2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
CTOゲストセッション(全1記事)
提供:アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
リンクをコピー
記事をブックマーク
カルヴィン・フレンチ・オーウェン氏(以下、オーウェン):みなさんこんにちは。Segmentの共同創業者でCTO(最高技術責任者)です。
今日は私たちが学んだレッスンについて話をしていきたいと思います。プロダクトもない、1つの部屋から4人で立ち上げた会社が、200人の従業員を抱え、世界で千以上ものビジネスを展開するようになるまでの話です。
今回は、Segment社の歴史を3つに分けてお話していきましょう。
まずはプロダクト・マーケット・フィット、そこへ到達したあとは、どのようにビジネスを拡大したか。最後は現在のSegment社を築き上げ、今後数年を支えていくツールについてです。
ご存じない方のために、現在のSegment社の状況についてお話しします。
「Segment」は顧客のデータを収集し、利用するためのワンストップツールです。私たちはSalesforce、Stripe、Zendesk、さらに使用しているWebアプリケーションから情報を収集します。
ページを読み込み、ユーザーの買い物かごへの追加アイテム、Webサイトへの登録といった情報などを顧客が望むところへ送ります。
これらはRedshiftやMixpanelのようなストリーム、またはGoogle Analyticsのような第三者のデータ・ウェアハウスの場合もあります。Segmentはどのような場所からでも必要なデータを収集し、希望する場所へ送信することが可能です。
Segment社の現在トラフィックを数字で見てみると、収集するイベントの数は月間で1,400億、HTTPリクエストの数は秒間で40万件、サポートするサードパーティーのAPIは数百、コンテナの数は1万5,000となっており、現在200人ほどの従業員がいます。
しかし、常に順調というわけではありませんでした。その他多くのスタートアップ企業のように、私たちにも独自の(歴史と成長)ストーリーがあります。
Segmentの創業についての話をしていきます。
はじめは売るプロダクトがなく、ただ数名が部屋にいただけでした。2011年時点では、マサチューセッツ工科大学(MIT)の3人の同級生、私とルームメイトのピーターとエリオットだけでした。
当時、私たちは自分たちでビジネスを始めたいと考えていましたが、アダム・スミス氏がMITを訪れるまでは、何をどのように始めればいいのかわかっていませんでした。
アダムはY Combinatorで4,000万ドル(約42億円)の資金調達をしたスタートアップXobni社の創業者です。
私たちには、彼がとても偉大な人に思えました。彼はXobniを設立後、会社を順調に成長させてきました。しかし出会った当初、アダムは私たち同様の普通の人に見えました。
そこで「(普通の人間である彼が成し遂げられたなら)彼と同じことができるのではないか?」と考えました。私たち3人は仕事を開始し、臨時の仕事場をピーターの学生寮の部屋の一部に作りました。
狭いスペースにみんなで集まり、外部のプロジェクトを立ち上げ、新しいアイデアをハッキングし、それがうまくいくかを見ていました。当時、私たちはみな学生です。そこで、自分たちの課題の解決にフォーカスしてみてはどうかと考えました。
そこで、自分たちの講義を評価するツールを作ってみました。私たちはこれをクラス・メトリックと名付けました。
これはプロトタイプで、大学の講義を生徒が理解していない場合、教授にそれを伝えるというものです。このアイデアは、現在のSegmentがやっていることとはまったく関係ないものです。
このツールを構築し、「(講義を)理解できていない」「理解できた」といった項目を追加しました。これを使うことによって、学生たちが講義を理解できたか、それともまったく理解できてないかという反応を教授たちが受け取ります。
このプロタイプを作り、Y Combinator に面接をしに飛行機で向かいました。ご存知ない方のために説明しますと、Y Combinatorはスタートアップ業界のハーバード大学のようなものです。
ここはインキュベーターであり、年間に2,000ドルくらいから出資が始まり、メンターシップを受け取ることができ、プロトタイピングの構築ができ、事業を開始することができます。アメリカでのスタートアップで有名なDropboxや Airbnb 、Stripeはすべてこのプログラムの出身です。
