沢:うーん、そうですね。だから、最初につまずかないようにするのってすごく大事だと思うので、小学校の先生とかってお仕事として大事なんですよね。小学校の先生って全部教えるじゃないですか。

ロイ:うん、確かに。

深沢:算数を正しく教えるってたぶん無理だろうなと。大変だと思うわけですよ。だから小学校の先生とかも分業制にしていったほうがいいのかなというのは個人的には思うんですね。もうプロがちゃんと算数を教える。プロがちゃんと文法の基礎を教えるみたいな。そのほうがいいんじゃないかなと私は思いますね。

ロイ:なるほど。

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