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ラクスルとフルラの「食」から始める健康経営とは?(全6記事)

大切なのは「従業員をうまく味方につける」こと フルラ村上氏、健康経営を取り入れた経緯を語る

従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉える「健康経営」が話題となっています。2018年2月21日、健康経営をテーマとした情報交換会「ラクスルとフルラの『食』から始める健康経営とは?」が株式会社おかんで開催されました。ラクスルとフルラは健康経営を取り入れてどう変わったのか? 参加者からの質問に答えるかたちでディスカッションしました。

思いつきベースで楽しく進めていく

質問者1:健康経営というテーマで、具体的にどんな施策の設計をうかがいたいんですが。

司会者:一つひとつの施策、健康経営というもののストラテジー、もしくは、それの1個1個の施策全部ですか? どういった感じの設計や健康経営というもの全体ですか?

質問者1:まずヨガもあったかもしれませんが、そういったものをいくつか。たぶんメリーというか、プログラムがあるんですよね。

司会者:なにをもって健康経営か。

忽那幸希氏(以下、忽那):今でいうと、具体的に設計のような、例えば年間計画を立ててるとか、目標を立てているかというと、立ててはいません。社員の中から自発的に出てきていたり、個人的に私がおもしろそうだからやってみたいということを勝手に始めたり、そういうことはあると思っていて。

例えば今回、オフィス拡張プロジェクトのメンバーだったんですが、その際に、エアロバイクがついたワークデスクを導入したのも、たまたまメンバーから「こういうのがあるよ」というのがポンと来て、「おもしろそう」と思い、予算があったら入れてもいいと言われたので、予算を工面して入れてみました。

予想外の使われ方をしていることもありますが、でも、そういうものがあることで、ただあるだけでも目に入って、バイクを漕がなきゃいけないようなところで、ちょっとした社員の中の意識にもなりますから。今はまだおもしろそうだなとか、やってみたいなという思いつきベースで、なにが当たるかどうかを試している段階だと思いますね。

司会者:そうですか?

村上儀明氏(以下、村上):そうですね。あまり考えていませんね。

忽那:そうですね。楽しんでやっています(笑)。

おもしろければ何でも健康経営につながる

村上:何か日々ネタ探しをしているというか。それはテレビだったり、まぁ本でもなんでもそうですが。なんていうんでしょうね、迷惑メールで入ってくる変なメルマガのようなものがあるじゃないですか。ああいうものでも読んでいくと、「なんかこれおもしろそうなんじゃないの?」というような、「引っかかってるじゃん」といったことがあったりするんです。

でも、そこから掘っていくと「これは意外とおもしろいかも」など、どこにおもしろいものが転がっているかは、自分の知っている範囲でしかやっぱり物事はなかなか飛び越えないんですが。やっぱりちょっとネタ探しで、なにかちょっとおもしろそうなものをとりあえず見てみるという。

そうすると、「これちょっとおもしろそうじゃない?」となれば、またさっきのように「なんかこんなのあったけど、知ってる?」「どう?」とみんなに聞いて、おもしろそうだったらやってみるというような感じです。

だからあまり、なんていうんでしょうね。きっちり先に計画や、なにかを決めて進むというよりは、基本おもしろいかどうかというところからスタート。

質問者1:なにか健康につながっていそうだなというところでしょうか。

村上:あまりそれも考えない。

質問者1:それも考えない(笑)。

村上:結局おもしろいことは、それがよっぽど悪いことでなければ、みんながそれによってイキイキと動くわけじゃないですか。どうとでも結び付けられますよね。「いや、健康経営じゃないですか」と。みんながそれでハッピーになって生産性が上がるわけですから、「社長、これはどう考えても健康経営ですよね」と言えば、「まぁそうかもしれないな」とやっぱりなるじゃないですか。

(会場笑)

だからあまり、やっぱりキチキチっとはめようとはせずに。

質問者1:ユニークなものみたいな?

村上:というようなところからやったほうが、社員もたぶんみんなそのほうが、「ああ、ちょっとおもしろそうだね」「やってみたいね」となれば、結局、「社員からそういう声が出ていますよ」というのは、一番我々にしてみれば強いというか。「じゃあやらないんですね」「社員の声を無視するってことですよね」という説き方をするということですね。

そういう意味では、やっぱり従業員をうまく味方につけるというところからスタート。

質問者1:ありがとうございます。

司会者:大丈夫ですか? トップを認めさせるのは大変ですよね。

質問者1:そうそう。

司会者:ありがとうございます。

予算がない会社にもできること

質問者2:(産業医という立場で)いろんな企業を見ていると、やっぱり実際のところ、健康管理ということがかなり大きく、従業員の方をたくさん抱えられている企業の方は、健康管理というものがかなりできるかぎり減らしたい損失という捉え方をしてしまう人が多いんですよ。