インタビューを受け、これがつかむべきチャンスだと理解していました。こうして大学を去ったあと、フルタイムでスタートアップの仕事を始めました。
2012年5月にY Combinatorに参加しましたが、すぐに私たちは支援が必要なことがわかりました。人々が、先ほどお見せした(プロトタイプの)プロダクトを実際に使うことはないと理解したのです。
そのかわりに、新たにデザイナーを採用しました。4番目の共同設立者で、友人の友人でもあるイアンです。彼はロードアイランド州のデザイン学校からやって来ました。彼は実際に使用できて、見栄えもよく、ユーザーが喜んで使うツールを作る責任者になりました。
私たちはこれぐらいの小さな部屋で、ほとんどの時間を過ごしました。ホワイトボードが壁にかかり、できる限り安い4つのデスクを置き、ピザの箱が部屋中に散らばっていました。
この期間、朝9時から10時ごろに起きて、コードを夜中まで書いて、朝また同じよう起きる。そのような生活を送っていました。
私たちはツールの構築を続け、それを少し進化させました。学生が講義をどれくらい理解したか、それとも講義のトピックは難解であったかの反応を返信するようにでき、講義中に学生がメモを書ける機能がついたツールを教授に渡しました。
学生は(講義中に)質問をすることができ、他のクラスメートがその回答を手助けすることもできました。学生らは、授業のスライドをみることができました。これで学生が講義についてどのように感じているかを教授は理解でき、学生は授業を遮ることなくフィードバックすることができたのです。
このツールを構築したあとに、私たちはベータテストに取り掛かりました。まずカリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大、ボストン大学などの教授にeメール出しました。リストに沿って、まず私たちのプロジェクトの初期ユーザーを見つけ出そうとしました。
これらの教授たちに「あなたの問題を解決しますよ」と訊きました。教授たちは私たちのことを一度も耳にしたことのない、いままで関わりのない人たちです。
十分な反復テストとベータテストを経て、生徒たちの反応を見てみようと、このツールを実際の講義の場に持ち込んでみました。この時点で4、5ヵ月が過ぎてました。そして残念ながら、物事は計画どおりではありませんでした。
講義中に学生らが実際にしていたことは、クラス・メトリックを使うこと以外のすべてでした。FacebookやYouTube、GmailやeBayなどを見ている人たちばかりで、気がそらされている状態でした。
クラス・メトリックは講義から学生を遠ざけ、手助けにはなっていませんでした。ユーザーのためになっていない、何かが違うと理解した後、私たちは別の新しいことに挑戦することにしました。投資家たちにeメールし、今までのアイデアを破棄して、新しいことをすると告げました。
2011年11月に初期のアナリティカルプロダクトであるSegment V1へと移行しました。このとき私たちが理解しようとしていたのは、あるクラスのユーザーが、別のクラスでは(その行動様式は)どのように違うのかということです。
MITの学生がこのツールを使うときと、スタンフォード大やハーバード大の学生とどのように違うのか。生物学を学ぶクラスと人類学やコンピューター・サイエンスを学ぶクラスの違いはなにか。そこで私たちはユーザーをセグメント化し、多様なグループ化するアイデアを思いつきました。
こちらが2011年に打ち出した最初のプロトタイプです。
次の数ヵ月、このツールの構築を進め、個別のセグメントをカスタマイズしやすいようにしました。しかしどこからも引き合いを得られませんでした。誰もこのツールを欲しがってはいないようでした。
2012年5月ごろ、ユーザーがこれらのセグメントを作成できないことが問題だと考えられました。そこでそれを簡易化し、セグメントを自動生成させようと考え、それを実行しました。数回、ゼロ回、複数回というセグメントをつけてみましたが、やはり需要はないようでした。
4、5ヵ月が過ぎた2012年10月ごろ、人々がセグメント自体を必要としてないという結論になりました。ユーザーはもしかしたらバンドルが欲しいのかもしれない。もしくは、ユーザー(の意識が講義中に)どこへ向かっているのかを理解する方法が知りたいだけなのかもしれないと。
ここに来て初めて、私たちは理解しました。このツールはいままで大きなWebサイトを運営したことない4人の人間によって作られたという事実です。
