貸付契約の経緯

和田政宗氏(以下、和田):あとみなさまにお見せしたいのは、いろいろ文書の書き換えというようなことで言われますが、実はこれ3年前に、決裁文書が消されてるんですが、これはもう森友学園の問題の報道が出る2年前でありまして、これは財務省がまさに決裁文書の中から一枚抜いちゃってるんですね。

いわゆるこういうことを日常茶飯事でやってたかもしれないので、これは予算委員会の方でしっかり聞きたいというふうに思っています。時系列に言った方がいいかな。ちょっとこのあとあれですが。

特例的な内容というのは、まさに貸付のところで行われたわけですが、これはその小学校用地としての公共性であるとか、森友学園が提示した値段が国の予定価格を上回るものであったというようなことでありますけれども。

まず経緯を見てみますと、平成25年8月に籠池氏が貸付後の購入希望を国に伝えまして、25年9月に森友学園が取得等要望書を提出したわけですね。この間、ずっと国と森友学園で手続きのやり取りがあるわけですが。近畿財務局が記した調書には、昭恵夫人からこういうふうに言われた、みたいなこと書かれているんですが、これは事実ではない。

ここで昭恵さんというのはひとつ出てくるわけでありますが、これは事実ではないということと、別にこれで何か作用を及ぼしたということはない、というようなことですね。

それで、この平成25年9月に10年貸付の後に購入する契約というのをここでもう締結しちゃってます。もうここまでで貸付契約というのは完了なんですね。

それで今、野党側とかマスコミが、昭恵夫人付きの職員がなんかいろいろその森友学園のために動いてあげて、それで売買に安くなったんじゃないかみたいなこと言ってるんですが。

これ、「10年貸付を50年貸付に延長できないか、みたいなことがわかればなあ」という問い合わせがありまして。それで、昭恵夫人付き職員からは、もう籠池さん側にFAXで「そんな希望には沿えません」ということで、ゼロ回答をやってるわけですね。

ですので、もう基本的にはこの状況に作用をし得ない。ゼロ回答ですね、はい。はい。ということで、基本的にはもう作用を及ぼしていないわけですよ。それでこのあと売却になるわけですが。

借り受けた土地から新たなゴミが出てきた

これはもう、この下の部分は書き換え前の調書とかをもとに書いてますが、これは昭恵夫人の文言なんて一言も出てこないですね。それで、森友学園から近畿財務局に新たなゴミが見つかった。

ゴミの処分費用が8億1,900万円と見積もられた。不動産鑑定士が土地の評価は9億5,600万円、それでまあここ(土地の評価額)からこっち(ゴミの処分費用の見積額)を引いてですね。それで、若干事務手続きとか微調整をして森友学園に価格1億3,400万円を提示して。

それで、売買契約(※パネルの売買家役は誤字)を締結されたというようなかたちですね。こういう流れでありますので、別にこの値引きに昭恵夫人の影ですとか昭恵夫人付き職員の影というのはもうまったくない、というようなところで。

この貸付と売却を混同しているところがあるわけですね。このあたりをちょっとしっかりとですね、みなさまも整理をしていただければと思うんですが、まあだってこうやって説明しないとやっぱわかんないですよね。

もう野党がぐちゃぐちゃで質問しちゃってますんで。いわゆるそのこっちの値引きの方に「昭恵夫人が関与したんじゃないか」みたいな感じに言われるわけですが、当然そんなことはありません。

貸付のところで財務省の文書には文言は出てくるんですが、事実でないことが書かれているというかたちでありまして。貸付に当たっても、近畿財務局は法令に則ってやっておりますので、なんら問題はないというようなかたちです。それで、なぜ8億円値引きをしたのか、というところですが。これをちょっと整理したいと思います。

まず、森友学園が借り受けた土地から新たなゴミが出たというところですね。これ「なんだ新たなゴミ出てきて」というようなことで、森友側が国にこう強く言いまして「即時撤去しろ」ということでですね。

これ、ただゴミを撤去するのに予算とか取らないといけないので、国とかは、もうそういうことやってると開校予定日に間に合わないというところがあったんですね。

そこで、国の方でゴミの量を見積もって、そして新たなゴミが出てきても国が賠償責任を負わないとの特約で売却をしたかたちなんですね。ちなみに、近くにある豊中市の給食センターの用地は元国有地なわけですが、これは14億円のゴミ撤去費用というものがかかっておりまして。

森友の場合は約8億円で見積もったわけですが、掘ってみたらもしかしたら15億円くらいかかっていたかもしれないというのもありますし、このあと説明しますが、工事業者は深いところのゴミを撤去しなくても9億6,000万くらいかかっているという話ですね。

ゴミの撤去費問題

ちなみに、森友学園が買った土地は、例えばGoogleマップとかGoogle Earthで遡ってもらえればわかるんですが、以前は湿地とか沼地とか田んぼでした。周りの方々の話では、生活ゴミの不法投棄が相当やられていたところで。

