惑星の周回軌道にまつわるサイエンス

オリビア・ゴードン氏:太陽系の地図を見ると、惑星が太陽の周りを二次元かつ平面の軌道で周回しているように見えますよね。

しかし、全く平面ではないもの、惑星は実際にほとんど同じ平面の軌道を周回しています。実は望遠鏡が登場する前、人類は惑星と太陽が空のどこに現れるかを図表にすることにより、その事実を知っていたのです。なぜ軌道は平面なのでしょうか?

それには太陽系の成り立ちが関係しています。その昔、恒星はガスと塵の粒子が巨大な球状の雲になることで生まれました。その雲は非常に小さく自転していましたが、結局はなぜか崩壊し始めたのです。天文学者たちも崩壊の原因を100%解明できていませんが、近くに生まれた超新星が要因だと述べています。

その後、引力により全ての雲が互いにまとまるようになりました。そしてこの塊が小さくなるにつれ、自転が早くなりました。それは「角運動量保存の法則」があるからです。角運動量とは、ある物体が回転し続ける傾向のことです。その物体がどれくらいの角運動量を持っているかは、2つのポイントにより決まります。その質量の配分がどうか。それがどれくらいの速さで回転しているか、です。

1つのポイントが変われば、もう1つのポイントがそれを補うことにより一定の角運動量を維持します。巨大な宇宙の雲が小さくなるにつれ、回転速度が増し、その回転に関わる力が大きくなり、雲が潰れて皿状になりました。

ボール状の生地が回転をかけながら伸ばすことでピザ生地になるのと同様の現象です。ただ、この現象を数学的に解明できていません。

しかし、銀河系の中で、皿状の新星ができる様子の観察に成功しています。実際に太陽系が生まれる様子を目にしているのです。

太陽系は、時間が経過するにつれ、皿状の物質の形成する塵の粒子とガスが互いに混ざり合って隕石を形作り、どんどん大きくなります。ジャガイモのような形をした小惑星を形成するだけに必要な物質しか持っていませんが、地球や木星などの惑星を形成したものもあります。

平面の渦を巻く皿状の物質から形成されたため、太陽系にある惑星は同じく平面の軌道を描きます。そして、太陽の周りを同じ方向に回転しています。例えば冥王星や、小惑星や彗星などの軌道には特有の傾きが見られます。

これらは始めは平面の軌道を周回していましたが、惑星が現在の位置に動く過程で、木星や冥王星などの影響で少しズレたポジションに追い出された可能性があります。冥王星などはたくさんの物体を太陽系に永久に飛ばしますので、ズレた軌道でなかったら冥王星のせいでもっと最悪の結果になっていた可能性があります。

こうした事実から、実は太陽系の惑星が同じ平面を周回していることは普通のことで、他の多くの恒星でも同じ現象が生じています。