私たちが構築していたのは、上辺の100人の人々のためのものでした。そして私たちは、そのようなツールで、何十億ドル(数千億円)もの資金が関わるWebサイトを運営しているマーケティング担当者たちにアピールしようとしていたのです。
2012年11月ごろには事態は悪くなっていきました。人々がこのフォロープロダクトをまったく欲していないこと、その代わりにインサイト(洞察)を必要としているということがわかりました。
彼ら(マーケティング担当者たち)は、ユーザーがどこからきているのか、プロのユーザーとそうでないユーザーの間の違いは何かを理解し、知りたがっていました。
その表面に出てきたもの(データ)を、彼ら(マーケティング担当者たち)が考え分析すること無しに、手に入ることを希望していました。
こうして多くの時間をコード化に費やし、誰かが欲しがるものを作るために、ユーザーと話す努力をしました。しかし使えそうなものはありませんでした。
2012年12月、愛称PGで知られる、ポール・グレアムに再び会いに行きました。彼はY Combinatorの設立者でゴッドファーザーです。彼は私たちに投資してくれた最初の投資家たちの一人で、私たちにチャンスをもたらしてくれた人でした。
ポールは何をすべきか正確に話す、率直なアドバイスをするスタイルの持ち主でした。私たちは彼に過去1年半の間に起こったことすべてを話しました。
彼はしばらく耳を傾けたのち、いまだに私の心に焼き付いていることを述べました。「すでに数千万円を費やしているのにもかかわらず、まだ出発点だというのはどういうことなのか?」
私たちは何も言えませんでした。「ああ、あなたの言うとおりだ」と返答しました。また彼は、「別の面からいえば、他のスタートアップが持ってない、今までにない長いランウェイ(助走期間)を君たちは持っているのだから、もう一度挑戦してみては?」と言いました。
自分がより知っていること、インターネットに詳しいアイデアを考えてみようとしました。自分たちの経験を振り返り、スタートアップとして離陸しようと長い間してきたこと、開発者としてしてきた取り組んできた問題などについてです。
選んだ課題は、アナリティクスの実施です。データをGoogle AnalyticsやMixed Panel、Kiss metrics、Customer IROに送るのです。これを何度も実施するのはとても手間のいることです。
最初のソースコードは、ラッパー・レイヤーのアイデアでした。2011年5月ごろのことでした。私たちはこれらを1つにまとめて、全ツールに送信できる抽象化レイヤーを追加しようとしました。データをすべてのツールに送信できる抽象化のレベルが必要でした。
これは良いアイデアのように見えました。この1年半の間アイデアを変更し、ターゲットする業界を変えて、カスタマーベースを変えて、2012年12月まで作業を続けました。
アナリティクスを送る抽象化レイヤーを導入することは、良いアイデアのようでした。そして2012年12月に、現在の様式を持つ最初のバージョンのSegmentができました。
これはアナリティクスイベントが必要なところへいつでも送ることができるサービスです。これは今まで私たちが携わったことのない分野で、完全なプロダクトとして出したことも、市場に売り出したこともなかったものでした。
驚いたことに、これはうまくいきました。私たちの誰もが予測しなかったほどうまくいきました。たった10行のループのJavaスクリプトが各プロバイターのもとを通り、違うデータを送るものです。
ここから事業は拡張し、2013年1月にはサーバーサイドにデータを送るようになり、2013年6月にはモバイルサイドに送るようになりました。
顧客が依頼するものを追い求め、機能を加えました。
この成功によって、底から這いあがることができるようになりました。Minimum Viable Productから、より大きなパッケージプロダクトになっていきました。
私たちが学んだレッスンで伝えたいこと。それは、新しいビジネスを始めるには、まず自分たちの問題の解決から始める、もしくは、自分が深く知っている分野や課題に取り組む、ということです。
自分自身の課題であれば、その問題の解決のために没頭できるのです。
私たちのケースでは、まず学生の問題から始めました。しかし学生の問題を解決しようとはせず、自分たちが一度もなったことがない教授の問題を解決しようとしました。
なにか問題解決を始めるには、知らない産業の問題を追わず、自分自身の問題を解くべきです。その時点で、あなた自身が最初のカスタマーです。そして、まだ誰も手を付けていない分野で、どの方向へ行けばいいかが自分でわかるのです。
ここまでがプロダクト・マーケット・フィットの話です。ここからはSegmentは拡大期に入ります。