生活ゴミというものは、やはり深いところに埋まっている可能性が極めて高い土地でありましたので、国としては売る時に新たなゴミが出てきても賠償責任は負わないというような特約も含めてやったというかたちですね。さらに整理をしていきますと、これは決裁文書の記述を基に書いていきますと。

まず、森友学園の弁護士から小学校建設の工期が遅れないよう国に即座にゴミ撤去を要請したというところがあります。それで、近畿財務局は困ったなあと思うわけですよね。即座にゴミ撤去するんだったら、予算を取らないといけないということがあって、でも予算を取ってたら小学校建設の工期に間に合わないなあということで。

そうしたところ、学園の弁護士が、現実的な解決策としてゴミの撤去費を考慮した売却価格を国が示し、金額に納得できれば損害賠償を行わないと提案をしているわけですね。

ここで近畿財務局が何を考えたかというふうに、これは決裁文書に学園の提案に応じなかった場合、損害賠償に発展するんじゃないかというような文言、また建設中止等の文言がありますが、学園の提案に応じなかった場合には、損害賠償に発展して建設中止になった「お前らのせいで建設中止になった」って騒がれる可能性があるというようなことで。

これは一部録音で、メディアも公開してますが、籠池氏とか森友学園側の口調ってものすごいですよね。もういわゆる恫喝に近いようなことで交渉していて、明らかに受けての近畿財務局側がびびってるというのが、録音からもわかるというようなかたちでありまして。

8億1900万円をゴミ撤去費として値引き

すなわちどういうことかといいますと、新たなゴミによって学園から損害賠償をたてに強い要求を受けて、屈したというか応じざるを得なかったというのが明白なわけですよね。ちなみに決裁文書には、売買契約については、これ以外の理由や、新たなゴミが出てきた以外の理由や政治家の名前は一切出てません。

売却の決裁文書には一切書かれていないというところでありまして、貸付の時もそうですが、売却の時も籠池氏側にまあ極めてこう強く出てこられ、恫喝に近いようなことをされましたが、法令の枠内でできることを最大限やったというようなことになるわけですよね。

ですので、損害賠償をちらつかせられて、近畿財務局というのは本当に大変な思いをしたんだというふうに思いますが。法令に違反しないかたちで、弁護士が示した現実的な解決策としてゴミの撤去費用を考慮した売買価格を国が示して、金額に納得ができればというところで。1億3,400万円ですか? という価格で売ったというようなかたちですよね。

これもう最後の結論に近くなるんですが、8億円の値引きの理由はどういったことが言えるかと言いますと、これはまったく政治家らへの忖度や関与というものがあったんではなくて、新たなゴミが主たる理由というところですね。

8億1,900万円をゴミ撤去費として値引きしているわけですが、施工業者は記者会見で「実際は9億6,000万円かかる」というようなことを言ってるわけですね。ですので、国が8億1,900万円をゴミ撤去費として値引きしたことについても、今いろいろなことを言われておりまして。こちらももしかしたら、さらに解明をしなくてはならないかもしれないですが。

これはあくまで積算値ですので、実際は掘ってみたら9億超えて10憶、15億になるかもしれないが、国は一切賠償責任を負いませんよというようなことでありますので。今一部野党ですとかメディアが蒸し返してきていますが、それはそういったことはないというようなことを明確に述べておきたいと思います。

徹底的な究明・解明・調査をすべき

改めて途中から見た方にも申し述べますと、今回の書き換えに当たっては、もう財務省が「確たる証拠は見つかりません」ということでずーっと隠そうとしたところを、党と官邸が「徹底調査をしろ」と。

「いろいろ書き換えているんじゃないかというような断片的な情報もある」と。そういうことを投げかけてもまだ「確たる証拠は見つからない」みたいな感じで「ヒアリングしたんだが、書き換えた人はいません」というような嘘をつかれてですね。

官邸の方からも法務省に「もう資料出しましょう」と。「出してください」と。いうことで「出す」というような話になったので、財務省の方から、9日夜になって取りに行ったというようなかたちでございまして。政治の力で官僚の隠ぺいを防いだというようなかたちです。

このあたりちょっと駆け足で整理をしてきましたが、間もなく30分になりますので、まさにこういうようなところ、整理をしていただいた上で、また月曜以降の国会審議見ていただければというふうに思ってます。

もう財務省は解体的出直しをしなくては、させなくてはならないというふうに思っています。私もそういう考えですが、場合によっては歳入と歳出を分けると。

財務省に歳入庁を入れると、財務省のいわゆる歳入庁と財務省を切り離すというようなことであるとか、このあとはそういったことが非常に重要になってくるんだと思いますが、まずは前の段階で徹底的な究明、解明、調査をするというところです。

もう見てわかったと思うんですが、一部野党は「昭恵さんを喚問しろ」とか言ってるわけですが、関与の蓋然性がありませんので。いわゆる整理がつかないままぐちゃぐちゃにして「呼ぶべきだ」とか言って、まあこれはどうなのかなあというふうに思っております。

ここまで駆け足で整理をして参りましたが、これでわかる財務省文書書き換え問題、カフェスタ30分生放送、終わります。お聞き苦しいところありましたら申し訳ございませんでした。どうぞみなさまのご支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。