自分の語彙力に合わせて訳を表示

藤田より道氏(以下、藤田):メールですとかPDFの技術文書とか。そういったものもコピペモードで(日本語から英語に)変換できますので、世の中のデータになっている英語だったらほぼ何でも変換できます。

上村潤氏(以下、上村):どうすればそんなものが作れるのか、興味津々で仕方ないんですけど(笑)。

西澤ロイ氏(以下、ロイ):まあ、まあ。ここにはレベル3って書いてあるんですけど、これはレベル1から5あるわけですよ。ちょっとそのご説明をお願いします。

藤田:知らない単語というのは、その人の英語力によって変わってきますので、レベル1は中学2年生ぐらいの人が知らない単語は全部訳が出てきます。レベル2、レベル3にいくに従って、だんだん訳が出てくる単語が減って、レベル3だと偏差値50の高校2年生が知らない単語が全部出てきます。レベル5になると「8,000語ぐらい知ってるぜ」っていう人が、それでも知らない単語だけ出てくるというふうに、自分のレベルに合わせて優しすぎる単語は出てこないようになっています。

上村:あっ、なるほど。同じ文章でもレベルを変えると、訳してくれるものが変わってくるということですね。

藤田:変わってくるんですね。はい。

上村:はあ、すごい親切。

ロイ:だからこれは今レベル3なので、これらが出ているんですけど、レベル1にしたらstomach(胃)とかも、たぶん出るでしょうし、他の単語も。

藤田:eveningとかそういう単語もきっと出てきますね。

機械翻訳とは異なるアプローチ

上村:ほう。でも全文を訳すわけでもなく、レベルに従って読めない単語だけを読めるようにしてくれるというか、全部訳してくれるわけではないところが逆にいいというか。

ロイ:そう。全部訳すのは無理なんですよ。

上村:あっ、やっぱりそういうものなんですね。

ロイ:機械翻訳とかありますけど、どうしても限界があって、だから僕はすごくいいアプローチだと思いますね。

藤田:そうですね。構文から判断するとどうしても無理が出て、Google翻訳とかでも意味を決め打ちするので、けっこう間違えるケースがあるんですね。この例でいうと、例えばcellというのがあるのですが、これは細胞、個室、小集団、電池という主要な意味を全部出していて、その中から自分でどれだろうというのを考えながら読んでいきましょうということですので、自然と単語力がついてくるんですね。

上村:そうですよね。どれもちょっと見ると、2つぐらい意味が載ってたりしますよね。どちらを使うかは文章から推測するというか。

藤田:自分で推測することで、読めちゃうというのが1番大事なのですが、同時に単語力も広がっていくという。

ロイ:だからこれは内容的には、腫瘍から細胞をとったという話なのですけど、機械翻訳でやっちゃうともしかしたら腫瘍から電池とっちゃうかもしれないわけですよね。そうしたらわけわからないですよね。その瞬間に。それが起こらないので自分の判断でちゃんと読めるという。

上村:なるほど。すごいですね。因みに、なんでこれを作ろうと思ったのですか?

藤田:そうですね。私も実はボキャブラリーが8,000語ぐらいあるのですが、それでも読んでいると、知らない単語がポロポロと出てくるんですね。それぐらい知ってたら類推で読めるよと言われるんですが、実際に類推して読んでいると、類推ってけっこう間違えるんですよ。ぜんぜん違う意味だったりして、自分で後から間違えて読んでたってなったり。

あと、類推でずっと読んでいると、何ヶ月、何年経っても語彙は増えないんですよ。8,000語勉強してやったのですが、そこから8,001語にならないんですね。それは非常に残念だったので、こういうアプリがあったらいいなと。それで世の中になかったので自分で作ったみたいな。

利用者の声

上村:いやあ、誰もが望んでいたけど、作らなかったものに進まれたわけですね。そんな「英読」なのですが、使われている方から実際に生の声というのが届いていまして、それを紹介させていただきたいと思います。こちらは男性マサさんからいただいています。

「私の元には、海外のメールマガジンがかなりのペースで送られてきます。以前は『英語に触れるいい機会だし、そうでもしないと、なかなか手で英文を書くなんてことはしないだろう』と思って、いちいちノートに書き写し、わからない単語は英英辞典でひく、という苦行のようなことをしていました。それこそ『頑張って』勉強をしていました。ですが、最近は忙しくてそれができなくなり、未読のメールがたまる一方でした。『英読』を使うと、メールをまるごとコピーすれば一気に読めるので、とてもはかどります」。

それはそうですよね。

ロイ:本当に。

上村:とてつもない時間が短縮になったと思います。そしてもう1通。50代の女性の方からですね。「仕事で英語を使っており、毎日英字新聞、とくに『NHK WORLDNEWS』を毎日読んでいます。そのために、『英読』が欠かすことができません」もう生活の中に溶け込んでいらっしゃると。

ロイ:いやあ、ほんとに。僕も時々英語読むのが面倒くさいなって思っちゃうんですよね。

上村:ああ、ロイさんでもそう思う時があるんですか。

ロイ:思いますよ(笑)。やっぱり「英読」を使うと、自分がいい加減に覚えていた単語が、こういう意味だったんだと確認できたりしてけっこう助かります(笑)。

上村:なるほど。ロイさんにとっても、8,000語が8,001語になっていくわけですね。そして、もう1通。これは40代主婦の方からですね。「『英読』アプリをスマホに入れて、『Japan Times』を読んでみました。すらすらと読めて嬉しくなりました。英語の長文を読むにあたって、自分の語彙の少なさが、ネックだと思っていたので、このアプリは大変な武器になりそうです」ということで、やっぱり長文が読めるようになるって、すごく僕もたぶん英語って楽しいと思ってくると思うんですよね。

ロイ:「Japan Times」読んでますってかっこよくないですか?(笑)

上村:主婦で「Japan Times」読んでますって、これはかっこいいですね(笑)。

ロイ:すごい下駄を履かせてもらえるというか(笑)。