ストレスチェックをやったり、健康診断を義務化されたり、それ以外にもいろんな負担がどんどんかかっていって、実際のところ、じゃあ健康経営をしましょうと言っても、やっぱり予算が組みにくい会社さんがかなりたくさんいらっしゃる。

そうした会社さんにじゃあ健康経営を実際にしてもらうとなった場合は、かなり細かく予算を(設定する)。「こうやったらこういう段階でチェックを行う」「チェックをやってダメだったら、このプランはやめる」など、かなり綿密なプランを作って提案しないと、実際、難しい企業様がかなり多いんです。

ですから、たぶん人事の方や総務の方は、そうした企業の方々は腐心されているのはあると思いますよね。

今、忽那さんと村上さんは、そうした風通しの良さや、あとは資金的にももしかすると余裕があるのかもしれませんが、けれども、もし予算を組めないぐらい会社が苦しくなったときに、健康経営をやるのであれば、どうしたことをやられるのか。

だから要は、例えばじゃあ「おかん」を導入するとなっても、「いや、無理。お金ないんだもん」となったときに、なにをするのかというところが聞きたいですね。

無料の取り組みを管理部がスモールスタート

忽那:ヨガはあまり予算はかかっていませんが、例えば健康ということでいうと、先ほど話に出てきた、しっかり休みを取るというのも一つ大事だなと思っています。

有給を取得させよう、どんどん使ってもらおう。しかも、連休を取ってちょっと長く、休みやすい環境にしようといったときに、あとは有給取得奨励日というのを定めて、それを積極的に管理部内で取り始めたんですね。

そうすることによって、本当にできるのかという実証実験もできますし、管理部がやっていって結果が出れば、それをちょっとずつ他部署に移していくこともできると思っていて。そうした意味では管理部というのは、わりとそういう新しい施策を、まぁスモールスタートをしやすい部署だという私のイメージがあります。

例えば営業さんのように、朝と夜しか顔を合わせないということもありませんし、ある程度、エンジニアさんのように夜間に急にということもそんなになく。決まった時間に朝来て、だいたい決まった時間、多少前後しても、だいたい同じようなライフスタイルのメンバーが揃っているのであれば、その中で1回スタートさせてみるというのは、急に大きく始めるのが難しいのであればやりやすいと思います。順番で休みを取るようなところでも。

質問者2:赤字の場合でも、もう無理やり予算を作って、休みを作っていって、フィードバックする。

忽那:そうですね。そうしたものから始めることが、たぶんわかりやすいとは思います。

少ない予算でインパクトの高いものを取り入れる

村上:うちは親会社がイタリアなので、やっぱり予算はすごくうるさいんですよ。毎年、期初の段階で予算組み。ここは人件費、全社の人件費と、SGAというのは販管費ですよね。人事系の販管費を全部組んでいくんですが。

例えば今年なんかだと、みなさんからしたら普通かもしれませんが、つい最近、有線を入れたんです。会社に。有線。生産性を上げるプログラムのようなものがあるんですよ。

司会者:リラックス効果を狙っているという感じですか?

村上:そうそう。集中力など。時間で組めるようになっているんですね。というのがあって。

司会者:あ、それ。音楽のテーマが組めるんですか?

村上:組めます。例えば、13時から15時までは集中力の曲で揃えてあげるといったように。そういったプログラムの有線さんでもあるんです。だから単純にBGMが流れるというよりも。

司会者:へえ。あ、ちゃんと計算されて。

村上:計算されているプログラムがあるんですよ。それは月6,000円です。6,000円。だから……。

質問者2:1社がですか?

村上:あ、もうずっと。

質問者2:1事業部で?

村上:そうです。そう考えると、そんなに年間、目くじらを立てるような金額にはならないじゃないですか。だから、コストのところはどこの会社さんも、とくに経営者がうるさいのは当然ですから、なるべく少ないお金でインパクトのあるものを、いかにも「みんなのためにやったよ」というように見せるのも、一つの方法だと思いますよね。

そういう意味では「おかん」さんも、月々が会社の負担というのが。

司会者:そうですね。そういう意味では、福利厚生が一人頭600円と安いので、すごく上に言いやすいというのは聞いています。

従業員さんは、100円で持って帰ったり、コンビニではなくて栄養価の高いものを食べたり。あと若い子はやっぱりなるべくエンゲル係数を落としたい感じですから、若い社員さんがいるところでもすごく導入したいといった感じがあるので、お金がないとはいえ、いろいろやり方はありますよね。

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