より規模の大きいカスタマーを得られるようになり、何百ものスタートアップ企業がSegmentを使うようになり、私たちは次の段階について模索していました。
ここで、今パネルに写っているジョンを紹介します。
彼はSegmentに早い時期から期待をかけてくれたカスタマーであり、NY証券取引所に上場している、XO Group (米国で最大の、結婚式引き出物、贈り物サイトの運営企業)で働いていました。XO Groupは、私たちにとって最初の現実的な取引先企業でした。
最初の問題をジョンのために解決したとき、私たちは彼のデータチームの根本原因の解決を手助けすることができました。その後、どのようなその他の機能を追加すべきか、どのようイベントを追加すべきかなど、彼はさまざまなアイデアを送ってくるようになりました。
さらにはモバイルメモリーをどのようにアップグレードするか、どのデータディスティネーションをSegmentがサポートすべきかなどを正確に伝えるために電話でも話してくるようになりました。それが金曜の午後6時だろうが、水曜日の朝2時だろうが。
ジョンはいつも私たちの新しいプロダクトの方向性を助けてくれました。わたしたちは次に何をすべきか考える必要はもはやなくなりました。ただ、彼に訊けばよかったからです。
この経験で学んだことは、「もし誰か1人の課題を上手に解決できたら、次の10人から課題が与えられるだろう」ということです。
最初の時点でお互いの信頼を構築し、問題を解決しなくてはりません。そこから、彼らカスタマーは次に何を私たちがすべきかを教えてくれます。
ここからはSegmentのパッケージを見ていきましょう。たった10行のJava スクリプトのループから始まりました。サーバーやグローバルなアプリケーション、Webサイト上にあるコードが走っているところからデータを収集するところから始めました。
次にRawデータへ拡大しました。さらにRedshift、Big Queryなどを使ってデータウェアハウスへ。次にクラウドデータソースからデータを引き出すようになりました。
この小さな箱からスタートしたことが、大きく拡大するにつれ、カスタマーに提供する価値が高まり、大きな会社に成長し、事業内容も拡大していくのです。
最初はおもちゃのようなものから始まりました。それは誰でも週末に作れるようなものです。それを本格的なビジネスになるようにし、市場範囲が広がることでビジネスも拡大します。
カスタマーの必要性を追うことで、小さなプロダクトから完全品としてマーケットに占める割合が増えました。
ここに2つ目のレッスンがあります。もし、今の市場のどこにくさびを打つべきかがわかれば、もっと大きな市場で勝負して、そこから市場を拡大できるということです。
事業を始めた1日目からGoogle、Facebook、Microsoftのようにあろうとする必要はありません。その代わりに、顧客が求めるできるだけ小さな分野に集中するべきです。そこから拡大が始まるのです。何かを始めるには、何もないより、何か元からあったものから始めたほうがいいでしょう。
次に「現在のSegmentでは、どのように問題に取り組むのか」についてお話ししたいと思います。これは5人、50人、500人といったすべての規模の会社に当てはまることです。
それは私がフィードバックループと呼ぶもので、これは新しいアイデアではありません。電気工学を学んだ人なら、またソケット図を見たことがある人なら、フィードバックループとはどういうものかよくご存知かと思います。
基本的にあるインプットがあって、あるソケットを通り、その他の側にたどり着く。この時、アウトプットとして出てきたものの一部が、インプットに戻ることがあります。それがインプットに影響を与えることがあります。似たようなことがスタートアップでも起こります。
ここでのループは少し違います。インプット側でまず試行から始め、結果を見ます。そこから学んで最終的に経験を形成します。
スタートアップでフィードバックサイクルが大切な理由は、システマチックにリスクを排除するということです。ビジネス上の最大のリスクを取り除くのです。
それは、インフラストラクチャの新しい一部をプロダクションに付け加えることであったり、新しいプロダクトをリリースすることや、新しい使用法を見つけることかもしれません。1つのメトリックを選び、最大のリスクが判明したらそれを排除しなくてはなりません。
会社として成長していくなかで、このフィードバックループが物事を成し遂げるのに最も大切で強力なツールであることを学びました。
例としてシェアしたいのが、何百、何千ものe ship request を送るシステムの巨大なインフラストラクチャについてです。
QAテストを行い、負荷テストをかけて、すべてが適切に確実に動くようにしてからプロダクション過程を終了し、プロダクトをリリースするようにします。
なぜなら、プロダクションで大きなリスクが発生すると知っているからです。何かがおかしくなり、システムの失敗が起こるのがプロダクションの過程です。ある小さなインフラの部分が、予定していたことと違う動きをするのです。
この状況を把握するために、このようなダッシュボードを使います。一番注意を払うのが、左上の数字です。これが新しいシステムに入ってくるトラフィックのパーセンテージです。
私たちはこの数字がゼロから始めます。次第に上げて100パーセントのトラフィックになるようにしていきます。すべての新しいシステムでこの経過をダッシュボード上で毎日チェックします。
そして毎週、この数字をどのように上げていくかを話し合います。これが最大の関心事です。
この(写真の)時点で10パーセントのトラフィックで始まり、時間を経て、1か月後くらいにだいたい50パーセントくらいになります。
チーム全員で取り組み、毎日ダッシュボードをチェックすることで、この数字にたどり着きます。すべてのエンジニアリングチーム、ここに映っているトムもインフラストラクチャのリライトはメトリックを通してやり遂げました。
そして私たちはこのプロダクトを完成させました。100パーセントに到達しました。すべて状態は良いように見えます。
そして次の課題へと移ります。ここではとても高いスコアを見ることができます。リスクを完全になくすために、この数字をどんどん高くしていきます。
もちろん、インフラストラクチャのリライトだけではありません。これは新しい開発ツールです。何か新しいものを作るたびに反復を行い、カスタマーとすぐにテストを行います。
カスタマーには常に新しいバージョンのプロダクトを届けたいと考えています。そしてそのプロダクトに対してどれだけ気をかけているかという反応を見たいのです。新しいツールをカスタマーから取り上げたら、彼らは気を悪くしますか? そしてあなたにそれを返してくれるよう話してきますか?
Segmentからわかったことは、(プロダクトやサービスに)気をかけてくれる人々は、あなたが予期していた人々ではないかもしれません。
ただやみくもにしていただけでは、Segmentはジョブ・ホプキンズ大からの仕事を得られなかったでしょう。すでにプロダクトが世に出ていたからこそ、彼が私たちと連絡をとれたのです。こうしたことは、すべてのインフラプロジェクトや新しいプロダクト、あなたが働いているどのプロジェクトにも当てはまります。
まず最初に挙げたいのは、カギとなるメトリクスを探し出すこと。それらメトリクス(群)をダッシュボードに載せ、会社の皆が見て考えられるように可視化し、それらのメトリクスに集中してこだわり、これらの数字にどのように効果的に働きかけるか考えます。
そして3つめのレッスンは、過去数年から学び得て、今後5年にSegmentが活かしていこうとするものです。フィードバックループが何よりも重要です。もし何かしらビジネスの結果を得たいなら、みなさんが使うことができる第一のツールです。
私たちが学んできたことをまとめます。
まずは自分の身近な、とくに得意な分野の問題に、自分自身が唯一のカスタマーとして集中すること。そしてそれを解決します。その他の人々、その他のユーザーは必要ではありません。あなた自身の経験とアイデアだけが必要なのです。
2つ目は、くさびを打ち込む場所を見極めること。FacebookやGoogleを見てはいけません。ユーザーが獲得できる、成長しやすい、小さいところから始めめてください。そしてユーザーを動かして、何を次にすべきが彼らに言わせてください。
そして最後にフィードバックサイクルにこだわってください。夜もそのことについて考えさせられるもの、それに集中できるもの、より安全で危なくなく、信頼できるものを見つけ出してください。
そしてあきらめないでください。カスタマーが何かしら使えるものを作るのに、私たちは2年を費やしました。とても大変でした。何も(私たちを引き上げてくれる)けん引力はなく、お金はまったく稼げませんでした。
支出ばかりで、(スタートアップとして離陸するための)助走路は短くなっていきました。しかし私たちは生き延び続け、獲得した投資資金を有効に使い、わずかな予算で生活しました。私たちは生き残ることができ、今日の形へ会社を変えることができました。ありがとうございました。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